オーストリア・チロル州で働く。ゼロからパティシエになった経験談

オーストリア・チロル州でパティシエとして働く

音楽の街・ウィーンを首都に置くオーストリアは、ザッハトルテなど伝統的なケーキが有名な国。

お昼ご飯がスイーツのみのご家庭もあるほど、ケーキが大好きな国民。

そんな場所で日本人がパティシエになるなんて、ハードルが高いと感じられていませんか?

ここでは在住して12年目になる筆者が、資格も何もない日本人でも、ゼロからパティシエになった経緯を紹介します。

具体的なステップや、仕事の探し方をお伝えしていくので、海外で働くイメージがより鮮明になるでしょう。

必ず道は自分で開けます。

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東京港区から人口6,000人の村へ

元夫がオーストリア人で、子供が生まれたタイミングで彼の故郷に移住することにしました。

移住のきっかけは2011年の震災だったのですが、急遽決まったことだったので、心の準備も語学の準備も、何もありませんでした。

ドイツ語ゼロでの移住です。

それから数年は子育てに専念していましたし、働くことは頭にありませんでした。

離婚を機に、それまで何も出来ない外国人を装っていたことを反省し、自分で何かしていこうと決意しました。

いざ仕事を探してみると、自分の出来そうな分野はホテルなどのサービス業。

しかしその中で、自分が趣味としてずっと続けているお菓子作りが活かせそうな、「パティシエ」が目に飛び込んできました。

応募条件は、フルタイム、及び2年以上のパティシエとしての経験。

どちらもありませんでした。

しかし、やってみたい!という気持ちに正直に、応募だけでもしてみようと思い、オンラインでエントリーしました。

社長との面接では、自宅で作ったラズベリーのティラミスを持参しました。

また、Youtubeのチャンネルでお菓子作りを発信していることもあって、チャンネルも紹介しました。

因みに、預ける所がなかったので、小学生の2人の子供も面接に連れて行きました。

経験がないことや、子供がいるので午前中のみの就労など、正直にさらけ出しましたが、熱意が伝わったのか、採用して頂けました。

働いているホテル カイザーホーフ【Kaiserhof】

所持しているビザは家族ビザですが、就労も可能で、平日は子供が学校に行っている午前中4時間働きます。

※オーストリアの小学校・中学校は、毎日午前中授業です。

ビザの更新は3年毎ですが、ある一定のドイツ語の試験に合格すると、5年間のビザが受給されます。

1回のビザ更新には、約23,000円かかります。

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職種 : パティシエとしての日本人の需要

日本には、本当に美しく芸術作品のようなケーキが沢山あります。

素材にも見た目にもこだわったスイーツは、欧州にも全く劣らないでしょう。

日本人の繊細さや感受性など、欧州人にないものもあると思います。

勿論こちらにも美味しそうなケーキは沢山あるのですが、日本で見た様な、芸術作品ともとれるケーキは、日本人のセンスや繊細な感覚がなせる技だと思います。

これからもっと、日本人の作り出せる味、センス、美しさなどが注目されることでしょう。

抹茶のオペラケーキ

また近年、世界ではヘルシーな日本食が注目されています。

ここ10年ほどで、抹茶や豆腐など、スーパーでも売られるようになり、日本食材は一般的な家庭にも普及しています。

そんなヘルシーな日本食材を使ったスイーツは、今後益々広まっていくと思われますので、食材を熟知している日本人の需要も高まるでしょう。

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メリットやりがい

先述しました抹茶は、今や世界に出回っており、こちらのスーパーでも、抹茶の粉や、抹茶ラテなどを見かけます。

自分の考案した抹茶スイーツが、こちらのお客様に手に取ってもらえたり、美味しかったなどの嬉しい一言を同僚にもお客様にも仰って頂けたりすると、もっと日本の味を紹介したくなります。

また異国文化あふれる職場で、ひとつのチームとなって作品を完成させることにもやりがいを感じずにはいられません。

さらに、日本・海外問わず、働くママにとっては、子育てと仕事を両立していくことは、大変なこともあります。

私が働いているホテルは、ファミリー向けのホテルで、お客様の子供を預かる場所がありますが、そこでは従業員の子供も預けることができます。

ゲストは、親がスキーや山登りに行っている間に子供を預けることができ、6-7人のスタッフが交代で朝9時から夜9時まで、子供たちと一緒に絵を書いたり、工作したり、森で散歩したり、館内のプールに連れて行ったりして、子供を見てくれます。

ホテルでは、ハロウィーンやクリスマス、イースターには特別なイベントもありますし、夏休みは毎週コンサートも開かれます。

預けた子供たちの食事は、お客様の利用されるビュッフェで、焼き立てのピザや、毎日異なる豊富なメニューから好きなだけ食べることができます。

屋内にはボールプール、屋外にはトランポリン、ゴーカートや実際に乗って操作できるおもちゃのクレーン車まであります。

これだけの充実度でも、従業員は無料で自分の子供を預けさせてもらえます。

ホテル内の充実した遊び場。子供を預けて安心して働けます。

オーストリアでは、夏休みは9週間もありますし、日本には無い秋休みや、土日に仕事がある場合に、必ず連れて行って子供たちを気兼ねなく遊ばせておけます。

同じ建物の中にいるので、こちらは安心して仕事をし、子供たちはホテルでの時間を満喫しています。

もしこれが無かったら、託児所を探すことや、送り迎え、それにかかる費用など、負荷がかかりますが、私はこの点を非常に有難く思い、このホテルに決めさせて頂きました。

また、自分の場合は、子供がいるので学校の近くに家を借りていますが、ホテルの従業員は、ホテルが所有する宿泊施設を利用することができたり、食事もホテル内で支給されるので、実質生活費が殆どかかりません。

更に、給料も決して安いわけではありません。

週30時間働いて、月の手取りが1300ユーロです。(2023年5月現在、日本円で約195,000円)有給もボーナスもあります。

大変なこと

オーストリアは8つの国に囲まれており、日本人が日本で県をまたぐ感覚で、オーストリアにも沢山の隣国の方が働きにきています。

彼らの全てがドイツ語ができる訳ではないので、職場に英語は必須です。自分の第二言語である英語と、こちらで習得したドイツ語を使い分け、人に合わせて頭のスイッチを瞬時に切り替えることが必要となります。

因みに、自分の子供たちには日本語を練習させたいので、家に帰ると日本語に切り替えます。

また、平均的に日本人は欧州人と比較して小さいので、作業台が高く感じたり、物が置いてある棚が高かったりします。

若く見られたり、小さいので可愛がられる要素でもあるのですが・・・

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パティシエとして移住は可能か

パティシエとして移住することは可能です。

ただ、ビザを取得するには高いレベルの製菓スキルが求められるでしょう。

自身の場合は、先に家族ビザを持っており、そのビザで就労が可能でした。

しかし製菓については独学でしか学んだことがなく、ホテルで経験を積んで学ばせてもらっている現状ですので、日本でもっと色んなことを学んでおけばよかったなとは思います。

しかし、いつからでも遅くないので、仕事の傍ら、この秋から製菓コースに通う予定です。

日本で製菓の学校に通っていたり、すでにパティシエとしての経歴があるのであれば、間違いなく有利です。

また、仕事探しは日本と同じ様に、ネットで検索できます。

私が実際に使ったサイトは、indeed.at です。(atはオーストリアです。)

伝統的なオーストリアのケーキ【ザッハトルテ】

海外でパティシエになるのには、どんなステップがあるのか

日本ですでにパティシエとして経験があるのであれば、ネットで直接、求人をしているKonditorei(ケーキ屋)や、ホテルを検索するのがよいでしょう。

交渉する際には、ビザサポートを行ってくれるかどうかを聞くのを忘れないで下さい。

まったく経験がなくて、これから始めたい場合、まず、日本でお菓子のスクールに行ったり、独学でも勉強や経験を積むことが大事なステップです。

オーストリアで一般的なビザを取得するには、様々な審査が必要となります。

下記に挙げる書類を、電話やメールで問い合わせて自分で集めます。

  • 仕事先からの就業証明書
  • 賃貸証明書
  • 住民票
  • ドイツ語の試験合格証
  • 健康保険組合からの加入証明書

ドイツ語留学でこちらに来る場合は、学生ビザが降りるので、ドイツ語学校に通いながら企業を探すことも可能です。

観光ビザでくる場合、一度、製菓の1週間研修や観光ビザが許す期間内の製菓コースに参加するのもお勧めです。

現地の言葉で、現地で使われている材料で、ヨーロッパの伝統的なお菓子作りを勉強できるチャンスです。

春のリースタルト

これから海外で働きたい方へ

まずは、やってみようというポジティブな考えが大切。

誰でも新しいことをする時には、不安はつきものですが、その不安を感じながらでもいいので、飛び込んでみて下さい。

一生懸命な熱意は必ず伝わるし、あなたが持っている素晴らしいものを生かせる場所がきっとあるはずです。

また、今いる場所でできる語学学習や情報収集、スキルアップの為の勉強も大切ですね。

ひと昔と違って、今はオンラインで語学学習もできます。

Youtubeでも、製菓のオンラインレッスンを募集している方もいます。

人生は一度しかありません。

海外で働こうと思えるということは、健康な体や意思があってのことです。

ご自身の恵まれた環境に感謝されて、一歩一歩着実にステップを踏んで、夢を叶えられることを願っています。

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