ノルウェーの医療システムと費用。医療水準は高いが慢性的な医師不足

風邪をひいたらコーラとビスケット?ノルウェーの医療事情

ノルウェーに移住する前に気になることの1つとして、現地の医療事情があると思います。

ここでは、現地の医療システムや料金システムなどについて、ノルウェー在住10年以上の経験から具体的にご紹介いたします。

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ノルウェーの医療システムは自分で好きなかかりつけ医を選ぶ

ノルウェーはホームドクターシステムです。

ノルウェー語ではFastlege(ファストレーゲ)と言って、自分で好きなかかりつけ医を選ぶことができる制度のことです。

ファストレーゲは1年に2回まで変更することができます。

※引越しや医師の事情によって変更を余儀なくされる場合には、その2回にはカウントされません。

ファストレーゲの登録・変更は下記のリンクから行うことができます。

<Helsenorgeのファストレーゲ関連>

URL:https://helsenorge.no/fastlege

診察までの流れ

病気になったら、まずは自分のファストレーゲにコンタクトを取ります。

電話やメールで予約を入れ、診察を受けます。

さらに専門医にかかる必要がある場合にはファストレーゲの紹介状を持って別の医師にかかることになります。

日本のように最初から専門医の元を訪れることができないのですが、ファストレーゲが患者全ての医療記録をしっかりと管理できるのは利点だと言えます。

また、先にご案内したHelsenorgeのページにて、

  • ワクチン記録
  • 診療記録
  • 検査結果
  • 予約確認
  • 処方箋

などを患者本人が確認することもできます。

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ノルウェーの自己負担医療費

大人の医療費

福祉の進んでいるノルウェーでは医療費は無料というイメージを持たれるかも知れません。

実際、年間の医療自己負担金額が決められていて、それを超える分に関しては無料となります。

2020年の年間医療費自己負担金額は2,460ノルウェークローネ(約31,980円)です。

毎回、ファストレーゲにかかる度に150クローネ~250クローネ(約1,950円~3,250円)が診察代としてかかり、薬代などは追加でかかります。

このようにノルウェーの医療費は完全無料ではなく、自己負担額が設定されていますが、入院や手術、高額な検査や薬がかかるような場合には、超過分の医療費は国が払ってくれるという安心感はあります。

なお、歯科はこれには含まれませんので完全自己負担となりますので、ノルウェー人はデンタルケアに力を入れています。

子供の医療費

ノルウェーでは18歳以下の子どもの医療費は歯科を含めて無料です。

大人には年間の医療自己負担金額が設定されていますが、子どもにはこれがありません。

上限なしで完全に無料です。

こうした面がノルウェーは子育てしやすい国と言われる理由かもしれませんね。

私立病院の診療費

ノルウェーには私立病院も存在していますが、診療費は公立病院の10倍以上になります。

高額ですが、待ち時間は少なくなります。

また、オンライン診療は値段設定が少し低価格になっています。

病院にかかる場合の交通費

申請して許可が出た場合のみですが、病院に行くための交通費を国が負担してくれる制度があります。

公共交通機関の利用だけではなく、マイカーやタクシーでも距離によって決められた額が出ます。

交通費の申請はPasientreiserというところからできます。

URL:Helsenorge.noのPasientreiserへ

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風邪でビスケットとコーラ?週末や夜間救急病院

病院が閉まっている週末や夜間に具合が悪くなった場合には救急外来にかかることができます。

ノルウェー語ではLegevakt(レーゲバクト)と言いますが、待ち時間が非常に長いことを覚悟してください。

ノルウェー人はよほど酷い症状でない限り、病院に行きません。

待ち時間が長くて薬を積極的には処方してくれないからです。

ノルウェー医療

筆者はノルウェー在住10年以上ですが、インフルエンザでもタミフルを処方されたことは一度もありません。

風邪でかかった時にも抗生物質や熱さましなどは一切処方してもらえませんでした。

「ビスケットを食べて、コーラでも飲んで寝ていなさい」と言われるだけでした。

基本的にノルウェー人は風邪で熱がある程度であれば、家で寝ていたほうが良いという人が多いです。

ノルウェーは医者不足で予約が取りにくい

ノルウェーでは医者が不足していると言われています。

1人のファストレーゲがおよそ2,000人の患者を抱えているような状態ですから、残念ですが予約が取りにくいのが実情です。

特に人気の高いファストレーゲほど予約が取りにくい傾向にあります。

風邪で熱が高いので予約を取ろうとしたら、空いているのは2週間後だったということもありました。

このような予約事情もありますから、病院に行くノルウェー人が少ないのもうなづけますね。

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ノルウェーでは日本語が通じる病院は?

私の知る限り、ポーランド人、インド人、イラン人のファストレーゲはいますが、日本人のファストレーゲは残念ながらおりません。

日本人の歯科医師はオスロにいらっしゃいます。(※2020年5月時点の情報です)

ノルウェー人は英語が堪能ですので、ノルウェー語がわからなくても心配しないでください。

これまで、ファストレーゲの英語での対応に問題を感じたことはありません。

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妊娠・出産に関わる医療

ノルウェーは妊娠に関わる診療費用や出産費用は完全に無料です。

自己負担額は一切ありません。

ですが、それは国で決められた必要最低限のものとなります。

例えば、妊婦の出産までのエコー検査は1回のみとなっています。

高齢出産やハイリスク出産などの一部の人は追加の検査を無料で受けることが出来ますが、そうでない場合は1回だけです。

それゆえ、自費になりますが私立のクリニックで追加のエコー検査を受けるノルウェー人も多くいます。

ノルウェーでの妊娠出産に関する情報はこちらの記事「ノルウェーの子育て事情。妊娠、出産から支援制度」をご覧ください。

新型コロナウイルスへの対応でさらに待ち時間が長く

ノルウェーで最初の感染者が出たのは2020年2月の終わり頃。

その時はまだ大きな問題にはなっていませんでしたが、ちょうど冬休みだったノルウェーでは海外旅行先で感染し、帰国した人々によって瞬く間に新型コロナウイルスが広がっていきました。

ですが、ノルウェー政府とノルウェー公衆衛生機関の政策によって感染は収まりつつあります。

ただ、この新型コロナウイルスによって医療制度全体にも影響が出てきています。

以前から予約が取りにくかったファストレーゲですが、現在はさらに予約が取れなくなっています。

また、予約が取れたとしても電話やチャットによる診察で対応しているファストレーゲもいます。

急を要する手術以外は延期されている現状があり、医療行為を受けるための待ち時間はとても長くなっています。

病院に予約が取れたとしても、少しでも風邪のような症状がある場合には病院内へ入ることも出来ませんし、家族のお見舞いすら自粛するような状況が続いています。

下記はオスロ大学ウレボール病院の写真です。

オスロ大学ウレボール病院の入り口

オスロ大学ウレボール病院

建物に入ろうとする人に対し、病院のスタッフによってチェックが入ります。

いつもは人であふれている廊下の待合スペースも閑散としていました。

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日本から持ってきて良かったと思ったものリスト

ノルウェーの薬局は日本のように薬の種類が多くありません。

営業時間も短いので、週末や夜に急に薬が必要となった時にストックしていないと困ることがあります。

日本で愛用している薬がある人は日本から持ってくることをお勧めします。

筆者が実際に日本から持ってきて良かったと思ったものをまとめてみました。

  • 熱さまシート
    (ノルウェーでは売っていません)
  • 目薬
    (日本のような豊富な種類がありません。特に目の疲れに効くタイプは見たことがありません)
  • マスク
    (ノルウェー人はマスクをする習慣がありません。医療従事者用のマスクはありますが、子供用のマスクは見たことがありません)
  • 湿布や筋肉痛の薬
    (肩こりや筋肉痛に効く薬や湿布などはノルウェーの薬局に売っていません)

ノルウェーの医療事情のまとめ

ノルウェーの医療水準は高いのですが、慢性的な医師不足によって医療行為を受ける待ち時間が長いという問題があります。

大きな病気や怪我をした時に金銭的な心配をしなくて良いという利点はありますが、風邪やインフルエンザなどでは簡単に病院にかかれないという問題もあるのです。

ノルウェーでは日頃から健康管理に気をつけ、病気になっても出来るだけ自分の免疫力で治すという考えが根付いています。

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