シンガポール人の恋愛・結婚観と結婚制度を紹介。+夫婦生活3つのポイント

シンガポール人の恋愛・結婚観

シンガポールは近年、日本と同様、少子化の一途を辿っています。

2018年には、韓国に続き下から2番目に低い出生率(1.1)となっています(The World Bank調べ)。

シンガポール政府はこの状況に危機感をもち、政府主宰の街コンを開催したり、新婚カップルの新居購入の支援金を増やすなど、様々な対策をしてきました。

結婚するカップルの数は、若干増加傾向にありますが、それでもシンガポール人が結婚しない、様々な理由がありそうです。

今回は、シンガポール人の性格から、恋愛観・結婚観を紐解いて行きたいと思います。

※非常に個人差のあるテーマですので、あくまでも一般的・平均的な意見であることをご留意頂けますと幸いです。

競争社会!シンガポール人の性格は「Kiasu=負けず嫌い」

シンガポール人の性格は、度々「Kiasu」という言葉で表されます。

これは、福建語で「負けず嫌い」を表す言葉です。

シンガポール人は、とにかく小さい頃から、いや生まれた瞬間から競争社会に放り込まれます。

どの中学校に入るかで人生が決まると言われており、そのために良い小学校に、そのためには評判の良い幼稚園に入学する必要があります。

常々、そういった幼稚園は、数年先までウェイテイングリストがあるので、出生届を提出すると同時に、幼稚園に入園願いを提出、ウェイティングリストに載せる、という訳です。

これは、大学入学、卒業後、いや一生続く競争で、シンガポール人は人と比べる人生を一生送ることになります。

また、

  • どんな車に乗っているか
  • どんな家に住んでいるか
  • どの学校に行ったか

など、ステータスや見栄えを非常に気にする人がほとんどです。

これは、多かれ少なかれ、どの国でもどの社会でもある事ですが、シンガポール人は「kiasu気質」が助長するので、とにかく他の人に負けたくない!という気持ちが人一倍強いのです。

これが、恋愛観・結婚観に大きな影響を及ぼすのは、言うまでもありませんが、次の項から詳しく説明してみます。

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シンガポール恋愛観・結婚観

先に述べたように、シンガポールはとにかく学歴社会です。

小さい頃から良い大学を出て、良い仕事(給与の良い仕事)につくことがステータスと叩き込まれて育つので、大多数のシンガポール人は学生時代、とにかく勉強します。

勉強しかしないので、恋愛経験が少ない、乏しい人が多くいます。

小学校、中学校時代の同級生と結婚する、という人も多いです(出会いの場所が少ない)。

真面目な人も多く、恋愛=結婚と、同級生と長く付き合った後結婚する、または社会人になってすぐに結婚する、といったカップルが多いようです。

また、シンガポールには、徴兵制度があります。

男性は強制(女性は任意)となっており、18歳から2年間訓練に参加します。

そのため、女性より2年間大学入学が遅れ、社会人になるのも2年遅れを取ります。シンガポールでは、女性の社会進出が進んでおり、男性と同様の機会・給与を与えられます。

後の章で述べますが、出産後の社会復帰がスムーズにできるよう、政府や社会全体で女性の社会進出を推奨しています。

このように平等の機会を与えられているため、上昇志向の強い女性も多く、結婚しなくとも自分の生活が十分支えられ、また自由を謳歌したい、という女性が増え、出生率の現象に影響している、という説もあります。

2年遅れで社会人になった男性の中には、同級の女性にはスタート時点で遅れをとっており、また年下の女性と同期、となると、カップルとしてなかなかイニシアティブをとった関係性を保つのが難しい、と感じる男性も多いようです。

また、シンガポールには様々な人種が混在しており、宗教や人種の違いから結婚を許されない、という事も少なからずまだあるようです。

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シンガポールの結婚制度

結婚=新居購入(HDB)

シンガポールの結婚制度を説明するにあたり、新居購入制度を説明を省くわけには行きません。

シンガポール人のほとんどは、H D Bと言われる、いわゆる集合住宅に住んでいます。

シンガポールは、国土が狭い事から、家を購入するにも賃貸するにも、値段が非常に高いので、働き始めてすぐに親元を離れて一人暮らしをする、または自分の家を購入するということは一般的ではありません。

また、このH D Bを未婚のまま購入するには、35歳以上である必要があります。

ただし、21歳以上で購入前に1年間カップルのどちらかが仕事をしていれば、3ヶ月以内に結婚する予定、または結婚しているカップルは、H D Bを購入する事ができ、最大で200万円の助成金を受け取る事ができます。

シンガポール人にとって、結婚する=新居を購入する、と言っても過言ではありません。

結婚にはお金をかける!

シンガポールで結婚する際、The Registry Of Marriages (ROM)というところに、結婚の申請申し込みをします。

そこで、21歳以上の二人の証人のもと、シンガポールの法律の元で婚姻の儀式を行い、法律上夫婦と認められます(イスラム教カップルの場合、イスラム法の元で儀式を行います。届出も別の場所となります)。

通常、この届出の簡単な儀式の後で、それぞれの宗教でのお祝いを行なった後、披露宴を行います。

ここでも、Kiasu気質が発揮され、特に中国系は、結婚式の招待客はほとんど親の知り合いやあったこともない親戚で、招待客は300人以上、ホテルで盛大な披露宴を行うのが一般的です。

結婚式前に、カップルが色々な場所(海外含む)で、様々な衣装を着た記念のアルバムを作成、結婚式の際に招待客に見せびらかすのも、しきたりのようになっています。

結婚に関してシンガポール人は、とにかくお金をかけます。

一般的な結婚生活。親と子の距離が近い!

シンガポールでの結婚生活を語るに際し、忘れてはいけないのが「家族の親密さ」です。

シンガポールは、東京23区と同等サイズ、とにかく小さいので、結婚後も頻繁に実家に帰ります。

また、前述した通り、結婚するまでは親元を離れないことが多いので、良い意味で、家族がみんな仲良しです。

悪い意味で、親離れ子離れが、なかなかできません。

多くの家庭で、毎週末親元を訪れて食事をする、孫を見せに行く、というは当たり前です。

また、出産し産休後すぐに仕事に復帰する女性が多く、その場合住み込みのメイドさんを雇うか、自分の親、または義理の親に子供を預けるケースも多く見受けられます。

就学前の子供を、平日は自分の親か義理の親に預けっぱなし、週末だけ迎えに行き一緒に過ごす、という家庭も少なくありません。

日本では、実家離れできていない女性が問題になったり、母親離れできていない男性をマザコンと呼んだりしますが、シンガポールでは、それが、当たり前と思っていた方がいいです。

男性は、ほとんどみんなマザコンです。母親も、子離れできていない方が非常に多いです。金銭的に親が子供に頼るのも、割とよく聞く話です。

ヘルパーの存在

前述した通り女性の社会進出が進んでいるので、家の家事や子育ては、ヘルパーや親の協力を得ることに、女性も男性も全く抵抗がありません。

男性が自ら進んで家事や子育てをやることはあまりありませんが、ヘルパーがいる事で気持ちに余裕があるのか、男性が子供と遊んだり、学校や習い事の送迎をやっている姿を、日本よりもよく見かけるように思います。

日本の男性よりも、家事や子育てをすること「‘女性の仕事」とは思っていないように見受けられます。

シンガポール人男性は、自分の親の世代を含めて、女性も働くのが当たり前という社会で育っているので、結婚したら専業主婦になりたい、という思考は、逆に理解し難いかも知れません。

女性も男性と同等の学歴があり、企業で働いたり、何らかの社会貢献をするのがシンガポールでは、普通の事、と捉えられています。

シンガポール人と結婚する前に知っておきたい3つのポイント

これからシンガポール人と結婚予定、または何かのきっかけでシンガポール人と結婚する事になるかも知れない?方に、シンガポール人と結婚する前に知っておきたいポイントを何点かあげておきたいと思います。

・家族の繋がりが強い

繰り返しになりますが、とにかく家族の繋がりが強いです。

毎週末義理の家族の家に遊びに行くのは当たり前、何かしらのイベントでも家族や親戚でよく集まります。

そんな時、国際結婚だと、自分以外が英語以外の(または自分の分からない)言語で話をし始めると、ポツンと取り残され、辛い思いをする事もあるかも知れません。

親離れ、子離れできていない!と思う事も多々あると思いますが、これは夫婦間でお互いの異なる価値観や文化の違いを話し合い、折り合いをつけ乗り越えるしかありません。

または、完全に諦め、こういうものだから仕方ないと割り切る、という方法もあります。

・女性も働く事が普通

これは、個人差にもよるかと思いますが、先述の通り、女性の社会進出が日本よりもはるかに進んでいるので、女性が働くのも当然、と考える男性が多いです。

家庭により異なる事もありますが、女性が家計に協力するのも当然という考えが主流で、男性だけが外で働き、女性は家事と子育てで家にいる、という考えは、あまり受け入れられていないように思います。

・家事はあまりしなくていいかも?

女性の社会進出が進んでいる代わりに、家事は住み込み、または通いのヘルパーさんに任せる事に、全く抵抗がありません。

子供の世話なども、すべてヘルパーさんに任せ、女性が仕事を優先しても、親世代に怒られるなどという事もありません。

これは、もちろん、個人がそうしたいかどうかにもよりますが、女性が家事や子育てを他人に任せ、仕事を優先していたとしても、家庭内でそれをよしとしていれば、日本ほど社会からの「女性が家事をすべき」という圧力を受ける事はありません。

まとめ

恋愛も結婚も、個人の価値観や育った環境が大きく影響するので、シンガポール人だから、日本人だから、というくくりに出来ない部分もありますが、シンガポール人の家族を大切にする、という部分は、程度は別にしても非常にいい事ではないかと思います。

もちろん、それに伴う様々な問題はありますが(姑VS嫁問題など)、それはどこの国でもよくある家族の問題として、上手く乗り越えられたらいいですね。

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