東京23区ほどのサイズしかない都市国家シンガポールには、多様なバックグラウンドを持った様々な人種が共存しています。
主に
- 中華系
- マレー系
- インド系
からなり、欧米・東南アジアからの移住者や駐在員などもおり、異なる文化・習慣・宗教を持つ人々が混在しています。
よって、「シンガポールの文化・習慣」とひとくくりに語ることができません。
異なるバックグラウンドを持った人々が、それぞれの持つ文化・習慣を尊重しながら共存しています。
また、シンガポールの特徴として、日常生活に関わる法律が大変厳しいことでも有名です。
外国人の旅行者でも、違反すれば処罰されます。
今回は、シンガポールを旅行する、または生活する上で知っておきたい6つのルール
- 公共の乗り物・タクシーでのルール
- 公共の場所での振る舞いに関するルール
- お金の話は挨拶代わり?
- 食文化の違い 知っておきたい点
- 接客 スマイルは何ドル?
- シンガポールでは謝ったら負け?
をご紹介したいと思います。
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1. 公共の乗り物・タクシーでのルール
マナーを守る
シンガポールでは、バスや地下鉄が公共の乗り物として一般的です。
旅行者でも利用するのに、非常に便利でわかりやすくなっています。
ただ、残念なことに、シンガポールに来て、たいていの人が最初に驚くのが、バスや電車に乗るとき、待っている人達が列に並ばない、ということです。
今は各駅のホームに、降車する人達が降りてから乗るように、ドアを開けて傍に並ぶようサインがありますが、それでも電車から降りる人を待たず、ドアが開いたら我先にと乗る人も多々見受けられます。
バスも同様で、バスを待っている人々は、基本的に並びません。
自分の乗車するバスが来たら、バスに近くにいた人から乗って行きます。
稀に、遠くから横入りするように乗車する人もいます。
この場合、郷に入っては郷に従って。。ではなく、マナーを守って乗車したいものです。
飲食は禁止
また、バス・電車内では、飲食は禁止です。
食べていると、注意されたり、罰金刑となる場合もありますので、注意しましょう。
携帯電話の使用は自由
バス・電車内での携帯電話の使用は、自由です。
みんな、驚くほどの音量で動画を見ていたり、会話をしています。
シンガポールでは、バス・電車に関しては、マナーが悪いと言わざるをえません。
ただ、老人や子供・妊婦さんには優先席でなくとも、ほとんどみんな席を譲ってくれます。
バスでは、最近ベビーカーを畳んで乗るよう注意される場合もあるようですが、電車でもバスでも、基本的にベビーカーはそのまま乗車して問題ありませんし、厳しい目を向けられる事も、ほとんどないと言っていいでしょう。
シンガポール人は、基本的に皆子供好きで、とても優しいです。
タクシーも飲食禁止
タクシーも同様、飲食は基本的に禁止となっています。
こちらは、罰金などが課される法律ではありませんが、ほとんどのタクシー会社でのルールとなっていますので、注意しましょう。
中には態度の悪いドライバーもおり、稀なケースですが、飴を食べただけで降車するように言われた、という例もありますので、注意しましょう。
2. 公共の場所での振る舞いに関するルール
シンガポールで有名な法律の一つに、ごみのポイ捨て禁止があります。
実際に、ポイ捨てをして罰金刑を課されたという人はあまり聞きませんが、気をつけたいのは歩きタバコです。
日本と同様、シンガポールでは指定されたエリア以外での喫煙は禁止されています。タバコのポイ捨ても当然禁止です。
また、入国の際、税関での申告をせずに持ち込んだタバコや、電子タバコも禁止されていますので、注意しましょう。
ホッカーセンターやフードコート暗黙のルール
次に、ホッカーセンターやフードコートでよく見る風景についてご紹介します。
誰も座っていないテーブルや椅子の上に、ポケットティッシュのみポツンと置いてある事が多々あります。
これは、シンガポール人がテーブルを‘先約’している事を示します。
これについては、時々許される行為か否か?と話題になることや、喧嘩が勃発することもありますが、ほとんどの人は、暗黙の了解で、ティッシュが置いてあったら、別のテーブルを探します。
3. お金の話は挨拶代わり?
シンガポール人は、本当にお金の話が好きです。
これは、本当に興味があって聞いているのか、それとももう習慣になっていて、ただ聞いているのかは定かではありませんが、初対面の人に対してもかなりの確率でお金に関する質問を投げかけてきます。
それは例えば、
- お給料は幾らか
- 今住んでいる家の家賃は幾らか
から始まって、
- 週末行ったレストランでの食事代
- 持っているバッグの値段
- 子供の学校の学費
と、日本では考えられませんが、あまり親しい間柄でなくても、かなり踏み込んだ質問を投げかけてきます。
最初のうちは、戸惑いながらも、なんとなく答えてしまう事もあるでしょうが、相手もどうしても知りたくて聞いている訳ではない、と思って、適当に流しましょう。
4. 食文化の違い 知っておきたい点
先述の通り、シンガポールは様々なバックグラウンドの人が共存しています。
よって、食習慣についても多様となります。
特に、宗教が異なる人々と一緒の食事やホームパーティーなどを計画する場合、気をつけなくてはいけません。
例えば、これは日本でも同様ですが、
- アレルギーがあるかどうか
- またベジタリアンの人がいるかどうか
- イスラム教の人がいるかどうか
などです。
特にイスラム教の人は、宗教上、豚肉や、豚の脂を使った加工食品などは食べません。アルコールも、摂取しません。
それらを食べないだけではなく、豚肉を切ったまな板や包丁を使って料理したものも、食べません。
こういったことを考慮して、もしイスラム教の人を含んだメンバーでホームパーティーなどをする場合、ハラル認定(イスラム法に則って加工や調理された食べ物)のお店からオーダーするのが最善と思われます。
もし、イスラム教の方がいない場合でも、シンガポールでは仏教徒は牛肉を食べない、またベジタリアンの方も多いので、事前に確認するといいでしょう。
5. 接客 スマイルは何ドル?
先述の通り、シンガポールには様々な国からの移住者が多くいます。
駐在員も多くいますが、東南アジアや中国・インド・バングラデシュからの移民の多くは、工事現場やコンビニエンスストア・レストランなどの接客業についている人が多く見られます。
公用語は英語とは言っても、人口の8割近く中国系が占めている事もあり、公共の機関や大規模なデパートなどでは英語が通じますが、小さな飲食店や雑貨店、またバスの運転手など中国語しか話せないスタッフが対応する割合が増えつつあります。
また、日本のように、お客様は神様では決してありません。
笑顔での対応どころか、まるで怒っているかのように対応される事もあります。
また、来店当初は笑顔で対応してくれていたのに、買わない、となった瞬間手のひらを返したように不機嫌な態度を隠す事もありません。
日本では当然と思っていた笑顔での快い接客は、シンガポールでは期待できないと思っていた方が無難です。
慣れるまでは、腹の立つことも多いかと思いますが、怒るだけ無駄、と思っておいた方がいいでしょう。
6. シンガポールでは謝ったら負け?
先述の通り、シンガポールの接客業のレベルは、日本のそれと比べ物にならないぐらい、雑なものです。
お客様の立場に立って、お客様の気持ちを思いやって、という精神がそもそもないので、自分の仕事をさっさと、いかに楽に終わらせるか、という事を優先させます。
たとえ自分の間違いから相手に損害を与えた場合でも、謝る前にまず何故そうなったのか、と説明(言い訳)をします。
一番身近な例:デリバリーの遅延
シンガポールでは、日本と同様、様々なデリバリーサービスが増えてきていますが、例えば食料品のデリバリーで指定時間より遅れて配達した場合、ほぼ100%のドライバーが、事故で、すごい渋滞で、などと説明し、遅れたことをなかなか謝りません。
こちらが、謝罪を要求して初めて、嫌々謝罪します。
なかなか頑固なので、誰がどう見ても相手の過失による損害なのに、謝罪を得るだけでもかなりの時間をエネルギーを費やす事になる場合もあります。
シンガポール人は‘KIASU’(キアス)だ、と言われます。
これは、福建語でまさに’負けず嫌い‘を意味します。
ですので、上記でも述べた通り、接客の場面で嫌な思いをしても、事故にあった、と思って忘れるようにしましょう。
シンガポール6つの文化・習慣まとめ
電車やバスで整列しない、接客の態度も悪く、すぐにお金に関する非常に個人的な質問をする・謝罪しないなど、シンガポールの悪い習慣に多くフォーカスしてしまいましたが、態度の悪いおじさんのお店に何度も通ううち、おまけしてくれた、笑顔で対応してくれた、などという話も良く聞きます。
デリバリーの遅延についても、ドライバーではなく、お店に苦情を入れれば、何らかの対応してくれるところもあります。
先述の通り、シンガポールには本当に様々な国から、異なった文化や習慣を持った人々が共存していますので、自分の常識を相手に期待することはできません。
しかし、シンガポールという小国にいながら、異なる文化や習慣を知る事ができる、とてもいい機会にもなります。
また、我慢強くもなるでしょう。
お互いの違いを尊重しつつ、コーヒーショップのぶっきらぼうなおじさんの対応も、余裕の笑顔でできるようになれば、シンガポールの生活がさらに楽しくなるでしょう。
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