インドの住宅事情。賃貸アパートの探し方、契約のコツと注意点

インドの住宅事情。賃貸の探し方

駐在、現地採用、留学にしろ、インドでの生活をスタートする時には住宅探しに苦戦する方が多いようです。

住宅環境の違いもありますが、賃貸契約に関しても日本と違いがあります。

インドでは、6ヵ月以上の滞在者は、入国から2週間以内にFRRO(外国人登録)の手続きを終えなくてはいけませんが、その時に住所を登録する必要があります。

手続きにかかる時間も考えると、入国してから1週間くらいで住居を決める必要があり、かなり慌てて探した結果、後から後悔してしまうことも多々あります。

いざとなった時に、出来るだけ慌てなくていいように、事前に知っておいた方が良い情報をまとめました。

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どんな住宅を探す?

日本人がインドで住む場合、就労ビザや学生ビザでは不動産の購入が出来ないため、賃貸アパートを探すことになります。

賃貸には、

  • 一番安価な家具無しアパート
  • 生活に必要な家具が揃っている家具付きアパート
  • 朝食や洗濯、掃除も混みのサービスアパートメント

があります。

料金は立地や建物のクオリティで雲泥の差があるので、一概には言えないのですが、日本人が住める物件でおおよその目安で書きました。

都市によっても違うのですが、デリー・グルガオン、ムンバイ、バンガロールなど、日系企業の多い都市の目安と思って下さい。

1. 家具無しアパート

予算:25000ルピー(約40,000円)~ (1BHK)

デリー近郊で安いアパートを探すと、一番安くても25000ルピーくらいになります。

ローカルのインド人が住んでいるアパートにはさらに安い物件もありますが、セキュリティー的にも衛生的にも日本人が住むのは難しいでしょう。

一番安価なのが家具無しアパートですが、結局最低限の家具を揃えるとかなりの高額になり、インドから離れるときの処分も大変なので、ほとんどの在住日本人は家具付きを選んでいます。

もし自分で購入した場合は、出ていくときに大家さんに相談すると買い取ってもらえることが多いので、相談してみると良いでしょう。

2. 家具付きアパート

28000ルピー(約45,000円)~ (1BHK)

最低限の家具が揃っていて、引っ越してすぐに生活できるのでとても便利です。

インドの一般的なアパート

一般的な家具付きアパート

賃貸契約を結ぶときには、最初にあった家具を必ず契約書に記載して、契約解除時に壊れていないか、紛失していないかをチェックします。

その時に問題があると賠償しないといけなくなるので、契約を結ぶときには必ず故障がないか、特に電化製品はしっかりと確認しましょう。

料金は地域によってまったく異なり、駐在員などの日本人の多い治安の良い地域では2HBKで10万ルピー(約16万円)以上が相場です。

インドは物価が安い国のイメージですが、貧富の差が激しいため、安全や清潔さをとると結局日本で生活するくらいのコストがかかってしまいます。

3. サービスアパート

40000ルピー(約64,000円)~

家具やもちろん、朝食や洗濯、掃除などのサービスがセットになったアパートで、特に単身でインドに来ている人に人気です。

日本人の多いデリー・グルガオン地域では、朝食に和食を用意するサービスアパートもあります。 食生活が崩れがちなインド生活ではとても助かります。

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インドの住居の間取りは?

インドでは1K、1LDKなどの表現はせず、BHKで表記します。

B = ベッドルーム
H = ホール(リビングルーム)
K = キッチン

インドでは文化的に一人暮らしをする人がとても少なく、2BHK以上の家が一般的です。

インドの日本人駐在の多く住むアパート

日本人駐在の多く住むアパート

1人暮らし用の家を見つけたい場合は、とても選択肢が限られてしまいます。留学などで予算を抑えたい人は、ルームシェアをする人が多いです。

しかし、中流以上の家庭出身のインド人は家にメイドがいるため、洗い物や掃除の苦手な人が多く、また、ホームパーティーも多いので、インド国籍以外の外国人と住む方がストレスが少ないかもしれません。

2世帯以上が一緒に生活する家族が多いため、各ベッドルームごとにシャワールームが付いているのが一般的です。

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賃貸契約の初期費用はどれくらい?

賃貸契約時に支払う初期費用をおおよそ押さえておきましょう。

<セキュリティ・デポジット>

インドでは、大家さんのリスクを回避するために、最初にセキュリティ・デポジット(敷金)を取る場合が多いです。

セキュリティ・デポジットは都市ごとに相場が違い、デリーでは2ヵ月が一般的ですが、バンガロールでは11ヵ月が一般的です。

法律ではないので、信用の高い日本人は交渉で下げられる可能性もあります。

<アドバンス・レントフィー(前払い金)>

基本的に家賃は前払いです。

入居時、最初の2か月分を先に支払うことが一般的です。こちらも、交渉によっては1ヵ月になることが多いです。

<ブローカー・コミッション>

ブローカー(不動産)は、成功報酬で1ヶ月分の家賃と同額の謝礼を払います。

【デリーで賃貸契約をした場合の初期費用】

  • セキュリティ・デポジット :1ヶ月分
  • アドバンス・レントフィー :1ヵ月分
  • ブローカー・コミッション :1ヶ月分

合計で4ヶ月分の料金を契約時に支払う必要があります。

もちろん、その他に家具や生活必需品の購入が必要となり、まとまったインド通貨が必要となります。

就労で入国する際には、敷金分などを会社に建て替えてもらえないか相談するのも一つの手です。

家賃の値上げ

インドは物価上昇の激しい国ですが、特に不動産の値上げは顕著です。

賃貸契約は、基本11ヵ月ごとの更新になりますが、更新時に10%家賃が高くなるのが慣習です。元の家賃が高ければ、10%でも大きな金額の違いになってしまいます。

交渉は可能ですが、一般的な制度のためかなり厳しいです。

賃貸選びのチェックポイント

1. 立地

住む地域を選ぶ場合は、もちろん会社や学校などへのアクセスが第一条件ですが、治安の良くないインドでは、安全性もとても大事です。

しかし、住宅の家賃は、地域によって雲泥の差が出てきます。

同じデリー・グルガオン地域でも、中流の人の住む地域では3万ルピー程度から賃貸を探すことができますが、高所得者や日本人駐在を含めて外国人の住む地域では、10万ルピー以下の賃貸を探すのが困難になってしまいます。

予算である程度立地が限られてきますが、限られた予算で探す場合も、地域全体にどれだけセキュリティーガード(警備員)がいるかなど、安全性を重視して決める必要があります。

デリーなどメトロの発達した都市では、メトロの駅から近いと便利です。

ムンバイやバンガロールでは交通渋滞が深刻なため、職場や学校からのアクセスを一番に重視することをお勧めします。

インドの高級住宅の内装

高級住宅の内装

2. セキュリティ

地域のセキュリティも大切ですが、ビルディングごとのセキュリティも非常に重要です。

建物に専属のガード(警備員)のいない賃貸は絶対にお勧めしません。

他人が自由に出入りできる建物の場合、外国人が住んでいると分かると、侵入者がドアの前で待ち構えていて脅されるような被害が頻繁にあります。

特に女性の場合、窃盗もですが、性犯罪も多い国なので、最低限のセキュリティの整った住居を選びましょう。

3. オーナー(または大家)

インドでは、オーナーとの人間関係がとても大事になります。

賃貸契約時には、家賃を含めて詳細に関して交渉をする必要があります。契約後も、インドの住宅では故障などのトラブルが多いため、その度に揉める可能性が高いです。

交渉時に人間性をみて、あまりに合わないようであれば、物件が良くてもあまりおススメできません。

日本人向け不動産を使っていると、難しいインド人との交渉で助けてもらえますが、どうしても扱っている物件は高額になります。

4. 隣人も大切

できれば、近隣に住んでいる人まで確認したいところ。

インド人はとてもパーティーが好きです。深夜まで大きな音量でダンスミュージックを流す人がとても多いです。

近所に大きな音を出す施設がないか、パーティーを頻繁に行う人がいないかなど、先に確認しておきましょう。

5. 公共料金

1)水道代

水道料金は部屋ごとにメーターが無い物件が多いので、家賃に含まれている場合が多いです。

2)電気代

電気代は各部屋ごとに請求がされます。入居時に必ず最初のメーターの数字を確認しましょう。
また、インドは停電が多い国なので、建物ごとのパワーバンク(予備電源)があるかどうかを確認しましょう。

3)ガス代

シリンダー(プロパン)内のガスが無くなるごとに交換に来てもらい、ガス料金を支払います。シリンダーの大きさにもよりますが、一回の交換で500ルピー程度かかり、一人暮らしなら2ヵ月くらいはもちます。

賃貸契約時の注意

・契約書をスミからスミまで見る

英語で書かれた契約書で10枚近くなることもあり、とても読むのが大変な賃貸契約書。口約束が全く信用できないインドでは契約書が本当に大切になります。

必ず、全て確認してからサインしましょう。例えば、1年以上住まないと1ヶ月分のペナルティを払うなどの文言がありますが、交渉次第で3か月、もしくは全くペナルティなしにできる可能性もあります。

・受け渡し時の清掃

日本のように、受け渡し日までに勝手に綺麗になっている保証はありません。
入居日までに、どこを掃除するか指示し、電球などが壊れている場合には、必ず期日までに終わるように約束してもらいましょう。(なかなか期日は守れませんが…)

・家具などの点検

契約前に、家具や電気製品の状態は細かくチェックして、不備がある場合は、契約書にも書いておくか、写真などの証拠を残しておきましょう。

もともとあった不備でも、証拠がないと、退去時にセキュリティ・デポジットから修理代を引かれてしまう可能性があります。

・サーバントなどの確認

アパートによっては、必ず指定のサーバント(掃除員など)を使う必要があったり、セキュリティ料金(警備員人件費)を支払う必要があります。

家賃とは別で請求されるので、必ず確認しましょう。

・トラブル時の対応

とにかくトラブルの多いインドの住宅事情。高級住宅に住んでいても、急に水が止まったり、電気が止まったり、ドアが壊れたりと、トラブルが絶えません。

トラブルがあったとき、誰に連絡すればいいのか、支払いは誰が行うのかなど、入居前に確認しましょう。

まとめ

インドの都市で住宅を探す場合、ある程度の清潔さのある賃貸を求めると予算内でなかなか収まらなくなってしまったり、交渉で上手くいかなかったり、かなりの時間と労力を取られてしまうことが多いです。

事前に予算や住みたい地域などの条件を絞って、上手く不動産に伝えることでスムーズに見つけやすくなります。

快適な住居が見つかりますように。

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