好調な経済成長とともに日々都市開発が進んでいる首都ジャカルタには、多くの日本人が駐在しています。
さらに、リタイアメントビザの発給により近年ロングステイ先としても注目されていたり、留学生が増加していることもあって、インドネシア全体を見てみても在留邦人数は増え続けています。
インドネシアで暮らす場合、現地の銀行に口座を持っていると何かと便利です。
エージェントを通して口座開設することもできますが、手数料が意外と高額なので、自分で口座開設する際のお役立ち情報をまとめてみました。
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インドネシアにはどんな銀行がある?
インドネシアには、国営・民間を含め、数多くの銀行があります。その中でも大手で、4大銀行と呼ばれるのが、
- Bank Mandiri(マンディリ銀行、国営)
- Bank Rakyat Indonesia:BRI(インドネシア国民銀行、国営)
- Bank Central Asia:BCA(セントラルアジア銀行、民営)
- Bank Negara Indonesia:BNI(インドネシアネガラ銀行、国営)
であり、この4行で、市場のシェアの40%以上を占めています。
その他には、
- 低所得者向け住宅金融やローンがメインの国営銀行のBank Tabungan Negara:BTN(国営貯蓄銀行)
- 消費者・中小企業向け金融に強いBank Danamon(ダナモン銀行)
- マレーシア系のCIMB NIAGA(CIMBニアガ銀行)やMaybank(メイバンク)
- 保険にも力を入れており、豪州のANZ銀行と提携しているPanin Bank(パニン銀行)
などがあります。
インドネシアの銀行口座開設のメリット
インドネシアでの口座開設のメリットは、大きく2つあります。
1.ATMで手続き
まず一つは、インドネシアで生活する上でのさまざまな手続きがATMを通じて簡単にできることです。
インドネシアではまだあまり公共料金の自動引き落としが定着しておらず、電気代や水道代などを、毎月自分で支払いに行く必要があります。
コンビニや郵便局、水道局などで、直接支払うことになるのですが、郵便局や水道局は夕方まで、コンビニも24時間営業の店舗は大都市を除いてあまり多くないので、働いている人などは、なかなか払いに行く時間が取れないことがあります。
しかし、銀行で口座を開設していれば、街中のいたるところに設置してあるATMから、24時間支払いが可能になります。
・公共料金だけじゃない!携帯代金や交通料金も支払いできる
また、携帯電話のPULSAをチャージすることも、予約した鉄道や飛行機のチケットの支払い等もATMで行うことができます。
また、従来のインドネシアのATMは日本のものと違って現金は引き出しのみで、入金はできなかったのですが、最近は入金のできるATMも少しずつ増えてきました。
これにより、わざわざ支店に行かなくても24時間入金が可能になり、さらに便利になりました。
2.預金の貯蓄の効率の良さ
インドネシアの定期預金の金利の高さは、今日本でも注目されていますね。
日本では0.1%程度しかつかない利息が、インドネシアでは普通預金でも0.8%ほど、定期預金では5.5%以上つくので、預金を確実に増やせるのです。
また、定期預金というと数年の間引き出せないイメージがありますが、インドネシアの定期預金は最短で満期が1ヶ月から設定できるので、抵抗なく始められるのではないでしょうか。
銀行口座とある程度まとまったお金があれば簡単に手続きすることができ、ただ口座に眠らせておくよりも断然お得なのでおすすめです。
日本人にオススメの銀行は?
インドネシアルピアへの信用度がやや低いので、インドネシアの銀行に口座を持つのに不安感のある方もいるでしょう。
したがって、日本人にオススメなのは、リスクの少ない国営銀行です。
なぜかというと、国営銀行はペイオフという銀行預金保障制度があり、約2000万円まで保障されるので、安心だからです。
インドネシアには、国営銀行はマンディリ銀行、BRI、BNI、BTNの4行があります。利率はほぼ差はないのですが、インドネシア国内での支店やATMが圧倒的に多く何かと便利なことから、マンディリ銀行がおすすめです。
また、BNIは東京に支店があり、東京支店からインドネシアに送金できたり、定期預金の受け入れを行っていますので、日本とインドネシアを行き来していて、日本からも銀行手続きを行いたい人には、BNIもいいかと思います。
民間の銀行であれば、BCAが外国人の口座開設が比較的しやすいようです。
また、Maybankは日系企業などの顧客が多く、口座を保有している駐在員も多いようです。
では、次に、筆者のインドネシアのメインバンクである国営マンディリ銀行について、さらに詳しく見てみましょう。
マンディリ銀行について:金利や口座解説方法
インドネシアのマンディリ銀行は、1997年のアジア通貨危機後、4つの銀行が合併して誕生した、インドネシア最王手の国営銀行です。
2016年現在の支店網は、7か国で2,500以上にのぼります。
2020年までにはASEAN上位3行入りを目指しているマンディリ銀行は、海外での業務拡大にも積極的で、ASEAN域内で自由に業務ができる「適格ASEAN銀行(QAB)」に新たに認定され、マレーシアでの業務を拡大しています。
今後も大口顧客や個人向けへの銀行サービスの拡充が期待できます。
また、170万人が利用するマンディリ銀行独自の電子マネー「Mandiri e-cash」では、LINEを使って携帯電話のPULSAの購入、電気代の支払い、他ユーザーへの送金、オンライン・オフラインでの買い物などの様々な取引が、チャットのように気軽に行えるサービスがあり、若者を中心に拡大しています。
マンディリ銀行の金利を見てみましょう。
金利
2017年8月現在の、普通預金の金利は、
- Rp. 0 – < Rp. 1,000,000 : 0.00 %
- Rp.50,000,000 – < Rp.500,000,000 : 0.70 %
- Rp. 500,000,000 -< Rp. 1,000,000,000 : 1.20 %
- >=Rp. 1,000,000,000 : 2.00 %
預ける金額が大きいほど、利率も上がりますね。
一方、定期預金の金利は、Rp.1,000,000,000までの預金額で、
- 1ヶ月・・・年利4.25 %
- 3ヶ月・・・年利5.75 %
- 6ヶ月・・・年利5.75 %
- 12ヶ月・・・年利4.75 %
- 24ヶ月・・・年利4.75 %
となっています。
Rp.1,000,000,000(約840万円)以上ですと、利率は0.25上乗せになります。
ちなみに、12ヵ月以上になると年利が下がるのは、国が安定してくると公定歩合の引き下げが行われるからとのことです。
マンディリ銀行の口座開設方法
マンディリ銀行の口座開設は、外国人であればインドネシア居住者限定であり、滞在許可証の「KITAS(暫定居住許可証)」または「KITAP(永久居住許可証)」を所有していることが条件となります。
インドネシア国内のどの支店でも口座開設はできますが、口座を解約する際は、開設した支店でしか手続きできないので、転居の予定がある人などは注意が必要です。
また、インドネシア人でも、KTP(住民票)に記載されている地方の支店でしか口座開設できないんだそうです。
意外と条件が厳しいですね!
BNIと違って日本に支店はないので、口座開設は現地で行う必要があります。
また、日本でもエージェントを通せば渡航せずに10万円弱の手数料で口座を開設できるようですが、ここでは割愛します。
口座開設に必要なもの
では、銀行に行きましょう。
用意するのは、
- パスポート
- KITASまたはKITAP
- 初回入金分の現金50万ルピア(Rp.500,000)以上
- 印紙代6千ルピア
などです。
バリ島やジャカルタのスディルマンエリア、BSDエリアなどの支店では英語が通じる可能性もありますが、その他のエリアでは、どうしてもインドネシア語が必要になってきます。
自信がなければ、現地の友人などにサポートしてもらうしかないでしょう。
記入用紙には、インドネシアと英語の記載があります。どちらかの辞書も持っていくと、安心です。
銀行に入ったら、カスタマーサービス{インドネシアではCS(チェーエス)と呼びます}の順番カードを取って呼ばれるのを待ちます。
マンディリ銀行はいつも大変混んでいるので、比較的空いている開店直後に行くのがおすすめです。お昼前後は混みます。
また、月曜日は混むのでなるべく避けましょう。
口座を開設しても、ATMのカードの発行を申請しないと作ってくれない場合があるので、忘れずに確認しましょう。
SMSバンキングやインターネッとバンキングも、希望する場合は手続きしておきましょう。
旅行者でも銀行口座開設はできる?
マンディリ銀行の場合、口座開設にKITAS/KITAPが必要なので、旅行者は開設できません。
ただし、2015年に出たニュースでは、政府は、外国人に対する外貨建て銀行口座の開設手続きの緩和を検討しているそうです。
5万ドル以内の預金口座開設であれば、KITASを取得していない観光客でも、パスポートのコピーの提示だけで口座の開設を認め、5万ドル以上の場合は自国の銀行の証明書や、インドネシアの滞在先の居住を証明できる書類などの提示を求める方針ということですが、2017年8月現在、この政策はいまだに実行されていません。
発表した政策がよくわからないうちにとん挫していることは、インドネシアではよくあることなので、これからどうなるかわかりませんが、もし実施されたら、旅行者でも口座を開けるようになりますね。
ATM手数料
マンディリ銀行のATMは、全国に約269,000基以上も設置されています。
また、24時間対応にも関わらず、休日や時間外でも手数料が取られることがありません。これは、仕事などで日中ATMに行く時間がない人にはうれしいですね。
また、インドネシアには「ATM Bersama」という、70以上の金融機関が参加するATMのネットワークがあり、マンディリ銀行のキャッシュカードを使用することができますが、ここでは現金の引き出しに4,000ルピア、振込に5,000ルピアの手数料がかかります。
また、VISA Plusと書いてあるATMでも使用できますが、引き出し1回につき手数料が15,000ルピアと、若干高めです。
手数料が断然安くなる場合も。最新の海外送金方法
最近ではTransferWiseという新しいシステムを用いた送金方法もあります。インドネシアと日本はこちらのシステムに対応していますので、ぜひチェックしてみましょう。
インドネシアの銀行口座解説まとめ
最近はスーパーなどでもデビッドカードでお支払いできるので、かなり汚れてシワシワになって、触るのを躊躇してしまうようなインドネシアの紙幣を大量に持ち歩かなくてすむので気分もすっきりするし、高い利率で預金が順調に増えていくのもうれしいですね。
インドネシアの銀行というと、いまいち信用できないと思われる方もいるかもしれませんが、マンディリ銀行は2008年のサブプライムローンの影響もあまり受けず、上場後も安定した成長を続けています。
インドネシアに長期で滞在する方は、ぜひ口座を開設することをおすすめします。
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