デンマーク在住者が教える現地の本当の治安事情

海外旅行や移住を考える際、気になるのは現地の治安。

近年、欧米の各都市ではテロの危険性も高まっていますし、犯罪も多様化している傾向にあります。

では、ヨーロッパの一国であるデンマークの治安はどうでしょうか。

今回は、デンマークの社会問題や情勢とも合わせて、デンマーク、特に首都・コペンハーゲンの治安を現地在住者からご紹介していきたいと思います。

ぜひ現地への観光や生活を予定されている方は、参考にしてください。

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世界でも5本の指に入る安全な国デンマーク

毎年、イギリスにある経済平和研究所が「世界平和度指数(Global Peace Index)」というランキングを発表します。

これは、国内の犯罪数や国外での戦争や紛争の状況、軍事費の割合など、様々なデータから割り出した24の指数と有識者の意見などを合わせ、世界各国の「平和度」を測るというものです。

このランキングによると、2017年のデンマークの平和度は世界第5位

前年の3位からは少しランクを落としてはいますが、治安の状態も最高のレベルを保っているので、世界的にデンマークは平和な国と言えるでしょう。

ちなみに、日本は10位で、アイルランドと同位となっています。

  1. アイスランド
  2. ニュージーランド
  3. ポルトガル
  4. オーストリア
  5. デンマーク
  6. チェコ
  7. スロベニア
  8. カナダ
  9. スイス
  10. アイルランド、日本

参考:Global Peace Index 2017

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一方でコペンハーゲンの社会問題は深刻化

さて、デンマークは主に3つの地方からなっています。

最も大きな面積を占めるのがユーラシア大陸とつながるユラン半島(ユトランド半島)

残りの2つは、アンデルセンの生まれた街・オーデンセがあるフュン島と、コペンハーゲンがあるシェラン島です。

ユラン半島(ユトランド半島)、フュン島、シェラン

このデンマークの中で、コペンハーゲン以外のほとんど街は小規模です

一度足を運んでみると、昔ながらのゆったりとした空気が流れているのを感じられるでしょう。

一方、人口はコペンハーゲンへ一極集中していて、地方からの移住者だけではなく、外国からの移民やベビーブームなどがその一因となっています。

社旗問題1:薬物中毒の増加

そんなコペンハーゲンで、現在問題視されているのが、若者を中心とした薬物中毒の増加です

2016年、交通事故死の221人に比べ、麻薬中毒死は277人だったそうです。

また、約7万人が薬物依存症の治療を受けているというデータもあります。

その多くはコペンハーゲンで、若者が集まるクラブやバーなどが売買場所とされているようです。

社会問題2:ギャングの抗争

また、薬物問題に次いで問題視されているのが、ギャング団の抗争です。

彼らは麻薬取引などに関わり、その縄張りや勢力争いのため、コペンハーゲンではしばしば発砲事件が起こっています。

彼らが一般人を巻き込むことは滅多にありませんが、余計なトラブルに巻き込まれないためにも、夜間の行動には十分気をつけたほうがいいかもしれません。

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ゼロとは言えないテロの可能性

そんなデンマークの社会問題の背景にあると言われているのが、移民・難民問題です。

他国からやってきた移民集団がギャング団を形成し、それに対抗する形でデンマーク人ギャング団が過激化する、という話も聞こえてきます。

また、デンマーク国内の移民政策への反応として、日常でもデンマーク人と外国人の対立が見えることもあります。

そんな中、2015年2月に、ムハンマド風刺画家のスウェーデン人や当時のデンマーク駐在仏大使が参加する討論会の会場とシナゴーグで銃撃事件が発生。

市民2人が死亡し、警察関係者5人が負傷しました。

フランスでは「シャルリー・エブド事件」が起こったこともあり、メディアでは事件との関係性がしきりに報道されていました。

以来、現場となったシナゴーグを含め、銃撃の対象となりうる場所は警察が警備をするなどのテロ対策がされています。

現在、外務省からデンマークに対しては危険情報などは出されていません。

ですが、デンマーク人はこの銃撃事件で平和な国と言われている場所でもテロは起こりうる、と思わされたことでしょう。

依然、ヨーロッパ全体にはテロへの注意喚起がされている状況なので、デンマークでもテロの可能性はゼロではない、ということは頭に入れておいたほうがいいでしょう。

コペンハーゲンの治安事情:概ね安全な街といえる

とは言え、コペンハーゲン全体は概ね安全な街であると言えると思います。

日中であれば、危険なエリアというのは特になく、街歩きに不安になることはないでしょう。

夜であっても繁華街や観光スポットなどは人通りが多く賑わっていますし、住宅街などの人通りの少ない静かなエリアでも、傷害事件などの犯罪に巻き込まれる確率は低いと思います。

また、地下鉄や電車にも危険な雰囲気は特にありません。

時には、酔っ払いに絡まれたり、大声で何かを叫ぶ人を間近で見かける、ということはありますが、犯罪に巻き込まれるほどの危険性はないと思われます。

ただ、女性の一人歩きの場合、深夜で人通りの少ない場所はなるべく避けたほうがいいかもしれません

また、薄着のシーズンでも肌の露出が多い服装も、余計なトラブルを避けるためにできれば控えることをおすすめします。

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コペンハーゲンにも危険な地域はある?

このように全体的には安全な街ですが、注意すべき地域があるとすれば、主に以下の3つが挙げられます。

コペンハーゲン中央駅西側のIstedgadeやHalmtorvet

昔から労働者階級が住む地域として捉えられていた場所。その流れから、労働者や麻薬中毒者、アルコール依存症の人々が多数たむろすしていました。

数年前までは比較的危険な地域ではありましたが、ここ2、3年で整備が進み、おしゃれなカフェやショップが次々にオープンする注目のエリアとなっています。

特に若いファミリー層には人気で、アパートの価格も上昇しています。

また、駅に近い場所には新しいホテルやホステルが増え、シーズン中は観光客で賑わっている場所でもあるので、危険度は低いとは思います。

ただ、やはり深夜の不必要な出歩きは注意したほうがいいでしょう。

コペンハーゲン北側のNørrebro地区

コペンハーゲンに横たわる湖から北側に広がる地域。住民には移民が多く、以前は関連の発砲事件なども起きていました。

ただ、最近では話題のカフェやショップもどんどんオープンしているため、様子は変わってきていて、こちらもまたおしゃれなエリアとして、学生や若いファミリー層には人気になりつつある地域です。

クリスチャニア

地下鉄駅Christianshavnから徒歩5分ほどにある、特殊な場所です。地域全体が自治体のようになっていて、特別なルールで動いています。

ここにはヒッピーやナチュラリストが居を構え、大麻の売買も行われています。

ただ、観光地としても有名で、食事や買い物をしたり、地域内を散策することは可能です。

ただ、メインストリートでの写真撮影には制限があるので気をつけましょう。

地域としては上記3つになるでしょう。

また、現在コペンハーゲン市内では地下鉄の拡張工事が盛んに行われています。

工事現場は街のあちこちにありますが、最近はそういった場所が麻薬取引の売買に使われることが多いようです。

夜は人気がなくなりますし、照明も多くはないので、あまり近づかないほうがいいでしょう。

デンマークで最も注意すべきはスリや置き引き

そんな中、日本人が一番注意しなけらばならないのが、スリや置き引きによる被害です

外務省が発表しているデンマークの「安全対策基礎データ」によると、2016年にデンマークで起きた犯罪の総件数は38万4,087件。

そのうち、窃盗はなんと90%以上の35万0,710件にものぼるそうです。

観光客の多い夏の時期には件数が増え、大使館でも対応に追われることもあるようです。

特に、不特定多数の人が集まる場所で被害に遭いやすい傾向にあります

中でも、

  • 不慣れな空港や駅、電車内は注意が必要
  • また、ホテルや両替所などでのチェックインや支払いの場面やレストランや観光スポットなど、荷物がおろそかになりがちな場所でも被害が増えている

です。

安全対策としては、荷物を体から離さないこと、財布やパスポートは体に近いところに保管することが挙げられます。

その他、スマートフォンやタブレットなどの最先端機器も狙われやすいので、肌身離さず持つようにしてください。

同時に、駅や電車内で親しげに近づいてくる人には警戒が必要です。

「荷物を持ってあげる」とか、「両替してあげる」などと話しかけ注意をそらしている間に、貴重品を盗ることが多いようです。

また、明らかに観光客と分かるような服装や行動も避けましょう

例えば、ハイブランドばかりを身につける、道の真ん中で地図を広げる、などが挙げられます。

さらに、最近多くなっているのが、ATMや支払い機械でのスキミングです。

カード社会のデンマークではどうしてもカード払いの場面が増えてしまいます。

ホテルやレストランはセキュリティがしっかりしているとは思いますが、怪しげな店ではカードでの買い物をしないこと、ATMを使う際は、なるべく夜間に施錠される屋内にある機械を使うことなどで、リスクは回避できるでしょう。

トラブルになったらすぐ対応!万が一の場合の連絡先

ただ、十分気をつけていても、デンマークでも何らかの被害に遭ってしまうこともあるかもしれません。

もし強盗などに遭った場合は、まずはその場で助けを呼ぶのが大切です。

デンマーク人はデンマーク語を話しますが、たいてい英語は理解するので、英語で「Help!」と叫べば通じるでしょう。

また、怪我をして救急車や警察を呼ぶときの電話番号は112です。自分の携帯電話が使えない場合は、周りの誰かに通報してもらうのがいいでしょう。

パスポートや財布の盗難に遭った場合は、在デンマーク日本大使館に相談してください。

加えて、パスポートを紛失した場合、大使館で「帰国のための渡航書」を発行してもらうことになります。

その際、戸籍謄本(または抄本)があればすぐに手続きができるので、渡航前に1通用意しておくといいかもしれません

在デンマーク日本大使館の連絡先は以下の通りです。

在デンマーク日本大使館

住所:Havneholmen 25, 9F 1561 Copenhagen V
電話:+45 3311 3344、(閉館時)+45 8233 2738
開館時間:8:30 ~ 12:30 及び 13:30 ~ 16:30
閉館日:土日祝日

デンマークの治安事情のまとめ

せっかくのデンマーク滞在。

できればトラブルに巻き込まれることなく、楽しい滞在にしたい、というのは誰もが思いますよね。

ただ、残念ながら盗難などの被害が多いのも事実です。

とはいえ、自分で少しの注意をするだけで、リスクを下げることは十分可能です。

今回挙げた点を頭に入れ、さらに日本の状況とは少し違うということを意識して、充実したデンマークの滞在にしてください。

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