ヨーロッパの中心に位置するスイス。
小さい国ながら、多くの国際的な機関や企業があり、または大学への留学生など、国外からのスイス移住者は後を絶ちません。
「移住」とは移り住むこと、そして住むには「住居」が必要。
今回は、スイスのアパート事情と物件を探す方法について、スイス在住者からのそのポイントをいくつかご紹介します。
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スイスで物件を見つけるのは簡単?困難?平均家賃は?
どの国でも大都市では物件が不足しており、スイスも例に漏れず、チューリッヒやジュネーブの市内などでは理想の物件を見つけることはなかなか困難だと言われています。
ただ、スイス国内は公共の交通機関が充実していることから、郊外であっても移動に不自由を感じないので、市内にこだわらなければ家賃も競争率も下がり、良い物件に巡り会えるチャンスが増えます。
スイスの平均家賃(2LDK)
物価が高いことで有名なスイスの3.5部屋(2LDK)の平均家賃は
- スイス全土 1340フラン(約15万円)
- チューリッヒ市内 2300フラン(約25.7万円)
と、チューリッヒ市内に関しては東京の都心の平均家賃と大差ない金額ですが、スイスの2LDKは大抵70〜90平米なので、広さで考えると東京より安いと言えます。
抑えよう!日本とは異なる、スイスの部屋数表示の見方
スイスに単身での移住か、家族での移住か、人数によって必要な部屋数も変わってきます。
物件掲載を実際に見る前に、日本では1K、2LDKなどの表記が一般的ですが、スイスでは居間やキッチンなどの区別はせずに部屋数にて表示されます。
たとえば、日本でいう3LDKとは
リビングダイニングキッチン、個室三室
を意味しますが、スイスではこの物件は「4.5部屋」と表されます。
4.5部屋とは、3部屋に通常より大きめな一室(1.5部屋)で構成される部屋で、この大きめな一室がリビングルームダイニングキッチンであることがほとんどです。
ただし、掲載者によっては、広めの玄関であったり広めの台所であったりする場合、この空間を0.5部屋として部屋数に加える場合もあるので、広めの部屋だと思ったのに違う!ということもあります。
スイスでの部屋数の目安
部屋数の目安は次の通りです。
1部屋 :ワンルーム または 1K
1.5部屋:広めのワンルーム または 1K
2部屋 :1DK または 2K
2.5部屋:1LDK
3部屋 :2DKまたは3K
3.5部屋:2LDK
4部屋 :3DKまたは4K
また、ほとどのアパートは地下か屋根裏にそれぞれの物置スペースがあり、このスペースは家賃に含まれています。
スイスで賃貸アパートを契約するには、なにが、どれくらい必要?
日本同様、アパートの契約にはそれなりの書類と準備金が必要となります。
申込に必要な書類は家主によって異なりますが、
- 住民票や滞在証明証
- 金銭に関する証明証(借金などの問題がないという証明)
など、日本では入手が困難な書類が必要になる場合があるので、問合せの際に必ず確認しましょう。
スイスの敷金、礼金について
アパート契約の際、初めの一ヶ月分の管理費を含む家賃に加え、大抵は家賃と管理費三ヶ月分の納入が必要です。
これは日本での敷金にあたる費用で、退去時に破損などがあれば、修繕費はこちらから引かれ、残りの金額が返金されます。
なお、スイスに礼金というシステムはありませんので、初めに家主に支払う金額は家賃の4ヶ月分程度と考えておいてよいでしょう。
管理費に含まれるものは?
水道代であったり、電気代であったり、こちらもアパートによって異なりますが、どのアパートにおいても暖房費と温水費に関しては管理費に含まれています。
スイスのアパートの殆どは地下にボイラー室があり、アパート内の全世帯に繋がっているので、暖房に関しては室内にある調節器やパネルで簡単に温度調整ができ、温水は蛇口からでます。
ただし、暖房も温水もメーターが設置されており、どの部屋がどれだけ使ったか使用量がわかる仕組みになっているので、多く使えば追加請求されますが、逆に使用が少なければ一年に一度差額を返金してもらえます。
スイスのアパートは日本とどう違う?抑えておくべきこと
スイスで居住物件を検索する際に家具付きか否かを選べますが、集合住宅の場合、家具なしであっても、基本冷蔵庫と洗濯機は備わっています。
ただし、洗濯機については物件探しの際に注意が必要です。
洗濯機は洗濯室にて
スイスでは最近は室内に設置されている物件も増えてきましたが、多くの、特に古い物件では、地下などにある洗濯場で他の住民と洗濯機を共有します。
利用方法はアパートによって異なり、無料であったり、利用時に専用のカードやコインが必要となる場合もあり様々です。
また、利用時間について、空いていれば自由に使えるアパートもあれば、予約表にて洗濯日を決めるアパート、また年間スケジュールで一年で使える日が既に決められているアパートも。
洗濯頻度の高い日本人にとっては不自由さを感じるシステムなので、可能であれば室内に洗濯機のついた物件をお勧めします。
日曜日は静かに!
休日である日曜日や祭日に掃除機や洗濯機の使用が禁止されているアパートもあります。
日曜日は殆どの会社やお店はお休み、つまり、多くの人々にとってのんびり過ごす日であるため、その権利を邪魔するような行為は慎むべきだ!という考えです。
が、このルールは大都市や防音効果の高い新築物件などではあまり聞かなくなりました。
また平日でも、お昼時や夕食時などは掃除機などの機械音を控えるといったルールやそのような考えを持つ人も多くいます。
入居の際は、確認しておきましょう。
スイスで実際にアパートを探してみよう!探し方を解説
スイス国内での物件を探す方法としては
- インターネットにて物件掲載サイトを利用する
- 大学の掲示板を利用する
- 仲介業者に依頼する
が挙げられます。
それぞれ紹介したいと思います。
物件掲載サイト
ネット環境さえあれば、ありとあらゆる情報が手に入るこのご時世、スイス国内でも物件探しはほとんどの人がインターネットの情報サイトにて行っています。
homegate: www.homegate.ch/en
immoscout24:www.immoscout24.ch/en
home ch:www.home.ch/en/
ALLE IMMOBILIEN:www.alle-immobilien.ch/en
このようにスイスの物件情報の提供を行っているサイトは幾つかありますが、中でも有名なのは
- homegate
- immoscout24
の二つです。
物件の掲載者は個人から企業まで幅広く、居住物件に限らず、店舗やオフィス、駐車場なども探す事ができます。
言語はドイツ語、フランス語、イタリア語と英語が選択でき、連絡方法もフォームが設定されてあるのでシンプルです。
ただ、人気のある地区の物件は問合せも殺到するため、翌日には削除されることも多々あるので、気になる物件は内容を確認次第、すぐに掲載者へ連絡する事をお勧めします。
大学の掲示板を利用する
不要品の売り買いや語学交換パートナー募集など、様々な情報が掲載されている大学の掲示板。
大学によっては物件ではなく仲介業者の紹介的な掲載もありますが、中でもチューリッヒ大学の物件掲載ページに関してはルームシェアからアパートの一室まるごと掲載されている場合もあるので、物件探しの穴場的存在です。
HP:チューリッヒ大学
仲介業者に依頼する
様々な仲介業者がありますが、ジュネーブ近郊には日本語での対応を受け付けてくれる会社があります。
HP:トレッソンヌ・サール
連絡が上手く行かない、なかなか見つからない、そんな時は?
日本からの連絡ではなかなか事が進まない、もしくは物件は見て決めたい!という場合は、まずサービスアパートメントに短期滞在にて入居するのも一つの手です。
気に入った物件を直接見る事ができ、家主とも会って話せるので、お互いの安心感が増します。
また、スイス国内に幾つか存在する日本人会に問い合せることで、会員間のみに提供されている情報を得たり、「物件を探しています」いったメッセージを掲載してもらえる可能性もあります。
スイスのアパート事情と物件探し方のまとめ
スイスに限らず、勝手の違う異国で生活を始めることはそう簡単ではありませんが、達成できるとその喜びも倍増!ちょっぴり古くさい習慣もあり、面倒に感じることもありますが、几帳面で誠実なスイス人は、もの静かと有名な日本人に対して友好的です。
また、スイスは外国からの移住者も多いことから、様々な文化に触れる事ができるのも、スイスで暮らす魅力の一つ。
スイスでの暮らしは、様々な面において有意義な経験となることでしょう。
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