スペインは複数の言語が公用語として存在している国です。
日本人が学ぶいわゆる「スペイン語」は、スペインでカスティリャーノ(Castellano)語と呼ばれています。
その一方で、スペインには各地方で話されている言語と言うものがあります。
例えば、
- バスク地方で使用されるバスク語(Euskera)
- 北東部のガリシア地方のガリシア語(Gallego)
- バレンシア地方で話されているバレンシア語(Valenciano)
- そして、カタルーニャ地方のカタルーニャ語(Catalán)
です。
同じ地方の人同士が集まると、カスティリャーノだけではなく、その地方の言語でおしゃべりしている姿を町のあちこちで見かけます。
今回の記事では特にカタルーニャ語を特集します。
バルセロナを旅するときなどは、カスティリャーノよりも、カタルーニャ語を覚えておいたほうが、旅をより楽しむことができるかもしれません。
カタールニャ語はスペイン以外の国でも話されている言語
まず最初に、カタルーニャ語を話す地域について、地理的な視点から見ていくことにしましょう。
実は、カタルーニャ語はスペイン以外の国でも話されている言語です。
スペイン以外では、以下の3箇所でカタルーニャ語が公用語となっています。
- ペルピニャンを中心とするフランスのピレネーオリアンタル県
- アンドラ公国
- イタリアのサルデーニャ島のアルゲーロ(Alghero)
この3箇所はかつてカタルーニャを支配していたカタルーニャ王国の政治的影響の下にあったため、いまだにカタルーニャ語が話されているのです。
続いてスペイン国内でカタルーニャ語が話されているのは、以下の地域です。
- バルセロナとその周辺のカタルーニャ地方
- アラゴン地方の東側
- バレンシア地方
- バレアレス諸島
なお、バレンシア地方にはバレンシア語という独自の言語があります。
しかし、特にバレンシア地方の北側の地域では、バレンシア語とカタルーニャ語がミックスされた独自の言語が話されています。
ちなみに上記すべてのカタルーニャ語圏における、現在のカタルーニャ語人口は約1400万人といわれています。
カタルーニャ語は8~9世紀にかけて形成
カタルーニャ語は、フランス語やカスティリャーノと同様に、ラテン語から発展したヨーロッパの言語のひとつです。
8世紀から9世紀にかけてカタルーニャ語が形成され始め、その後、アラゴン王国のもとではフランスやイタリア、そしてギリシャでも、カタルーニャ語が話されるようになりました。
しかし、ルネサンス期やバロック時代にイタリアやギリシャでのカタルーニャ語の影響力が弱まります。
しかし、20世紀になるとカタルーニャ語復活の機運が盛り上がります。
その一方で、スペイン独裁政権の下ではカタルーニャ語の公式な場での使用は禁止されていました。
しかし、独裁政権終了後の1980年代から再度カタルーニャ語の公式な場での使用や教育ができるようになりました。
参考文献
URL:https://llengua.gencat.cat/es/el-catala/origens-i-historia/
カタルーニャ語はどこで学べる?
バルセロナをはじめカタルーニャ地方にある多くの語学学校では、カタルーニャ語を学ぶことができます。
また、カスティリャーノとカタルーニャ語の両方を学ぶことができる語学学校も少なくありません。
例えば、次の2つの語学学校ではカスティリャーノとカタルーニャ語の両方を学ぶことができます。
エスクエラ・メディテラネオ
URL:https://www.escuelamediterraneo.com/es/
バルチノ・スクール
URL:https://www.barcinoschool.com/curso-catalan-barcelona/
また、カタルーニャ語をオンラインで学ぶためのサイトもあります。このサイトは、カタルーニャの言語や文化の維持のために中心的な役割を果たしているインスティトゥト・ラモン・リュール(Instituto Ramón Llull)という教育機関です。
情報の信頼性は高いと考えても良いでしょう。
サバイバルのためのカタルーニャ語・挨拶などのフレーズ集
「バルセロナには行ってみたい。でも旅行で短期間に滞在するだけなので、語学学校に行くこともできない」という方のために、バルセロナをサバイバルするためのカタルーニャ語のフレーズをお教えします。
1.「おはよう」「こんにちわ」/「こんばんわ」
= Bon dia. (ボン・ディア)/ Bona Tarda. (ボナ・タルダ)
まずはここから。
2.「(寝る前の)おやすみなさい」
=Bona nit. (ボナ・ニット)
夜の別れの挨拶もこれで完璧。
3.「ありがとう」
=Gracias. (グラシアス)
お礼の言葉は、カスティリャーノと同じ発音。
4.「さようなら」
=Adeu.(アデウ)
別れの言葉は、この一言で決めましょう。
5.「お願いします。」
=Si us plau.(シ・アス・プラウ)
この言葉だけで、旅のほとんどの場面は乗り切れます。
例えば、コーヒーが欲しい時は、
Un café, si us plau. (ウン・カフェ・シ・アス・プラウ)
6.「私は~したい」
Vull~(ブールイ)。
例えば、「私はこのTシャツを買いたい」はJo vull comprar aquesta samarreta (ジョ・ブールイ・コンプラール・アケスタ・セマレッタ)。
7.「~はどこにありますか。」
= Onestà(オン・エスタ)~.
これは憶えておきましょう。
8.「お手洗いはどこですか」
On està servei?(オン・エスタ・セルヴェイ)
9.「私は日本人です」
=男性の場合Jo sóc japonès(ジョ・ソック・ジャポーネ)
=女性の場合Jo sóc japonesa(ジョ・ソック・ジャポーザ)
自分の職業などを伝えるときもJo sóc で通じます。
10.「 私の名前は山田花子です」
= Em dic HanakoYamada.(エム・ディック・ハナコ・ヤマダ)
= Jo soc Hanako Yamada. (ジョ・ソック・ハナコ・ヤマダ)
どちらでもOK.ホテルなどでのチェックイン時に必要。
11.「これが好きです。」
= M’agradaaixò(マグラダ・アイショー).
買い物中に気に入ったものを見つけたときなどに。
12.「あなたを愛しています」
=T’estimo.(テスティモ)
旅行中ならそれほど使うチャンスはないとは思いますが、カタルーニャで運命の出会いがあった場合に。
13.「(買い物中に)おいくらになりますか。」
=Quant costa?(クワント・コスタ)
発音だけなら、カスティリャーノとほぼ同じ。
14.「(レストランなどで)お勘定お願いします。」
=El compte.(エル・コンペーテ)
もうすこし丁寧に言いたいときには、El compte,si us plau. (エル・コンペーテシ・アス・プラウ)の合わせ技で。
15.「(緊急事態に)助けて!!」
=Ajuda’m.(アジュダム)
万が一、危険な目にあった時は、この言葉を叫びましょう。英語のHELP MEでも十分.とにかくなにか叫ぶこと。
16.「私は具合が悪いです。」
=Jo em sento malament. (ジョ・エム・セント・マラメット)
旅行中、体調を崩したときにはこのフレーズを。
17.「 私は頭が痛いです。」
=Jo tinc mal de cap. (ジョ・ティンク・マル・デ・カプ)
体のどこかがいたい場合は、Jo tinc mal(ジョ・ティンク・マル)と言いながら、痛いところを指差しましょう。
さいごに
実はバルセロナの中心街や、カタルーニャ地方の観光地では、最近英語が良く通じるようになりました。
そのため英語が話せれば、大きな不便を感じることはないでしょう。
しかし、少しでも地元の言葉を話すことができれば、カタルーニャの滞在はより楽しいものになることは、間違いありません。
では、Bon viatge(ボン・ビアージェ)!!
良い旅を!!
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