すごく治安が悪いイメージではないけど、日本みたいに安全っていうわけじゃない、これがベトナムの治安に関するイメージかもしれません。
そこで今回は、日本への留学経験もあり、卒業後も日本赴任の経験のあるベトナム人・Mくんにも話を伺いながら、ベトナムの治安についてまとめてみました。
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ベトナムの犯罪
まずは犯罪の程度に分けて見てみることにしましょう。
① 凶悪犯罪
ベトナムでも、殺人や強盗などの事件は起きています。そして、もちろんそれはニュースになって報道されています。
しかし、在留邦人および日本人旅行者がこういった凶悪犯罪に巻き込まれるというケースは極めてレアです。
随分長い間、こういった事件に巻き込まれての死亡事例は報告されていません。
ただし、夜中の女性の一人歩きの際、服装や場所に気を付けたほうがいいのは日本と同じになります。
② 軽犯罪
ひったくり、スリ、置き引きなど、一般的に軽犯罪と呼ばれるものは、残念ながらベトナムでは日常茶飯事です。
・ひったくり
よく知られているように、ベトナムはバイク大国です。
そのバイクを使ってのひったくりもよく報告されています。なんせ、ほとんどバイクです。
どれがひったくりを目的に走っているバイクなのかなんて、見当がつきません。大使館から在留者向けてのメールにも、ひったくりの注意を促すものが多いです。
・スリ
「テーブルの上に置いたスマホや財布がいつの間にかなくなっていた」
「気づかないうちにカバンを切られ、財布を取られていた」
ベトナムではそういったスリの被害に遭うことは珍しくありません。
現金(財布)だけでなく、スマホも狙われるということもぜひ覚えておいてください。(ベトナムでは給与の割にスマートフォンの価格がとても高いです。)
スリ被害においては、日本人を狙った組織的犯罪の可能性も高く、大使館からも頻繁に注意喚起のメールが来ます。
・置き引き
日本が安全すぎる国なのか…、ベトナムでは「置いといたら無くなくなっていた」は当たり前です。
置いておいた側が悪いのです。
コートや帽子をちょっと掛けてまま、床に荷物を置いたままその場を離れてしまい、慌てて取りに戻っても見つからない…
子どもの水筒やゲーム機も、目を離したらすぐになくなっています。
・ぼったくり
生活しているなかで、ぼったくりに遭う確率は非常に高いです。
いくらこちらが警戒していても、ふっかけられることは日常茶飯事。
そのなかでも多いのがタクシー料金です。
ベトナムのお金は桁が多く、慣れないうちはみんな混乱すると思います。
ですので、こちらが外国人とわかると「桁が違う」と何倍もの金額をぼったくられたり、おつりをごまかされたりします。
わざと遠回りをして、通常の倍以上の金額を請求されることも…。
メーターがついていてもドライバーが簡単に自分で操作できるらしく、早く値段が上がるよう設定を変えられていることもあります。
・スキミング
最近、ベトナムで日本人がスキミング被害に遭ったことが確認されているようです。
スキミング(英語: Skimming)とは、カード犯罪で多く使われる手口の一つで、磁気ストライプカードに書き込まれている情報を抜き出し、全く同じ情報を持つクローンカードを複製する犯罪である。
クレジットカードの使える店舗も急激に増えてきていますが、使用には注意が必要です。
偽造銀行デビットカード(キャッシュカード)により、不正に現金を引き下ろされたことも報告され、大使館は在留邦人に注意を促しています。
ベトナムの都市別治安傾向
ハノイ/ホーチミン
一般的にハノイ・ホーチミンのような大きな都市は犯罪発生率が高いと言われています。
大きな都市ほど貧富の差が大きいというのが理由のようです。
観光客もほぼここに集約されているので、犯罪も顕在化しやすいのでしょう。
実際、地元の人もかなり観光客慣れしています。
ハノイの観光地・ホアンキエム湖の周りを歩いていると、片言の日本語でシクロや人力車、お店の勧誘をする人にしょっちゅう声を掛けられます。
基本的に“向こうから日本語で声を掛けてくる”人には近づかないようにしましょう。まず怪しいと思って、反応せず通り過ぎるのが賢明です。
また、これらの大都市には有名な観光地もたくさんあります。
Mくんによると、そのような観光名所は比較的安全が保たれているように感じるそうですが、「移動の際、ローカルマーケットでの買い物の際には、ぼったくり、ひったくりに注意したほうが良い」とのこと。
ホーチミンでは、携帯を取られたり、気が付かないうちに持ち物をかっぱらわれるというのは、現地の人にとってもよくあることなのだそうです。
ハイフォン
昨今日本をはじめとする海外企業の進出によって発展目覚しいハイフォン。
日本の会社の数と規模が大きくなるにつれて、日本人の数も増えてきています。
タクシーや買い物でのぼったくりはよくありますが、今のところスリに遭ったという話も聞いたことがありません。
ただどこかへ置き忘れたものが無事に戻ってくる可能性は低いです。
カントー
Mくんの出身地カントーは、ホーチミンから高速バスで3時間ほどの地方都市。
ここも近年大きく発展している都市です。
Mくんによればカントーをはじめとするメコン川流域は比較的治安が良いと感じるそう。実際に訪れて地元の人と接すると、おおらかな人柄の方が多い印象を持ちます。
安全・防犯対策
言い方は悪いですが、“軽犯罪”程度の事案を現地の警察に届け出たところで相手にされません。(ベトナム警察の実態については、最後に少しお話します。)
ただこういった犯罪については、自分自身で被害に遭わないように対策を講じることが大切です。
ここからは対策方法について考えていきましょう!
ひったくり対策
道を歩くとき、荷物は車道側に持たないようにしましょう。
手提げバッグより肩掛けカバンかリュック(個人的にはウエストポーチが安心便利)。
また、いかにも外国人、な恰好は避けたほうが無難です(貴金属類を過度につけることも危険)。
スリ対策
バッグの口は閉められるものを選びましょう。
さらに財布などの貴重品は、バッグのなかでもさらにわかりづらいポケットなどへ入れると安心です。
レストラン等で、財布や携帯はテーブルの上に置かずにバッグへしまいましょう。
椅子に座る際も、カバンは抱えるか常に視界に入るところに置いておくほうがいいですね。
ぼったくり対策
まず、正確に紙幣の価値を覚えることです。
タクシーは必ずメーターのついたものを使うこと、なかでもこの緑のMAILINH TAXIはどの都市でも比較的安全とされています。(それでもぼったくるドライバーはたくさんいますが…。)

MAILINH TAXI
買い物の際の対策としては、Mくんは「路上マーケットより、きちんと値札がついている店舗がおすすめ」と教えてくれました。
路上マーケットで相手によって値段が違うのは、ベトナムではよくあります。
スキミング対策
大使館が推奨する対策として、定期的に暗証番号を変更すること。
そして、ATM機を利用する前にカード差込口やテンキー部に異変がないか確認してから利用すること。
また定期的に口座残高の確認をして、知らない間に被害に遭ってないかを確認する必要があります。
クレジットカードは、どうしても必要なとき以外は使用しないほうがいいかもしれません。
それでも何かあったとき!の、緊急連絡先
ベトナムでの生活、常にビクビク、気を張りながら暮らす必要がないことはわかって頂けたでしょうか?
ただ、ベトナムが現在では数少ない社会主義国であるということは最初から頭に入れておいてほしい事実です。
ベトナムの正式な国名は、“ベトナム社会主義共和国”。
日本の掲げる資本主義とは、国の理想、体制そのものが違うのです。
ベトナム社会主義共和国では、政府直轄の警察は絶対的な力を持っています。
治安を管理する警察が有効に作用しているという意味では、「ベトナムは治安がいい」といえますが、その組織がクリーンかどうかが重要なポイント。
こんな指標があります。
Transparency Internationalが毎年出している世界腐敗認識ランキング(Corruption Perceptions Index)を見てみてください。
このランキングで、ベトナムの指標は33で176か国中113位。(ちなみに日本は72で20位。)
スコアの分類から、“国民は日常的に腐敗による影響に晒されている”とされています。
ベトナムは警察官や公的機関が賄賂を要求してくるのは当たり前。
現地の人がそれを当然のように話しているのを見聞きすると、日本とのあまりの違いに驚きます。
警察がこのような状態ですので、何かトラブルに巻き込まれたときに外国人である我々に適切に対処してくれる可能性は…残念ながら低いといわざるを得ません。
ベトナム国内で万が一のときは、現地警察より在ベトナム日本大使館へ連絡しましょう。
在ベトナム日本国大使館
所在地: 27 Liễu Giai, Quận Ba Đình, Hà Nội
電話: 84-4-3846-3000
Fax: 84-4-3846-3043 (領事用Fax: 84-4-3846-3046)
さいごに
ベトナムは親日の方が多く、日本人にとても友好的で親切にしてくれます。
子連れで生活していて日常危険を感じることはほとんどありません。
だからこそ、日頃から注意すべきところを押さえ、魅力あふれるベトナム生活を楽しんでください!!
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