毎年夏にはバカンスに行き、充実したプライベートライフを過ごしているイメージのイタリア人ですが、こんな生活を送るためにイタリア人はどれくらいの収入があるか気になりませんか?
実はイタリア人の平均収入は日本人よりも随分低いのです。
ここではイタリア人の平均年収を具体的に見ながら、日本人がイタリアで生活していく上で、実際にイタリアでどんな仕事ができるのか紹介していきます。
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イタリアの平均年収
2018年の統計で見るイタリアの平均年収は29,380ユーロ(約367万円)です。(1ユーロは125円で計算しています。)
職種別平均年収
これをさらに職種別の統計で見ると、
職種 | 割合 | 年収 |
---|---|---|
取締役・役員 | 1.4% | 101,821ユーロ(約1,273万円) |
上級管理職 | 4.3% | 54,021ユーロ(約675万円) |
会社員 | 35.8% | 30,814ユーロ(約385万円) |
ブルーカラー | 58.5% | 24,865ユーロ(約311万円) |
となっていて、半数以上をしめる労働者の平均給与は24,865ユーロ(約311万円)なのです。
イタリア人の手取りの月収は?
手取りの月収は1,580ユーロ(約20万円)との統計があります。
ただこの数字はごく一部の高額所得者の給与も含まれているので、実際には大半のイタリアの給与所得者は月収1,000~1,200ユーロ(約13-15万円)と言われています。
若者の収入はこれよりさらに低く1,000ユーロ(約13万円)以下のこともあります。
ヨートッパ圏の平均年収を比較
日本の平均年収と言われる420万円と比べても、その他のヨーロッパの国と比べても低い水準です。ちなみにヨーロッパの平均収入トップ10は次のようになっていています。
1位 ルクセンブルク
2位 オランダ
3位 ドイツ
4位 ベルギー
5位 オーストリア
6位 フィンランド
7位 フランス
8位 アイルランド
9位 イタリア
10位 スペイン
地域による平均年収格差
イタリアの平均年収の特徴は、地域差がはっきしていることです。
各地地域の平均年収は、
ミラノを含む北部 30,627ユーロ(約383万円)
ローマなどの中部 28,598ユーロ(約320万円)
ナポリなどの南部 26,100ユーロ(約326万円)
となっています。
イタリアではたくさんの南部出身の人が、北部の都市で働いています。求人数も多いし給与水準もこのように高いからです。ただし家賃や物価なども北部の方が高いです。
男女による平均年収格差
日本と同様にイタリアでも男女で収入格差があります。
男性の平均給与より女性の平均給与は10,4%低いとの統計があります。
この数字は日本の平均給与の男女差と比べると、その差が少ないと言えます。
確かにイタリアの方が日本よりも男性と女性が平等に働いているように感じることがあります。例えば総合病院に行ったときに、日本では圧倒的に男性医師の数が多いですが、イタリアでは女性医師もおおよそ半分くらいの数で見かけます。
参考統計:
日本とはこう違う!お給料の内容4つの特徴
イタリアでの仕事を考えるとき、平均年収だけでなくお給料の内容も考慮しなくてはなりません。
・交通費は支給されない
まず日本と大きく異なるのは会社からの交通費の支給が無いことです。仕事を探す際にはこの点を十分に考慮しないといけません。そのためなのか日本のように長時間かけて通勤している人は少なく、多くのイタリア人が家から比較的近い所で仕事をしています。
また公共の交通は日本のように発達していないので、車通勤になる可能性が高いです。どうしても長距離通勤になってしまう場合には、ガソリン代節約のため車の選び方が大切です。
・住宅補助なし
また住宅補助も基本的にはありません。特に収入が少ない若者たちはとてもお給料から家賃は払えないので、実家から出ることができないのが現状です。
・昼食手当
使えるお店が限られているランチチケットのようなものが支給される会社もあります。イタリアには日本のようなお得なお昼のランチセットはないので、毎日外で食べると時間もお金もかかります。家からお弁当を持っていく人も多いです。
・所得税
イタリアの税金は日本よりも高いことも考慮しなくてはなりません。毎月の給料の中から、所得税、地方税、年金などが引き落とされると手取りの金額は給料の約半分と言われています。
日本人が比較的つきやすいイタリアでの職業
イタリア人でも仕事を探すのが難しい状況が続いているので、日本人がイタリアで仕事を見つけることは簡単ではありません。
日本人であること、日本語が話せることを活かしていかなければ仕事は見つかりません。
日本語だけでなく、英語さらには中国語も話せると仕事が見つかりやすくなります。
関連記事:日本人が海外で働ける職種23選(体験談付き)!有望分野や変わり種も
日系企業
日本人の募集が多いのは日系の企業での仕事です。ミラノ・ローマに集中していますが、これらの都市には住んでいる日本人の数も多いので競争率はかなり高いです。給与レベルは現地採用になりますので、日本から駐在できている日本人のような収入は得られません。
翻訳や通訳
日本語とイタリア語の翻訳や通訳の件数は減少傾向です。日本の企業もイタリアの企業も英語で契約書などを交わすことが増えているからです。でも全く無いわけでは無いので、翻訳や通訳の会社の登録しておくことができます。ミラノなどでは見本市での仕事のオファーが入ってくることがあります。
日本語教師
日本語教師も日本人ならでは仕事ですが、イタリア人にとって日本語は習得するには難度が高い言語です。なかなか初級レベルを超えて継続できるイタリア人はいません。ある程度の一定の収入を得るためには大都市に住んでいないと生徒を集めることが難しいでしょう。
日本食レストラン
イタリアでは日本食レストランが全国的にブームになっていて、ある程度の規模の街であれば必ず日本食レストランがあります。
ミラノやローマには本当にたくさんの日本食レストランがあります。このような状況なので、募集がよくあるのは寿司職人です。滞在許可証のサポートもあることが多いです。
また日本食レストランでのアルバイトも探すことができます。ただし大半の日本食レストランは実際には中国人の経営でシェフも中国人です。
中華料理も一緒に提供されているので、食べに来るイタリア人の中には中華と和食を混同してしまっている人もいます。数少ないですが日本人が経営するレストランの方が条件も良く納得して働けます。
イタリアでの仕事の探し方
まず最初にするべきことは、自分が仕事を探していることを機会があるごとに周りの人に伝えることです。
イタリアはコネ社会です。条件の良い仕事は、一般に告知する前に知り合いの間で決まります。
履歴書を送りまくる
またイタリア人に仕事を探していることを伝えると、片っ端から履歴書を送るように言われます。あまり効率の良い方法ではありませんが、求人が少ないイタリアでは募集しているところを待っているだけではダメなのです。履歴書を送っておくと、会社が人材を募集しようとしたとき先に目に止まることもあるからです。
エージェントに登録する
日本のような求人エージェントもありますので登録しておくこともできますが、こちらもただ待っているだけでは求人依頼はやってきません。登録後も自分で積極的に探さないといけません。
アルバイトの張り紙
ショップの店員やレストランのスタッフなどのアルバイトの募集は、お店のガラス窓に募集の張り紙がしてあります。交通費の節約のため、家の近くなどで探したいときには有効な方法です。
日本でも見かける募集方法ですが、イタリアの場合には時給などの具体的な条件は記載されてることはありません。アルバイトやパートの人手が不足している日本とは状況が違いますので、平均収入のように日本よりは低い時給になります。
積極的に動く
イタリアの仕事探しで大切なことは、自分から動いて積極的に求人情報を探していくことです。また人とのつながりを大切にするので、メールで履歴書を送るだけより実際に会って直接話した方が先に進める可能性が高いのがイタリアです。
イタリアでの生活はすぐに仕事が見つからない場合も十分に考慮して、ゆとりのある資金を持って始めることが肝心です、イタリアで仕事が見つかるかどうかは運とタイミング次第なので、焦って仕事は見つかりません。
イタリアでの生活費
これまで見てきたようにイタリアでは仕事を探すのも大変ですし、たとえ仕事につけたとしても収入レベルは高くはありません。
それでは一体どうやってやりくりしているのでしょうか?
イタリアでイタリア人のように普通に生活していく分には日本より生活費はかかりません。
基本的に自炊していれば食費は日本よりかかりません。外食は日本より高いのですが、友達と食事をするときはレストランばかりでなくホームパーティになることが多いです。
洋服などのファッションも日本ほど流行を追うことはありません。気に入ったものを長く着続けているイタリア人を見ていると、日本のようにシーズンごとに流行を追う気分も無くなります。
つまり、イタリアで普通に暮らすには、日本で生活するのと同じだけ稼ぐ必要はないのです。
このように考えていると、仕事探しで大変なときにも気持ちが楽になります。イタリアでは日本人が日本と同じような条件で働ける仕事はありません。
しかし、日本よりも少ない収入でも十分暮らしていけます。
まとめ
イタリアの平均年収は日本より低く、イタリア人も実際に自分の収入にみんな不満を持っています。
そんな少ない収入でも充実した人生が送れる国、それがイタリアなのです。
収入にだけにとらわれることなく、イタリアで暮らすことの良さをもう一度考えて見てくださいね。
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