アイルランドの食文化。伝統料理からトレンディ食品事情まで紹介

アイルランドの食文化

アイルランド料理。イギリス料理と似ていて、マズいなんて噂もちらほら聞きます。本当でしょうか?

イギリス料理と似ているのは本当です。しかし、まずいのは昔の話です。

最近は、アイルランド料理は美味しいです!

フランス料理やイタリア料理のようにソースに手の込んだものは少ないですが、味付けがシンプルで素材の良さを活かした料理が特徴です。

外食産業もバラエティ豊かで、アイルランド料理も伝統を大事にしつつもプレゼンテーションなどモダンになっています。

実際の家庭ではどうかと言うと、昔のように毎日じゃがいもと言う訳でもないようです。

若者の間では、健康志向が日本以上に浸透しています

ここでは、外で食べる料理と家庭でアイルランド人が日常的に食べている料理の両方から、今のアイルランドの食文化を現地在住者から紹介していきます。

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アイルランド料理はまずい?

ネット上でも、なぜこんなにもまずいと書かれているのでしょうか・・

現在は先進国の仲間入りを果たしたアイルランドですが、それ以前は確かに料理はあまり美味しくなかったようです。

  • 付け合わせの野菜は茹で過ぎ
  • パスタも茹で過ぎ
  • 味は薄くて大雑把
  • 量が多すぎる

などが日本人の口に合わなかったからだと思います。

そして、もう1つは調理法の違いです。

日本料理は、茹でたり焼いたりする段階から味をつけますが、アイルランドは調理の過程では味をあまり付けませんでした。

ですので、そのまま食べると味がなくまずいと感じます。

アイルランドでは、出来上がった料理に塩こしょうで自分好みに味を足すので、その違いにまずいと言うレッテルが貼られてしまったのでしょう。

では最近のアイルランド料理はと言うと、付け合わせ野菜は、日本人の感覚からするとまだ柔らかめではありますが、マッシュポテトとメインの肉と一緒に食べた場合はちょうどいい柔らかさです。

パスタは格段に固めになりましたし、味付けもシンプルながらもちゃんとあります。

量は、全体的には日本人には多いかもしれませんが、お洒落なレストランはプレゼンテーションにも凝っていて、量も少なめになっています。

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アイルランドを代表する料理

まずはアイルランドに来たら是非食べてほしい料理を紹介します。

じゃがいも料理

アイルランドと言えばじゃがいも。じゃがいもはアイルランドの主食です。

レストランでは、マッシュポテトかチップス(フライドポテト)が出ることが多いです。

テイクアウト店では、チップスにカレーソースやガーリックマヨネーズなどのトッピングも色々あります。

ポテトチップス(クリスプスと言います)も美味しいです。

アイリッシュシチュー

牛肉(羊肉)とにんじん、玉ねぎ、ジャガイモ、セロリを一緒に煮込んだシチューです。

麦を一緒に入れることもあり、家庭では比較的あっさりめですが、レストランでは、しっかり味付けされたシチューを食べることができます。

冬にはぴったりの体あたたまる料理です。

ギネスシチュー

アイリッシュシチューと材料はほぼ同じですが、ギネスビールで煮込むので、さらにコクとちょっぴり苦みもあります

スープ&ブラウンブレッド

アイルランドのスープはポタージュスープが基本で、野菜の形がないどろどろのタイプです。

付け合わせにアイルランドのパン、ブラウンブレッドがついてきます。

スモークサーモン

スモークサーモンは、身も厚くスモークの臭いがきつくないタイプが多いです。

牡蠣&ムール貝

アイルランドの牡蠣は平牡蠣で、生で食べることが多く、ムール貝はワイン蒸しが多いです。

西海岸の街ゴールウェイでは、オイスター・フェスティバルも有名です。

フィッシュ&チップス

イギリス料理のイメージが強いですが、アイルランドでも有名です。

鱈などの白身魚に衣をつけて揚げます。そして大量のチップス添えです。

ベーコン&キャベッジ

厚切りベーコンとキャベツを煮た料理です。ベーコンの旨味だけで煮込みます。

マッシュポテトとホワイトソースをかけて食べます。

アイリッシュ・ブレイクファスト

ソーセージ、ベーコン、ブラックプディング、目玉焼き、トマトとマッシュルームのソテーとベイクド・ビーンズをワンプレートにのせた朝食です。

紅茶ととっても合います。

サンデイ・ロースト

日曜の午後早い時間に食べる食事で、定番はローストビーフ、それに温野菜、マッシュポテトをグレービーソースで食べます。

アップル・クランブル(ルバーブ・クランブル)

デザートの定番はりんごのクランブルです。

日本ではあまり馴染みのないルバーブと言う野菜を使ったクランブルも有名です。

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アイルランドの美味しい食材

  • 牛肉
  • 羊肉
  • 乳製品
  • ハムやベーコンなどの加工肉
  • サーモンや牡蠣などの魚介類

アイルランドの肉はおいしい

アイルランドは1年中雨が多く、気温の差も1年を通して少ないため、芝生はいつも緑です。

そんな美味しい牧草を食べている牛や羊は、健康的に育っています。

そのため、牛肉や羊肉はとても美味しく、海外にも輸出されるほどです。

乳製品もくさみがなく美味しい!

同じ理由で、乳製品も豊富でどれもくせがなく美味しいです。

筆者は乳製品全般が子供の頃から苦手でしたが、アイルランドに来てからかなり食べられるようになりました。

アイルランドの乳製品は、独特のくさみがなくマイルドな味わいです。

種類は少ないが魚介類もGood

海に囲まれているため、魚介類も新鮮です。

残念ながら種類は少ないです。

魚はサーモン、鱈類、さば、貝類は牡蠣、ムール貝、えびくらいです。

今までアイルランドでは魚はあまり人気ではありませんでした。

しかし、最近は健康志向が高まり、魚を食べる人も増えてきています。

アイルランド ハム

ハムやベーコンも、日本と比べ物にならないくらい種類があります。

大きな塊のベーコンやハムは、なかなか日本ではお目にかかれません。

アイルランドの伝統的な食事時間

  • 朝食は有名なアイリッシュ・ブレイクファストを食べ
  • 昼食は簡単にサンドイッチ
  • 夕食は午後3〜4時にしっかり食べ
  • 午後7時頃にティータイムで、紅茶にビスケットか軽いサンドイッチを食べる。

これが、アイルランドの伝統的な食事の時間でした。

アイルランドは農家が多かったので、朝からしっかり食事を食べて肉体労働をし、仕事終わりとともに夕食というパターンだったのです。

しかし現在では、人々の生活スタイルの変化とともに、日本と同じ1日3食になっています。

それでも、アイルランドの夕食の時間は早めです。

特に子供のいる家庭では、4時頃夕食を食べる家も多くあります。

アイルランド人の家庭料理

基本の家庭料理

アイルランド料理は、基本的にはワンプレート料理です。

主食のじゃがいも、肉や魚のメイン、付け合わせの温野菜が定番スタイルです。

調理法は、日本料理に比べるとかなり簡単です。

主食のじゃがいもは茹でるだけ、マッシュポテト、オーブンで焼くフライドポテトのどれかで、肉や魚もオーブンで作る物が多く、冷凍食品を多用する家庭も多いです。

付け合わせ野菜も、ただ茹でるだけのシンプルなものです。

もちろん家庭によって差はあります。

全て手をかけて手作りするところもありますが、一般的には上手に手抜きしている印象です。

今でも年配の人達は、夕食には必ずじゃがいもが欲しいと言います。日本人が夕食には必ず白いご飯がほしいと思うのと同じです。

アイルランド料理以外のメニュー

若い人達の家庭では、毎日ワンプレート料理を作る家庭は減ってきました。

パスタ、ラザニア、ピザ、カレーが一般家庭でよく登場する夕食です。

パスタはミートソース、ピザは冷凍食品かテイクアウト、カレーは色々な種類のソースが瓶や粉末で売っているので、肉や野菜を炒めて市販のソースで作ります。

アイルランド カレーソース

ご飯は、ロングライスと言う、長細くパラパラしたタイプの米です。

アイルランドは、日本のようにスーパーに出来合いの総菜が売っていません。

その分、冷凍食品や既成のソースに頼る人が多いです。

アイルランド トマトソース

日本でも絡めるだけの既成のソースが種類豊富に売っているので、その点は似ているかもしれませんね。

アイリッシュ・ブレイクファストは毎朝食べない

ホテルやB&Bに行くと楽しみなのが、ボリュームいっぱいのアイリッシュ・ブレイクファストですが、一般家庭では毎日食べません。

休日の朝や、昼食、ときには夕食に食べたりします。

平日の朝食は、シリアルかポリッジ、トーストに紅茶(もしくはコーヒー)と、シンプルで時間をかけない物が主流です。

現在のアイルランドの食事事情

最近の都市での人気料理

ケルティック・タイガー(経済バブル)を機に、アイルランドの食事事情は劇的に変わりました。

都市ではアイルランド料理だけでなく、色々な国の食事が楽しめます。

その中でも特に人気なのが、ピザとアジアン・ストリート・フードです。

テイクアウトのピザ屋は以前からありますが、イタリア料理店ではなく、ピザだけのレストランが増えてきました。

大人も子供も大好きなピザ。今ではアイルランドの定番料理の1つです。

冷凍ピザも日本の比じゃないほど売っていますし、家庭でもよく食べられています。

もう1つ。ここ数年一気に増え出したアジアン・ストリート・フード。日本語に訳すとアジアの屋台料理です。

タイ料理やマレーシア料理、中国や韓国、インドネシアにベトナムとアジア各国の代表的な屋台料理が食べられます。

アイルランド アジアンストリートフード

日本料理だってあります。焼きそばと焼きうどん、餃子がよく見かける料理です。

味はと言うと、実は日本で食べる味とはかなり違います。

タイ料理のパッタイも、筆者がタイで食べた味よりかなり濃いです。

日本の中華料理と同じように、アイルランド人の味覚に合わせた料理に変わっているとは思いますが、アジア人の私たちにはやっぱり食べたくなる味で、流行ってくれてありがとうという気分です。

アイルランドでは、以前から中華料理のテイクアウトが人気で、どんな小さな町にもパブと中華料理のテイクアウト店があるほどです。

田舎の方はまだ同じですが、都市では中華料理からアジアン・ストリート・フードに変わりつつあります。

テイクアウトコーヒー片手に街を歩くのがトレンディ

アイルランドの紅茶の消費量は世界一です。

お隣の国イギリスが紅茶のイメージが強いですが、アイルランドでは1日1000万杯の紅茶が飲まれていると、最近のTVコマーシャルで見ました。

アイルランドの人口が450万人なので、国民1人あたり1日に約3杯飲んでいることになります。

しかし、国民の飲み物「紅茶」の立場が危うくなっています。

コーヒーを飲む人が一気に増えてきたのです。

コーヒーショップが沢山でき、どこのパブにもコーヒーマシーンが設置され、テイクアウトのコーヒー片手にショッピングや散歩する人を多く見かけるようになりました。

それが今のアイルランドでは、かっこいい人の象徴です。

特に若者は流行に敏感なので、紅茶よりコーヒーを好むようです。

グルテンフリーなどの健康食品

もう1つ若者たちの間で流行していることがあります。

それは、体を鍛えて健康的な食事を取ることです。

日本でも最近ジムが流行っていますよね。アイルランドは日本以上に大流行で、特に大学生から30代前半の人達が体を鍛えることにはまっています。

街を歩いていると、小さめのTシャツやシャツを着た筋肉ムキムキな若い男性と、お尻のラインがくっきり出るスポーツレギンスを履いた女性が目に付きます。

アイルランド 健康食品

体を鍛えるに伴って、食事にもとても気をつけています。

ベジタリアンが急増し、グルテンフリーなどの健康食品もどこのスーパーでも簡単に手に入るようになっています。

オーガニック食品も多く、日本よりも気軽に買えます。

全て値段は少々高めですが、アレルギーの有る無しに関係なく、多くの人が健康食品を取り入れる努力をしています。

アイルランドの食文化のまとめ

アイルランドは伝統料理を大事にしており、今でも主流の食事は昔と同じです。

しかし、外国料理が増え、グルメの人達や流行に敏感な人達は色々な料理を楽しむようになっています。

家庭料理は冷凍食品やオーブンで焼くだけの料理などが多く、手の込んでいないシンプルなものです。

それでも、健康食品も増えて、アイルランドの食事事情は確実に変化しています

もうまずくありませんよ。アイルランドに住んだら、是非色々な料理や食材をトライしてみて下さいね。

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