ドイツ、フランス、イタリア、オーストリア(リヒテンシュタイン)の4か国に隣接したスイスではそれぞれの地方で隣接している国の影響を非常に濃く受けています。
例えば、フランスに隣接しているジュネーヴエリアの美食文化を目指して週末にドイツに隣接したチューリッヒからわざわざ足を運んでくるという方もいるほどで、地域によって食文化も大きく異なるのです。
小さなようで多種多様な文化が広がる国スイス。
今回は気になるこのアルプスの国の食文化とワイン事情について探ってみました。
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冬の定番、チーズフォンデュ(fondue fromage)
毎年秋頃からスイスの至るところのスーパーや食器屋さんで出回る器具の売れ筋ナンバーワンは何といってもチーズフォンデュを作るお鍋。
溶かしたチーズと白ワインをこのお鍋でぐつぐつと温め、小さく切ったパンを細長いピックに刺して、お鍋に入れて絡めて食べるだけのとってもシンプルな料理です。
地域やレストランによって使用するチーズの種類や配合、加えるワインの分量は様々だと言われていますが、中でもフランス語圏のヴヴェイ(Vevey)辺りで食べるチーズフォンデュがこれぞ、というコクがあるように思います。
食べなれていないとあっという間に胃が膨れるか、チーズばかりのお味に飽きがきてしまう可能性もあります。
レストランで大人数でいただくときは人数分頼んでしまうと1人当たりの量が大変なことになりかねないのでご注意を。
飲み物はせっかくなので後ほどご紹介するスイスの白ワインを合わせられることをおすすめします。
また、チーズフォンデュのレストランに入っただけでチーズの強い匂いにノックアウトされる方も時々いらっしゃるので、なるべく換気の良さそうな?!レストランに入られることをおすすめします。
野菜と肉とじゃがいもと、ラクレット(reclette)
こちらもまた家庭で楽々作れるチーズ料理のラクレット。
ラクレット用の器具がどこでもきちんと揃ってお手頃価格で手に入れることができます。
ラクレットと呼ばれるチーズも市販のものからチーズ屋さんのものまで種類が豊富ですが、とにもかくにもこのチーズを溶かして茹でた丸いじゃがいもに絡めて食べる、というのがクラシックな食べ方です。
これだけでは重いし飽きるので、野菜や肉、ピクルスなどを添えて食べるとより美味しくいただけると思います。
湖畔ならではの魚料理、フィレ・ドゥ・ペルシュ(filet de perche)
スイスにはチーズしかないのかという先入観を与えてしまうラインナップから少し気分を変えて、魚料理のご紹介もしましょう。
こちらの魚料理はレマン湖をはじめとするフランス語圏の湖で採れるペルシュと呼ばれる小さな白身魚のフィレを使った料理です。
大抵はムニエルやフライにして、マヨネーズ添えかレモン添えで出されます。
レマン湖畔にある二ヨン(Nyon)から出ている定期船で湖の反対側のフランス領の街イヴォワール(Yvoire)に渡ってお昼にこのフィレ・ドゥ・ペルシュをレストランで頂いて、食後に1時間ほどこの中世の小さな街を散策するだけでも充分素敵な半日が過ごせますので、ぜひお試しください。
その他、ドイツ語圏にはドイツソーセージの名残があるブラートヴルスト(bratwurst)と言われるボリュームのある定番料理や、
スイスの伝統ケーキと言われるヌッストルテ(Nusstorte)というナッツとキャラメルのタルトもありますが、とにもかくにも食べなれていないと日本人にとっては重いものだらけです。
この食文化にしてカロリーをおさえろと言われる方が難しいでしょう。
過酷な冬をしのぐ山岳地帯が広がるアルプスならではの食文化であると身をもって感じられると思います。
さて、ここで知っておきたいスイスの意外な食材事情を2つほどご紹介します。
1.白地の卵の質が良い
茶色の卵ばかり並ぶフランスのスーパーには見つからないのに、スイスのスーパーには豊富に並ぶ白地の卵。
この卵の質が良いとスイス人は口をそろえて言います。
そもそもスイスという国は質の良い物をつくる農家を守るために全ての生鮮食品が割高に設定されているので、卵も例にもれず質が良いのでしょうが、確かにフランスのものと比べると割った時の黄身のぷりぷり感と大きさがいかにも良さそうです。
お味も言われてみれば確かに美味しく感じますね!
2. パンがいまいちな理由
これまたフランス圏から国境を越えただけでこれだけパンのお味が下がるのはなぜかと思っていましたが、どうやらスイスの美味しい小麦粉は全てスイスの軍隊に支給され、スーパーで出回るような小麦粉は「美味しい」基準をはじかれてしまったものだそうです。
これははっきりしたデータに基づく情報ではありませんが、周りのスイス人に聞いてまわると当たり前のように皆さんご存じな巷情報でした。
なるほど、それはフランスのパンと比べてはならないですね。
そんな面白い食文化のスイスには日本ではあまり知られていないとびっきり美味しいワインがあるので、続いてスイスワインのご紹介にうつります。
なんといってもシャスラワイン
白ぶどう品種の中で非常に有名な世界のシャスラの80パーセントはなんとスイスで栽培されています。
ワインと言えばフランス、と思っている方、実はスイスワインのほとんどが国内で消費されてしまうため(つまりスイス人がほとんど飲んでしまうため)日本での知名度がいまいちな部分がありますが、美味しさから言ったらスイスワインは充分に有名になるべきでしょうし。
むしろ生産量比で言えばスイスワインの方がずっと希少価値が高いと言えると思います。
中でもローザンヌから東側のモントルーに至るまで広がる畑自体がユネスコの世界遺産に登録されているラヴォー(Lavaux)地区のワインは絶品です。
レマン湖からの照り返しを充分に活かしたテラス式のぶどう畑は秋には黄金畑と化し、その景色は圧巻です。
ラヴォー地区の最高峰と言われているデザレー(Dezaley)のワインはフルーティーで在スイス日本人にも人気です。
1本20フラン前後が一般的な価格です。この辺りは車でないとアクセスがしにくいのですが、車があれば村の中に駐車して、ぶどう畑の中を散策することができます。
9月でもお天気が良ければ汗ばむほどの照り返しがあるハイキングコースとして世界各国からワイン好きを集めてやまない場所で、運が良ければ昔ながらのぶどうの収穫を手作業で行っている様子も見れます。
現在ではこの手作業のほとんどを外国人労働者が請け負っており、フランス語で話しかけても「パトロンは今いないよ。」くらいの返答しかないこともありますが、うまくいけばパトロンのところに案内してくれ、ワインを直売してもらえることもありますよ。
ドイツ語では
- 白ワインはWeisswein
- 赤ワインはRotwein
フランス語では
- 白ワインはvin blanc
- 赤ワインはvin rouge
と書いてあります。
ぜひスイスにいらした際にはスイスワインを試してみてくださいね。
さいごに
うっかりのめりこむと危ない香りもするスイスの食文化とワイン事情についてご紹介しました。
しかしスイスワインのほとんどが国内消費というのは驚きですよね。
アルプスを眺めてハイキングがてらスイスワインを手に入れ、お腹が空いたら美味しいボリュームあるチーズ料理を食べれば、もう皆さんもすっかりスイス通ですね。
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