日本の大学は「入るのは難しく、出るのは簡単」、海外の大学は「入るのは簡単、出るのは大変」と言われていますがイタリアの場合はどうなのでしょうか?
最近日本でも偏差値よりも個性を生かした大学に人気が集まっているようですが、イタリアでは“偏差値”という概念すら聞いたことはありません。
「ではイタリア人はどうやって大学を選ぶのでしょうか?」
「どんな大学が人気なのでしょうか?」
実際にイタリアの大学を卒業した筆者がイタリアで人気の大学、イタリアの大学の現状を紹介したいと思います。
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世界最古の大学Università di Bologna(ボローニャ大学)
地元愛が非常に強いイタリア人。
彼らの多くは自分が生まれ育った町や家族から離れることを望みません。
「できれば大学も就職も地元でしたい。」ということで地元の大学へ進学する人が圧倒的に多い中、昔からイタリア中、いやヨーロッパ中から優秀な若者が集まって来る大学が有ります。
ボローニャ大学(Università di Bologna)・世界最古の大学です。
1088年創立のボローニャ大学では、ペトラルカやダンテ・アリギエーリ、ガリレオ・ガリレイ、コペルニクスなど文系、理系を問わず様々な分野の有名人が学んでいました。
また近年では映画化もされた小説『薔薇の名前(lI nome della rosa)』で有名なウンベルト・エコーが教鞭をとっていたこともあるなど、教師陣、学生共に揃った非常にクオリティーの高い大学です。
イギリスの教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エディケーション(THE)やイタリアの経済紙で有名なIl Sole 24 oreの世界の大学ランキングでもいつも高い評価を得ています。
中部イタリアの決して大きいとは言えない街、ボローニャはまさに学生の街。
この街は常に「イタリア人住みたい街」のトップに入る、生活しやすい街でもあります。
それはイタリア各地、また全世界から集まってくる若い活気で溢れているからでしょう。
イタリア随一の私立大学Università commerciale Luigi Bocconi(ルイージ・ボッコーニ商業大学)
イタリアには私立の大学はほとんど存在しません。
いえ、存在はしているのですが、高校も含めて、私立に通う学生はほとんどいません。
実は「大学に入りやすいから」というよりも、お金がなくても大学に通えるようなシステムが有るからです。
イタリアの大学の学費は家庭の収入によって異なります。
つまり収入の少ない家庭では学費はほぼ無料です。
例えば私が通っていたフィレンツェ大学の文学部の場合、一番収入の高い人でも年間は年間3000€弱。日本円で40万円弱なので、日本と比べるとかなり安いですね。
ただし、授業時間は日本に比べると非常に少ないので、一概に「イタリアの大学の学費は安い!」と言い切ることはできませんが。
そんなイタリアにあって、唯一全国から学生を集めているのがこのルイージ・ボッコーニ商業大学(Università commerciale Luigi Bocconi)です。
“商業大学”と言うだけあって、ここはヨーロッパ圏トップレベルのビジネススクールです。
大学世界ランキングのビジネス&マネージメント(Business & Management Studies)では毎年世界トップ10に入っていて(2017年は惜しくも11位)、卒業生には世界の経済をけん引するような人材が多く育っています。
イタリアの大学では珍しく英語の授業が多いのも世界中から学生を集めている要因の1つでしょう。
日本語を勉強するならこの2校
イタリアのテレビでは日本のアニメをむかしから放映していたこともあり、若者の日本語に対する興味は今も根強く有ります。
そんなイタリアで本格的に日本語を含めたアジア言語を勉強するなら北のVenezia、南のNapoli。
- Venezia大学通称カフォスカリ(Università Ca’ Foscari Venezia)
- Napoli東洋大学(Università degli Studi di Napoli “L’Orientale” UNIOR)
です。
日本で活躍しているイタリア人の中にはこのどちらかを卒業している人が多数います。
ナポリ東洋大学はヨーロッパ最古中国学および東洋学を学べる大学です。
現在ではアフリカやロシアなどの言語も加わり、50の言語が学べる、文科系に特化した大学となっています。
外国人のための大学
ローマ時代の遺跡今も身近に存在するイタリアは、いつの時代も世界中のあこがれの的でした。
そんな世界中からやってくる外国人のために語学や文化を学べる国立大学が2校あります。
- ペルージャ外国人大学(Università per stranieri di Perugia )
- シエナ外国人大学(Università per Stranieri di Siena)
です。
こちらの大学では3か月の短期から1年以上の長期に渡るコースを自由に選ぶことができます。
またイタリア語だけではなくイタリアの歴史や美術について学ぶ事がでます。
こちらのコースは日本からの手続きも他の大学に比べれば簡単に行うことができます。
またこの大学には外国人のコースだけでなく、普通の国立大学と同じ卒業資格が得られるコースもあり、イタリア語を教える資格が取れるコースなどもあるため、外国人だけではなくイタリア人も在籍しているので、多国籍な生徒たちと学習することができます。
イタリアではどんな大学を選べばいい?
イタリアには“イタリア料理”は存在しません。有るのはその土地その土地の伝統的な料理です。
大学もまた、それぞれ全く違う特徴を持っています。
偏差値ではなく、大学の良いところ、特徴をよく調べて選ぶのが良いでしょう。
実際自分の勉強したい大学に通っているイタリア人やその街に住んでいるイタリア人に話を聞くことができれば、それが一番のアドバイスになると思います。
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