実体験で語るスイスのリアルな教育事情。私の2人の子どもの場合

※この記事はせかいじゅうサロンの「海外在住者ピックアップ」企画で、紹介された内容です。

せかいじゅうサロンの皆様こんにちは。スイスのニヨン近郊の村に住んでいるYoshikoです。今年でスイス在住歴32年になります。先日よりスイスライブイベントでスイスでの生活やビザのことなどお話してきましたが、今回は主に我が子のスイスの教育について焦点をあててご紹介させて頂きたいと思います。

1つの国で4つの公用語(フランス語、ドイツ語、イタリア語、ロマンシュ語)があるスイスだからこそ子どもの教育は常に言語の選択が隣り合わせです。

親の言語事情

私はスイスで2人の子供を産み育てました。主人はスイス人です。主人のお父様はドイツのベルリンで育ったスイス人、お母さまはルツェルンで育ったスイス人という家庭で、家では主人が学校に入るまでドイツ語のみだったそうです。

小学校はジュネーブの公立校で、もちろんフランス語。彼はドイツ語、スイスドイツ語、フランス語がほとんど変わらず話せるトリリンガルです。

私はスイスでフランス語を学ぶため学校に通っていましたが、フランス語の苦手意識はその後10年近く続きます。そのような理由から娘の保育園を選ぶ時、その当時の主人の秘書の方のアドバイスもありモンテソーリの英語のプレスクールに入れました。今ではフランス語でもモンテソーリの学校は多くありますが、当時は2校ほどで英語でした。

選んだ理由は校長先生が明るい教育熱心なオーストラリア人の方で彼女とは今でも交流があり、時々子供達と遊びにも行きます。

この保育園では夏とクリスマスに学芸会をします。学期毎に世界中の国々の文化や伝統をベースにしたアクティブィティーをするので、学芸会の題材はその国だったり、その大陸だったりします。4歳位の子供達が楽しそうにカラビアンの衣装を着て踊ったりするのを見るのは心温まります。

モンテソーリ幼稚園

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家庭での言語事情

家では主人がフランス語、私が日本語を話していました。

母国語は一つに絞った方がいいという人もいるのですが、主人自身複数の言葉で育ち問題なかったので私達はフランス語、英語、日本語で娘を育てていました。

バイリンガル教育については子供の性格、住んでいる環境、将来の希望などの要素を考慮して進めていく必要があるのでまたの機会に皆様と意見交換出来れば面白い企画になるかと思います。

スイスの教育①:娘(公立小学校)の場合

娘が6歳で小学校に入るときは村の公立校にしました。

前もってご了承頂きたいのは、スイスの公立校は地域色が強く、私がここでお話しする公立校はドイツ語圏や他のフランス語圏にある公立小学校と違うところがあるのはご了承下さい。

ちなみにお休みの始まる日や終わる日も全く違います。

私は50パーセントで仕事をしていました。

村の公立小学校は朝8時30分に始まり11時30分に終わり家に帰って食事し、午後は13時から15時半まで。働いているお母さん達はオーペアの子を雇ったり、お互いにお昼に子供達の面倒をみたりしていました。

私は融通が効いたので週に3日はお昼家にいることができました。残り2日はお友達のお母さまが娘のお昼の面倒をみてくれていました。ジュネーブに近い地域柄、学校のお友達は半数以上外国人で、スイスドイツ人、ドイツ人、イギリス人、フランス人が特に多く、ジュネーブの通勤圏で、国際機関や企業で働く人が多く住んでいます。

南国の人が少ないのは、ここは標高800メートルで冬はレマン湖の霧の上、ただし雪はジュネーブなどより多く降るのでそれが理由な気がします。

霧の上の村の小学校

霧の上の村の小学校

両親が国際結婚しているお友達がほとんどで、家でフランス語のみで話していないのはうちだけではありませんでした。娘が仲良くしていたステラはお母様がドイツ人、お父様がアメリカ人、ジャックはお母様がイタリア人、お父様がオーストラリア人、フィリップはお母様がイギリス人でお父様がフランス人でした。

このような環境で育った子供達は自分が違うという意識は全く無かったようです。

その頃ポケモンが子供達の間で人気で、ポケモンに興味がなかった娘がお友達にガッカリされたらしいです。この頃から若い人達の間で日本が人気になって来ていました。それは現在も続いています。

スイスの小学校ではあるレベルに達していない子供は一年生であれ落第します。飛級も行われますが精神年齢も考慮するのでお勉強ができるだけでいくつもの飛級はさせてもらえません。

宿題は主に終わらなかったところを家でやってくるのが中心です。

お休みの前だからと多めに宿題が出ることはなく、お休みは家族や友達と楽しんだり、長めのお休みは旅行へ行ったりします。夏休みも同じで、宿題はありません。

我が家では主人がイギリスのクラシックカーの趣味があったのでその車検の為その車でイギリスへ行っていました。子供達はデイキャンプに行かせていました。

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スイスの教育②:娘(私立中学校)と息子(公立高校)の場合

小学校4年が終わると少し遠い5年制中学校に行きます。

我が家は主人がドイツ語を子供達もマスターして欲しいとニヨンのフランス語とドイツ語バイリンガル教育の私立校に入れました。

クラスは一年目は体育、美術、音楽などがドイツ語で行われます。二年目から歴史、数学、化学などもドイツ語で行われます。この時点で娘は英語、フランス語、ドイツ語が問題なく読み書きできるようになっていました。

ただ彼女には校風が合わず、三年目の時点でジュネーブインターナショナルスクールに転校させました。

ジュネーブインターでは英語とフランス語のどちらかを選べるので、娘は英語を選びました。

ちなみに現在世界中で大学入試資格として採用されているIB(インターナショナル バカロレア)は1968年にこの学校で始まりました。

このジュネーブインターはキャンパスが3つあり、ジュネーブ市内のグランドボアジエ(Grande Boissière)、国連に近いナシオン(Nation)、娘の行ったジュネーブ市外のラシャット(Châtaigneraie)。ジュネーブ市内のキャンパスは駐在員の子息、ナシオンは国連関係者の子息、ラシャットは長期滞在者の子息と校風が微妙に違います。

息子は高校から公立校に行っています。彼は理数系に進みたかったので公立校の方が良いと判断しました。

スイスの私立高校と州立高校では大学進学資格試験の内容が全く異なります。州によっても違い、その説明をここですると長くなってしまいますので省略させて頂きます。

スイスの教育、その後

スイスの大学進学率は20パーセント程だと言われています。大変低いようですが、それはその他の高等教育が充実しているせいでもあります。

スイスの教育自体が個々の能力と個性に合った進路指導をしているため、大学進学を目的とした州立高校の他にも、職業訓練課程(アプレンティサージ)というものがあり、週の3-4日を実際の職場で職業訓練し、1-2日を学校に行くシステムで、大多数の子供達は自分にあった職業訓練課程を選択します。

例えばスイスといえば銀行ですが、銀行員になりたい場合にはこの職業訓練課程の銀行を選択して、実際に銀行で働きながら実務経験を積み同時に銀行員として必要な科目や一般教養の勉強を続けます。職業訓練課程を終えた生徒には連邦職業教育訓練証明書が与えられます。

連邦職業バカロレア資格のコースもあり、これにより専門大学進学への道も開かれます。

大学進学資格試験(マチュリテ)に合格した生徒は基本的にどこの希望大学にも進学することができます。

理学療法士などの専門職になる為の高等専門学校には入試があるようです。

入学はできるものの年2回の進級テストは必ずパスしないといけないので卒業するまでが大変です。

何もかも薔薇色の様なスイスの学校ですが、やはり色々問題もあります。アプレンティサージの受け入れ会社が年々少なくなっていたり、待遇が良くなかったりするそうです。

日本人建築家による連邦工科大学ローザンヌ校

日本人建築家による連邦工科大学ローザンヌ校

全寮制の学校

皆様一番気になっていらしゃるのがスイスの全寮制私立学校だと思います。多くがフランス語圏にあります。

学校は色々違ったスクールカラーを持っていて、ある学校は自然の中でのアクティビティに力を入れていたり、またある学校はアットホームな良さを全面に出したりとそれぞれです。お子様の性格にあった学校選びが大事です。

最後に

ここまででが私の個人的経験に伴ったスイスの大まかな教育状況です。

日本の学校と比べると残念なのがクラブ活動です。スイスの学校にはクラブ活動がありません。

私の息子はバスケットボールをしたかったのでニヨンのバスケットボールクラブに参加しました。学校が終わると先ず家に帰りバスケットボールの準備をしてクラブに行きます。他の学校の子供達と一緒にプレーするので良いところもあります。このクラブは高校2年生の時にスイスチャンピオンになっています。

スイスチャンピオン

スイスチャンピオン

大学にも日本のようなクラブ活動はありません。

この地域の学校では両親ともスイス人は少数派です。子供達は異文化に寛容で、違いを楽しんでいるところさえあります。

最初に書きましたが、日本は人気です。

アニメ、ゲーム、寿司、ラーメン、そういう意味では私達はラッキーなのかもしれません。

小さな街ニヨンですら、6件ものお寿司屋さんがあります。

余り美味しいとは言えませんが、それもこれも微笑ましいと思える今日このごろです。

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