国際結婚も珍しくない現代、憧れの国際結婚ですが、双方の文化の違いで結婚後に苦労をしてしまうこともあります。
できれば結婚をする前、もしくは真剣に交際をスタートする時点で相手の文化について知っていた方が良いかもしれません。
特にインドは、伝統や宗教上、とても独特な恋愛観と結婚観の残る国です。
インド人と結婚した筆者の経験から、いくつか知っておいてほしいことをまとめました。
1.インドの恋愛観ってどんな風?
インドの結婚文化
カースト制度(職業別身分制度)のあるインドは、伝統的に親が結婚を決める文化です。
今でも、90%以上の結婚は、同じ宗教、同じカーストの中から選ばれた人と結婚をします。
基本的に親が決めるため、結婚式当日に初めて相手と会うケースも少なくありません。
伝統的な結婚相手の決め方
ヒンドゥー教徒であれば、同じカーストの中から結婚相手を選ぶのが一般的です。
多くは、親が親戚に相談して同じカーストの中の未婚者を紹介してもらいます。
最近は、新聞でお見合い相手を募集する欄も頻繁に使われていますが、募集欄はカーストごとに分かれています。
基本的に、決定権は親にあります。
しかし最近は、本人を含めてのお見合いも多くなっています。本人の意思を聞く親も増えていますが、最終的には本人が嫌がっても結婚を決めてしまうケースが今でも多いです。
決め手は、まさかの占い!?
結婚相手を決めるのに大きく関わるのが占星術です。
今でも、生年月日と生まれた場所から星を見て、両者の相性が良ければ結婚を決めます。
また、インドでは伝統的に、花嫁サイドが花婿に贈り物をするため、贈り物にどれくらいのお金をかけられるのかによっても変わってきます。
婚前交際ってありなの?
伝統的に、男女が婚前に交際することは、ほとんど許されていませんでした。
とくに、結婚前の女性の貞操に関してインドは本当に厳しい国です。
都会では多少変わってきていますが、今でも、若い女性が一人で自由に外を出歩くことは少なく、学校などに行っている間も、両親が頻繁に電話をして居場所を確認することが一般的です。
都会の若者が交際関係になっても、実家に呼ぶことは難しいため、公園のベンチでデートなど、日本の中学生のようなデートが多いです。
2. 外国人相手との交際や結婚について
インドで国際結婚をしているカップルのほとんどが、インド人男性と外国人女性です。
もちろん、日本人でも、インド人男性と結婚する女性はたくさん見かけますが、インド人女性と結婚している男性はなかなか見かけません。
インド国内に住むインド人男性は、インド人女性との交際を制限されていることもあり、外国人女性に対しては自由恋愛!とかなり積極的にアプローチをしてくる人が多いです。
とても親切にしてくれる人が多いですが、恋愛と結婚は全く別物と考えている人も多いです。
また、既婚男性も平気でアプローチしてくる場合があるため、相手のことをよく見極めてから交際を始める必要があります。
3. インド人男性と女性の特徴
インド人は、男性も女性もとても情が熱く、ロマンティストが多いです。
家族や恋人とは常に連絡を取り合う習慣があるため、仕事中でもお構いなしにマメに連絡を取る人が多いです。
男性
女性に対して、とても紳士に接してくれます。
いろいろと助けてくれようとしますが、少々調子が良すぎることを言うため、口だけになってしまう事もあります。
女性
インドの女性は、とても面倒見が良く、お母さんのような温かさがあります。
身の回りの世話を献身にしてくれます。とても一途な人が多く、浮気などの心配はなさそうです。
交際と結婚
上記に書いた通り、インドでは結婚は親が決めるのが一般的です。そのため、付き合っている人がいても、結婚が決まるとあっけなく別れる人が多いです。
都会の若者の中には、親に認めてもらうために同じカーストの中から交際相手を選ぶ人もいます。
しかし、交際相手がいても、将来結婚は出来ないと割り切って付き合っている人も多いです。
4. インド人との国際結婚、実際どうなの?
インド人は、独特の結婚観を持った国です。
国際結婚でも、他の国の人とは全く違う結婚生活になるでしょう。
メリット
<とにかく、家族が一番!>
インド人は、とにかく家族を大切にします。人生で大切なものは、「一に家族、二に家族、三にお金」でしょうか。
もちろん、インドに嫁いでも、日本の実家の家族に対してはとても温かく接してくれます。
また、親戚が集まることも多く、いつも温かい家庭に囲まれて生活ができます。
<子育てもみんなで>
インドでは、子供は家族全員で育てるという認識があります。
たとえ、結婚後仕事を続けていたとしても、家族が子育てにとても協力的です。
<家事の分担が少ない>
インドでは、中流以上の家庭の多くではメイドを雇って、掃除、洗濯や炊事をしてもらっています。
家事の大部分を委託できるので、かなり楽になります。
デメリット
<人生、行き当たりばったり>
インドの生活は、本当に予定通りにいかないことが多いです。
インド人と生活をしていると、予定を立てた時間通りに実行できることはほとんどありません。その場の成り行きに身を任せられるようになるまで、最初はヤキモキしてしまうかもしれません。
<親戚づきあいが密すぎる>
これは本当に好き嫌いですが、インド人は親戚を含めた家族で本当に密に付き合います。
結婚後も親との同居が当たり前。(別都市に住んでいない限り、別居は本当に難しい。) 親だけでなく、兄弟の夫婦も同居が一般的です。
休みの日にはたくさんの親戚が集まり、地方から親戚が来れば泊め、地方に行っても宿泊は基本的に親戚の家。好き、嫌いは本当に人それぞれですが、苦手な人にとっては大変です。
<女性の社会進出問題>
都会では結婚後の女性が仕事を続けるケースも増えてきていますが、伝統的にインドは女性が一人で外に出るのは危険と思われている国です。
外国人相手なら、話が別な場合もありますし、都会の男性は理解がある人も多いですが、少なくとも両親にはあまりよく思われないことが多いでしょう。
同居の親は理解して温かく見守ってくれていても、親戚に小言を言われることもあります。
<独特の伝統>
相手の家族が地方の出身の場合、地域ごとの独特の風習が強く残っている可能性が高いです。
たとえば、田舎では今でもお嫁さんは他人に顔を見せては良くないと考え、お客さんが来る時には布で顔を隠さないといけない家族が多くいます。
外国人にそこまで求めることはまれですが、結婚前に相手の家族の生活習慣はいろいろと聞いておいた方が良いでしょう。
<未亡人に厳しい国インド>
今では禁止されていますが、インドでは夫を失った女性は自殺をしなくてはいけない風習がありました。
今では廃止されているとはいえ、未亡人が悠々自適な老後というのは難しいのが現実です。
また、離婚者にも厳しく、特に女性の再婚はほとんど理解されません。
時代が代わり、どんどん西洋化されていますが、そのような文化があった国だということも知っておいた方が良いでしょう。
5. インド人との結婚式はどんな感じ?
結婚式
インドは、結婚式が世界一盛大に行われることで有名です。
田舎では、10日間連日パーティーを行うことも珍しくありません。
最近は生活の近代化で、結婚式もコンパクトに行われることが増えてきましたが、それでも3日間はかけて結婚式を行うことが多いです。
現代風結婚式
まずは、式の一か月くらい前に婚約式(リングセレモニー)を行い、指輪を交換します。
結婚式前日は、花嫁サイドの親戚が集まって手などにヘナのタトゥーを描く儀式が行われ、結婚式当日は朝までパーティーが続きます。
通常、結婚パーティーは300人くらいは集まる盛大なものです。
6. 国籍はどうなる?PIOカードを取得して長期滞在
日本人とインド人が結婚した場合、国籍をインドに移す必要がありません。
結婚後にインドに住む場合、日本のパスポートを保持したままで、在留の届けを提出する必要があります。
配偶者がインド人の場合に取得できるPIOカードを取得することで、長期の在住が可能となります。
PIOカード
インド国籍の配偶者がいる人は、PIOカードを取得することでインドに在住することができます。
通常15年ごとに更新が必要ですが、無期限のPIOカードが発行された例もあるようです。
インドの場合、担当者によって対応が変わるため、実際に申請してみないと分からないのが現状です。
- 取得条件: 親や祖父母・曽祖父母がインドで生まれ永住しており、上記の除外国の市民になったことがない。または、インド市民かインド系移民の配偶者。
- PIOカードでできること: インド国内で就学、ビジネス活動が出来る。不動産の所有が出来る。
- PIOカードでできないこと: 政府の許可なしで、制限地域・保護地域の訪問。宣教・登山・研究などの活動。
申請: 必要書類を揃えて、該当地区の担当機関に提出します。通常、約14日で発行されます。(詳しくは、インド大使館のホームページをご覧ください。)
参考:インド大使館リンク
インド人との国際結婚事情まとめ
インド人との結婚に対して、ネガティブな事を含めて実情を書きましたが、実際にインドで出会った国際結婚をしていらっしゃる方たちは、とても明るくたくましく生活をしているように見えます。
家族がとても仲良く生活しているのが、インドの家庭の特徴です。
文化の大きな違いもあるため、事前にいろいろと知っていた方が安心ですが、国際結婚では、自分たちでお互いの文化を尊重しあって、オリジナルの家庭を作り上げるのが醍醐味ではないでしょうか。
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