経験者が語る!アイルランドの妊娠、出産事情の実際とは

アイルランドの妊娠、出産事情の実態

女性にとって、妊娠、出産は人生の一大イベント。

それが外国での妊娠、出産となれば、疑問に不安、心配事はさらにつのります。

アイルランドでの出産までの流れは、日本とは結構違います。

今回は経験者である筆者の体験をもとに、アイルランドでの妊娠、出産事情を紹介していきます。

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アイルランドの病院システム

まず最初に、基本的なアイルランドの病院システムを説明します。

アイルランドはホームドクター制です。これはお隣の国イギリスをモデルにしています。

どんな病気の時も、まずGP(General Practitioner)と呼ばれる一般開業医を受診します。

最初に受診したGPが自分のGPになるので、それ以外のGPに行く事はできません。違うGPへ移りたい時は、手続きが必要になります。

普通の風邪なら簡単な検診と処方箋を書いてもらって終わりですが、さらに専門的な治療が必要と判断された場合は、GPから紹介状をもらって眼科や婦人科等の専門医へ行く事になります。

骨折等のケガの場合でも、まずGPに行ってから紹介状をもらってA&Eと呼ばれる救急病棟へ行かなければいけません。(救急車を呼んだ場合は直接A&Eへ行けます。)

レントゲンを撮るだけでもA&Eです。

このA&Eは長時間待たされることで有名で、症状が大したことないと重症な患者さんが優先されるのでさらに待たされます。6〜8時間待たせれることも珍しくありません。

日本のように、専門医へ直接行ける方がどんなに楽かと思いますが、こちらのシステムの良い所もあります。

GPでは、1回の受診につき€50〜60かかります。(€1=128円で計算した場合、6400~7680円)

しかし、それ以降の専門的な治療の場合は、基本的に無料です。
(例外も多く、入院や手術は有料です)

では妊娠、出産に関してはどうかと言うと、なんとすべてが無料です。GPでの検診も入院も、帝王切開等の手術が必要となった場合でも無料です。

ただし、20週前の超音波検査(エコー)やダウン症検査等は有料です。

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アイルランドで妊娠したかなと思ったら

「妊娠したかな?」と思ったら、まず自分で妊娠検査薬でチェックします。

妊娠検査薬は薬局で簡単に手に入ります。陽性だったら、自分のかかりつけのGPに予約をします。

GPで妊娠が確認されたら定期検診が始まります。

アイルランドにも私立病院はありますが、妊娠、出産に関しては国立病院のみです。

検診の流れは以下の通りです。

  • 20週までは、月1でGPのみの検診。
  • 20週~30週までは、月1でGPと病院交互に検診。
  • 30週以降は、2週間に1度でGPと病院交互に検診。

妊娠から出産までの流れ

上記に書いたように、妊娠が確定すると20週までは月に1度、GPでの検診があります。

検診の内容は、尿検査と血圧測定が主で、時々血液検査がある程度、体重測定はGPや看護師によってやったりやらなかったりと差があります。

体重管理は、日本のようにうるさくないからです。

20週までエコーがない!

日本との違いで一番びっくりすることは、超音波検査(エコー)は20週までないことです。

GPによっては、12週頃有料でエコーをやってくれる所もありますが、基本的に20週までは赤ちゃんがちゃんと育っているか目で確かめることができません。

日本では検診の度にエコーで確認して、流産の危険があれば対策を取ってくれたりしますが、アイルランドでは何もありません。

流産は自然現象なので、自然に任せると言うニュアンスが強いようです。

唯一の確認方法は心音です。

超音波心音計を使い、エコーと同じ要領でお腹にゼリーをつけて、心音計をお腹にあてて心音を聞きます。

心音が確認できるようになるのは15週頃です。心音を確認できて、初めて赤ちゃんがお腹にいると言う実感が持てます。

筆者は一人目の時、15週の検診で心音が確認できませんでした。医者がどんなにお腹の上から探しても心音を聞き取る事ができなかったのです。

1週間後にまた確認すると言われましたが、1週間も待てる訳がなく、次の日にもう1度確認してもらう事に。赤ちゃんが死んでるかもしれないと思ったら、全く生きた心地がしませんでした。キリスト教徒でもないのに、思わず教会にお祈りにいったくらいです。

私のGPは医者が数人いたので、前回とは違う医者に担当してもらい、無事心音確認!嬉しくて涙が出た記憶が鮮明に残っています。

この心音は、今後の検診もずっとGPでも病院でも確認することになります。と言うのも、20週の時にエコーをしますが、それ以外は順調な妊娠の場合エコーはないからです。

もちろん、状況によっては必要に応じてエコーをしてくれます。

筆者の場合、二人目の時はずっと赤ちゃんが小さいと言われ続け、病院での検診の度にエコーをしました。そういうケースもあります。

20週以降の検診

20週以降は病院での検診が増えてきますが、検診内容は基本的に同じです。血液検査と心音確認が増え、高齢出産の場合は、糖尿病検査もされます。

ここでまた日本と違うところは、高齢出産でもダウン症検査を病院側から勧められない点です。

アイルランドでは中絶は禁止ですので、ダウン症だからと言って中絶と言う選択肢はありません。

だから、ほとんどの国立病院ではダウン症検査はやっていません。

やりたい場合はダブリンまで検査をしに行かなければいけません。費用も€250前後(32000円)と、安くはありません。

ただし、来年以降中絶は合法になるので、今後変わるかもしれません。

医者より重要な助産婦さんの役割

20週目で初めて病院での検診があります。

その時に出会うのが助産婦さん。英語ではミッドワイフと言います。

家族の病歴、どのようなスタイルで出産したいか、母乳はあげるつもりか等の細かい問診に始まり、出産の立ち会いまでずっとつき合うことになります。

医者に会うことは、順調な妊娠ではありません。一応カルテに担当医の名前は書いてあるものの、会うことは稀です。

帝王切開等の手術や特別な場合のみ、医者に会うことになります。これも日本とは違いますね。

厳しい助産婦さんもいますが、皆とてもフレンドリーで親切です。妊娠中の心配事や出産への不安も、なんでも相談に乗ってくれます。

特に担当の助産婦さんはいませんので、検診毎に会う助産婦さんは変わりますが、誰でも親身になってくれます。

病院での検診は、助産婦さんと看護師とのやりとりになります。

アイルランドである痛みを和らげるいろいろな方法

さて、いよいよ陣痛が始まったかなと思ったら、まず病院に電話です。

指示を出されますので、指示に従って病院へ行きます。

出産方法の希望は事前に伝えてはあるものの、想像と現実は違います。自然分娩を希望していても、この耐えられない痛みを何とかして欲しいと思うかもしれません。

そんな時はまず、痛み止めがもらえます。

もう少し陣痛が進んでくると、今度はガスマスクがもらえます。痛みが強くなった時に口にあてて吸うと、一時的に痛みが和らぎます。

いよいよ息む段階になると、無痛分娩への切り替えも選択できます。これは、子宮口の広がりが7センチになる前に決めなければいけません。

このように、希望すればさまざまな選択をその場でできます。

無痛分娩は日本でも増えつつあるものの、まだまだ主流ではありませんが、アイルランドでは主流ですので、最初に希望していなくても無痛分娩に切り替えることができます。

ガスマスクなんて聞いた時はビックリしましたけど、痛みに耐えてこそという考えはアイルランドにはないようなので、色々な方法を試せます。

筆者は、助産婦さんにお風呂に浸かるのもいいよと勧められ、病院のお風呂に自分でお湯をためて入りましたが、それは全く効果ありませんでした…

いざ出産になると、普通の場合は数人の助産婦さんによって進められていきます。

分娩室には足を置く台がついているベッドはないので、普通のベッドでのお産になります。これはふんばり辛くなかなか難しいです。助産婦さんによって、多少やり方も違います。

立ち会い出産も主流ですので、旦那さんが付き添いできます。

出産後へその緒を切るのも旦那さんの役目です。

産まれた赤ちゃんは、ささっと簡単に吹かれた後、ブランケットでぐるぐる巻きにされます。

これもなんだか日本と違う様な…

出産後の入院や手続き

通常の出産の場合、1日で退院になります。

大抵の場合は6人位の大部屋です。希望を出しておくと個室もありますが、有料です。

アイルランドの病院の大部屋

体に異常がある場合などはもう少し長く入院しますが、それでも3日程度です。帝王切開でも5日です。

日本と比べるとすごく短いですが、無料なので当然かもしれません。その代わり、退院後に看護師が数度自宅へ訪問してくれます。

赤ちゃん用の部屋も授乳室もありませんので、産まれてすぐ赤ちゃんと一緒に過ごします。

入院中は、赤ちゃんの沐浴の仕方や授乳のやり方を教えてくれますが、日本のようなおっぱいマッサージ等の手厚いケアはありません。

母乳育児も推奨しているものの、アイルランドはミルクで育てる人が多いので、ミルクは常に病院に準備してあります。

アイルランドの出生届けは病院で

短い入院中に必ずやることは、アイルランドの出生届(Birth Certificate)を出すことです。

出生届けは、病院内でできます。

ですので、名前は決めておかないといけません。アイルランドでは妊娠中に性別を聞かないことが多いので、男の子と女の子両方の名前を決めておく必要があります。

必要書類

  • 両親の写真(パスポートや運転免許証等)
  • PPSナンバー

条件

アイルランドで結婚した場合は両親のどちらかが登録にいけばいいですが、外国で結婚した場合は、婚姻証明書とその翻訳が必要で、両親共に登録に立ち会う必要があります。

とは言うものの、実際の出生届けを出す期間は3ヶ月以内です。

名前がどうしても決まらないとか必要書類を忘れた等の場合は、レジスターオフィスに行って登録することも可能です。

日本の出生届けは、日本大使館を通して出すことができます。こちらも3ヶ月の期間があります。

3ヶ月を過ぎてしまうと日本戸籍を喪失してしまうので注意が必要です。

日本の出生届けに必要な書類も簡単に記載しておきます。

まず事前に出生届用紙が欲しい旨を大使館に連絡して送ってもらいます。

出生届用紙に記入し、必要書類と一緒に送付、もしくは大使館へ持参すると、1ヶ月後には日本の戸籍に出生が記載されます。

必要書類

  •  出生届用紙2枚
  • レジスターオフィス発行の出生届け(Birth Certificate)原本1通(返却されます)
  •  Birth certificateの日本語訳1通(記入例があります)
  • 出産した病院の病院名と住所がわかるパンフレット等1通
  • 父及び母のパスポートのコピー1通
    (日本人の場合、顔写真とアイルランド滞在許可のページ)
    (アイルランド人の場合、顔写真のみ)
    (外国人の場合、顔写真とアイルランド滞在許可のページ)

細かい手続き方法はウェブサイトから確認できます。

アイルランドの妊娠、出産事情のまとめ

日本の妊娠、出産情報を本やネットで得ていると、アイルランドはとても簡単な検診なので、不安になってくると思います。

実際、筆者もそうでした。エコーは全然ないし、赤ちゃんは無事育っているのか?そればかりがいつも気になっていました。

でも、妊娠の場合は何かあればすぐに直接緊急病棟へ行くことができ、最優先ですぐに診てもらえます。

妊娠糖尿病や妊娠高血圧症には的確なアドバイスももらえます。おおらかな中にもしっかりした部分があるので、だんだん安心する事ができるはずです。

この記事が、アイルランドで子供を、家族を持つかもしれない人の参考になれば幸いです。

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