世界の富豪子息が集うだけじゃない!スイスが誇る教育システム

スイスの教育と聞けば、モナコ公国やイギリス王室といった世界の富豪子息が集って受ける教育というイメージがあるかと思います。

実際スイスには多数のボーディングスクールと呼ばれる全寮制のエリート養成学校があり、「コレージュ・ド・レマン(CDL)」など日本人が通う学校も国際都市ジュネーヴを中心として大規模にキャンパスを展開しています。

今回はそういった富豪子息が通うボーディングスクールではなく、地元のスイス人が通う公立校を中心としたスイスの誇る教育事情について、なかなか日本にいるだけでは手に入らない情報を交えてご紹介します。

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州ごとに違う教育システム

スイスの教育制度は、日本とはまるで異なります。

先ず、何といってもスイスでは各州で教育システムを管轄しているため、教育期間等に違いが出てくるのです。

例えば、州によって、義務教育に含まれる幼稚園の期間が1年、2年ないしは3年と大きく異なります。

また、Primastufe(日本の小学校に相当)SekundarstufeI(日本の中学校に相当)の義務教育期間は合計9年間ですが、その年数の内訳は、州によって異なるのです。

日本で例えると、県によって小学校が5年だったり、6年だったりするようなことがスイスでは当たり前に行われています。驚きですよね。

また、多言語国家であることから、州によってドイツ語圏ではフランス語及び英語の学習が、フランス語圏ではドイツ語及び英語の学習が行われているのですが、言語学習の開始時期がこれまた州によって異なるため、就学中に州を越えて引っ越しする場合は親子ともに混乱を強いられるのです。

もちろんこの制度に不満をもつ親も少なくありませんが、スイス連邦政府としては各州の教育委員会にそれだけ信頼を置いているということでしょう。

実際、ジュネーヴ近郊のある町に住む日本人Aさんは、引っ越しを機にこの混乱する教育システムについて「物申しに」教育委員会に問い合わせたところ、町の教育委員会の会長のみならず、ジュネーヴ州の教育委員会の会長とも話し合う機会が得られたそうです。

結果、全てに納得が出来たわけではないのですが、非常に強い信頼関係が生まれたように思うと話していました。

そういう風に親が思える教育機関との関係は大切ですよね。

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中学校から進路が分かれる

さて、スイスと日本の教育システムについて更に大きく違う点は、小学校での成績が良い学生は、大学進学に向けた高等学校(Gymnasium)の中学部に進学し、そのほかの生徒は普通中学校に進学するという中学校から義務教育期間内でも進路が分かれることです。

勉強が不得意な学生には、実務中学校という実務中心の授業を行う学校が用意されている州もあります。

そして、中学校を卒業後、大学進学を目的とする高等学校(Gymnasium)、3~4年間の実地研修を含む専門高等学校(Fachmittelschule)又は職業訓練学校(Berufliche Grundbildung)と更に進路が分かれます。

専門高等学校及び職業訓練学校では職業選択準備が始まり、それぞれの職業内容に沿った授業を行い、保護者と職業カウンセラーを交えて進路を決定していきます。

日本にも専業高校や工業高校がありますが、スイスにおけるこれらの学校では官民だけでなく、私企業も一体となって教育を施すプログラムが用意されているのです。

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職業訓練教育コースに進む学生たち

特記すべき職業訓練教育というシステムでは、職業によって3年から4年にわたり実務と理論の教育を受けることができるというシステムで、なんとこの期間に一般企業で実務教育を受けることができます。

実務教育という面では日本でも最近インターンシップ制度という決められた期間、企業で働くプログラムを聞くようになりましたが、それはまだ数も少なく、しかも大学に入ってからが圧倒的多数だと思います。

スイスの職業訓練生は日本の高校生の年齢にして、研修先の企業で週に3日から4日実践的な訓練を受けて、残りの日数は職業訓練学校で理論を習うことができるのです。

企業がこうした教育の一端を担うというシステムは、ヨーロッパの中でもドイツなど非常に限られた国でしか行われていないのですが、スイスではこれを長年当たり前のように行っています。

職業訓練の分野には、貿易、医療、教職、電気技師、調理師などさまざまな分野があり、学生たちは個々の興味と能力にあわせて職業を選び、スキルアップの経験を獲得することができます。義務教育終了後、職業訓練を選ぶ学生は何と半数を超える60パーセントにのぼります。(一部では高等学校への進学の学術レベルが非常に高く、このレベルに達しない学生が多いため職業訓練学校に多数行くという理由も聞かれます。)

州によっては、専門高等学校又は職業訓練学校において必要な条件を満たした生徒は、高等学校へ編入し大学入学資格試験を受けることができます。

高等学校において、Matura (Gymnasium卒業試験合格証)を取得すると一般大学、専門大学、更なる高等職業教育等の大学への道が開かれます。

高校進学を選ぶ学生たち

一方、高等学校を経て大学へと進学する学生たちは、どういった能力を身に着けるのでしょうか。

スイスには10の州立大学2つの連邦大学があり、そのレベルは世界でも上位に位置します。

言わずとも知れたアメリカのハーバード大学、スタンフォード大学、マサチューセッツ工科大学、イギリスのケンブリッジ大学などの名門校に並び、スイス連邦チューリッヒ工科大学は世界ランキングトップレベルで、ノーベル賞受賞者を21名も輩出しています。

この秀でた学生たちが起業し、自分たちが開発した最先端ビジネスを成功させることも多々だそうで、この大学進学組がビジネスルートを切り開き、職業訓練を受けて専門技術に磨きがかかった学生組が輸出する製品を支えるという構造をもって、国土は狭くとも国力は十分なスイスという国が成り立っていると言えます。

その他、成人のための教育システムも充実していて、MBIなどの国際的なディプロムも仕事をしながら夜間学校や週末開かれる授業に通えるようになっていて、国全体として教育に非常に力を入れていることがあちらこちらで伺えます。

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エリートか否か

世界に名だたる名門校に入ることがエリートとされる世界の風潮の中で、スイス独自の教育システムでは、こうした大学に行かなくとも、専門性の高い技術力を身に付け、高所得を獲得することが可能になるわけです。

そして、その技術力がEU諸国の中でも引けを取らないスイスという国を支えているのです。

スイスの14歳から15歳で将来の方向性を自ら決めなければならない教育システムは非常に厳しい反面、日本のように大学に行くことが目的であり重要と思われているのではなく、実践現場で鍛えられた人材を輩出していくことがこの国では何よりも社会貢献であり、自分の人生を「エリートにするか否か」を決めているのです。

まとめ

国土面積約4万1000キロ平方メートルで、北海道のおよそ半分という小さな国にして、経済的に観光産業とスイス時計といった優秀な製品、サービスを海外へ輸出することで国力が成り立っています。

そういった製品を生み出す優秀な人材を育てるために、国が費用をかけ、国全体が一体となって取り組む教育システムには、日本が学べる点が多々あると思います。

これを機に、世界中の教育システムについて学んでみたいですね。

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