「アイルランドって経済的にはどんな感じなんだろう?」
「一体どれくらい収入を得る事ができるんだろう?」
「日本との差はあるのだろうか?」
今回は、そんな疑問のヒントになるような、アイルランドの職業別の平均年収を公開していきます。
※€1=130円で計算しています
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アイルランド経済の流れ
職業別の収入を見る前に、ずっと貧しかった“アイルランドが先進国の仲間入り”をするまでを簡単に説明したいと思います。
昔から貧しかったアイルランド。
700年以上もイギリスに支配されてきました。
気候も悪いので作物もあまり育たず、摂れてもイギリスに搾取され、常に厳しい生活だったと言えます。
1922年の独立後も経済は悪く、1980年代~1990年半ばまでは北アイルランドのIRA問題もあり、治安もかなり悪いうえに、失業者も多い状態でした。
この頃まで人々の生活は決して楽ではありませんでした。
そんなアイルランドに「ケルティックタイガー(ケルトの虎)」と呼ばれる経済バブルがやってきます。
1995年から2007年まで続いた経済バブルで、アイルランドは一気に成長を遂げ、先進国の仲間入りです。
しかし、ケルティックタイガーが終わると、また不景気に。
そんなアイルランドの経済は、バブル崩壊から10年が経ち徐々に回復しています。
特に、ここ2〜3年の成長はめざましく、プチバブルなんて言われるほどです。
不景気直後は国債の額もすごく、EUの中でもワースト5位になるほど景気失墜しましたが、2017年の一人あたりのGDPがなんと世界で5位になるまで上がりました。
では、これから実際に数字をあげて、この近年の平均年収をみていきたいと思います。
アイルランドの最低賃金と平均年収
2018年時点、最低賃金は時給€9.55(1,242円)です。日本より高めです。
フルタイム、パートタイム、全てを合わせた2017年の平均年収は€37,646(4,893,980円)です。
ちなみに、2016年は€36.920(4,799,600円)です。1年で約10万円増えています。
ではフルタイム、パートタイムと分けて見てみましょう。
【フルタイム】
2017年 €46,402(6,032,260円)
2016年 €45,611(5,929,430円)
→ 1年の差額102,830円
【パートタイム】
2017年 €17,059(2,217,670円)
2016年 €16,597(2,157,610円)
→ 1年の差額60,060円
やはり、フルタイムで約10万円、パートタイムでは約6万円、1年で増えています。
日本では、フルタイム、パートタイム合わせた平均年収が約420万円と言われています。比べてみると、アイルランドの方が70万円程多いのがわかります。
しかし、アイルランドの方が日本より失業率が高いので、一概にアイルランドの方が裕福とも言いがたいです。
実際に暮らしている筆者の立場からの全体的な印象は、アイルランドと日本の差は大きくはないかなと言う感じです。
それでも、ここ2、3年でアイルランドの経済が良くなっている印象はかなりあります。
失業率を見ていくと、ケルティックタイガーの頃は1桁台だった失業率は、バブルがはじけた2009年から2桁台になります。2012年は15%以上と近年で一番高い率でした。
それが2015年からまた1桁台に。2018年1月には6.1%までになりました。
この数字はケルティックタイガーの頃と同じ失業率です。やはり、経済はまた上がってきたと言えます。
職業別!アイルランドの平均年収
では、ここからは職業別の平均年収を細かくみていきましょう。
(月収での情報が多いので、その場合は単純に52週(1年分)で計算しています。)
【2017年】
職業 | 平均年収 |
---|---|
小学校教員 | €30,296(3,938,480円) |
看護士 | €31,756(4,128,289円) |
IT情報通信業 | €54,548 (7,091,240円) |
金融・保険・不動産業 | €58,136(7,557,680円) |
外食・ホテル業 | €25,428(3,266,640円) |
営業職 | €28,288(3,677,440円) |
事務・総合職 | €26,988(3,508,440円) |
農業 | €16,233-30,410(2,110,290-3,953,300円) |
工業・製造業 | €43,316(5,631,080円) |
建設業 | €39,104(5,083,520円) |
運送業 | €40,404(5,252,520円) |
社会福祉業 | €43,108(5,604,040円) |
公務員 | €46,800(6,084,000円) |
平均年収が高い職業は、IT情報通信業と金融・保険・不動産業。
逆に、年収が少ない職業は外食・ホテル業でした。
農業は、農家の規模が大小様々なので、年収にかなり差があります。
参考ウェブサイト:CSO
アイルランドが力を入れている職業
アイルランドが特に力を入れている産業は、IT産業と製薬会社、それに関連する医療機器メーカーです。
IT産業従事者は、年収が高い事で有名です。
製薬会社も、役職がある層は年収がいいですが、工場で働く人の年収は平均的です。
アイルランドの一般的な仕事トップ3
- 小売業
- 営業職
- 農家
が一般的な仕事で、従事している人が多いです。
小売業、営業職はだいたいの国で多い職業だと思いますが、アイルランドの特徴は、農家が多いことです。
アイルランドは酪農が盛んなので、家族経営の小規模から従業員を雇っての大規模の農家まで、様々な規模の農家がいます。
高収入の割合
平均年収と言うのは,年収が高い人も低い人も、全てが一緒に計算されています。
アイルランドはヨーロッパの中では経済格差が大きい国と言われています。
失業率も良くなってきているものの、それでも日本の倍の失業率です。
そこで、アイルランドで高収入を得ている割合がどれくらいなのかも紹介しておきます。
- 全体のトップ10% €60,000(7,800,000円)以上
- 全体のトップ5% €78,000(10,140,000円)以上
- 全体のトップ1.5% €120,000(15,600,000円)以上
- 全体のトップ1% €140,000(18,200,000円)以上
1千万円以上の年収を得ているのは、全体のわずか5%なんですね。
しかしそのたった5%の人達が、アイルランド経済を牛耳っていると言われています。
高収入(年収€100,000以上)トップ10
高収入の場合は職業だけでなく、大手企業の具体的な役職での年収になります。
- アクチュアリー(保険数理士・保険計理士) €300,000(39,000,000円)
- 会計/法律事務所経営者 €250,000(32,500,000円)
- 最高債務責任者 €180,000-250,000(23,400,000-32,500,000円)
- 最高執行責任者 €150,000-250,000(17,550,000-32,500,000円)
- 大手会社社長 €150,000-250,000(17,550,000-32,500,000円)
- 法務・コンプライアンス主任 €160,000(20,800,000円)(リスクマネジメント会社)
- 最高法務責任者 €150,000(17,550,000円)
- エンジニア(技術者)部長クラス €110,000-140,000(14,300,000-18,200,000円)
- 会計士 €109,756(14,268,280円)
- 最高技術責任者 €101,300(13,169,000円)
参考ウェブサイト:careeraddict
年収が€100,000以上の職業につくためには、ほとんどの場合、大学での博士号が必要です。
法律や技術者の場合は、さらに特別な資格も必要となります。
ワーホリはいくら稼げる?日本人向けの仕事と年収
ワーキングホリデイなどで日本人がアイルランドで働く場合、いくら位の収入が得られるでしょうか?
日本人が就きやすい仕事は、何と言っても断然カフェやレストランのウェイター・ウェイトレスです。
次に多いのが、住み込みでの子守り(チャイルドマインダー)「オペア」です。
しかし、オペアは各家庭で働いて欲しい時間や内容が違うので収入に差があります。
カフェでパートタイムで働いた場合を例にあげて年収を考えてみます。
日給が最低賃金 €9,55×5時間=€47,75。
週に5日働くとすると、€47,75×5日間=€283,75で、週給€283,5となります。
単純に52週(1年間)で計算すると、年収は€14,742(1,916,460円)になります。
しかし、学校へ行ったり旅行へ行ったりする場合は、1年間ずっと週5日では働けないので、実際はこの金額より少なくなります。
アイルランドでのフルタイムの仕事は、特に日本人がつきやすいという決まった職業はありませんが、ダブリン方面だと日本向けのコールセンターの仕事やITエンジニア等の仕事があります。
求人サイトを見たところ、ITエンジニアの場合は最低賃金よりはるかに良い€13,46でした。
週40時間の契約だと、€13,46×40=€538,4で、週休€538,4となります。
1年で計算すると、€27996,8(3,639,584円)になります。
コールセンターの求人では、年収€27,000-33,000(3,510,000-4,290,000円)で募集していました。
アイルランドの平均収入よりは下がりますが、これぐらいの年収があれば、生活に困る事なく暮らしていけると思います。
参考ウェブサイト:MixB
アイルランドの労働環境
1. 残業時間と有給休暇
平均収入が日本より高いアイルランドですが、日本より労働時間が長いかと言うと、そうでもありません。むしろかなり短いです。
一般的な企業では、残業は基本的にありません。
有給休暇も、確実に消化しなくてはなりません。
次の年まで持ち越せる有給日数は決っていますので、持ち越せない分は消化します。
筆者の旦那の職場の場合ですが、従業員の半分が休みと言う事さえあります。
特に夏休み期間は、2〜3週間夏休みを取る人が多いので、通常より少人数で仕事をこなしていかなくてはいけません。
それでも、それが当たり前の社会ですので、あからさまにイヤな態度を取る人はいません。
女性の産休制度もほとんどの会社が導入しているので、女性も職場復帰しやすい状況です。
特にケルティックタイガー以降は、女性の社会進出が普通の事になってきたので、なおさら女性の働く環境も良くなっています。
しかし、高収入を得ている人達、経営者の人達はもっと働いています。
それでも日本と比べると、残業時間も少なく夏休み等の長期休暇はきちんと取っているようです。
2. 雇用形態
雇用形態は、比較的日本と似ています。
最近のアイルランドでも、やはり日本同様正社員になるのは難しいようです。
最初は契約社員からスタートする会社が多く、契約を何度か更新した後に正社員になるというパターンが主流です。
もしくは、契約社員として働き、転職しながらキャリアを積み最終的に正社員になるパターンも多いです。
大きな違いは、大卒の雇用形態です。
日本では大学卒業と同時に正社員として雇ってもらえますが、アイルランドでは大学卒業者は仕事経験がないので、最初から正社員として雇ってもらえることの方が少ないです。
インターンシップ等で経験を積むと、正社員になれる可能性が増えます。
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アイルランドの職業別の平均年収のまとめ
日本人留学生やワーキングホリデイでできるパートタイムやアルバイトは、アイルランドの一般的な仕事である小売業や外食業が多いです。
高収入の仕事となると、ネイティブ並みの英語力、それに英語圏の大学を出ていたり資格が必要になるので、日本人がそれらの職に就くのは難しいかもしれません。
ですが、アイルランドで長く暮らしていくとなると、それなりに景気は気になるはずです。
少しでも、アイルランドの経済状況がわかる参考になれば幸いです。
アイルランドは、労働環境も比較的よく平均収入も高いので、プライベートと仕事のバランスも取りやすく、きっと快適に暮らしていけると思いますよ。
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