カナダ・カルガリー移住物語 ワーキングホリデーで掴んだ夢

こんにちは。

海外在住者インタビュー企画、第三回をお届けしたいと思います。

第3回は、カナダ・カルガリーの移住ストーリー・Shihoさんです。

インタビューを通じて印象的だったことは、
自分にある国・街に出会い、そこへの移住を諦めなかった情熱と行動力が引き寄せた偶然
でした。

その偶然は、いったいどういうことなのでしょうか?

カルガリー

 

カルガリーで子育てをしながら、その現地の魅力を伝えたい

――現在の在住先や生活について教えてください。

Shihoさん(以下、Shiho):
私が在住しているのは、カナダのアルバータ州カルガリー市になります。今は主人と、娘が一人、あと猫が一匹の1軒家に住んでいます。普段は、パートタイムで、フードコートのテイクアウト業のお寿司屋さんで働いています。

――お仕事と子育てを両立されているんですね。
Shiho:
週に2日、午前中の4時間だけ仕事をしています。子供が一才と7、8カ月になるんですが、こちらでは日本の保育園、デイケアというのはありますが、やっぱり1人デイケアに入れると、一日4,000円ほどになるので、ほとんどの方はどちらかの親が家に残り世話をする形です。

 

自然溢れる多国籍地域・カルガリーという街

――カルガリーの魅力について教えてください。
Shiho:私は神奈川県の川崎出身なんですが、地域としては、すぐに東京に出れたり、横浜に出れたりできるところでした。しかし、通勤電車の満員、ラッシュアワーなど、そういう感じはもう嫌で(笑)。

カルガリーは、ちょっと車を走らせれば、バンフという自然国立公園があるのが魅力。日本レストランが結構あるため、お仕事も見つけやすかったりします。

それと、カナダという国が多国民の国なので、多国籍空間であり、自分が異国人でも、その周りの人からもビックリされることも無く、受け入れて貰えます。自然に「あ、日本の人なのね」と言う感覚で、受け入れて貰えたというのが、凄く住みやすかったポイントです。

――現在、お持ちのビザは?
Shiho:私は移民なので、パーマネント、レジデンストになります。私は、カナダ人と結婚しているので、その時に移民申請をしました。アメリカでいうとグリーンカードです。一定期間で更新しないといけない点はありますが、働けます。普通のカナダ市民との違いは、選挙権が無い、という点ですね。

――カルガリーへ移住したきっかけは?
Shiho:私は中高のキリスト教系の女子高に通っていました。プロテスタントなので、学校は英語に凄く力を入れている学校だったんです。ネイティブの先生もいらっしゃいましたし、その英語と触れ合う時間が、自分の人生の中で多かったです。うちの母親も、英語の字幕を見せたりだとか、そういう事もあって、英語文化にはすごく憧れがありました。

中学3年生の時にはじめて、修学旅行として、ニュージーランドに16日間ホームステイに行きました。高校の時は、自由参加で、1か月間アメリカに行くプログラムがありましたが、家庭の事情というか、要はお金の関係で、行けなかったんです。母親は、社会人になって、自分のお金で行きなさいと言われました。

それで、私は絶対行きたいと思い、社会人の26歳までお金を貯めて、渡航した先がカルガリーという町だったんですね。

――なぜ、カルガリーを選んだのですか?

Shiho:たまたまなんですけど、当時、NOVAという英会話学校があったんですね。そこがプログラムとして提供していた滞在先がカルガリーだったんです。ほんとに偶然です。

ホームステイで1ヶ月の滞在でした。ただ、ホームステイしているとはいっても、日本のプログラムで行っているので、結局、グループは日本語をしゃべる日本人のグループで日本人同士で、やはりつるんでしまうんです。

そうすると、ぜんぜん英語を喋ったという感覚が無くて、自分が思い描いたものとは全く違っていたんです。

 

Don’t live to work, work to live

――海外に住みたいという気持ちを持つほど、日本が好きではなかった?
Shiho:嫌だった(笑)。一番の理由は仕事です。私は、飲食店でしか仕事の経験が無いんです。もともと、大学も飲食関係の学科を出ていたんです。やっぱり、日本の場合、長く働いてなんぼ、一日中働いて、働くために生きる感じで、私は、受け入れ難かったんです。でも、英語圏の人達というのは、生きるために働く。私が、ニュージーランドのホームステイ先で、ある写真を見て、そこに書いていたフレーズに

Don’t live to work, work to live

と、書いてあったんですよ。

その時、私は凄いガツンと来て、共感しました。やっぱり自分の父親を見てると、ほとんど家に居なかった。日本人の家庭はどちらかというと、お父さんは外で働き、たまに家に居て、お金を入れてくれる。私達の年代は、特にそういう家庭は多いと思うんですよ。

でも、私は、それを寂しいと思っていて、その言葉を見た時に、そうだよね、って、すごく思いました。日本には、そういう言葉、あんまりないな、と思って。それが、私の根底にあって、社会人になり、実際社会の中も、それを身体で感じ、やっぱり、ここ(日本)じゃないのかな、と思ったんです。

もちろん、間違っている訳ではないんですよ。それが日本の国の発達を支えてきましたから。ただ、自分の人生としては、やはり、そういう感じでは生きたくないな、と思いました。

 


4年がかりで実現したカナダでのワーキングホリデー

――カルガリーに戻った理由は?
Shiho:1ヶ月しか居られなかった事で、足りないという、消化不良がありました。しかも、日本人同士としか出掛けてないと、観光のようになってしまった。私は別に、観光したかったわけではなかったから。

私がやりたかったことは、地元の英語の文化に触れたかったんです。

それで、現地の人とEmailでやり取りして、自分のモチベーションを保ちながら、1年、2年、3年弱、お金を貯めて、ワーキングホリデーで来ました。

――たくさんお金を貯める必要があった?
Shiho:私は、元々ホームステイをしていたところのホストマザーの家に戻るつもりだったので、彼女が提示してきた金額は月9万円でした。ですから、トータル色々込みで、100〜200万円持っていたら、良いかなと思っていました。

行った先で、必ず仕事がすぐに始められるとか、それも分からないので。やっぱり、余裕を持っていたかった、というのはあります。

――そこからカルガリーでの本格的な移住生活がはじまった?

Shiho:そもそも、カルガリーという町に出会ったこと自体が凄く色んな偶然が重なって、さらに、ホームステイの先の人とも、すごく相性が良くあって、色んなサインが私をここに連れてきてくれたと思うんです。だから、きっとワーキングホリデーで行った時にも、何かの道が、きっと開けるだろう、と勝手に(笑)

しかも、仕事もホームステイ先のホストマザーが、紹介してくれて、すんなり見つけられました。尚且つ、その会社が、日本人の正社員の方が結構多かったんですよね。実は、みんな正社員だよ、と言われて、「それは、何でですか?」と言ったら、会社がワーキングホリデーからワークビザを出してくれているからカナダに1年以上残れるよ、というのを聞いて、私は、この話しに、飛びついたんです。

私は、色んな事が偶然重なって、結局思い描いていたものが、目の前に、ポンポン来てくれたんです。

 

1年越しのカナダ移民申請

――カナダ移民への手続きはどのようにしたんですか?
Shiho:こちらは同棲ビザというものがあり、彼と1年以上一緒に住んでいると、結婚と同じぐらいの力があるんですね。配偶者的な形に見られるんです。日本とは、そこら辺が違うと思います。つまり、結婚していなくても、同棲をしていて、一緒に一年居たことを証明できればパートナーとして、みなされるんです。

この方法で、移民を申請をすることは可能なんですけど、証明がすごく難しいんですよね。

証明のためには、一緒にその家賃を払うとか、自分の名前を一年間、ずっと載っけてるとか、1年間、同じ共有の銀行口座を持っているとか、結構必要なんです。

うちの夫は、カナディアンなので、そこら辺は凄いなあなあなんですよ。ずるずる、ずるずる、と。(笑)日本人の何時何分にみたいな感覚が無いので。1年以上は、ビジタービザで、過ごす期間が続きました。正確には、半年ビジターで、半年ステューデントで過ごしました。移民申請をし始めると、移民の申請をしていますよ、という事で、ビジタービザが、出るんですよね。

ずるずる行き、その重い腰を上げたタイミングで、プロポーズをしてくれました。

それから一度、日本に帰って、籍を入れ、婚姻届を出して、移民申請をしました。

ただ、毎年ルールが変わり、やはりカナダ自体の情勢が厳しくなったりすると、移民申請を抑えないとけない。尚且つ、結構、偽装結婚みたいな形で、移民をする人が多く、そういうことがあるので、どんどん、厳しくなっています。

――日本からカナダ・カルガリーに移住する際に、一番準備しておかなくてはいけない点は?
Shiho:

最初に、住むところの確保が、やはり絶対だと思うんです。あとは、ワーキングホリデーで来るという事は、お金も必要、稼ぐ必要があるので、自分が仕事を見つけられるかどうか、どういった所で、どのように風に仕事を見つけられるか、そういうリサーチは絶対必要です。

それが分からないと、不安で行けないと思うんですよ。だから私はお金を貯めるために、3年も費やし、4年かかりました。もしそれが、ダイレクトにこういう情報があれば、怖がる必要は無かったかなとか、最初の時点で、ホームステイのプログラムを使わないで、ワーホリを取って、カナダに渡っていたかな、と思います。

――今、おすすめの方法は?

Shiho: 今、凄く変わってきていて、ワーキングホリデーで、こっちに飛び込んだからといって、仕事が取れるわけでは無いんです。ですので、私の周りで、移民をとるために動いている人は、やはり、こっちの地元の大学なり、専門学校なりのコースを取って、卒業すると、必然的にワークビザが出るので、そのワークビザが出ている間に、移民申請をする事ができます。ちょっと、難しくはなっていますね。

 

現地コネクションを最初に作り、繋がりを広げることが大事

――カナダへ行って、一番良かったことは?
Shiho:一番良かったというより楽しかった事は、私がカナダに入って、1か月後に主人に出会ったことです。ホストマザーが結構おせっかいおばさんで、彼女が見つけてくれたんです。だから、皆さんワーホリで来ても、普通にシェアルームとかに入られる方も結構多いんですが、私が思う一番のオススメは、ホームステイ先で現地の人とコネクションを作ることだと思います。そこから、地元の人達のつながりを作っていくことだと思います。日本人って、自分の友達は自分の友達、仕事場の友達、学生時代の友達と分ける傾向にありますが、こちらの人は、隔たりなく、みんなを家に呼びパーティをしたりする形があります。だから、現地の人とつながることができるんです。

ホストファミリーとの出会いは自分では選べないので、運の部分は大きいですが、ワーキングホリデーの場合は、プログラムが決まっている訳ではないので、自由に動けると思うんですよね。その中で、大家族の中に入るのか、それとも、そんなに大きくない家族の中に入るのか、という選択は、自分との相性をみながら、できると思うんです。そういう事をされる方は、凄く少ないのは何でだろうと、私はちょっと不思議です。

――ホームステイ先を紹介してもらえることはできますか?
Shiho:そうですね。交渉は必要ですが、この家族ならいけるかな、という家族はいくつかあります。ただ、ホームステイ先を選ぶのも、ホームステイのコーディネーターの方が選ぶと、どうしても、ビジネスなので、やっぱり、繋がりが広がりにくいのかなって、凄く思うんです。

私は凄くラッキーだったと思います。コーディネーターが紹介したホームステイ先で、実際、良い思いをしている人は少ないと思います。この点は、すごく残念だなと思うんです。どうしても、ビジネス感覚なので、部屋を貸しているだけと食事を共有しているだけ、という形になってしまうケースが多いです。

そのようになるのであれば、現地に住んでいる日本人の人は、少なからず、現地との繋がりは絶対あるので、そのような方に手伝ってもらい、ホームステイをしていなかった家庭を見つけることで、もっと現地っぽい生活を見られるのかな、と思うんですよね。

そういう意味では、せかいじゅうのプログラムをみて、あ、これ、良いかもって。

 

移住は準備よりも、現地生活のイメージが原動力になる

――海外で暮らしたい方にとってまず最初にやるべきことは?

Shiho:私が一番活力になったことは、自分が向こうに行って、どういう生活をしたいか、というイメージは、絶対固めておくべきだな、と思いました。
私は、自分ではそこまでの準備はしていませんでした。ただ、自分がここで生活をしたい、こんな生活をしたい、という強いイメージがあったから、こっちに飛び込んで、何とか、形にできました。自分が思い描いている物が原動力になったんだと思います。

私は、そこが大事だと思います。ワーホリも、そこが固まってさえいれば、行ってしまえば、仕事だったり、住む場所だったりする部分が見つかると思います。あと、強く思っていれば、誰かが見てくれて、誰かが助けてくれる。必ず手を差し伸べてくれる人がいると思います。

――「せかいじゅう」で提供したいことは?

Shiho:カナダ・カルガリーに来て、何か新しいスタートを切りたいと思っている方、日本で、なんか息苦しいな、自分らしくないなと思っている方、やはり私と似たような境遇の方が人がいらっしゃれば、自分が経験したことは全てお伝えしたいなと思います。

私は、あまり特別な事をしているわけではなく、ただ、こっちに来たいなという手続きとか、細かい事は、やっぱり現地の人に聞かないと分からないことは一杯あると思いますので。やりたいことをお聞きして、その方に必要な情報提供をしていきたいと思います。

 

Shihoさんが提供するカルガリーへの移住プランはこちら:
https://sekai-ju.com/plan/can/calgary001/

カナダ・カルガリーへ留学や移住をお考えの方は、ぜひ、一度ご覧くださり、相談してみてください。

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