イタリアの運転免許証への書きかえ方法と8つの交通ルール

イタリアに長期滞在するときにより自由に快適に生活したかったら、車を運転することをおすすめします

イタリアは日本人が思っている以上に車社会です。

公共の交通機関だけで便利に行けるところは日本よりも限られます。

日常生活の中で車で来ることが前提で考えられている場所はかなりあります。バスが走っていても本数が少な過ぎて効率よく移動できないこともしばしばです。

子供と一緒にイタリアに長期滞在するならば、さらに車があった方便利な場面が多くなります。

イタリアでは小学校卒業までは子供の送り迎えが親の義務でもあったりします。

とはいえ日本人がイタリアで車を運転することは簡単なことではありません。

イタリアの運転免許証への書き換えという時間と労力を必要とする手続をして、車が右側走行というだけではない日本とは少し違う運転ルールに慣れる必要があります。

この記事では

  • イタリアの運転免許証への書き換えの方法
  • イタリアで運転するときの注意する点

を見ていきましょう。

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イタリアの運転免許証への書き換え

1年以内の滞在ならば国際免許を日本で取ってくればイタリアで運転できます

しかし、滞在が1年以上になると日本の運転免許証からイタリアの運転免許証に書き換える必要があります。

この書き換えはなるべく早めにすることをおすすめします。

なぜなら、4年以上イタリアに滞在すると(正確にはイタリア に住民登録をしてから4年以上経過すると)この書き換えはできなくなり、イタリア人と同じように新たに運転免許証の取得をしなくてはならないからです

特にイタリア語での筆記試験にパスするのは大変なので、書き換えができるタイミングを逃さないようにすることが大切です。

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イタリアでの運転免許証書き換えの順序と流れ

大まかな流れはこのようになっていますが、そのぞれの証明書に有効期限があるので一度書き換えの手続きを始めたら、なるべく間を空けずに必要書類を揃えることをおすすめします。

  1. 警察で滞在許可証の手続きを完了させる。
  2. 市役所(comune)の戸籍課(ufficio anagrafe)で住民登録をし、身分証明書(carta d’identità)を発行してもらう。
  3. 陸運局(motorizzazione)に行き必要書類を確認する。
  4. ローマ日本大使館またはミラノ日本領事館で日本の運転免許証の翻訳証明書を申請する。
  5. 県庁(prefettura)で翻訳証明書を認証してもらう。(legalizzazione)
  6. ASL(保健局)の認定医に健康診断書を作成してもらう。
  7. 陸運局へ全ての必要書類を揃えて行き、運転免許証の書き換えの申請をする。
  8. 申請通過後、陸運局へイタリアの運転免許証を取りに行く。

必要書類

陸運局へ書き換え申請に行くときに揃えておかなくてはならない書類です。

  • 滞在許可証のオリジナルとコピー
  • 身分証明書のオリジナルとコピー
  • 住居証明書 (市役所で申請)
  • 書き換え申請用紙 (陸運局で入手)
  • 振込用紙の領収書2種類 (陸運局で入手、10.20ユーロと32ユーロ)
  • 有効期限内の日本の運転免許証のオリジナルとコピー
  • 日本の運転免許証の翻訳証明書 (県庁での認証してもらったもの)
  • ASL認定医の健康証明書のオリジナルとコピー
  • 証明写真3枚

自動車学校、Auto Mobile Clubの代理店を通じての書き換え

陸運局で自分で直接申請して書き換えるのではなく、自動車学校やAuto Mobile Club(自動車に関する手続きを専門にする代理店)を通して書き換えの申請をすることもできます。

自分で陸運局に申請する場合と比べて割高になりますが、自動車学校やAuto Mobile ClubでASL認定医による健康診断を受けることができることが多いので便利です。

オートマ車限定免許の扱い

以前はイタリアではオートマ車限定の免許がなかったので、日本の運転免許証がオートマ車限定でも自動的にイタリアの運転免許証ではマニュアル車も運転できるものが発行されていました。

現在は日本の運転免許証がオートマ車限定の場合、イタリアの運転免許証もオートマ車限定になります。

イタリアのオートマ車限定運転免許証を取得したあと、自動車学校で一定のコースを受講すればオートマ限定解除ができます。

日本の運転免許証は没収され、その後返却される

陸運局に書き換えの申請をするときに日本の運転免許証は没収されます。

陸運局は返却の義務はないとされていますが、かなり時間が経ってからローマ日本大使館またはミラノ日本領事館を通して本人に返却さえているような現状です。

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覚えよう!イタリアでの交通ルール

さてイタリアの運転免許証が準備できたら次は実際にイタリアでの運転です。

イタリアは車が右側走行で、特に道路標示のない交差点では自分の右側からくる車が優先です

日本人には少し馴染みのない交通ルールやイタリア人特有の運転の特徴のようなものがあります。

走っている車のほとんどがマニュアル車でオートマ車はかなり少数です。

交差点の代わりにロータリー

日本のような交差点はイタリアには街の中心部くらいにしかありません。

ほとんどがロータリー形式になっていて車はこのロータリーを時計と反対回りにぐるぐると走行しながら自分の行きたい道路に抜けて行きます

ロータリーの内側の車が優先なので、ロータリーに入るためには内側の車の流れが途切れるのを待ちますが、のんびりしているとすぐ後ろから割り込まれます。

ロータリーに入るときには左ウィンカー、出るときには右ウィンカーを出します。

市内中心部への車の乗り入れ制限

イタリアの多くの都市では市内中心部にZTL(Zona Traffico Limitato)と呼ばれるタクシーなどの商用車や居住者以外の車の乗り入れを制限している区域があります。

イタリアZTL(Zona-Traffico-Limitato)

写真のように白地に赤い丸なのでOKの意味と勘違いしやすいのですが、この標識がある先へは車で進入できません。

制限される時間帯が7:00-20:00と書いてあるのでその時間以外は車で進入できます。

ZTLの入口には監視カメラが設置されているので注意しましょう

またこのZTLの区域はしばしば変わるので常に標識を確認するよう必要があります。知らず進入してしまうと後で高額の罰金の請求が自宅に送られてきます。

一方通行の道路が多い

歴史地区は特に道幅が狭いため一方通行の道路が多いのが特徴です。

そのため近くだと思っていてもかなり遠回りをしなくてはならないことがあります。

たまに一方通行の道で間違えてしまいかなりの距離を逆走で走っている車を見かけます。

駐車のしくみ

イタリアでは道路に引かれたラインの色によってどのように駐車できるかが決まっています。

  • 青のラインは有料で駐車できるスペース
  • 白のラインは無料で駐車できるスペース
  • 黄色のラインは特別に許可された居住者や身障者などの人だけが駐車できます。

青のラインのところには写真のような時間帯と料金を示す看板があります。

イタリアの駐車の仕組み

これは8:00-20:00の間は1時間2,4ユーロで駐車できますという意味です。

近くにはチケット販売機があるので、必要な時間分だけ購入してチケットをフロントガラスに提示しておきます。

ちなみに8:00-20:00以外の時間は無料で駐車できます。

スピード違反の取り締まりカメラ(autovelox)に注意

イタリアの幹線道路にはスピード違反の取り締まりカメラ(autovelox)が設置されています。

イタリアの幹線道路にあるスピード違反の取り締まりカメラ(autovelox)

カメラが設置されているところには、写真のような”rilevamento elettronico della velocità”という看板があります。

幹線道路によって規定速度が違うので確認してしながら運転する習慣をつけましょう。

さっきまで飛ばしていた前方の車が一斉に急にゆっくり走り始めたら、このカメラが設置されていると思っていいでしょう。

信号機の位置

イタリアの信号機は道路の正面ではなく左右の割と低い位置に設置されているものもあります。

前方だけでなく左右にも信号機がないか注意するようにしましょう。

写真のような”controllo rosso semaforico” という信号無視を取り締まるためのカメラも設置されています。

イタリアの信号無視を取り締まるカメラcontrollo-rosso-semaforicoイタリアの信号無視を取り締まるカメラcontrollorossosemaforico

ウィンカー出さずに車線変更や左折右折

イタリアでは車線変更のときにウィンカーを出さないドライバーがたくさんいて、最初のうちはびっくりします。

高速道路でもウィンカーを出さずに車線変更していきます。

イタリア人には出さなくても当然分かるだろうと思うときには出さずに車線変更しています。

道を曲がるときも同様に当然分かると思われるときにはウィンカーは出しません。

7.歩行者優先

イタリアでは日本より歩行者優先が徹底しています

特に信号のない横断歩道を歩行者が通過しようといていたら車は必ず停止しなくてはなりません。

歩行者も当然車は止まるものとして横断します。

横断歩道がなくても堂々と横断するイタリア人も多いので、歩行者の多い街中では常にドライバーは歩行者の動きに気をつけましょう。

イタリア人は横断中に車が近づいてきたからといって小走りしたりはしません。最後まで自分のペースで横断しますので、ドライバーはきちんと停止しましょう。

8.踏切は一旦停止は必須ではない

イタリアでは踏切を通過する前に一時停止する決まりはありません

日本のように一時停止すると追突される恐れもあります。

イタリアでの車の購入はどうする?

イタリア人は新車を購入して10年以上ボロボロになるまで乗ってから買い換えるのが一般的です。

狭いスペースに無理やり駐車してできた擦り傷や多少のバンパーのへこみはそのままにして運転しています。

イタリア人にとって車は消耗品です。

日本人のようにいつも綺麗にメンテナンスしておくような考えはありません

このような状況から中古自動車販売店の数は多くありませんし、日本のようにたくさん中古車を並べて販売しているようなお店はほとんど見かけません。

中古車を購入する際には信頼できる販売店かを見極めることが重要です。

できれば知り合いが乗らなくなった車を購入できるのがいいでしょう

イタリアの車検制度はかなり以前は10年に一度でしたが、現在では初回購入登録してから4年後、その後は2年ごとです。

イタリアの運転免許証への書き換えと8つの交通ルールの違いまとめ

運転免許証の書き換えはイタリアの手続きの中でも特に時間も労力もかかる面倒な手続きです。

その後イタリアでの運転に慣れるまでも少し時間がかかりますが、自由に乗りこなせるようになればイタリアでの生活がずっと快適になります。

後回しにしていると気が付いたときには書き換えのタイミングを逃してしまうこともあるので、早めに考えて進めてみてくださいね。

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