インドネシアの医療事情と健康保障制度と加入方法をくわしく解説

インドネシアの医療事情と健康保障制度と加入方法をくわしく解説

インドネシアは世界人口第4位で、今後の経済成長が大いに期待されている国です。

そんなインドネシアへの移住を考えている方、または駐在予定の方にとって一番気になることの一つが、現地の医療事情ではないでしょうか。

「持病の治療で通える病院が向こうにもあるの?」
「日本語の通じるお医者さんは?」
「今は元気でもいつ事故や災害にあうかわからない!」

などといった、健康にまつわる不安がつきまとうのが海外暮らしです。

そこで、インドネシアに移住する前に必ず読みたいインドネシアの医療事情と、できれば加入しておきたい社会健康保障制度のメリットデメリットおよび加入方法について現地在住の筆者がご紹介します。

関連記事:日本人におススメのバリ島の病院。ケガや病気の実例集付きで紹介

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インドネシアの医療レベルは「都会」と「田舎」で異なる

東南アジアの病院と聞くと、衛生環境が悪く劣悪な施設をイメージされる方も少なくないでしょう。

では、インドネシアはどうでしょうか。

インドネシアのなかでも地方都市や田舎に住む場合と、ジャカルタやバリ島に住む場合では、医療事情は大きく異なります。

地方都市や田舎の医療レベル

インドネシアの地方都市や田舎では、日本人が安心してかかれる医療施設は少ないと言えます。

しかし、ちょっとした怪我の応急処置や体調不良で地元の病院にかかるのは可能です。

夕方から営業することの多いインドネシアのクリニックでは、風邪や頭痛やめまいといった地元の人もたまにかかるような不調の対応をしてくれます。

また、デング熱などの緊急な治療を必要とする症状の治療にも、地元のクリニックが頼りになるかもしれません。

ただし、持病の治療、大きな事故や深刻な病気のきちんとした対応は田舎では期待できません。

ジャカルタやバリ島、または状況によってはシンガポールやマレーシアなど、近隣の国の病院へ移送される可能性があります。

インドネシアの地方都市の病院

インドネシアの地方都市の病院一例

田舎の病院では衛生環境が悪く、医療処置ミスや診断ミスなどもたまに聞きます。

また、病人はマスクをするという習慣があまりないため、病院へ行くと具合の悪い人が多くおり、病室でむしろウィルスをもらってしまう可能性さえあります。

ですから、地元の信頼できる人に評判をよく聞いて病院またはクリニック選びは慎重にしましょう。

たとえ現地で治療可能と医師が判断した場合でも、大きな怪我の場合は都市部の大きな病院へ移送してもらったほうが賢明な場合もあるようです。

実例)骨折の治療に失敗

知人の例をあげてみます。インドネシアの田舎に長期滞在中に骨折し、地元の人に勧められるがまま近くの医療施設ですぐに治療を受けたのですが、激しい痛みを伴った上になんと骨が曲がった状態でついてしまったそうです。

結局、数ヶ月後に大都市の大きな病院へ行き、手術してまっすぐに直す、というなんとも大変な展開になってしまいました。

大きな都市の医療レベル

では、インドネシアへ移住または赴任になる日本人のほとんどがおそらく住むことになる大きな都市では、どうでしょうか。

嬉しいことに、外国人が多く暮らすジャカルタやバリでは国際基準にかなった医療のレベルが期待できます。

シンガポールなど先進国で経験を積んだ英語対応の医師も多くいます。

なかでも首都ジャカルタでは、気軽に相談できる日本人医師または看護師、または日本語通訳スタッフが常駐している病院がいくつもあり、言語が不安な場合でも安心してかかることができます。

ただし、そういった病院は高額医療に含まれ、自己負担の場合は日本では考えられないほどの金額になりますので、海外旅行保険や会社の保険に必ず加入しておきましょう。

実例)バリ島で130万円

バリ島で怪我をして、現地のとある国際病院で手術を受けた日本人の方の体験談です。

シンガポールで経験を積まれた英語のできる主治医で、医療レベルは最新で施設も新しく技術も安心だったのですが、日本では国民健康保険の適用で自己負担額12万円程度の骨折手術が、バリ島の病院ではなんと日本円で130万円ほどかかったそうです。

実例2)一泊入院で50万円

また、筆者がバリ島で高熱が出たため点滴を受けたところ、治療費とVIPルームの一泊入院費を合わせて日本円で50万円ほどでした。幸いにもキャッシュレス保険適用になり、自己負担はありませんでした。

もし有効な保険に加入していなかった場合はこれだけの金額が全額自己負担になることを考えると、思いがけない事故や急な病気のことを考えて必ず何らかの保険に入っておくべきだと言えます。

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インドネシアで駆けこめる日本語対応の病院・歯医者さん

前述の通り、インドネシアへ移住する外国人のほとんどは首都のジャカルタとバリ島に集中しています。

実際筆者も、ジャカルタとバリ島の両方で怪我や病気の治療を受け、歯医者にもかかりました。

総合的に言って、バリ島よりもジャカルタのほうが日本語対応の病院が多く、選択肢が広いようです。

しかしどちらも治療のレベルには問題なく、現地在住の場合、治療費が多少高くついたとしても日本まで帰る往復の飛行機代を考えるとインドネシアの病院にかかったほうが安く上がることもあるはずです。

特に、歯のトラブルなどちょっとした治療などは、たとえ全額自己負担だとしても驚くほど高くつくことはあまりないでしょう。

目安として、ジャカルタの日本語対応歯医者で歯の被せ物を付け直した場合は、初診料と治療費で約15,000円、バリ島の日本語対応歯医者で似たような治療を受けた場合は初診料と治療費で約9,000円でした。

バリ島の国際病院の病室

バリ島の国際病院の病室

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日本とインドネシアの病院は「食事」が違う。意外と豪華!

日本と異なる点のひとつは、病院の食事かもしれません。

バリ島の日本語対応総合病院に入院した際の食事のメニューには、驚きました。

食事制限が必要な病気ではない場合に限られるかもしれませんが、二つのメニューどちらか選ぶというようなものではなくレストランのメニュー並みの豪華さでした。

おかゆなどはもちろんありましたがハンバーグ、唐揚げ、ソーセージ、魚の塩焼き、焼きそばなどの日本食メニューリストが与えられ、その中から好きなものを頼むというシステム。

食欲がなくフラフラな状態でしたが、頑張って食べてねと看護婦さんに肩を叩かれました。

病人や怪我人は胃に優しいものを食べるもの、という日本の感覚とは違った対応も、海外の病院ならではです。

バリ島日本語対応総合病院の病室食

バリ島日本語対応総合病院の病室食

嬉しいことに、日本の健康保険がある場合、インドネシアで治療を受けた後にクリニックでドクターズリポートを入手すれば(別途費用)、帰国した際に後から国民健康保険の適用による払い戻しを受けることができるケースがあるようです。

日本語対応の病院やクリニックではその書類の入手法や日本に帰った後の手続きに関しても丁寧に案内してくれますので、必ず受付で確認しましょう。

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日本人がいける病院・クリニック一覧

では、そんなジャカルタとバリ島で、日本人が安心して駆けこめるクリニックや病院をご紹介します。

ジャカルタのクリニック一覧

・タケノコ診療所スディルマン本院 (一般・歯科)

住所:Apartment Sahid Sudirman Residence Lobby L03B – L05
Jalan Jendral Sudirman No. 86
電話:021-5785-3958 (日本語対応)
診療時間:年中無休、24時間

・タケノコ診療所ポンドックインダ (一般・歯科)

住所:Palma Tower, Lt. Mezanin Unit 1 – 3
Jl. RA. Kartini II-S/6, Jakarta 12310
電話 : 021-7593-0468, 7593-0469
診療時間:年中無休、クリニック24時間

・タケノコ診療所チカラン (一般・歯科)

住所:Jl. Utama BIIE No. 01 Lippo Cikarang
RS. Hosana Medica Lippo Cikarang Lt.3
電話:021-8990-9575 / 0878 7606 9041
診療時間:毎日8:00-22:00

・共愛メディカルサービスジャカルタ(一般・歯科)

住所:Wisma Keiai 6th floor, Jend.Sudirman kav.3-4, Jakarta
電話:021-5790-5850 (日本語対応)
診療時間:月曜日〜金曜日の平日が8時~18時、土曜日は8時〜13時

・SOSメディカルクリニッククニンガン(一般・小児科・歯科)

住所:Menara Prima 2nd Floor, JL. DR Ide Anak Agung GDE Agung Blok 6.2, Jakarta
電話:021-5794-8128 (日本語対応)
診療時間:月曜日〜金曜日8:00-18:00、土曜日8:00-14:00

・J-CLINIC ポンドックインダ本院 (一般)

住所:6th Floor, WING C, RS Pondok Indah, JL.Metro Duta Kav.UE, Pondok Indah, Jakarta
電話:021-7581-6571
診療時間:月曜日〜金曜日8:00-12:30/13:30-17:00、土曜日8:00-12:30/13:30-15:00

・J-CLINIC スマンギ (一般)

住所:21st Floor, MRCCC Siloam Hospitals Semanggi, JL. Garnisun KAV. 2-3, Semanggi, Jakarta Selatan
電話:021-579-74061
診療時間:月曜日〜金曜日8:00-17:00

・KAIKOUKAI CLINIC SENAYAN(一般・小児科・歯科)

住所:Central Senayan I, Ground & Mezzanine Floor, JL. Asia Afrika NO.8, Gelora Bung Karno-Senayan, Jakarta Pusat
電話:021-573-1010 (日本語対応)
診療時間:月曜日〜土曜日8:00-22:00

バリ島のクリニック一覧

・BIMC Hospital Kuta (総合病院)

住所:JL. Bypass Ngurah Rai NO.100X , Kuta, Bali
電話:0361-761-263 (日本語対応)
診療時間:24時間

・タケノコ診療所バリ(一般)

住所:Jalan Sunset Road No. 77A, Ruko No.1 Kuta, Bali 80361
電話:0811399459 (日本語対応)
診療時間:月曜日〜金曜日8:00-22:00、土日祝 8:00-16:00

・共愛メディカルサービスバリ(一般)

住所:Jl.Bypass Ngurah Rai No.9 C, Kuta, Bali
電話:0361-4726722
診療時間:月曜日〜金曜日7:00-19:00

・Siloam Hospitals Denpasar (総合)

住所:Jl.Sunset Road No.818, Kuta, Bali
電話:0361-779-900
診療時間:緊急は24時間、月曜日〜金曜日8:00-22:00、日曜日10:00-1400

・Kasih Ibu General Hospital Denpasar(総合)

住所:Jl.Teuku Umar No.120, Dauh Puri Kauh, Denpasar, Bali
電話:0361-300-3030
診療時間:緊急24時間

・Arjuna Dental Clinic (歯科)

住所:Jl. Tukad Bilok No.69. Renon, Denpasar Selatan, Bali
電話:0361-229-890
診療時間:月曜日〜土曜日13:00-17:00(完全予約制)

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外国人でも加入できるインドネシアの社会健康保障制度

では、インドネシアへ移住するにあたって長期海外旅行保険、または派遣元の会社の保険が得られない場合はどうでしょうか?

ありがたいことに、インドネシアでは外国人でも6ヶ月以上滞在の長期在住ビザ(ITAS、ITAPなど)を保持していれば加入できる社会健康保障制度があります。

Badan Penyelenggara Jaminan Sosial、略してBPJS (ベーページェーエス)と呼びます。

  • BPJS Kesehatan(健康保障)
  • BPJS Ketenagakerjaan(労務保障)

の二種類がありますが、今回は主にBPJS Kesehatanについてご説明します。

BPJS Kesehatan 保険証

BPJS Kesehatan 保険証

インドネシアにこの健康保障制度が導入されたのは2014年で、それまではお金がない人は大きな病気をしても病院での治療法が受けられず、薬草やオイルを使った民間療法しかほどこしようがないという状態が長年つづいていました。

しかし、このBPJSに加入して毎月の保険料を支払っていれば全額無料で治療が受けられる(病院や病気によって多々例外あり)ので、画期的な国民保障制度と言えます。

BPJSの普及に伴い、インドネシア全体の平均寿命も年々伸びつつあります。

BPJS Kesehatanには3ランクあり、保険内容の違いは入院した際の部屋の質、また個室か大部屋かの違いのみです。

治療法やもらえる薬は、3ランクとも全て同じです。

一人当たりの保険料(2019年10月時点)

保険料は以下の通りです。

Kelas 1:月々80,000ルピア (約617円)
Kelas 2:月々51,000ルピア (約394円)
Kelas 3:月々25,500ルピア (約197円)

尚、2020年1月より以下の価格へ大幅値上げが予定されています。

Kelas 1:月々160,000ルピア (約1234円)
Kelas 2:月々110,000ルピア (約849円)
Kelas 3:月々42,000ルピア (約324円)

高額医療は適用外となりますが、インドネシア生活につきものな体の不調やいざという時の急性疾患の治療で近くのクリニックにかけこんでも、無料で診てもらえるのはなんとも安心です。

普通に薬局で買うとある程度の値段がかかる解熱剤などの薬も、BPJSに加入して毎月の保険料を払っていれば無料で処方してもらうことができます。

インドネシアの一般的な処方箋解熱剤

インドネシアの一般的な処方箋解熱剤

注意点を2つ紹介

・かかりつけを登録

デメリットとしては、BPJSの加入の際にかかりつけのクリニックおよびデンタルクリニックを選択し登録しなければならず、体調不良になったらまず最初は保険証に表示されたかかりつけクリニックに行かなければいけないという点です。(緊急事態は例外で、直接総合病院で治療可能となります)

そのクリニックで対応不可となった場合のみ、総合病院へ紹介してもらうことができます。

病院紹介のことは、インドネシア語でrujukan(ルジュカン)と言います。

BPJS保険証 裏面

BPJS保険証 裏面

・登録されていないクリニックも

また、国立病院などは全てOKですが、BPJSに加盟していないクリニックや市立病院もまだ多くあります。前述のジャカルタやバリ島の日本語対応病院の多くは、残念ながら加盟していないためBPJS保険が有効ではありません。

BPJSに加盟しているクリニックには必ず大きな表記がしてあるので、BPJSの表記がない施設ではこの保険は無効だと思ってよいでしょう。

BPJSに加盟しているクリニックの看板

BPJSに加盟しているクリニックの看板

BPJSに加盟している個人医院の看板

BPJSに加盟している個人医院の看板

しかし、諸事情により長期旅行保険または会社の保険に入ることができない場合などは、このインドネシア在住外国人も加入可能な健康保障が頼りになるはずです。

BPJS加入方法と保険料の支払い方法

インドネシア市民権保有者は、KTPと呼ばれる市民権カードと家族カード、納税者番号そして電話番号があれば、オンラインでBPJSへ加入可能です。

しかし、外国人は地元のBPJSオフィスに出向いて登録する必要があります。

その際に必要なものは、以下の通りです。

  • 暫定居住許可(ITAS)のカラーコピー
  • パスポートとパスポートの写真ページのカラーコピー
  • インドネシアでの住所とおよび電話番号

BPJSオフィスで申し込み用紙を受け取り記入しますが、この際、希望のランクを選び、また地元の医療機関一覧表から自分のかかりつけまたは第1希望のクリニックおよびデンタルクリニックを登録する必要があります。

これは、のちに変更することもできますが手続きが面倒なので、可能なら事前に下調べをして体調を崩した時に安心して行けるクリニックを選択しましょう。

BPJS申込用紙

BPJS申込用紙

記入した申込用紙と暫定居住許可のカラーコピーとパスポートのコピーを提出したら、控えを受け取り、指定された日付に最寄りのコンビニで初月保険料の支払いを行います。

その後、さらに指定された日付に再びBPJSオフィスに行き、できあがった保険証を受け取れば保険加入完了です。

保険料の支払い

毎月の保険料は、当然BPJSオフィスでも支払うことができますが、近くにない場合もありますしオフィスは大抵順番待ちが長いので、ATMまたは電子マネーで支払うことをお勧めします。

インドネシアの銀行に口座を持つ外国人ならば、ATMで暗証番号を入力したのち「BAYAR/BELI BPJS」というメニューを選択し、自分の保険者番号を入力すれば口座から直接支払うことができます。

また、今インドネシアでかなりの普及率を誇る、現金でチャージできる電子マネー(OVO、GO-PAYなど)で手軽に支払うこともできます。

電子マネーOVOのユーザ画面

電子マネーOVOのユーザ画面

メインメニューからBPJSを選択し、保険者番号を入力し、何月までの分を支払うかを選択すれば、自分及び自分の家族の未払い保険料が表示されます。

毎月支払うのが面倒な方は、まとめて数ヶ月分先払いすることも可能です。

日本では考えられないほど安い保険料で全額無料治療が受けられるインドネシアのBPJSは、長期滞在ビザを所有する在住者にはなにかと心強い存在です。

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インドネシアでも安心して健康に暮らすために

インドネシアでは、ジャカルタやバリ島では日本とさほど変わらないレベルの医療が受けられますが、保険に入っておくことが肝心になります。

外国人でも入れるインドネシアの国民健康保障BPJSも上手に活用しつつ、いざという時に備えて下さい。そして何より日頃の健康管理、また事故防止が一番の対策といえるでしょう。

東南アジア移住には健康面での不安がともなうかもしれませんが、事前にしっかり情報収集と備えをして、健康と安全に注意しつつ元気に暮らしていただければと思います。

【インドネシアの関連記事はこちら】

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