【タイプ別】オーストリアの社会(健康)保険制度をカンタンに解説

オーストリアの社会(健康)保険制度

所変わればその生活システムも変わります。

ここでは、オーストリア保険制度についてその種類と内容を徹底解説します。

オーストリア在住者は健康保険加入が義務(Pflichtversicherung/Versicherungspflicht )

オーストリアで生活する人は健康保険(Krankenversicherung)の加入が必須です。

基本的に法定健康保険(Österreichische Gesundheitskasse/ÖGK)へ老若男女問わず、また国籍も問わずに強制加入となります。

これは日本でいう国民健康保険に当たります。

ただし、

就労している場合、自営業者はSVS、
公務員などはBVAEB

になります。詳細は下記。

長期滞在用ビザの申請をする際、必ずオーストリアの法定健康保険加入を求められます。

日本から加入する海外旅行保険は原則として日本に住民票があることが条件になります。

オーストリアで長期滞在(6ヶ月以上)をする際はオーストリアで住民届け(Meldezettel)を提出しなければならないので、両国共に住民届けが出されているのは原則では違法になります。

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いつも携帯しよう、保険証 e-card(e-Karte)

法定健康保険に加入すると保険証に当たる物としてe-card/e-Karte (エー カード/エー カルテ)というカードが1人1枚加入者(家族にも)に渡されます。

これは電子カルテへのアクセスに使用されるので、医療機関へ訪れる際は必ず持っていきましょう。

ちなみに電子カルテは全ての医療機関で共有されます。

e-cardについて参照リンクはこちら

オーストリアのecard

※旧カード(現在も使われいます)

オーストリアの新ecard

※新カード(写真付きに。14歳以下は写真なし)

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ヨーロッパ健康保険カードEuropean Health Insurance Card(EHIC)

EU内28カ国プラス4カ国計32カ国で有効な健康保険です。

これはオーストリアで加入している法定健康保険に自動的についている保険です。

e-cardがこの保険証も兼ねています。

緊急サービスのみ対象の国もありますが、一時的に滞在している場合のみ有効で、外来治療、入院治療、薬が保険対象となりそれぞれの国である健康保険と同等のサービスが受けられます。

旅行保険との違いは、現地で必要な対策のみに提供されるもので、例えば、そのための早期帰国、延長帰国などの追加費用などは対象ではありません。

ヨーロッパ健康保険参照サイト:https://ec.europa.eu/social/main.jsp?catId=559

法定健康保険のシステムと対象範囲

オーストリアでは強制加入となるこの健康保険は年齢や健康状態とは無関係で、多くの場合以下の親族も無料で(条件あり)被保険対象者となります。

  • 配偶者(18歳以下の子供1人以上養育担当している場合は無料。それ以外は3.4%追加)
  • 登録パートナー(配偶者と同条件)
  • 子供(学校、職業訓練を受けている間)
  • 介護レベル3以上の親族

法定健康保険での対象範囲は属する機関により違いがありますが、基本的に診察費と治療費の自己負担額はありません。

薬を処方された場合、処方箋手数料が一律で5.7ユーロかかるだけで、薬代は保険適用になります。

また治療後に訪れる療養/保養所(Kur)での滞在費用やテラピー各種が適用対象になります。

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要注意!医療費はいつでもどこでも自己負担額ゼロではない

オーストリアの医療費は自己負担無し!となっていますが実の所かなり細かい規定があり、医療機関の種類や属する団体(職種などにより)によりその適用範囲が異なりますので、知っておいた方が良いことがいくつかあります。

医療制度の詳細は同サイトの《オーストリア医療制度》の記事を是非参考にしてください。

※2020年度に社会保険(健康保険含む)システムや名称が大きく改定されており、最新の情報を取得してください。

医療機関は病院と診療所に分けられます。

ではそれぞれの医療機関別で保険適用範囲についてご紹介します。

病院での法定健康保険適用範囲

病院は公的経営とプライベート/民間経営の病院があり総合的に各専門分野のセクションと医師がおり、入院治療などが可能な医療施設です。

法定健康保険が医療費全額適用される医療機関は公的経営の病院に限り、もしプライベート病院にかかる場合は全額もしくは何割かが自己負担になります。

入院の際は基本的に公的経営の病院では診療費、治療費、投薬などの医療費は保険適用になりますが、入院宿泊費食事費は一部自己負担になりその設定はそれぞれの病院で決まっています。

目安として1日/20〜25ユーロくらいです。(上限28日以上は全額保険適用となっています)部屋は大部屋になり4人から8人、シングルやツインの部屋をリクエストした場合はその病院規定で追加料金が発生します。

プライベート経営の病院ではほぼ自己負担で宿泊、医療費も6割以上を自己負担することを覚悟しておいた方が良いでしょう。

診療所での法定健康保険適用範囲

診療所は

  • 一般診療所(Hausarzt /かかりつけ医、ハウスドクター)
  • 専門科診療所(Facharzt /専門医 ;小児科、歯科、耳鼻咽頭科、眼科、婦人科など)

があり、多くが単体で経営しています。

診療所のドクターの法定健康保険基金からの認定により

  • Allekasse
  • Wahlarzt
  • Privatarzt

とさらに3種類に分かれます。

どの専門医ででも一般診療医ででもAllekasseと記されていれば全額保険適用になり、医療費の請求は被保険者ではなく、直接保険会社へされます。

主に専門医で表記がWahlarztと記されているときは基本的に医療費一部自己負担になり、一度全額自己負担で医療費を支払い、その後、保険の種類や契約で払い戻し額に違いがありますが申請して払い戻し分を受け取れます。

3つ目はPrivatarztです。医療費は完全自己負担で払い戻しは不可になります。

(民間の保険で契約に入っている場合は例外です)

診療所には色々な専門科医がありますが、特に注意が必要なのが歯科医です。

治療費や診療費、材料費に驚く額が生じ得るのが

  • Wahlarzt歯科
  • Privatarzt歯科

です。

治療費はもちろん諸費用もきちんと確認しましょう。

Allekasseの歯科医ももちろん存在するのですが、筆者の経験ではまず混み合いますし、作業が雑でかなりドキドキしました。ですが運も相性もありますのでこれは体験談の一つであるだけで、中にはそうでない歯科診療所もあるはずです。

民間の保険会社について

基本的にオーストリアでは民間の保険会社での健康保険加入は法定社会(健康)保険加入の上で追加として加入することが一般的です。

オーストリアの法定健康保険の適用対象範囲で多くの人が実際特に困らないということと、民間の保険は全般的に保険料も高額だという意見を持っており、実際の加入率は3人に1人という低い割合です。

加入メリット

最大のメリットは、医療費を心配することなく好みの診療所や病院にかかれます。

WahlarztやPrivatarztで自己負担額の割合を減らすことができたりもしくは全額適用プランも選択することができます。

歯科に関しては一般的な健康保険のプランと別途で設けられている場合が多いです。

Wahlarzt歯科やPrivatarztでも治療費は全額保険適用になったり、他素材諸費用にも適用されます。

※歯科専用プランの保険料はさらに割高になります。

入院が必要になった時、より快適な滞在を求めて個室やツインルームでも自己負担ゼロでゆっくり治療に専念できます。

プライベート/民間経営の病院では予約を優先的に入れてくれるという場合もあります。

注意点として

法定健康保険とは違い、民間の保険は被保険者の年齢、性別、健康状態が保険料の額に関係します。

各点は契約加入した内容によりますので、民間の保険加入を検討される方はきちんと調べて、何が必要かご自身で把握しましょう。

大手民間の保険会社リンク:

など

健康保険以外の保険は?強制社会保険について

オーストリアでは月額460.60ユーロ以上(2020年時点。年毎に変動あり)の収入がある場合は自動的に法定社会保険加入することになります。

この強制社会保険は傷害保険、健康保険、年金保険、失業保険が含まれています。

  • 従業員として就労している場合は総額の3.87%を支払い雇用主は残りの3.78%を支払います。(総額の7.65%が保険料)
  • 自営業の場合は7.65%全て自身で支払います。
  • 学生用の割安の保険があります。保険料は2020年現在月額で約60ユーロです。
    参照:学生用健康保険

強制社会保険制度と種類(機関)

2020年に法定保険制度は変わりました。

以前は職種別で属する機関が6個に分かれ、それぞれ9個の地域(州)別で制度や管轄がありましたが、地域別に管轄されていた制度を統一し、さらにその機関も新たに改定されました。

2020年からの強制保険制度が以下の5個の法に

・一般社会保険法 Allgemeines Sozialversicherungsgesetz(ASVG)

従業員
未成年
フリーランスの従業員
在宅勤務者

・公的健康および事故保険法 Beamten-Kranken und Unfallversicherungsgestz(B-KUVG)

公務員

・商業社会保険法 Gewerbliches Sozialversicherungsgesetz(GSVG)

自営業
個人事業者

・農民社会保険法 Bauern-Sozialversicherungsgesetz(BSVG)

農業者(独立して経営しており月額1500ユーロ以)
注) 従業員はASVGに基づく

・フリーランス社会保険法 Freiberuflichen-Sozialversicherungsgesetz(FSVG)

医師
薬剤師
土木技術者
特許弁護士

社会保険について WGO リンク:https://www.gruenderservice.at/site/gruenderservice/planung/Sozialversicherung.html
https://www.sozialversicherung.at/cdscontent/?contentid=10007.821628&portal=svportal

2020年から強制社会(健康)保険の機関が以下の5個に

保険について色々な情報源がありますが、改定後から日も浅いため改定前の情報もまだ沢山あります。

ご確認しやすいように以前の機関名と並べてご紹介します。

2020年からの 新機関名 旧機関名 サイト
損害保険機関
(AUVA)Allgemeine Unfallversicherungsanstalt
AUVA
オーストリア健康保険基金
(ÖGK)Österreichische Gesundheitskasse
健康保険組合/基金
(GKK)Gebietskrankenkasse
ÖGK
自営業者向け社会保険機関
(SVS)Sozialversicherungsanstalt der Selbstständigen)
自営業者、起業家向け社会保険機関
(SVA)Sozialversicherungsanstalt der gewerblichen Wirtschaft
農業者向け社会保険機関
(SVB)Sozialversicherungsanstalt der Bauern
SVS
公務員、鉄道、鉱業向け保険機関
(BVAEB)Versicherungsanstalt öffentlich Bediensteter,Eisenbahner,Bergbauer
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公務員向け保険機関
(BVA)Versicherungsanstalt öffentlich Bediensteter
鉄道、鉱山従業者向け保険機関
(BAEB)Versicherungsanstalt für Eisenbahner,Bergbaur
BVAEB
年金保険機関
(PVA)Pensions Versicherungsanstalt
PVA

さいごに

オーストリアの社会(健康)保険はかなり広範囲に渡って適用されていますので、世界的な目で見るとかなり安心して生活を営む事ができる国です。

保険についてはオーストリアに限らなくても、なかなかなかその規定や適用範囲などを把握するのは大変です。

ここでの記事でオーストリアの保険について何となくでも把握でき、そういった不安が少しでも軽減されたら嬉しく思います。

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