コペンハーゲン空港に着陸し、さっそく宿泊先へ。でも・・
「電車もバスもどうやって乗ればいいのかわからない。」
こんな状況に陥ると、せっかく膨らんでいた海外生活への期待も不安に変わってしまいます。
また、デンマークの日常生活でも、賢く交通機関を使いたいですよね。
ここでは、日本とは異なるデンマークの交通機関について紹介します。
時間に正確なデンマークの交通機関
日本の鉄道会社が秒単位で正確に時間を管理していることは世界的に有名ですが、デンマークの交通機関も負けてはいません。
電車もバスもしっかりと時刻通りに発着します。
「ヨーロッパ人は時間にルーズ」と思われがちですが、同じヨーロッパでもスペイン、イタリア、フランスには時間にルーズな人が多いけれど、ドイツ、イギリス、北欧は時間厳守の常識があるようです。
したがって、何十分もバスが遅れたり、そもそも来なかったりする(イタリア人の友達が自国のバスについてこのように嘆いていました)ということはデンマークではありえません。
その正確性も、バスで誤差1~2分程度、電車に関しては定刻ぴったりが当たり前と、かなり高い水準です。
また、デンマークでは日本と比較して人身事故が非常に少なく、事故によるダイヤの乱れも生じにくい状況にあります。
これを考慮に入れると、デンマークの交通機関は日本よりも遅れないということになります。
デジタル化された交通システム
日本でもお馴染みの、バス停や駅のホームの電光掲示板は、デンマークにもあります。
ただし、表示されているのは発車時間ではなく、「あと何分で到着するか」です。
また、最近ではバスや電車の現在地を追跡できるスマホアプリが普及しています。
時計と時刻表を見比べて待ち時間を計算する手間が省けますね!
また、時間管理に加えて、後ほど紹介する乗車チケットはほぼすべてスマホアプリ(DOT Mobilpendlerkort)で購入・利用可能です。
近い将来に通貨が消えると言われるほど高度なカード社会のデンマークでは、交通機関のペーパーレス化も進んでいます。
デンマークで交通機関を使ってみよう!気になる運賃は?
時間に正確で信頼のおけるデンマークの交通機関。これなら安心して乗れそうですよね。
そこで気になるのが運賃です。
運賃も物価と同様に国と地域によってさまざまなバリエーションがあるもののひとつです。
デンマークではどうなっているのでしょうか?
短距離移動で使うと運賃は割高?
デンマークの主な公共交通機関には
- バス
- 電車
- メトロ(コペンハーゲン市内の地下鉄)
があります。
目的地が同じであれば、運賃はこの3つの交通機関どれを使っても同じです。
ただし、短距離移動での運賃は安くはありません。
自転車で10分くらいの位置にあるスーパーで買い物をし、遠くはないけれど荷物が多いのでバスや電車に乗ろう、という使い方をすると割高です。
1停車区間を乗るだけで最低24 DKK(430円)かかります。
ここでの1停車区間というのは、バス停1個分あるいは1駅分を表します。
これは決してバス停からバス停、あるいは駅から駅の距離が長いという意味ではありません。
コペンハーゲン周辺のバス停の間隔は約500 m(乗車時間3分程度)、電車の駅も1 km圏内(乗車時間5分程度)にあることもあります。
長距離移動でも一概に安いわけではない
短距離の乗車、いわゆる「初乗り料金」が高く設定されているのなら、距離による運賃の変動は少ないのでは?と思う方もいらっしゃるでしょう。
これは、ある程度までの距離であれば成り立ちます。
実際の例を出して説明します
例えば、コペンハーゲン中心駅(Københavns H)から(ヘレルプ)Hellerupまでは電車で6駅ありますが、1駅乗るのと同じ24 DKKです。
しかし、7駅目の(シャーロテンルン)Charlottenlundまで乗ってしまうと一気に12 DKK(200円)上がり、運賃は36 DKK(650円)になります。
この現象は、移動距離に比例して運賃が徐々に上がっていくのに慣れている日本人にとって不可解なものですが、実は運賃計算のシステムそのものが日本のような距離計算ではないのです。
うまく使いこなすと安くて便利な「ゾーン制」
デンマークの交通機関は、後に詳しく説明する「ゾーン制」によって運賃を設定しています。
慣れないうちは路線図も見づらく使いにくいように感じますが、うまく使いこなせるようになると便利な面もあります。
日本での感覚のままで使うとかなり損をしてしまうこともあるので、デンマークで暮らすなら「ゾーン制」のことを理解しておいて損はないでしょう。
デンマーク国内すべての公共交通機関に共通するルール「ゾーン製」
「ゾーン制」は「ゾーン=zone(区域)」によって運賃を設定するルールです。デンマークの公共交通機関は「ゾーン内を自由に移動する権利を買うことで利用する」と考えると理解しやすいと思います。
出発地点を中心とする円をイメージする
ゾーン内移動のフリーパスとも言える「Single ticket」(普通の乗車券)は、移動できる範囲の広さによって値段が異なります。
その「移動範囲」がゾーンと呼ばれるものです。
下の図は、コペンハーゲン中心駅の含まれる「Zone 1」を出発地点としたときの運賃地図です。
ゾーンは出発地点から同心円状に広がっていきます。
区域ごとに番号が振られていますが、これは各地区につけられた名前のようなものなので関係ありません。
運賃は「最短距離でいくつのゾーンをまたぐか」という基準でされます。これは実際の移動ルートにはよらず、出発点と目的地を直線で結んだときのゾーン数になります。
Single ticketの料金体系
出発地点が含まれるゾーンを1ゾーンと数え、2ゾーン目まで移動できる24 DKKのものが一番安い「初乗り」のチケットになります。
その後は1ゾーン増えるごとに12 DKK増えていき、すべてのゾーンを移動可能な108 DKKのチケットが最高値となります。
チケットの有効期限に注意!
Single ticketには購入してから1時間という有効期限があります。
「フリーパス」とはいえ一日中乗り放題とはいきませんのでご注意ください。
チケットを買ってから最後の交通機関を下車するまでを有効期限内で収めなければなりませんので、移動中に期限が切れると規則違反を犯すことになってしまいます。
バスでは乗車の際に運転手がチケットをチェックするので問題は起きづらいですが、電車やメトロの場合は乗車時にチェックがありません。
車内では、日本の車掌さんがやってくるような感じで不定期で見回りがあり、規則違反(チケットの期限が切れている、正しいゾーンではないチケットを持っている、無賃乗車等)が発覚すると750 DKK(13,000円)の罰金を課せられます。
乗る前に有効期限やゾーンを確認しましょう。
自分のチケットだけでなく、ペットの犬や自転車を電車内に持ち込む場合には追加のチケットが必要となりますので、そちらも忘れないようにしてください。
コペンハーゲン乗り放題チケットもある。短期間で多用する方向け
旅行客だけでなく、短期間で交通機関を多用する予定がある人は、乗り放題チケットを利用すると良いでしょう。
いくつか種類がありますので、紹介します。
City Pass
ゾーン番号1~4(コペンハーゲン中心部とコペンハーゲン空港エリア)内で24または72時間バス、電車、メトロが乗り放題になるチケットです。
24時間用は80 DKK、72時間用は200 DKKで、ホームページまたは駅の券売機で購入できます。
24-hour ticket
コペンハーゲン周辺のすべてのゾーン(1~99)のバス、電車、メトロが24時間乗り放題になるチケットです。お値段は130 DKKで、長距離移動をするなら非常にお得です。
こちらは駅のカウンターおよび駅構内のセブンイレブンで購入できます。
Flexcard
FlexCardは、DOT(Din Offentlige Transport)という、デンマークの交通機関を統括する機関が発行する定期券です。
バス、電車、メトロで利用でき、最小で7日間、最長で6か月間の期間を選ぶことができます。ホームページから購入できます。
ただし、FlexCardの場合、ゾーン数だけでなく利用するルートが指定されます。
上の地図に振られていた区域ごとの番号を用い、出発点から通過点、到着点までのすべての区域をカードに登録します。
下の図はゾーン1から2、31、41を経由して51まで行くルートの地図と、7日間の定期券の購入画面です。
ここでは4つのゾーンを含みますが、最小で2つのゾーン内で使用可能な260 DKKのものから購入できます。
Copenhagen Card
コペンハーゲン周辺のすべてのゾーン(1~99)のバス、電車、メトロが乗り放題になることに加えて、登録されている72の博物館、施設の無料入場権、レストラン、タクシー、お店、観光地での割引が受けられます。
- 24時間用(399DKK)
- 48時間用(569DKK)
- 72時間用(689DKK)
- 120時間用(899DK)
から選ぶことができ、ホームページから購入できます。
Rejsekortで運賃が割引に!ゾーン計算も必要なし
Rejsekort(ライセコート)というプリペイド型の交通系電子マネーは、デンマークのすべての公共交通機関で利用できます。
下の写真のように、乗る時と降りるときにそれぞれ駅やバス内に設置されている機械にかざします。
Rejsekortの種類
Rejsekortには、
- 記名・顔写真付きで本人のみ使用可能な「Rejsekort Personal」
- 無記名で複数人での共有が可能な「Rejsekort Flex」および「Rejsekort Anonymous」
があります。
「Rejsekort Flex」と「Rejsekort Anonymous」の違いは、「Rejsekort Flex」はオンラインのアカウントと連携しているためインターネットでのチケット購入や、紛失時の利用停止手続きができるが「Rejsekort Anonymous」にはその機能がないという点です。
「Rejsekort Personal」と「Rejsekort Flex」では発行の際にデンマークのマイナンバーであるCPRが必要ですが、「Rejsekort Anonymous」では必要ないため、3カ月以内の滞在で住民登録ができない場合にも利用することができます。
最大のメリット!
Rejsekort最大の強みは、これを使うことで運賃が20%割引になることです。
また、チェックインしたゾーンからチェックアウトしたゾーンまでの一番安い運賃を自動で計算してくれる点も便利です。
さらに、チェックアウト後30分以内に同じゾーンから乗車すると、その2つの移動を合体して1つにしてもらえるので、初乗り料金を再び払わなくても良い仕組みになっています。
Rejsekortの買い方
Rejsekortは、
- インターネット
- もしくは駅の窓口
で申し込みます。
料金は子供(15歳以下)、若者(主に、学校を通して発行されるYoung cardを持っている者)、大人(16歳以上)、高齢者、犬および自転車をよく持ち込む人、障がい者といった区分から選ぶことができます。
デンマーク3つの交通機関(バス、電車、メトロ)の乗り方
チケットを用意し、いよいよ準備ができました。
それでは、それぞれの交通機関の乗り方を確認していきましょう!
バスの乗り方
日本と同じように、Single ticketで乗車する場合は車内でチケットを買います。
ただし、乗車時に運転手に目的地を告げてその場で支払う、「前払い制」です。
そして、注意が必要なのが、バス内での支払いは現金のみ、しかも200 DKK等の大きなお札は使えないということです。
クレジットカードは使うことができません。
有効期限内、ゾーン内のチケットや各種カードも乗車時に運転手に見せます。
Rejsekortは乗車時と降車時に専用の機械にかざします。
バス内では次の停車駅が放送され、日本と同様、「Stop」ボタンを押して知らせます。基本的にバス停の名前は通りの名前ですので、わかりやすいです。
前払い制ですので、下車はバス後方のドアからになります。
電車の乗り方
Single ticketは駅にある券売機に運賃を入力して購入します。
日本の改札機のように紙のチケットを乗車時にチェックするシステムはありませんので、購入したらそのまま電車に乗り込んで大丈夫です。
ただし、先述したようにチェックが入ることがありますのでなくさないようにしてください。
各種カードや有効期限内のチケットも常に携帯し、チェックされた際に見せられるようにしておきましょう。
Rejsekortは乗車時、降車時に専用の機械にかざします。車内で、きちんとチェックインしているかチェックされることもあります。
デンマークの電車には自転車を持ち込むことができ、自転車専用車両があります。持ち込む際には追加のチケットが必要ですので、忘れずに購入しましょう。
メトロの乗り方
24時間休むことなく動いている、コペンハーゲン中心部の地下鉄(一部地上に路線あり)です。
時刻表はありませんが、2~4分ごとに電車が発着します。
乗り方は電車と同じですが、混雑する時間帯の平日7:00~9:00および15:30~17:30は自転車の持ち込みが禁止されています。
デンマークでは自転車も通勤・通学手段としてメジャー
これまで公共交通機関に関する情報を載せてきましたが、デンマークでは通勤、通学に自転車を使う人も多いです。
環境に対する配慮や健康志向の表れでしょう。車道と歩道の間には自転車専用レーンが敷かれ、直進する自転車が自動車よりも優先されます。
信号機も自転車用のものがあり、赤→黄色→青という風に変わっていくので、さながらレースのようです。
市民ライダー達はかなりスピードを出してくるので注意してください。
長期滞在するなら自転車を購入しても良いでしょう。
デンマークの土地は起伏が少なく、日本と比べて湿度も低くサイクリングには最適な土地であると言えます。
また、北欧でありながら冬季の雪も少ないので、寒くなっても自転車を使うことができます。
レンタル自転車の制度もあるので、試してみてください。
デンマークの交通機関まとめ
- デンマークの公共交通機関にはバス、電車、メトロがあり、どれも時間に正確で便利ですが初乗り運賃は割高です。
- 一枚のチケットですべてに乗ることができます。また、各種カードが便利です。
- 運賃は「ゾーン制」であり、慣れるまではやや複雑に感じます。
- バスは現金のみ、電車は券売機でチケットを買うのを忘れないようにしましょう。
この情報を参考に、あなたにあった交通手段やチケットを選択して、デンマークを楽しんでください♪
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