海外転勤が決まったら、子供をどんな学校に入れるか悩みますよね。
インドでの教育は、日本人学校かインターナショナルスクールに入れるかの選択になります。
傾向として、数年のみの滞在の場合、ほとんどの日本人が日本語での教育が受けられる日本人学校に通っています。
それに対して、現地のインド人と結婚して定住している親を持つ子供は、インターナショナルスクールに通っている割合が多いです。
数年の滞在の日本人でも、もともとグローバルな教育に熱心な場合は、やはりインターナショナルスクールでしょう。
それぞれの特色に触れてみます。
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インドの日本人学校
日本人学校は、日本の文部科学大臣が認定した、海外にある日本人向けの学校です。
インド国内でも、日本人の多いデリー、ムンバイにあります。
小学校・中学校ともに、日本と同じ通常過程の教育を受ける事ができます。
インドの日本人学校の教育水準はとても高く、帰国後に難関な高校に進学する生徒もとても多いです。
カリキュラム
教育内容は、文部省が定めた通常過程に沿っていますので、日本の公立小・中学校で受ける教育と全く同様の教育が受けられます。
授業料
(こちらは、ニューデリー日本人学校の場合です。)
- 入学金: 200,000ルピー
- 授業料 :22,000ルピー(月額・半年払い)
各地の日本人学校
デリー、ムンバイには全日制の日本人学校がありますが、比較的日本人の少ないバンガロールやチェンナイでは、インターナショナルスクールに通う生徒が国語力などを補うための補講校のみとなっています。
家族でインド赴任する日本人のほとんどがデリー・グルガオン地域に集中するため、その他の地域で教育を受ける場合はインターナショナルスクールが基本となっています。
デリーの日本人学校は生徒数が多いため、授業以外の課外活動が充実しています。
対して、小規模なムンバイの日本人学校では、生徒が少ないため、一人一人の生徒に手厚い教育が受けられます。
・ニューデリー日本人学校
平成6年にデリー日本人会により設置され、小学部、中学部があります。小学部約200名、中学部約60名が在籍。
教育だけでなく部活動や課外活動も充実しています。
ボランティアや授業参観などの行事の他、ヨガやヒンディー語など、インドならではの教育もあります。
・ムンバイ日本人学校
平成4年にデリー日本人会により設置され、小学部、中学部があります。
小学部約20名、中学部約10名が在籍。
少人数での教育のため、小学部と中学部が一緒に学ぶこともあり、とてもアットホームな雰囲気が特徴。朝ヨガなどのインドならではのカリキュラムもあります。
また、インターナショナルスクールに通う生徒のための週末の補講も可能です。
・バンガロール日本人補習授業校
現地のインターナショナルに通う生徒が、不足している国語(日本語)の授業を主に行うサタデースクールです。
約90名の生徒が通っています。
・チェンナイ補講授業校
準全日制の補講校ですが、ほとんどの生徒はインターナショナルスクールに通い、補講で通っています。
国語や算数だけではなく、社会や理科、生活、音楽や体育などの授業も行っています。
インドのインターナショナルスクール
インターナショナルスクールは全てのカリキュラムを英語で行う学校です。
インドは、世界的にみてもとても教育水準の高い国で、特にIT、医療、科学などの分野で非常に優れた人材を多く育てています。
インドのインターナショナルスクールの特色
とにかく、授業料による格差が大きいです。
インターナショナルスクールと名前が付いていても、生徒の9割はインド人です。(英語もインド訛り)。
カリキュラムや教育方針は、創設者の意向で決められます。
日本のように統一されたカリキュラムがないため、学校ごとに教育内容がガラッと変わってしまいます。
カリキュラム
インドでは、主に3つのカリキュラムに沿った教育がなされる学校が多いです。
どのカリキュラムを終了したかによって、受験できる大学が変わってしまいます。
在日日本人のほとんどは、小学校、もしくは中学校までしかインドで教育を受けませんが、もしも大学受験資格までインドで取得したいのであれば、どの資格を持っているかがとても大切です。
特に、日本や外国の大学受験を考えている場合は、進学のプランも考えながら注意して選んでください。
・CBSE
インドの教育カリキュラムで、The Central Board of Secondary Education(中央中等教育委員会)の略です。
16歳で進級試験、17歳でボード・イグザム(センター試験のようなもの)があります。
・IB
日本では「国際バカロレア」と呼ばれる、カリキュラム。International Baccalaireateの略。
国際的に通用する大学入学資格で、インドでもこちらを採用する学校が増えてきています。
日本の大学では、16歳~19歳のDP(ディプロマ・プログラム)の取得が帰国子女受験の資格となっている大学もありますが、こちらはとても難関です。
・CIE
イギリス式の教育カリキュラムで、Cambridge International Examinationsの略。
15歳-16歳の時に統一試験であるIGCSE(International General Certificate of Secondary Education)を受け、合格することで義務教育が修了します。
授業料
インターナショナルスクールは基本的に私立校なので、授業料は学校によってピンキリです。
中間層向けの学校
授業料:4,000ドル〜10,000 USドル
一番多い価格帯のインターナショナルスクールでは、生徒の9割がたがインド人です。英語のインド訛りもかなり強くなります。
富裕層向けの学校
授業料:10,000ドル以上
正直、高いです。日本人駐在員の子供も多く在学し、学校によっては生徒の半数が外国人です。特に、アメリカ人、韓国人、イギリス人が多く在学します。
インドの教育の特色
ITなどの分野に強いインドは、その特色が教育方針にも表れています。
- プログラミング教育が充実。
- 数学教育が高度。
- プレゼン能力を高める教育。
- 1授業40分で、1日7~8時間の授業が行われる。
- 進級は個人のレベルに応じる。
学校によっても違いますが、理系に特化した教育が行われる学校が多いです。
富裕層のインド人は、海外に留学する生徒も多く、幼い時から国際的に通用する高い教育を提供しています。
義務教育ではないため、入学には試験を受けなければなりません。
日本人も通う有名校
イギリス式、CIE(IGCSE)、IB(DP)に対応したインターナショナルスクール。
国際色がとても強い学校です。とても熱心な教育が行われています。
アメリカ式、IB(DP)のカリキュラム。
通称アメスクと呼ばれる有名校。アメリカ人、または外国人しか入学が許されておらず、少ないインド人も外国籍を持っているインド人のみです。
非常に学費が高く、高度な英語力も求められます。
Excelsior American School(グルガオン)
カリキュラムはCIE(IGCSE、A-レベル)を採用。生徒のほとんどはインド人です。
G.D.Goenka World School(グルガオン)
カリキュラムはIB(PYP,DP)、CIE(IGCSE)。
日本人でも比較的入学しやすいインターナショナルスクール。
インターナショナルスクールでの落とし穴
国際的な教育が受けられるインターナショナルスクールですが、そこに通えば自然とバイリンガルになり、国際的な人材になれる、というほど簡単ではありません。
言語問題
最初に学んだ第一言語が英語であれば問題ありませんが、日本語で生活していた子供が英語での教育を受けるのは安易ではありません。
英会話は、学校生活で自然に身に付きますが、各科目の学習で、英語と授業内容の両方を学ぶ必要があり、ネイティブの生徒の2倍は勉強しないと追いつきません。
入学が大変
高いレベルの教育を提供するインターナショナルスクールは常に満席。日本から応募する場合は、何か月も前から問い合わせしないと難しいでしょう。
また、義務教育ではないため、入学試験が必須です。
日本での進学が難しい
将来日本で進学を考えている場合、文科省の定める通常過程を終了していないため、帰国子女枠での試験を受けなければいけませんが、日本の学校と違い、試験に合格しないと資格を取得できません。
教育レベルの格差
インドではインターナショナルスクールの人気が高まり、質の高い教師の確保が課題になっています。
富裕層向けの学校での教育は非常に高度なものとなっていますが、中間層向けの学校では、低賃金で質の高い教師を確保することが難しくなっており、教育レベルのバラつきが大きいです。
インドならではの問題
・急な休み
大気汚染、酷暑、ストライキ、重要な政治家が亡くなった、あらゆる理由で急遽学校が休みになります。デリーの大気汚染では、1週間以上突然休みになり、試験があっても関係ありません。
・先生が来ない
これも、インドでは頻繁にあります。急に辞めることも多々あります。
逆に、急なイベントで翌日に指定された衣装やギフトを持ってくるように指示されたりと、とにかく予定の立たない急な連絡が多いです。
インドでグローバルな人材教育をさせたいならインターナショナルスクールもあり
実際にインドで教育を受けている日本人のほとんどが、日本人学校に通っています。
日本人学校のない地域で働く日本人駐在員の場合は、教育をインドで受けることを諦めて、単身赴任をする人が多い印象があります。
しかし、インドで独自のビジネスを展開している日本人、現地のインド人と結婚している日本人の子供は、インターナショナルスクールに通っている人が多いです。
グローバルな人材を目指して、駐在員の子供でもインターナショナルスクールに通う日本人も少なからずいます。
インターナショナルスクールに通うには多くの課題もありますが、世界的に見ても教育水準の高いインドの教育は魅力的でもあります。
学校によって特色が本当に違うので、できれば事前に見学をしておきたいです。
インドでの教育を選択するには、早い時期から各学校の特色などを調べて、個々にとって最適な学校を選べると良いですね。
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