スイスの銀行口座開設と維持方法。お金の支払い・管理マニュアル

スイスにおける銀行口座開設、お金の管理マニュアル

スイス滞在、どの都市に住んでいても必要になるのは「お金」です。

しかし全財産をいつも持ち歩くわけにはいきませんので、銀行口座の所有はスイス生活するうえで必要不可欠になります。

ここでは、スイス在住者から銀行口座開設とお金をどのように管理していくかお伝えします。

【スイスの関連記事はこちら】

↑スイス滞在に役立つこちらの情報もご覧ください。過去のスイスの記事一覧はこちら

スイスの銀行口座開設、どこにする?

筆者が住んでいるのはザンクトガレン州というところで、よく目にするのは

  • オレンジ色のロゴのRAIFEEISEN
  • 緑のロゴのSt.Galler Kanrtonbank(ザンクトガレン州銀行)

です。

地元の同僚はこの2つの銀行のどちらかを選んでいることが多いのですが、私はアパートから近いUBS銀行に口座を開設しました。

ここは世界中に拠点がありますし、日本にいるときから3つのカギと赤いUBSのロゴがカッコいいなーと思っていました。

口座開設前に一応同僚にUBSの評判を聞いてみたところ、
「グローバル展開しているのでいいんじゃないの?」
というコメントをもらったのでそこにしました。

ちなみに日本でUBS銀行を開設する場合、口座開設後6か月で200万スイスフラン、2年間で500万スイスフランを預けることが条件となります。

おいおい、誰がそんなお金を持っている?という感じですが、スイスに住めば現地で開設でき、そんなに高いハードルはありません。

ただ銀行は銀行ですので、口座開設にはいくつか必要なものもあります。

その後のお金の管理の仕方についても、若干日本とは異なる点もあります。

そのあたりについて実体験を交えて説明させていただきます。

世界中の日本人と繋がるコミュニティ

人生が世界へ広がるコミュニティ「せかいじゅうサロン(無料)」へ招待します

人脈ネットワークの構築、情報収集、新しいことへのチャレンジと出会いが待っています

銀行口座開設のステップ

銀行口座を開設するためには、

  • ビザ
  • パスポート
  • 電話番号
  • メールアドレス
  • 住所

が必要です。

※各銀行により必要なものが異なりますので、詳細は開設されたい銀行にお問い合わせください。

これに加えて会社との雇用契約コピーも提出した記憶があります。

ビザに関しては、顔写真付きの正式のものではなく、居住許可証(Zusicherung der Aufenthalsbewilligung)を提示することでも大丈夫でした。

銀行口座を開設したい旨を受付で申し入れると別室に通され、担当者の方がパンフレットサービス内容について一つ一つ丁寧に説明してくれました。

説明が一通り終わり、契約書にサインをすれば、口座番号等を記載した書面を渡してくれます。

口座については

  • 給与振込、クレジットの引き落とし等を行うPersonal Account
  • 計画的に貯蓄することを目的としたSaving Account

の2つが同時に発行されます。

Personal Accountについては、アカウントの管理料が月々引き落とされます。

UBSの場合、1万スイスフラン以上口座にいれておけば月々5フラン、1万スイスフラン未満であれば7フランですが、私の場合初年度は無料と言われました。

日本との相違点は、通常の銀行口座番号の他、Personal Account、Saving Account両方にIBAN(International Bank Account Number)番号が同時に発行される点です。

このIBAN番号によって、所在国、支店、口座番号が特定されますので、国をまたいだ送金もスムーズに行うことができます。

日本のように○○銀行の△△支店といった指示をする必要はなく、番号だけで処理するため間違いも少なく大変便利な仕組みです。

同時にアクセスカードとカードリーダー(写真参照)を渡され、担当者のアドバイスによりe-Bankのスマホアプリを銀行でインストールしました。

アクセスカード。スイスの銀行口座開設

アクセスカードとカードリーダー

基本的にはe-Bank上でログインや振込作業をする際、画面に出てくる番号をこのカードリーダーに入力すると8桁のアルファベットと数字が表示され、それを入力すると作業が実行される流れです。

このツールはスイスで生活する場合、かなり強力で便利ですが、詳細は後程説明します。

世界で暮らす体験ができるホームステイ情報

学生から、親子滞在、シニアまで、海外滞在をしてみませんか?世界各国の日本人ホストが受け入れいたします

せかいじゅうホームステイへ

スイスでクレジットカードやデビッドカードは必要??

日本で生活していると、いろんな種類のクレジットカードが流通し、いたるところでクレジットカードの勧誘を受けますが、スイスではあまり見かけたことがありません。

クレジットカード、デビッドカードは銀行口座を開設する際、同時に発行してくれますので是非活用してください。

私はMaster、Visa両方を発行してもらいました。

ここで一つ気をつけなくてはならないのは、居住許可証でクレジットカードをもらう場合、それは仮のカードであり、正式なものではないということです。

仮カードは銀行の預金分から一度クレジットカード使用分にデポジットし、その分だけ使える仕組みです。

正式なクレジットカード(デポジット作業不要なタイプ)は、顔写真入りのビザを入手後に再度銀行を訪れ、銀行に提示すれば入手できます。

ただ、デビッドカードは、当然ですが銀行口座と直結していますので、入手後即使用可能です。使った瞬間に口座から引き落とされます。

私の場合、仮のクレジットカードを使おうとしましたが、何やら面倒くさそうだったので、正式なクレジットカードを入手するまでの数週間はデビッドカードを使いました。(全く不自由はありませんでした。)

我が家では、私と妻がそれぞれMaster、Visaを持っており、合計4枚のカードで運用しています。

どれを使っても根っこがUBSなので、使用明細には4枚のカード利用分がまとまって記載されます。

ただし、紙で使用明細をもらうと手数料が毎月1.8フラン引かれます。

電子ペーパーでもらってe-Bankで確認すれば無料になりますのでご活用ください。

ATMの利用方法

スイスに暮らし始めてほとんど現金を使わなくなりました。

基本的にはどこでもクレジットカートが通用するからです。

しかし、時々大手ブランドMaster、Visa両方が使えず、郵便局のカードだけ使えるという店も存在します。そのような場合に備え、若干の現金を持つ場合もあります。

参照記事:「絶対知るべき!クレジットカードの海外旅行保険。オススメ3つを解説

お金の引き出しは日本と同じくATMで行えます。

日本の場合、ATMと銀行ブランドが紐づいていますが、スイスではどのATMでもお金を引き出すことができ、かつ手数料は無料だということです。

スーパーに行けば大抵ATMが設置してありますので、デビッドカードを差し込み、暗証番号を入力して引き出します。

なお、スイスフランだけではなく、ユーロでの引き出しも可能です。ユーロで引き出した場合、為替換算をしたスイスフランが口座から引き落とされますので、ユーロ口座を別に持つ必要はありません。

各種請求書の払い方

スイスの生活は「後付け請求書文化」で成立していると感じます。

例えば、病院や歯医者等で治療を受けたとき、その日はいくら掛かるか知らされず、そのままお金を払わずに帰り、後日請求書が届くという仕組みです。

恐らくどんなサービスを行ったかを集計するのに時間がかかるためだと思います。

請求書には、このサービスがいくら、あのサービスがいくらと、こと細かく書かれます。

スイスでの請求書は

スイスでの請求書

私の息子が歯医者で親知らずを複数本一気に抜歯したときの請求書では、抜きやすかった歯の治療費は安く、抜きにくかった歯の治療費が高くなっているのには笑いました。

会社の同僚と話をしていても、「○○のサービスを受けたけど、いくら請求してくるかドキドキしている」といった話題がよくでてきます。

関連記事:「スイス・チューリッヒの病院事情と保険のシステムを詳しく解説

また、家賃支払いや通信料金など、日本では銀行引き落としが一般的ですが、こちらではいちいち請求書が送られてきます。

請求書が届くたびに銀行に行くわけにはいかないので、先ほど触れたe-Bankが威力を発揮することとなります。

スマホアプリという点がポイントです。

請求書はどこから来ても書式は共通で、薄いオレンジの用紙です。

まず、e-Bankのアプリを立ち上げ、右下の赤枠で囲った数字の羅列にカメラを向けると自動認識し、振込先、振込金額が画面表示されます。

あとはセキュリティのためアクセスコード確認がありますので、コード入植後に確認後ボタンを押せば振込完了です。

このサービスは日本でも是非欲しいです。

資産額に対して税金がかかる!スイスの税金に関するお話

最後に税金に関するお話を少しさせていただきます。

日本では経験したことのない仕組みですが、スイスでは所有している資産に対して税金が発生します。

具体的には、12月31日の銀行口座の預金残高に対して税金が発生し、翌年3月頃に居住区の役所から案内が入ると税金の調整を行います。

日本のサラリーマンでいうところの年末調整と翌年2月頃に行う確定申告に相当するものです。

基本的にはスイス国民がスイス企業に就労し毎月の給与をもらう場合、会社に毎月源泉徴収してもらうか、満額もらって1年に1度確定申告するかを選択することができます。

会社の人事部長はどっちを選んでも変わらないと説明していましたが、税金を一括で後払いする場合、毎月の収入が増えた分だけ投資するチャンスが増えることもあり、私のスイス人の同僚の大半は確定申告を選択しています。

外国人が就業ビザでスイス入国する場合、最初はBパーミットという分類となります。

これは毎年更新が必要で、かつ居住はビザを発行したカントン(州)に限定されます。

10年スイスに住むとCパーミットに格上げとなり、スイス国内どこでも居住できるようになります。

残念ながら、Bパーミット組は確定申告を選ぶことはできず、自動的に毎月の源泉徴収になります。

理由としては、Bパーミットの位置付は一時的にスイスに居住している人ということであり、帰国する等でスイスを離れる可能性が高いため、毎月収入があるたびに確実に納税してくださいという思想です。

とはいえ、税金の調整に関しては教育費などについて経費として申告することは可能です(税金が還付されるかどうかは状況次第ですが)ので、請求書や領収書などは捨てずにとっておくのが賢明です。

スイスで銀行口座を開設してみよう

銀行口座などは一度開設すれば水や空気のような存在になりますが、生活のためには必要ですし、日本とちょっと勝手が違う点もあります。

ご参考になりましたら幸いです。

【スイスの関連記事はこちら】

↑スイス滞在に役立つこちらの情報もご覧ください。過去のスイスの記事一覧はこちら

世界中の日本人が参加する「せかいじゅうサロン」

海外移住コミュニティ

世界へ広がる海外移住コミュニティ

世界中の日本人同士が繋がり、情報提供したり、チャレンジしたり、互助できるコミュニティ「せかいじゅうサロン」

参加無料。気軽に繋がってください。(2022年6月時点:参加者3600名超えました)

世界中を目指すメンバー集まれ!

【特別公開】世界で自由にひとりIT起業

WEBマーケティングスキルは「世界どこでも働けるワークスタイル」を可能に。

1年で海外居住資金も作れるWEBスキル講座を無料配布中↓