長期滞在または移住される方に必要となってくるのが現地の銀行口座です。
その手数料やシステムはどのようになっているか気になるところですよね。
ズバリ言いますと、オーストリアの銀行では口座維持手数料が1年で約1万円ほどかかるのが一般的です。
ここでは、そのシステムや口座開設について日本の銀行と比較しながらご紹介します。
オーストリアでの口座開設の目安は6ヶ月以上の滞在
長期滞在といっても一体、どれくらいからが長期滞在になり、そうなると何が必要になってくるかというのが最大のポイントです。
オーストリアでは、観光としての滞在で最長6ヶ月間が許されています。
つまり特別なビザ申請をしなくても、日本人であるならばオーストリアに半年間も住めるのです。
ですので明確な理由が無い場合は、6ヶ月以内の滞在であれば現地銀行口座は特に必要では無いと考えて良いでしょう。
逆に6ヶ月を超えての滞在の場合、必ず何かしらの滞在許可のビザが必要になります。その際の条件として銀行口座が必要になる場合があります。
日本とは違う!口座維持に手数料がかかる
日本とは異なり、オーストリアではただ口座を持つだけで維持費を払わなければなりません。
維持費の大体の目安は3ヶ月で20ユーロくらいになります。
繰り返しますが、あくまでも目安です。
ですがそれぞれの取引、例えば振り込みや送金、現金引き出しなどの手数料はかかりません。
維持手数料の金額は銀行によって異なります。
口座の種類、預金額、契約の項目によっても違い、その金額は変動もします。
この維持費が少額な設定もありますが、そういった契約の場合、振込、送金などの取引が有料になることが多いです。
口座預金額が銀行側が設定している額以上である場合は、その維持費が無料となる契約や何かしらの特典が付く場合もあります。
もう一つ口座維持費がかからないパターンは、学生用口座です。
これも銀行によりますが、維持費も取引時の手数料も共に無料というのもあるようです。
オーストリアでの銀行選びのポイント
たくさんある銀行をどう選ぶか、誰しもが悩むところですよね。
これは日本であっても同じことが言えると思いますが、金利や手数料、特典など、いろいろな契約条件を全て把握して比べるというのは大変なことです。
まず学生は学生用口座の有無、その手数料などは確認した方が良いですね。
他のポイントとして、お住まいの近くや、職場の近くにある支店銀行を候補に。これでいくつかに絞られるはずです。
次のポイントは大した理由がない限り、大手の銀行をおススメします。
お友達、知り合いや同僚の方にも相談しやすいからです。
ここにいくつか銀行をあげますので参考にしてください。
- Bank Austria:国営っぽい名ですが、大手の民間銀行です。イタリアのUniCredit Groupの傘下
- RAIFEINSEN Bank:国内金融マーケットの¼を占めている国内最大手
- Volks Bank:ドイツ発の銀行グループ
- Erste Bank:ウィーン発の銀行
- Bawag.PSK:郵便預金融機関
口座開設の仕方
口座開設手続きは窓口で直接
不明なことなど直接聞けますので、初めての口座開設の際の手続きは、各銀行支店の窓口でする方が良いでしょう。
サイト上でも口座開設できる銀行もあります。契約項目の把握など語学力的な事も含めて問題がない方は手軽かもしれません。
窓口で口座開設手続きをする場合、予約が必要になるか待ち時間が生じるので、前もって確認しましょう。
予約はサイト上でも可能な銀行もありますし、電話でも可能です。
もちろん、以下の手順でも良いです。
- 支店へ直接出向く
- 口座開設希望の旨を伝える
- 必要書類を確認する
- 予約する
口座開設のための必要事項
まず基本書類です。
- パスポート(Reisepass)
- 住民票(Meldezettel)
- 学生であれば就学証明書
銀行や契約内容により必要な書類が異なりますので、必ず確認しましょう。
例)
就労している場合は給与明細や就労証明書
学生の場合は金融機関の残高証明書、など
英語も比較的問題なく通じますが、語学力に自信がなければ通訳をしてくれる人と一緒に行きましょう。
なお同伴される通訳の方は、パスポートなど身分証明書を持参してください。
口座開設にあたっての予備知識
手続き自体は大体1時間あれば充分でしょう。
早ければ必要書類確認と申し込み書類の書き込み、サインで終わります。
契約内容の説明確認や契約内容によって、さらに時間がかかることもあります。
契約項目によってはいろいろと質問を受けることもあり、かなり細かい事も聞かれる場合があるようです。
例)
- 個人情報、名前、住所、等
- 口座利用の用途
- 学生の場合は、生活費の仕送り、送金の経由や時期など
- 就労者の場合は、給与受け取り、支払い等の仕方
カードは手続き完了後、即日発行はできません。
カードは手続き完了後から1〜2週間前後を要し、支店で受け取りまたは郵送受け取りが選べます。
郵送の場合はカードとインターネットバンキング情報と暗証番号は、防犯上別々で送られてきます。
日本の銀行口座とはちょっと違うこと
いわゆる預金通帳は基本的にありません。
取引履歴などは各支店に設置されている記録用機械でプリントアウトするか、インターネットバンキングを利用ならば当然インターネット上でも確認できます。
口座の種類は、
- Girokonto または Gehaltkonto:普通預金口座
- Sparkonto :定期預金口座
になり、両方を開設することが条件となる銀行もあります。
カードはキャッシュカードとしてはもちろんのこと、
- デビットカード機能
- クレジットカード機能
- 電子マネー機能
を備えられます。
オーストリアで作るクレジットカードは、ほぼ全部が会費制です。
デビットカード機能、電子マネー機能は、キャッシュカード自体に自動的に付く銀行や契約もあります。
ATM(Bankomat)の基本情報と使い方
現地金融機関の口座が無くても、日本の口座からの現金引き出し、クレジットカードでのキャッシングなどでATMは必須になってきます。
ここではATM全般の解説をします。
ATMはどこにある?目印と見つけ方。
ATMをBankomat バンコマト(もしくは、即時決済=デビットカード機能)といいます。
お買い物をして、即時決済=デビットカードで支払いたい時は、「バンコマト、ビッテ(Bankomat bitte)」と言います。
写真の左上の明るい青と緑のサインボードと、ATMの機械の上のSB mit青緑マークのサインが目印です。
ATMがある所は必ずこのサインボードが高い位置に掲げられています。
暗くなると電気が灯りかなり目立ちます。
機械を探すのにあまり苦労しないはずです。下記によくある場所をあげます。
- ショッピングモール内
- スーパーマーケットの出入り口付近
- ガソリンスタンド
- 銀行の店内と外の両方
- 駅構内(大きい駅)
ATMを探せるサイトもあります。
基本的に24時間利用可能で、どこの銀行の機械でもお持ちのカードやcirus、plusなどの表示を確認して対応していれば使えます。
また現地口座を開設後、別の銀行や国外でもATMにBankomatの表示かMaestroの表示があればそのキャッシュカードで現金引き出しができます。
銀行の支店内は窓口や店内と区切られてATMがあり、その場所だけ閉店後でも入れます。
入り口に下の画像のような機械があり、そこにキャッシュカードを入れたりかざすと入り口の施錠が開いて入れます。
ATMで現金を引き出すには?
簡単です。ドイツ語表示のみでなく、英語、イタリア語、フランス語などにも対応してる機種が多くありますが、残念ながら日本語対応はありません。
知っていて損はないので、ここではドイツ語表示で解説します。
ATMの機械はこのようになっています。画面は、タッチパネルのものと、タッチパネルになっていないものがあります。
操作キーです。色やマークで何となく察しがつきますね。
赤✖︎Abbruch=中断
緑◉Bestätigung =確認
これだけ分かれば充分です。
ではカードを入れます。
最初の画面です。多少機種により違いますが、共通しているのはAuszahlung(=支払い、引き出し)という単語です。
機種によってはBargeld(=現金)と表示する物もあります。
ちなみにWertkartenladen は電子マネー機能のチャージなどで利用します。
Kontostandは預金残高照会になります。
暗証番号を入力します。
このような画面が出ます。表記されている金額で引き出すならば、それぞれ横にある四角いボタンを押すか、Noten-Auswahlから操作キーを使って希望の金額を打ち込みます。
そして最後に操作キーの緑◉Bestätigung を押して現金を引き出します。
ここで最大の注意点ですが、ATMで引き出せる最高額は1日で400ユーロまでです。
これは現地銀行口座からであっても、国外の口座からであっても同額です。
400ユーロ以上の現金が必要な場合は、翌日まで待つか(それでも800ユーロまでですが)銀行支店の窓口で引き出します。
オーストリアの電子マネーについてちょっとご紹介
ちょっと前まではデビットカード利用が主流でしたが、ここ数年でスーパーなどでも電子マネーの決済端末が普及してきました。
電子マネーの種類はVisa系のVisa pay Wave、MasterCard系のPayPass、オーストリア独自のQuickが主です。
全てプリペイド形式でチャージが必要です。
Quickのチャージ最高額は400ユーロまで。チャージはATMでできます。
多くがキャッシュカードに備えられていますが、電子マネー専用のカードもあります。これは銀行口座の有無関係なく誰でも持てます。
最後に
例えば国際結婚などでオーストリアに移住される場合、夫婦で共同口座を持つことになるかもしれません。
そういった場合はキャッシュカードを2枚発行してもらえます。
2枚分の手数料として口座維持手数料が上乗せされますが、口座を2つ持つよりはコストを抑えられます。
金融機関の利用は、旅行、長期滞在、移住、それぞれの生活スタイルにあった使い方がありますので、一概にこれが一押し!というものはありません。
日本の口座、ネットバンキング、オーストリアの口座、上手く使い分けられるようにいろいろとご検討してみてくださいね。
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