オーストリアの生活と仕事に関わる9種類の税金と社会的保障

オーストリアの税金・9種類

ヨーロッパは税金が高いというのは聞いたことがあるのではないでしょうか。

オーストリアも例外ではなく日本と比べるとその税率は高く感じますが、その分確かに社会的保障に反映されています。

ここでは13年オーストリアで暮らす筆者がよく耳にする9種類の税金をご紹介します。

さらにこれからオーストリアで生活する上で知っておくべき、もしくは気になるであろう社会的保障の概要もお伝えします。

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オーストリアにある9種類の税金

税金には色々な種類があり、日本人で日本で暮らしていてもその全てを把握している方は多くはないでしょう。

オーストリアでもそれは同様で税金の全種類を熟知している人は稀です。

その中で重要又はよく耳にする9種類の税金をドイツ語とともにご紹介します。

税金はドイツ語でSteuer(シュトイアー)または時折Abgaben(アップガーベン)と言います。

〇〇steuer と書いてあれば分かりやすいですが、とにかくドイツ語の単語は長いため省略して表記されていることが多いので覚えておくと便利です。

  1. 付加価値税/消費税 Mehrwertsteuer(MwSt) / VAT( value added Tax)
  2. 所得税 Einkommensteuer(Est) / Lohnsteuer(Lst)
  3. 売上税 Umsatzsteuer
  4. 法人税 Körperschaftssteuer(Köst)
  5. 不動産所得税 Immobilienertragsteuer(ImmoEst)
  6. 自動車税 Kraftfahrzeugsteuer(Kfz-Steuer)=Motorbezogen versicherungs-steuer
  7. 投資収益税 Kapitalertragsteuer(KEst)
  8. 輸入関税/輸入消費税 Importzoll
  9. 犬税 Hundesteuer
    ※ ( )内が省略表示になります
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オーストリアでは納税の際にSteuerIDが税務署から割り当てられる

納税者となるのに伴い、SteuerIDが税務署から割り当てられ、このID番号(9桁)で個々を識別しその管理がしやすくなり、オンラインで自分の納税状況を確認したり各手続き申請に用います。

※ SteuerIDは個人だけでなく法人、協会でも割り当てが可能です。

個人事業主は売上税番号(ATU Nummer)が必要で、税務署で申請します。

また注意点として税金の支払いは期限日を過ぎて遅延支払いの追加料金が課せられる場合があります。

税金についての詳細はFinanz.atで確認できます。

URL:https://www.finanz.at/

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生活に関わる税金・4つ

付加価値税/消費税 Mehrwertsteuer(MwSt) / VAT( value added Tax)

付加価値税とは居住者や長期滞在者に限らず、オーストリアで製品やサービスの購入に対して支払う税金になります。

つまりオーストリアで老若男女、国籍問わず誰もが支払う税金。

日本でいう消費税にあたります。

旅行者/非居住者に限っては免税手続き(条件は1回の買い物=レシートで75ユーロ以上でオーストリア内で未使用)を行えば返金されます。

要するに旅行者であっても街中でちょっとした買い物や観光で支払う入場料、交通費は基本的に免税になりません。

食品も食べてしまえば当然免税になりません。

ちなみにレストランで食事をする際のサービス料というのは税金とは異なり、お店によって会計時自動的にサービス料金込みの金額が出される場合と、こちら側からチップとして渡す場合とがありますので確認された方が良いでしょう。

店頭価格の表示は税込みの金額になりますので、お会計をする際に税金分が上乗せされて驚くことはないのでその点は安心してください。

・標準税率と軽減税率は生活必需品=10%文化的な施設や対象物=13%

では気になる付加価値税の標準税率ですが、日本の消費税の2倍で20%になります。

この税率がオーストリア税金が高い!というイメージそのものです。

(新型コロナの影響で今後22〜23%になるという噂も)

ですが軽減税率というのが存在し、10%枠と13%枠があります。

この枠の大まかな分け方は生活必需品=10%、文化的な施設や対象物=13%、と覚えると把握しやすいかもしれません。

下記に軽減税率の対象となる目安をあげますのでお買い物の際はチェックしてみてください。

  • 10%枠:食品、書籍、新聞、下水/ゴミ処理、公共交通機関、不動産賃貸料、宿泊施設、医薬品 などの生活必需品
  • 13%枠:動植物、美術品、チケット(美術館、コンサート、劇場、映画館など)、航空券など
オーストリアの標準税率

※同じ食品の括りでも、牛乳は軽減税率10%に対してカフェオレなどは標準税率20%になります。

大まかに軽減税率対象の目安をあげましたが、実際とても細かく取り決められており、また年毎に多少改定もされますので、正直に申しますと、神経質に気にすると大変です。

自動車税 Kraftfahrzeugsteuer(Kfz-Steuer)=Motorbezogen versicherungs-steuer

自動車、バイクを所有する場合、車両税と保険税(自動車賠償責任保険)共に支払わなければいけません。

その金額は隣国ドイツと比べると2倍前後するとも言われていますが、ガソリン代はオーストリアの方が常に7〜8割低額です。

高速道路はオーストリアは通行証明(ステッカーとデジタルつまりナンバープレートで登録)を買わなければいけませんがドイツは無料です。

ナンバープレートは所持している車両間で共有することができますが、その際は一番大きい排気量ランクで登録し、そのランクの税金も支払わなければいけません。

例えば普通乗用車とキャンピングカーを所持していたとします。

キャンピングカーを利用するのは休暇中のみなので、普段は普通乗用車にナンバープレートを付けて乗車していますが、そのナンバープレートを休暇中はキャンピングカーに自分で付け替えて旅行に行く、ということができます。

そのナンバープレートの登録と税金支払いはキャンピングカーでしなければいけませんし、当然同時に2台で出かけることは1台がプレートなしになるのでできません。

先に書き記した、高速道の通行証明はスッテカーにすると車一台につき一枚貼ることになり二枚必要になってしまうので、デジタル登録を選んだ方が節約できます。

ちなみに電動自動車は現時点(2020年5月)では免税となっていますが、電気ハイブリット車は免除されません。

輸入関税/輸入消費税 Importzoll

近年インターネットの普及により気軽に国をまたいでの買い物がしやすくなり、輸入関税と輸入消費税も多くの人が支払う税金となってきています。

輸入消費税は、22ユーロを超える買い物をした際に支払いが生じ、オーストリア国内の付加価値税と同じ括りです。

輸入関税は商品が150ユーロ以上からかかる税金で、その税率は商品の値、原産国によって異なります。

関税徴収は郵便配達時に配達人に直接支払うことになります。

また日本から荷物を送ってもらう際も、中身によっては関税対象となり得ます。

さらに郵送物の内容表記と実際の物が異なるとトラブルの元になりますので正しく表記しましょう。

犬税 Hundesteuer

筆者の主観で日本にもあれば良いと思っている税金に犬税Hundesteuerといのがあります。

自治体で多少規約が違いますが、生後3ヶ月以上の犬を飼う場合、犬1匹につき自治体役所で登録し、税金を毎年払う義務があります。

金額も自治体で違いますが、頭数で金額が定まっていて犬のサイズ犬種は問いません。金額は1匹につき年間で45〜80ユーロくらいです。

例:ウィーンでは1匹目の犬72ユーロ、2匹目の犬は105ユーロ

犬は飼い主の居住地自治体で登録が必須で登録後鑑識タグを付けます。自治体によっては飼い主が講習を受講しなければいけません。

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オーストリアでの仕事に関わる税金・5つ

所得税 Einkommensteuer(Est) / Lohnsteuer(Lst)

オーストリアの所得税は額面別で0〜55%の段階的に税率が決まっています。

現在(2020年5月)の所得税率の規定は以下の通りです。

年収月収(限度税)税率
11,000ユーロ<1,066ユーロ<0%
11,000〜18,000ユーロ1,066〜1,516.00ユーロ25%
18,000〜31,000ユーロ1,516.00〜2,599.33ユーロ35%
31,000〜60,000ユーロ2,599.33〜5,016.00ユーロ42%
60,000〜90,000ユーロ5,016.00〜7,516.00ユーロ48%
1,000,000ユーロ<7,516.00〜83,349.33ユーロ50%
1,000,000ユーロ>83,349.33ユーロ>55%

 

この税率は実際の手取り金額に対してかかる税金なので経費や保険料などは差し引きます。

所得税控除/児童控除Kinderabsetzbetrag

所得税控除/児童控除Kinderabsetzbetragが適用される条件は片親で子供を育てている場合、もしくは片親のみ就労(もしくは2人のうち1人の年収が6000ユーロ以下)扶養子供がいる場合は、子供一人につき控除額が決まっています。

  • 子供1人:494.00ユーロ
  • 子供2人:669.00ユーロ
  • 子供3人:889.00ユーロ
    子供が増えるごとに:220.00ユーロずつプラス

他条件として婚姻、パートナー登録(婚姻届を出さずに子供を持つカップルは沢山います)、同棲期間は6ヶ月以上が必要です。

また子供の年齢は17歳未満か、20歳未満(最長24歳)でフルタイムで就学している場合と、また年齢に関係なく障害がある場合です。

控除手続きは所得税申告をおこないそれから請求します。

就労先で手続きはしてくれませんので自身で請求手続きをする必要があります。(オンライン可)

請求申請フォームリンク

家族のための控除と手当てについて

Österreich.gv.at 

売上げ税 Umsatzsteuer

個人事業者対象の税金。税率は20%固定で所得税と別で支払う義務があります。

法人税 Körperschaftsteuer (Köst)

会社や協会が対象となる税金。税率は27,5%と固定(一部25%)されいます。

今後この税率を21〜19%に下げるプランがあるそうです。

不動産所得税 Immobilienertragsteuer(ImmoEst)

土地や建物の売買対象の税金。譲渡や相続では不動産所得税はかかりません。

不動産に関わる税金は他にもあり、固定資産税なども入れるとかなり複雑になりますが、実際に不動産を何かしら所有するまでは関係のない税金です。

投資収益税 Kapitalertragsteuer(KEst)

株や投資で出た収益に対する税金。

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オーストリアでもある確定申告/所得税申告

オーストリアでの確定申告は一体どの様な人がしなければいけないのでしょうか。その規定は以下の通りです。

  • 自営業で年収が11000ユーロ以上の場合
  • 自営業の収入が730ユーロ以上でそれ以外、会社からの収入と合わせて12000ユーロ以上の場合
  • 1つの企業から得る年収が11000ユーロ以上の場合
  • 税務署から確定申告を要求された場合

上記の1つ当てはまれば確定申告をしなければいけません。

申請は税務署で行いますが、直接出向かなくてもオンラインFinanz Onlineでも申請できます。

URL:https://finanzonline.bmf.gv.at/fon/

上記に該当しなくても各手続き(児童控除の請求申請など)に必要な場合も所得税申告をします。

過去5年を遡って申請可能ですが、必要書類、経費領収書などは欠くことなく保管しておく必要があります。

ご自身で申告手続きに不安がある方は有料ですが税理士Steuerberaterに依頼する方が確実で時間も省けます。

確定申告についてÖsterreich.gv.at

高い税金ゆえの社会的保障は医療と教育費が無料

まず有難いのは医療費です。

診察、治療は基本的に公立病院や認定されている診療所で自己負担額はなく受けられます。

治療後に利用できる療養施設(クアKur)健康保険でほぼカバーされます。

教育費は義務教育期間内に限らず、公立であれば大学まで授業料は国が負担になります。

新学年が始まる9月に義務教育期間内の子供一人につき準備援助金として100ユーロ支給されます。

子供手当て(家族手当Familienbeihilfe)は最長でその子供の25歳の誕生日まで(18歳以降は条件付き)給付され、その支給額は子供の年齢と人数によって変わり子供一人に対し月に114〜165ユーロです。さらに人数でこの支給額は7〜52ユーロ上乗せされ、また支給額は年々上がっています。

他、失業手当給付金、緊急援助、ソーシャルケア、訓練手当など多岐に渡ります。

オーストリアの犬エチケット袋

オーストリアの犬エチケット袋

犬税を収めているゆえなのか、公園内近辺や街の所々に犬エチケット袋が設置されており、無料で使用できます。

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オーストリアの知っておきたい9種類税金と社会的保障のまとめ

税金については国が違えど、それぞれ何処でも完璧はなく常に色々な問題が付きまといます。

それでも居住、就労の際は納税義務が生じます。

そういった中で何も知らずにただ高い税金を払わなければいけないのは不満や不安が増します。

延いては仕事や生活にも影響するかもしれません。

ご自身が支払う税金の概要とその使い道を知った上で、少しでも気持ち良く納税できればポジティブな心持ちで生活自体をより楽しめるのではないでしょうか。

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