ブラジルといえば、2016年8月に世界中が盛り上がったリオデジャネイロ・オリンピックとパラリンピックが開催されたばかり。
大会前から懸念されていたのは治安のことでした。
メディアにも度々「危険なブラジル」と報道されていましたね。
「ブラジルは治安が悪い」とよく言われますが、なぜ悪いのでしょうか?安全に過ごす方法はあるのでしょうか?
ブラジル在住のAさんは「時間と場所を守れば大丈夫」と話します。
明るい時間に、行ってはいけない(危険な)場所に行かなければ安全に過ごせるそうです。
どこの地域が危険なのか?どのように気をつければ良いのか?など、生活する注意点について詳しく聞きました。
これからブラジルに行かれる方、必見です。
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1. なぜ治安が悪いの?悪循環が生み出す治安悪化
そもそもブラジルの治安が悪いといわれる背景には何があるのでしょうか。
貧富の差
要因の一つに「貧富の差」があります。
かつてブラジルはポルトガルの植民地だった歴史があり、そのころからの格差社会が現代にも影響しています。
頂点にいるのは白人、次に混血、そして奴隷として連れてこられたアフリカ系黒人や先住民は最下層となっています。
そこから生じる経済格差がとても大きいのです。
相続税が低いなど、富裕層にとっては累進課税の負担が軽く、お金持ちはいつまでもお金持ちでいられます。
同時に貧困層はいつまでも苦しい生活を強いられることになります。
腐敗した政府
またもう一つの要因として「腐敗した政府」です。
大統領をはじめ政治家たちの汚職問題が後を絶ちません。
そのため政府は機能しなくなり、ブラジルという大国をコントロールする力が弱まっているのです。
そんなブラジル政府に対して不満を持つ国民が多く、国内各地でデモ活動が頻繁に行なわれています。
そしてその度に警察と衝突し、多くの被害が出てしまっています。それらの要因が絡み合って悪循環を生み出し、国内の雰囲気が悪くなっているのです。
写真:アフリカ系黒人が最初に移送された都市サルバドール。当時奴隷の取引所だった建物。
2. ファベーラとは?
危険なエリアの一つがファベーラと呼ばれる貧民街です。
ブラジルを代表される地域でメディアにもよく登場します。
ブラジル国内に数多くあり、最も多く存在するのがリオデジャネイロ。
リオデジャネイロの住民の4人に1人がファベーラに住んでいると言われており、あちこちに点在しています。
特徴としては山肌にこびりつくように住居がびっしり建っており、高級住宅地に隣接していることもあります。
このようにファベーラとの距離が近いことから、気づいたら入ってしまったということあるので要注意です。
ファベーラの住民が皆危険なのではなく、家族で暮らしきちんと仕事して生計を立てている人が大半です。
けれども中にはギャングや麻薬ディーラーも住んでいて、麻薬や銃、武器などの売買取引を行なっていたり犯罪組織の存在がとても近いのです。
2014年FIFAワールドカップ・ブラジル大会開催を機に各ファベーラに”UPP”と呼ばれる警察の監視施設を設置したり、警察による「ファベーラ一掃計画」が行なわれたりしましたが、治安は良くなるどころか警察との関係はさらに険悪になり、麻薬密売グループと警察の銃撃戦は度々あります。
そんなファベーラには決して入ってはいけません。
入る際にはファベーラ専門の現地ガイドと見学することをお勧めします。ファベーラ内の生活や現状を間近に知ることができます。
写真:リオデジャネイロのファベーラ「ビジガル」にて。向こうに見えるビーチ沿いは高級住宅地。
3. 少年グループに要注意!地引網強盗とは?
ブラジルでニュース番組を観ると「アハスタオン(Arrastão)」というフレーズをよく耳にします。
これは「地引網」を意味し、ビーチや繁華街など人が多く集まるところを狙い、集団で(若者のグループが多い)人々の所持品を根こそぎ奪っていくブラジルの特徴的な犯罪行為のことなのです。
リオデジャネイロ領事館の報告によるとここ最近だと週末のビーチやメインストリート、渋滞中の道路などで起こっているとのことです。
神出鬼没でやってくるため予測しにくいのですが、少しでも未然に防ぐ方法としては「若者に気を付ける」ということです。
彼らは幼いゆえに行動が大胆で危険です。さらに4~5人のグループになるとより危険です。
そんな彼らを見つけたら売店や建物内に入って避難し、近づかないようにしましょう。
また学校の制服を着た子供たちさえでも要注意です。実際、Aさんの友人の日本人女性も学校帰りと思われる制服を着た10代の少年たち4人とすれ違いざまにネックレスを引きちぎられたそうです。
4. 電車やバスにも要注意!
ブラジル人の主要交通機関はバスと電車です。
多くのブラジル人が通勤、通学によく利用されていますが、ここも危険が多い要注意エリアの一つです。
ゲリラ的に集団で(前述のアハスタオンだったりする)がバスや電車に乗り込んで来ることもあれば、バスを待ち伏せして襲ってくることがあります。
抵抗せずに財布や携帯電話を差し出しましょう。
さらにバスから降りた時に横からひったくりされることもあるので、常に気を引きしておく必要があります。
明るい時間だったり、電車やバスに乗り慣れていれば危険度は減ってくると思いますが、ブラジルに来てまだ日が浅い、行き先が初めての場所だったりするときは比較的安全なタクシーを利用することをおすすめします。
乗車の仕方、マナーなどあらゆることが日本の交通機関とは違うため、事前に確認しながら利用するようにしましょう。
車内での居眠りや携帯電話を操作するといった行為は危険を招く行為です。
5. 日本人は狙われやすい?!
留学や駐在などの理由でブラジルで生活する外国人は多く、同時に彼らは犯罪被害のターゲットになりやすい存在です。
その中でも特に気を付けなければならないのは日本人だとAさんは指摘しています。
安全な日本での生活に慣れてしまっているせいで、ほかの外国人より防犯の意識が低いような気がするとAさんは話します。
またアジア人が少ない地域では日本人は目立つようです。さらにブラジルでの慣れてくると、油断してつい日本にいるときと同じような行動に出てしまいます。
実際に夜間の外出での恐喝や道端で携帯電話を操作していた時にひったくられるなどの被害報告が多く、どれも脇の甘い行動から起こるものが多いのです。
シンプルな服装で、慣れない地域ではうろうろせず、道に迷ったらすぐにタクシーに乗るなどを基本的なところから心がけましょう。
これらのことはブラジルに限らず海外で生活する際には最低限意識するべき事柄でもありますね。
ブラジルの治安と安全対策まとめ
これからブラジルで生活を始める方には驚かせてしまうようなことを色々と記述しましたが、初めにも言ったように「時間と場所を守る」というルールと、ある程度の緊張感を持てば安全に暮らせます。
安全な時間、場所であったとしても常にアンテナを張り巡らせ、危険から身を守る必要があります。
また「第6感」といえば大げさですが、「この道は避けよう」「今日はこのルートで行こう」という直観的な判断に従うことも大切です。
「ブラジルは危険」と言われてしまいますが、実際はとても素敵なところで、おおらかで明るく親切なブラジル人の人柄に助けられることが多いです。
また勤勉で礼儀正しい日本人に対して尊敬の気持ちを持っていることが多く、良い関係を築くことができます。そしてブラジルの生活が充実したものになることでしょう!
写真:サンパウロ州サントスにある「日本移民100周年記念モニュメント」
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