デンマークの物価が高いことをご存知の方は多いでしょう。
イギリスの調査機関 Economist Intelligence Unit の「世界生活費ランキング 2016」では、デンマークの首都コペンハーゲンは第9位にランクインしています。11位の東京と比べると、その様子が想像できるのではないでしょうか。
では、実際に生活費はどれくらい必要なのか。今回はそれを検証していきます。
設定は「20代の方がコペンハーゲンで一人暮らしをした場合」です。
生活スタイルは人それぞれですが、ここでは想定できる範囲内での金額を表示しています。
ちなみにデンマークの通貨はデンマーククローナ(以下DKK)で、2017年2月のレート1DKK=16.2円で計算しています。
【デンマークの関連記事はこちら】
- デンマーク在住者が教える現地の本当の治安事情
- デンマークのビザ22種類の特徴と申請方法を解説
- デンマーク移住7つの魅力!世界一幸福な国ってどんな国?
- 世界有数のエコロジー大国・デンマークに学ぶエネルギー政策
現地滞在に役立つこちらの情報もご覧ください。過去のデンマークの記事一覧はこちら
1. 家賃
端的に言うと、コペンハーゲンの家賃は高いです。
例えば 1LDKのアパートを一人で借りるとすると、街の中心部から少し離れた物件で最低でも8,000DKK(つまり約13万円)はかかります。
でもこの値段で物件が見つかればとてもラッキー。
より中心地に、よりよい条件で、となると1.5倍はすると考えていいでしょう。
そこでもっとも現実的なのが、アパートのシェアです。
コペンハーゲンではシェアはよくあることで、ポータルサイトを使うと、ルームメイトが見つかります。
この場合で1部屋10㎡~、家賃は3,500DKK~が相場ではないでしょうか。
注意しなければいけないのが、入居時に敷金にあたるデポジットを払う場合があることです。
これは退居時に問題がなければそのまま戻ってくるお金ですが、一旦は大家に預けることになります。
大抵は家賃の2~3ヶ月分です。また、翌月までの家賃の支払いを求められる場合もありますので、初めに用意しなければならないお金があることを覚えておいてください。
2. 光熱費、インターネット
デンマークでは、家賃に電気・ガス・暖房費・水道代が予め入っていることが多いです。
特にシェア物件ではその場合がほとんどで、インターネット代も同様です。
もし光熱費・インターネット代を別途支払う場合でも、使用量に応じてではなく、あらかじめ設定された金額を毎月支払います。
合計200~500DKKが相場でしょうか。
もちろんそれ以上ということもありますので、入居前に金額やその内訳を確認しておくといいと思います。
3. 医療費
デンマークでは歯医者を除く医療費はすべて無料です。
外国人でも、ビザを取得し住民登録をすれば誰でも無料で診察を受けられます。
高額な医療や私立の病院にかからない限りは、入院や手術も同様です。
月々の保険料を支払う必要もありません。
4. 食費
物価が高いデンマークですが、品物によっては日本と比べてもそれほど変わらないものもあります。
例えば、ジャガイモ、人参、玉ねぎなど定番野菜は1~2キロで10DKKほど、豚肉も比較的安く、500gで30DKKほどです。
また、ビールは大手メーカーのものは350mlで約6DKK、もっと安いものでは1本3DKKで見つけることが可能です。
反対に価格の高いものとなると、牛ステーキ肉250g70~80DKK、サーモン400g80DKKなどがあり、ほかにもチョコレートやアイスクリームなどの嗜好品、洗剤などの生活用品も高めの価格となっています。
ただ、庶民的な安いスーパーを選んだり、各スーパーの安売りのタイミングを狙ったりと、上手に買い物をすれば、食費はかなり抑えることができます。
一人暮らしで自炊を心がければ、一週間400DKKほどで生活できるのではないでしょうか。
5. 携帯電話代
デンマークではスマートフォンは必須です。
公共機関からのすべての手紙はデジタル化され、自分のアカウントにログインして確認しますし、交通機関のチケットもデジタルが主流です。
デンマークに到着したらすぐに携帯電話の契約はしたほうがいいでしょう。
契約をする場合、SIMフリーの電話を持っているかどうかが、月々の支払い額を左右します。機種代金を分割で払う必要があるからです。
SIMカードのみの契約だと、一番安い会社oisterで月39DKKというものがあります。
無料通話1時間、1GBの通信費、SMS・MMSは無制限。契約期間の縛りは特にありません。
次に機種込みの場合ですが、これはメジャーな通信会社を選んだほうがいいでしょう。機種代金が比較的安いからです。
日本のドコモ的存在のyouseeという会社では月々199DKKで通話し放題、10GBデータのプランがあります。そしてここに機種代金がプラスされます。
機種と支払い期間によって変わってきますが、だいたい月々100~200DKKほどでしょう。
街のカフェや図書館、電車やバスの中などではwifiが見つかるので、なるべくそれを使えば、出費ももう少し抑えられるかもしれません。
6. 交通費
コペンハーゲンはコンパクトな街です。中央駅から繁華街、ちょっと足を伸ばせば住宅街、という風に徒歩での移動も不可能ではない街です。
ただ、家賃を考えると中心部に住むのは難しいですし、効率的を考えるとやはり公共交通機関を使う方法がいいでしょう。
特にバスの路線や本数は豊富で、移動には便利です。
例えば通勤、通学で月に26回以上電車・バスを使うなら、375DKKの定期を購入するのがいいでしょう。
これがあれば市内の移動はほぼカバーできる範囲の電車、バス、メトロが乗り放題となります。
もし近場の移動が多く、歩くことも多いのであれば、10回分の回数券150DKK(有効期限1年)を買ったほうが、その都度チケット(24DKK)を買うより得です。
長い目で見ると、もっと得な移動手段がデンマークにはあります。
それは自転車。
もちろん新品の自転車は高額で、2000DKKは下りませんが、町中にある自転車屋では中古も取り扱っていて、探せば1000DKK前後で見つけられます。
これは定期3ヶ月分なので、1年の滞在ではかなり得になるはずです。
デンマークは自転車でも有名で、コペンハーゲン市内に張り巡らされた自転車専用道のおかげで、移動はスムーズです。特に夏の日の自転車はかなり気持ちいいのでおすすめです。
7. 合計
ここまで、日常で必要な費用について挙げてきましたので、合計額を計算してみましょう。
家賃 3500DKK
光熱費等 0DKK
医療費 0DKK
食費 2000DKK(週400DKK×4、余裕を持ってプラス400DKK)
携帯電話代 399DKK(機種代込みとして)
交通費 375DKK(1ヶ月定期)
合計 6274DKK(約10万1600円)
8. 外食
上記の試算では交際費などを一切含んでいないため、ここで外食をした場合の目安を挙げておきます。
ランチは安価なビュッフェやセットなどが見つかりますので、飲み物を合わせて100DKK~。
中華系やトルコ系のレストランだと比較的安く済みます。
反対にデンマーク料理やイタリアンでは200DKK以上にはなるのではないでしょうか。また、ディナーの場合は400DKKが大体の目安になると思います。
カフェでお茶をする場合、コーヒーが25DKK、カフェラテ40DKK、ケーキ類40DKKが目安です。
お茶一回でも1500円と思うとなかなかリフレッシュもできませんが、切り詰めてばかりだと気持ちも沈みがちになりますので、たまの息抜きは必要かもしれませんね。
9. 罰金に注意
デンマークはとにかく罰金、罰金の国です。
まずは交通機関での検札は要注意です。
正規のチケットを買って乗っていても、有効な時刻を1分でも過ぎていた、知らずに区間外を乗ってしまった、となれば750DKKの罰金です。
以前は「外国人だし」と見逃す場合も多かったのですが、ここ数年で厳しさが増しているようです。
また、駐車違反や自転車のルール違反で750DKK、各種支払いの遅れで250DKK、切手の料金不足60DKKなど、いろいろな場面で罰金に遭遇します。
ルールも分からないうちに罰金を取られるのは納得いきませんが、なるべく注意書きを見ること、期限を守ることなどで避けられる場合も多いので、デンマークに来られる方は気をつけてください。
10. 最後に
デンマークに移住して、生活が落ち着くまでには諸々の出費が重なるでしょう。
この試算で月10万円ほどと出ましたが、やはりそれ以上を想定して、資金を多めに準備するのが一番です。
物価は高いですがその分社会保障での還元が多いので、住んでみると満足度は高くなるかもしれません。
移住される方々にとって、有意義な滞在となりますよう、この記事が少しでも参考になれば幸いです。
【デンマークの関連記事はこちら】
- デンマークのビザ22種類の特徴と申請方法を解説
- デンマーク移住7つの魅力!世界一幸福な国ってどんな国?
- デンマーク在住者が教える現地の本当の治安事情
- 世界有数のエコロジー大国・デンマークに学ぶエネルギー政策
現地滞在に役立つこちらの情報もご覧ください。過去のデンマークの記事一覧はこちら
世界中の日本人が参加する「せかいじゅうサロン」
世界へ広がる海外移住コミュニティ
世界中の日本人同士が繋がり、情報提供したり、チャレンジしたり、互助できるコミュニティ「せかいじゅうサロン」
参加無料。気軽に繋がってください。(2022年6月時点:参加者3600名超えました)
“【特別公開】世界で自由にひとりIT起業”
WEBマーケティングスキルは「世界どこでも働けるワークスタイル」を可能に。
1年で海外居住資金も作れるWEBスキル講座を無料配布中↓