教育水準はEU内トップクラス!アイルランドの学校制度と特徴

駐在など子連れでアイルランドへの移住を考えた場合、子供の学校の事がすごく気になるところではないでしょうか?

アイルランドはヨーロッパで一番出生率が高く、人口の40%が25歳以下と言う若い人の多い国です。

教育水準も高く、それでいて子供達はのびのび育っています。そこで、ここではアイルランドの学校制度を詳しく解説していきたいと思います。

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アイルランドの学校制度

日本とアイルランドでは学校制度が少し違います。

  • 日本では、小学校6年ー中学校3年ー高校3年、と大学4年に対し
  • アイルランドでは小学校8年ー中学・高校一貫5(6)年、と大学4年になります。

義務教育の期間は4歳から約15歳までと、日本より少し早く始まります

新学期は9月から始まり、6月末で1学年が終了します。

特質すべきは、小学校から大学までずっと無料という事です。(ほんの一部、有料な学校もあります。)

  • まずは小学校(プライマリースクール)
  • それから中学・高校にあたるセカンダリースクール
  • 大学

の順に説明していきます。

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アイルランドの小学校(Primary school)

アイルランドには学区がなく、親が学校を選択できるため、5歳になる年までに行きたい学校に申し込みをするシステムになっています

人気のある小学校だと待機児童(waiting list)になるので、子供が小さい時期に申し込むか、2校くらい申し込む必要がある場合もあります。

そしてほとんどの小学校に制服があります。

小学校の種類

アイルランドの小学校は大きく分けて3つに分類されます。

1. 国民学校(National school)

1つ目は国民学校(National school)で、一般的な公立小学校を意味します。

アイルランドは国民のほとんどがキリスト教のカトリック教徒で、30年前くらい前までは小学校の運営をカトリック教会が行っていました。

そして校長先生は神父という小学校が普通でした。

今では国が小学校を運営していますが、それでもキリスト教の授業は必須科目ですし、コミュニオンやコンファメーションと呼ばれるカトリックの儀式は学校で練習します。

しかし、アイルランドがEUに加盟して以来、外国人が増えたので、多くの学校ではキリスト教の授業、儀式の練習は選択できるようになってきました。

2. 無宗教の小学校(Educate together)

2つ目は無宗教の小学校です。エジュケート・トゥギャザー(Educate together)と呼ばれています。

公立小学校も最近は宗教の授業は選択できるようになったものの、ほとんどの子供は授業を受けます。(都市は、外国人の比率が田舎より大きいので少し変わります。)

カトリック教徒でない場合や、教育と宗教が一緒な考えを好まない場合は、こちらの小学校へ行かせる事も可能です。

そのため外国人が多いです。

Educate togetherは全体的にはそれほど多くありませんが、年々増えつつあります。

3.  アイルランド語小学校(Gaelscoil)

3つ目はアイルランド語小学校(Gaelscoil)で、全て授業はアイルランド語で行われる学校です

今でもアイルランド語を話す地域がいくつかあり、その地域ではほとんどの小学校がアイルランド語のみで勉強しています。

小学校入学は5歳から

5歳になる年からインファンツクラス(Infants class)が始まります。

  • 最初の1年をジュニアインファンツ(Junior Infants)
  • 2年目をシニアインファンツ(Senior Infants)

と言い、日本の幼稚園の年中・年長にあたります。

幼稚園のような感じで遊びを通して学びます。

しかし、ほとんどの学校ではしっかり宿題がでます。宿題と言っても、アルファベットや数字の読み方や書き方、ぬりえ等です。

ちなみに、親がまだ小学校へ行かせるには早いと判断した場合は1年遅らせる事もできます

そして日本と同じように7歳になる歳から1年生になり、6年生まであります。

担任制で、ほとんどの教科は同じ先生が教えます。

時間割りはありませんが、勉強する科目は日本とほぼ同じです。天気が悪いため体育の時間はかなり少ないですが。

理科の授業は、3年生から本格的に始まります。

授業料は無料だけど、教科書は有料

アイルランドの小学校自体は無料ですが、教科書は有料です。

直接書き込むタイプの教科書が多く、

  • インファンツ~2年生までで€50(6,750円)前後
  • 3~6年生では€80(10,800円)前後

します。

一部の教科書だけ年に€10(1350円)でレンタルができます。

アイルランド語は必須科目

現在アイルランドでは、第二言語である「英語」が話されていますが、第一言語は「アイルランド語」(ゲール語とも言います)です

最近はまたアイルランド語が見直されてきているため、アイルランド語に力を入れる学校が増えてきました。

長いイギリス支配の結果、ほぼ100%に近い人々が英語を話しています。

アイルランド語を日常的に話している人々はたった2~3%です。

母国語を復興させようと力を入れているため、小学校に限らず、中・高等学校でもアイルランド語は必須。試験でも必須科目です。

小学校の特徴

アイルランドの人口は450万人程度なので、日本の人口の30分の1です。

ダブリン近郊は大きな小学校がありますが、それ以外は小学校の規模は小さめです。

1クラス25人程度で各学年1~2クラス程しかありません。

そのため、理科室や音楽室、体育館などの設備がない学校が多くあります。

それでも、子供達は課外授業で大学に訪れて科学実験したり図書館に訪れて読書したりと、様々な機会を与えてもらえます。

学校によって時間に多少の差はあるものの、インファンツクラスは9時〜午後1時半、1年生以降は9時〜午後2時半までの授業です。日本よりすこし短めかもしれません。

入学式や卒業式などの式がなく、給食や掃除当番もなし。

夏休みも2ヶ月と長いですが宿題なしと、日本に比べるとかなりカジュアルな印象です。

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中学・高校(Secondary school)

アイルランドは中学・高校一貫教育で「セカンダリースクール」と呼ばれます。

13歳~17(18)歳までで、前半の1~3年が日本の中学にあたり、後半の4~6(6)年が高校にあたります。

前半1~3年までが義務教育ですが、ほとんどが学生がそのまま継続します。

セカンダリースクールの種類

セカンダリースクールは2つに分類されます

基本的にはすべて私立ですが運営方法の違いがあります。

1つ目はカトリック教会が運営の援助をしている学校です。そのため私立でも無料です。
2つ目は教会の援助がない学校で、その場合は国からの援助で運営するのでやはり無料になります。

そして、セカンダリースクールも小学校と同じようにアイルランド語で全て授業をする学校もあります。

セカンダリースクールの特徴

前半の1~3年をジュニアサイクルと言い、3年生終了時にジュニアサーティフィケートと言う国家統一試験を受けます

後半の4~5(6)年をシニアサイクルと言い、5(6)年生終了時のリービングサーティフィケートと言う国家統一試験を受けます

これはセンター試験のようなもので、この結果で進学できる大学が決まります。

リービングサーティフケートの期間は、まさに日本のセンター試験と同じ。学生も親も大変な時期です。

毎年ニュースで取り上げられるほど、学生時代の大きな出来事です。

セカンダリースクールになると、一気に日本の学校に似てきます。

授業は9時~午後4時頃までで、小学校ではなかった時間割がでてきます。そして、科目によって先生も変わるようになります。

大きな違いは、夏休みがなんと3ヶ月もある事です。

トランジションイヤー(Transition Year)

アイルランドのセカンダリースクールで一番特徴的なのが、この「トランジションイヤー」

学校によってないところもありますが、4年生がトランジションイヤーにあたります

この1年は、学校の授業から離れ、ボランティア、職業体験やアルバイトなど、それぞれの学生が興味のあるアクティビティに時間を費やします

定期的に学校へ行く日は決っていますが、それ以外は、音楽、スポーツ、外国語や将来なりたい職業へのリサーチなど、好きな事ができます。

トランジションイヤーがない学校へ行くと17歳での卒業になり、日本より1年早く大学に進学します。

リービングサーティフィケート(Leaving Certificate)

先ほども述べましたが、日本のセンター試験のような国家統一試験です。

この結果で、進学できる大学が決まります。

リービングサーティフケートの大きな特徴は、この結果が生涯使えると言う事です

日本では大学に入るためには必ず入学試験があります。

そのため、中退や社会人になってからもう1度大学に行きたいと思うと、大変な受験勉強をしなければなりません。

しかし、アイルランドは基本的には入学試験がありません。

例えば、社会人を辞めて35歳でまた大学へ行きたいと思えば、17(18)歳の時のリービングサーティフィケートの結果でまた大学へ入学できるのです。日本人から見たらなんとも羨ましいシステムです。

そのため、仕事を辞めて大学へ行く人も多くいます。

アイルランドの大学(College, University)

アイルランドは、ヨーロッパの中でも大学進学率はトップレベルです。

世界的に高いレベルの大学もあります。

種類は全部で3つで、

  • 総合大学
  • 教育大学
  • 科学技術カレッジ

にわかれます。

アイルランドの大学トップ5

  1. トリニティ・カレッジ・ダブリン
  2. ユニバーシティ・カレッジ・ダブリン
  3. 国立大学ゴールウェイ
  4. ユニバーシティ・カレッジ・コーク
  5. ダブリン・シティ大学

になります。

1位のトリニティ・カレッジ・ダブリンと2位のユニバーシティ・カレッジ・ダブリンは、世界の大学ランキングでトップ1%に入っています。

全て国立で、国が費用を負担しているので無料です。(外国人や留学生は有料)

総合大学のコースは、学士号コース(修士)と大学院コース(修士課程)に分かれています。

学士号は、普通学士号(3年間)と優等学士号(3~4年、コースによっては5~6年)があります。

修士課程は通常1年間で、コースによって2~3年の所もあります。

科学技術カレッジは、専門分野を身につける事を目的とした学校です。

コースは通常4年で、デグリー(degree)ディプロマ(diploma)サーティフィケート(certificate)の資格が取得できます。

英語を母国語としない学生のために、多くの大学では英語力を補うファンデーションプログラムを設けています。

1年余分に通わなくてはなりませんが、大学の授業についていけるように、エッセイの書き方やディスカッションの仕方などが学べます。

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アイルランドに日本人学校はない

アイルランドは日本人が少ないため、日本人学校はありません

ダブリンだけ補習校がありますが土曜日のみです。

この20年で外国人がとても増えたので、小学校では英語の補習授業がある所もありますが、セカンダリースクール以降はありません。

留学生など、英語をある程度理解できるようになるまでは大変かもしれません。

学校制度と特徴のまとめ

アイルランドの学校制度、少し想像できたでしょうか?

小さな国ですが、教育水準も高く、それでいて塾に通う子も少なくのびのび育っています。

ダブリンやコークなどの市街に住んでいる場合は子供は徒歩で通学できますが、それ以外は親が車で送迎する事がほとんどです。それはセカンダリースクール卒業まで続きます。

日本より親の負担がちょっぴり大きいですが、それ以上に子供達は学ぶ事があると思います。

アイルランドは規則や決まり事が少ないので、慣れてきたらきっと大人も子供も気楽に学校生活が楽しめますよ。

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