デンマークへ留学・移住等で90日以上滞在する場合には
- CPRナンバー
- イエローカード
を取得する必要があります。
ここでは、その手続き方法についてご案内いたします。
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デンマークのCPRナンバーとは
CPRナンバー(CPR番号)とは、Central Persons Registrationの略で、デンマーク国民が保有する国民識別用の個人番号です。
日本では2016年から導入されたマイナンバー制度がこれに近い位置づけになりますが、デンマークのCPRナンバーの歴史ははるかに古く、すでに導入から50年程たっているそうです。
使いみちとしては、納税などの税金の処理はもちろんのこと、
- 銀行口座の開設
- 病院の診察
- 図書館の利用
- 交通系ICカード
- 各種レンタル
- 携帯電話の契約
などなど…、公共の機関だけでなく、民間の企業や団体もサービスの運用のうえで活用している、かなり生活に密着した制度となっています。
とにかく物価が高いことで有名なデンマークでは、電車やバスなどの公共交通の運賃も高いのですが、CPRナンバーを登録した交通ICカードを使用することで交通費の割引を受けられるなど、普及範囲が広い分、利用者にとってもさまざまなメリットが得られます。
CPRナンバーは10桁(〇〇〇〇〇〇‐●●●●)の数字で構成されています。
前半の6桁は誕生年月日(dd,mm.yy)を示しています。
さらにそのあとハイフンで繋がれた後半のはじめの1桁も、誕生年の識別のための数字です。
そして最後の3桁がランダムな数字になりますが、そのうちの最後の1桁で男性(奇数)であるか女性(偶数)であるかを表しています。
このナンバー1つで国民全員を識別する重要な番号なのですが、そのナンバーの構成自体が個人情報を含む極めて大切な番号といえます。
イエローカードとは
イエローカードとは健康保障カードの通称で、日本の保険証にあたるものです。
デンマークではこれがあると医療を受ける際に、診察や薬の費用を全額(または一部)負担してもらえます。
しかも、補助されるのはデンマーク国内のみならず、EU各国、ノルウェー、スイスなどでも通用するという、高福祉の国デンマークならではの、非常にありがたいカードです。
そしてもちろん、このカードにもCPRナンバーが記載されています。
CPRナンバーが確認できる公式な証明書として使えるので、銀行口座の開設などのCPRナンバーを必要とする手続きの際には、このイエローカードが本人確認書類としてもたいへん便利です。
CPRナンバー・イエローカード取得の条件や申請に必要なもの
これらの制度はとっても便利で頼りになるのですが、逆にいうと、これらがないと長期滞在者にとっては非常に不便です。
それでは実際に、CPRナンバー及びイエローカード取得までの流れをみていきましょう。
取得対象者
すべてのデンマーク国民が保有しています。
さらに外国国籍の人でも、外国企業の駐在員、留学生、ワーホリ、オペア、移民など、デンマーク国内に3か月以上滞在し、その滞在を許可された人(ビザを取得した人)は、外交官を除きすべての人が取得の対象者となり、発給申請を行う必要があります。
申請の時期
在デンマーク日本国大使館のHPによると、
“デンマークの滞在・就労許可を取得した方は、取得日から3ヶ月以内または、在住地への滞在を完了した日から5日以内に在住地を管轄する住民登録局( Folkeregisteret )で住民登録手続及び健康カード(健康保険証)の発給申請を行う必要があります。 ”
“登録が完了しますと、個人番号(CPRナンバー)が付与されます。”
とあります。
つまり、何らかの在留の許可を取得して、長期間(3か月以上)デンマーク国内に滞在する人は、在留許可取得から3か月以内、または現地到着後5日以内に申請の手続きを行う必要があるため、到着後、比較的すぐに手続きしなければなりません。
長期間の滞在が確定した方は、可能な限り事前に必要な書類を収集しておくのがおすすめです。
申請に必要なもの
CPRナンバー及びイエローカード取得の申請には
- パスポート
- 在留許可書(デンマーク移民局に事前に申請して受け取っておく必要があります)
が必要です。
家族滞在の場合はさらに、
- 婚姻証明書(公式に翻訳されたもの)
も必要になります。
また、細かく住所と電話番号を記載する場所があるので、
- 滞在先の住所がわかるもの
(学校寮などの場合は学校の入学許可書、アパートの契約書など)
も事前に準備しておくと安心です。
申請場所と取得までの流れと期間
申請する場所
実際に居住(滞在)する都市の、市民サービスセンター Kommune(コムーネ)で申請が可能です。
コムーネはいわゆる市役所もしくは区役所と同じ場所にある場合もありますし、独立してある場合もあります。
Københavns(コペンハーゲン)やその近郊都市と、Odense(オーデンセ)・Århus(オーフス)・Aalborg(オールボー)などの主要な都市については、コミューンの場所や連絡先が在デンマーク日本国大使館のHPに掲載されていますので、ご参照ください。
ただ、その中でも一部情報が異なる(オーフス市の申請場所は記載の市庁舎ではなく、Dokk1という、図書館などがある大きな施設の中でした…)場合があるのと、小さな町の場合は、ここには記載されていないので注意が必要です。
記載の地域以外の場合、そもそもコムーネのホームページが存在しないのか、インターネットで検索しただけでは見つからない可能性があります。
このような場合は面倒ですが、現地で問い合わせるしかなさそうです。
居住地域のことですので、学校の先生や、アパートの大家さんに確認してください。
申請の手順
居住地域のコムーネへ実際に出向きます。
コムーネの営業日時はたいてい平日のみです。時間もそんなに遅くまではやっていないので、営業時間を確認してから余裕をもって向かいましょう。
たいていのコムーネでは、最初に簡単な機械操作で受付番号を取ってから、自分の順番を待つスタイルです。自分の番が来たら住民登録をしてCPRナンバーを取得したい旨を伝えます。
その後、職員の方の指示に従って書類(またはパソコンのフォーマット)に必要事項を記載するだけの簡単な作業をすれば申請手続きは完了です。
なお、申請時に地域の担当のかかりつけ医(GP)の希望を聞かれますので、希望のお医者さんを選びます。
といっても、なかなか海外の移住したての土地で、かかったこともないお医者さんを選ぶのは難しいですが…。病院の位置関係で選ぶか、もしくは知り合いなどに事前に確認できるようであれば、情報を収集しておくとよいでしょう。
ちなみに、このお医者さんについては、なぜか担当の職員や日によって聞かれない場合も結構あるようです。決めていなくても大きな問題はありませんが、希望がある場合は自分から伝えてください。
その他も、わからないことがあれば、職員の人に聞くと丁寧に教えてもらえます。
カードの受取りと取得までの期間
さて、コムーネでの申請手続きが完了すると、後日、登録した住所宛にカードや書類が郵便で送られてきます。
申請から実際にCPRナンバー及びイエローカードを取得するまでの期間は、窓口では概ね2週間と伝えられますが、1ヶ月以上かかる場合もありますし、予定より早く届く場合もあるようです。
また、同じ日に申請した人でも届く日が違ったり、先に申請していた人でもなぜか順番が前後して遅く届いたりしたり、と理由はよくわかりませんが、日数はあまり確実ではありません。
何か不備があれば追って連絡があるので、焦らず気楽に待ちましょう。
ただし、2か月以上なんの連絡もなくカードが届かない場合は、一度コムーネへ問い合わせてみる方がよいでしょう。
CRP・イエローカード取得まとめと注意点
90日以上の滞在になる人はこれらを取得する必要がありますので、必ず期間内に申請するようにしましょう。
また居住地のコムーネでなければ取得できませんので、現地の居住地が確定してから行ってください。
また、デンマークでは大多数の人が非常に流暢な英語を話しますので、特に公共の場所や手続きを行う上では英語さえ話せれば問題なくできます。
一方、送られてくる書類や、施設内の案内表示など文字の情報に関しては、デンマーク語のみということが結構よくあります。
デンマーク語が分からない場合は、カメラで読み取った内容を翻訳できるアプリを入れておくと安心です。
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