イタリアで病気になったら?医療制度や健康保険のしくみを解説

イタリアで生活していて病気になってしまったらどうしたらいいのか、考えただけでも不安になりますよね。

日本の医療制度とは異なっているところも多く、いざ病気になったときにどうしたらいいのか、どこへ行ったらいいのか慣れるまではよく分からないというのが実情です。

そこでイタリアで病気になったときのために、イタリアの医療制度や健康保険のしくみについて見ていきましょう。

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イタリアの薬局・Farmacia (ファルマチア) 薬局

緑の十字架の電子看板がイタリアの薬局の目印です

photo:flickr by Elliott Brown

photo:flickr by Elliott Brown

その都市の人口に応じて薬局の数も決められているので、比較的近くで見つけることができます。

自由に自分で陳列してある薬を見て選ぶ日本の薬局とはシステムが違い、完全対面販売方式です。

大きな薬局ではまず番号札を取って自分の順番を待ちます。自分の番になったらカウンターの白衣を着た薬剤師のところに行き症状を伝えます。

英語が話せる薬剤師は限られますので、簡単でもいいので自分の症状を何と言うかイタリア語で調べて行った方がいいです

薬剤師は症状にあった薬を選んでカウンターの奥のスペースから持ってきて飲み方などを説明してくれます。

日本のドラッグストアなどで買えるような薬はこのように誰にでも販売してくれますので、少し調子が悪かったり、風邪の初期段階には薬局に行って薬を購入するのがイタリアでも一般的です。

抗生物質や服用に注意が必要な薬はRicetta (リチェッタ) 処方箋がないと販売してくれません。この処方箋はMedico di famiglia (メディコ・ディ・ファミリア)ホームドクターで処方してもらいます。

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ホームドクター制・Medico di famiglia (メディコ・ディ・ファミリア)

日本ではあまりなじみがないのですが、イタリアでは皆かかりつけのお医者さん、ホームドクターを持っています

イタリアで国民健康保険サービス(SSN)に加入すると自分でホームドクターを選択することができ、

具合の悪いときはまずホームドクターに行きます。

ホームドクターはいわゆる一般医で全ての病気や怪我の初期段階の診察をします。

症状に応じて薬の処方箋を出したり、必要があれば血液検査やレントゲンなどの予約をするための処方箋も出します。

ホームドクターの費用は国民健康保険サービス(SSN)から払われるため、無料で診察が受けられます

このようにイタリアの公的医療制度では直接専門医のところに行くことはできません。

何科に行ったらよいか自分で判断に困るような症状のときにはホームドクターはありがたいシステムなのですが、眼にものもらいのようなものができて眼科にかかりたいときも、このホームドクターを経由しなくてはいけないので、専門医の診察までに時間がかかってしまいます。

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総合病院・Ospedale (オスペダーレ)

ホームドクターに処方箋を出してもらったら、大きな薬局などにあるCUP(Centro Unico Prenotazione) で、専門医の診察、血液検査やレントゲンの日時の予約をしてから総合病院に行きます。

検査内容によっては予約がかなり先になることもあります。

検査料の支払いは検査の前までに済ませておかなくてはなりません

薬局のCUPまたは総合病院のCUPで支払いはします。

簡単な血液検査などは総合病院でなく、ASL(Azienda Sanitaria Locale) 地域保健所などでもできます

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救急病院・Pronto Soccorso (プロントソッコルソ)

まずはホームドクター、それから総合病院での専門医の診察が一般的な流れですが、緊急事態ですぐに専門医の診察が必要な場合には予約無しに救急病院に行きます。

救急病院は総合病院の一部になっていることが多いです。

国民健康保険サービスに加入していない短期滞在者でも救急病院で診察を受けることができます

救急病院へは自力で行けないときに118番に電話して救急車を呼びます

ちなみに、日本と同様に、イタリアでは救急車は無料です

到着すると病状に応じて4つのレベルに振り分けられます。これによって優先順位が決まり、待ち時間が変わってきます。

  • 赤 (生命に関わるほど重症)
  • 黄 (自力で移動できない程度重軽症)
  • 緑 (翌日まで待てない程度の症状)
  • 白 (しばらく様子をみてもよい症状)

通常のルートですと専門医の診察まで時間がかかるために救急病院に来る人の数は多く、緑や白に振り分けられたときには半日程度は病院で待つ覚悟が必要です。

救急病院はあくまでも初診のみなので、その後の経過はホームドクターに行き指示を受けます。

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イタリアの国民健康保険サービス・SSN(Servizio Sanitario Nazionale) について抑えよう

イタリアの医療制度の基本になっているホームドクターを持つためには、イタリアの国民健康保険サービスに加入する必要があります。

日本人でも滞在許可証を持っていれば加入できるので、長期滞在の場合にはぜひ加入することをおすすめします

ちょっとした病気や怪我のとき、ホームドクターに診てもらえるのは安心です。

また薬局で処方箋が必要な薬を購入できるのも大きなメリットです。

国民健康保険サービスへの加入方法

まずは郵便局で加入料の振込をします

2017年時点では学生の加入料は149.77ユーロで、加入期間は1月1日から12月31日までと決まっています。

加入料は一律で年の途中で加入しても料金は変わりません。

振込の前に地域保健所(ASL)で振込先などの確認ができます。

次に

  • 振込用紙
  • 滞在証明証(初回はオリジナル、2回目以降は更新申請の控えでも可)
  • 住民票(Certificato di residenza)または滞在許可証を申請するときに登録した住居証明
  • 税金番号(Codice fiscale)

を持って地域保健所(ASL)に行きます。

手続きを済ませると仮の保険証が発行され、この時点からイタリアの国民健康保険サービスが利用できるようになります。

しばらくすると正式な保険証が自宅に郵送されてきます。イタリアの保険証はTessera Sanitaria (テッセラ・サニタリア)と呼ばれます。

国民健康保険サービスへの加入期間は滞在許可証の有効期限までなので、12月までに滞在許可証の切り替えがある場合には新しい滞在許可証と振込用紙の控えをもって地域保健所(ASL)で新しい保険証を発行してもらいます。

ホームドクターの選び方

イタリアで国民健康保険サービスに加入したら、ホームドクターを選びます

地域保健所(ASL)のサイトを検索するとホームドクターの情報を見ることができます。また地域保健所(ASL)には一覧のリストがあるのでそこから探して選ぶこともできます。

ホームドクターによって診察時間がまちまちなので、自分が行きやすい時間に診察している家の近くのホームドクターを選ぶといいでしょう。

ホームドクターが自分に合わないときは変更することもできます。

ホームドクターのかかり方

多くのホームドクターは一人で病院内の全ての業務をこなしています。

看護婦や受付の人はいませんし、診察券のようなものはありません。

すでに何人かの患者さんが待ち合い室にいたら、最後の人は誰かと声をかけ自分の順番を確認します。

患者どおしで順番を確認し合うのは日本人には慣れない習慣ですが、自分の順番を確保するためにも声を出して確認しましょう

自分の番になったら診察室に入りホームドクターに自分の名前を名乗り症状を説明します。

簡単な問診があり処方箋が出されます。ホームドクターはかなり忙しいことが多く必要最小限のことしか言わないので、自分から色々質問して聞いた方がいいです。

処方箋をもらったら大抵ホームドクターのすぐ近くに薬局があるので、薬を購入したり検査の予約などをします。

イタリアの歯医者

これまでイタリアの公的な医療システムについて紹介してきましたが、歯科医に限ってはほとんどのイタリア人が私立の病院に行きます

公立の病院でも歯科治療はできますが、歯が痛いときでも予約がなかなか取れず納得できるレベルの診療も受けられないため、私立の歯科医を選ぶしかないようです。

保険がきかないイタリアの私立の歯科医での治療はかなり高額になります

ちなみに一回の治療時間は日本よりもかなり長く、開けている口が痛くなるくらいです。

甘くて美味しいものがたくさんあるイタリアでは本当に虫歯には注意しましょう。

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イタリアの医療制度の優れた点は?

国民健康保険サービスは全て税金でまかなわれています

ホームドクターで処方箋が出される薬の多くは補助金が出され、自己負担額は累進制で収入によって変わります

公的医療機関での手術、入院に関しては収入に関わらず無料です。

貧困者には薬代も全て補助され、イタリアではお金がないから病院に行けないという状況は起こりません。

イタリアの医療制度の問題点は?

明らかに重症で緊急な場合にはイタリアの医療制度は優れているのですが、比較的軽症な場合やあまり緊急でないと見なされると適切な処置が受けられるまでにかなりの時間がかかります

打撲や捻挫などをして念のため医師の診察を受けておくことは日本では簡単にできますが、イタリアではホームドクター経由にしても救急病院に行ったとしても、重症とは見なされないので医師の診察にたどり着くまでに相当の時間がかかります。

外科手術が必要な場合も緊急でなければ、半年や1年先の予約になることもしばしばあります。

どうしても早く手術がしたければ高額の支払いを覚悟で私立の病院でするしかありません。

また熱と吐き気でつらいようなときにホームドクターの診察時間がすでに終了していて(通常診療時間が1日のうち2-3時間程度なため)、救急病院へ行って半日待たなければならないならば、家でおとなしく寝てた方が早く治るのではないかと思わざるを得ません。

実際イタリア人は日本人に比べる具合が悪くなってもすぐには病院には行きません

日本人なら「とりあえず病院に行こう」と言いますが、イタリア人は「少し家で寝ていれば良くなるよ」と言います。

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さいごに

イタリアの医療制度のしくみのイメージは掴めたでしょうか?

日本とはかなり違う部分があるので、基本的な流れを理解した上で、そのときの自分の病状や状況に応じてどこに行ったら一番いいのか判断する必要があります。

具合が悪くなってからではなかなか考えられないので、元気なときに病気になったときのためのシュミレーションをしておくと安心ですよ。

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