経済成長著しい隣国の中国。
最近では海外で現地採用として働く日本人も少しづつ増えていますが、今回は中国在住スタッフの経験から、中国での現地就職の状況や就職までの流れ、労働環境や中国で働く魅力などをわかりやすく説明します。
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1. 中国現地の求人状況
香港、マカオを除く中国大陸の現地採用の状況は各都市によって状況が異なります。
北京、上海、広州、深圳などの一級都市は日系企業の日本人の求人が地方都市に比べて多く、給与条件も良いと言えます。
業種は、
- 製造業関係
- 物流関係
の求人が多い傾向にあります。
やはり、中国に進出している日系企業の多くは製造業関係であり、特に自動車業界、電子機器、精密機械、鉄鋼業などの企業が現地に工場を建てて運営しています。
最近では、
- インターネット関係
- コンサル関連
- 保険
- 貿易商社
- 建築関係
- 化学品
- 薬品関係
- サービス業
も増加傾向にあります。
中国では政府の政策で毎年基本賃金を上げていますので、人件費の高騰、建物代の高騰から、日系企業も中国から東南アジアにシフトしている傾向はあるようですが、中国国内でも沿岸部からコストの安い沿岸部へとシフトしています。
今後、内陸部の求人が増える可能性はあると言えます。
求人部署としては、営業職がダントツで求人数が多いです。
その次は、製造関係の営業、品質、生産管理、購買、工場責任者、設計、開発、のエンジニア職が多いといえます。
営業職も製造関係や物流の求人が多く、専門知識や経験を重視する求人が多いです。
エリアで分けると、製造関係、物流関係であれば、
- 華北エリアは大連、天津周辺
- 華東エリアの蘇州、無錫、杭州、福州
- 広東省の広州、佛山、東ガン、深圳
は製造関係の求人が多いです。
北京、上海、広州、深圳の一部では貿易、コンサル関係、商社関係、サービス業が多いです。
2. 中国で就職するためのビザの種類
ビザは基本的にZビザを取得し、現地で居留許可証に切り替えるという方法です。
ビザ取得の条件は年々厳しくなっており、きちんと法律に則った手続きが必要です。
中国の場合は、就職、居住地の都市のビザを取得する必要があり、就労都市によってもビザ取得の難易度が変わります。
比較的、上海や深圳のような外国人が多く就労している都市の方がビザは取得しやすい傾向にあると言えます。
筆者の最初の会社でも広州の法人勤務で、本社がある上海でビザを取得し、広州で勤務という事例がありましたが、基本的には違法になります。
グレーゾーンで取得して勤務している人は多いらしいですが、後々面倒なことになる可能性もありますので気をつけましょう。
就職に必要な履歴書や面接の準備
日系企業であれば、履歴書の書き方も、面接も日本と変わりがありませんが、語学面は重視していますので、中国語、英語のレベルは正確に記入しましょう。
検定資格があれば、記載し、コミュニケーションレベルも記載します。
ちなみに、現地中国人は誇張して履歴書に記載してきます。日常会話レベルなのにビジネスレベルと記載したりというのは当たり前です。
面接官が日本人の場合は誇張表現は嫌がられる場合もありますので注意が必要です。
最近では、日系企業の人事や責任者にも中国人が増えてきています。その場合は中国語か英語になりますのである程度の練習が必要です。
また仕事内容によっては、中国語のスキルを重視する企業も多いなっていて、筆記テストやヒアリングテスト、パワーポイントを中国語で作成といったテストもある場合があります。
まれに中国語不問という案件もあります。
製造業などで、専門通訳がつくというパターンですが、これは品質や開発者などの高度な技術や知識が必要な役職と言えます。
3. 中国の仕事はこう探そう!仕事の探し方
仕事の探し方は、
- 人材紹介会社を通じて紹介
- 現地で直接紹介してもらう
の2通りになります。
参照記事:
人材紹介会社を使う場合
①はウェブ上で登録して、紹介会社の担当者と面接→企業の紹介→企業と面接→内定という流れになります。
日本からでも登録や担当者との面接は可能です。
中国への就職支援を手がけている人材紹介会社は複数あります。
それぞれの会社で持っている案件が異なるため、複数のエージェントに登録しておくことがポイントです。
オススメ海外転職サイト
海外転職サイトへの登録は済ませておきましょう。
海外の転職サービスは各国異なるため、ここでは国内の転職市場においてトップに入る転職サイト、およびハイクラス向け海外転職サイトをご紹介します。
登録無料で利用でき、海外求人数は豊富です。また、職務経歴書・面接対策といったサポートがしてもらえます。
などです。
その他にも中小の人材会社があります。
現地の人材会社もありますが、最初は日系の大手が安心でしょう。
日本人もいて、日本語で対応してくれます。
現地で直接紹介してもらう場合
②は中国現地に最初は語学留学などして滞在し、現地の情報を収集しながら就職活動するという方法です。
企業によっては、人材会社へ手数料を支払いたくないと言う理由で、人材は欲しいけど、人材会社と提携していない企業もたくさんあります。
中国での日本人交流会などに参加すれば、直接名刺交換をして、情報収集ができます。
人材会社経由では得られない求人と出会えるチャンスもあります。
日本でもそうですが、企業は実際に働いてみないとわからない場合が多いです。
可能な限り現場を見せてもらったり、職場の雰囲気や、上司の方、責任者の方とコミュニケーションをとることが重要です。
①、②とも両方活用できればベストですが、やはり短期でも現地へ行って直接活動したほうが、肌で感じる世界があるので良いと言えるでしょう。
面接はできるだけ多く設定したほうが確率は高まります。
また自分の好みもありますのでたくさんの企業と面接することをお勧めします。
交通面にも注意しよう
また中国は広大なので、交通面も要注意です。
大都市は地下鉄が通っていますが、地下鉄がない都市もたくさんあります。
地下鉄、バス通勤だと大都市は大変なラッシュですし、渋滞で遅れも日常茶飯事です。
通勤環境は良く考慮したほうが良いです。
企業によっては社用車で、送迎もあるので確認してみましょう。
4. 具体的な中国就職までの流れ
上記でも触れましたが、以下のステップになります。
- 人材会社か現地で直接企業へアプローチする
- 企業との面接
- 内定
- ビザ手続き
- 引っ越し
- 入社
注意点は、企業がビザをサポートしてくれるかどうかをしっかり確認するということです。
中国では、就労ビザの他に外国人就業許可証というものが必要です。
これは企業側が、政府へこの人材がこういう能力と必要性があるので許可証を発行してくださいと依頼するものです。
中には、中国へ進出したばかりで外国人人材雇用のノウハウがない企業も稀にあります。
また資金力が乏しかったり、法律に曖昧な企業も中にはあります。
有名な大手はまず問題がありませんが、海外進出のノウハウが無い、中小企業は可能性があります。
面接時にしっかり、外国就業許可証のサポートをしてくれるかどうかの確認をしましょう。
また社内で事務担当や、秘書がサポートしてくれることになりますが、その社員が適当だと時間がかかるケースがあり、スムーズに行きません。
中国人社員は日本人のように丁寧に対応してくれないケースもあります。その点も確認しましょう。
5. 中国の仕事(雇用形態)の種類と違い
中国では、基本的に企業で就労する場合は外国人は正社員での就労となります。
パート、アルバイト、契約社員という形態はほとんどありません。
社会保険も基本的に加入しなければいけません。その手続きも会社が行います。
正社員にも契約期間があり、3年間が一般的です。
会社によってはアルバイトのような曖昧な立場でも勤務している人もいるようですが、求人ではほぼ募集は無いです。
最初のステップとしては、きちんと法律にのっとり正社員勤務が基本です。
6. 中国の労働環境
これも各企業によってバラバラです。
しかし基本的には職場は中国人社員で構成され、日本人は2、3人駐在員が配置されると言う形が一般的です。
駐在員が一人と言うケースも多いです。
最近の傾向としては、コストのかかる駐在員をおくより、現地採用者か、中国人社員で現地を運営する企業が増えてきています。
日本人の現地採用でも給与は現地社員の2倍から3倍が相場なので、それ相応の実力と働きがないと、現地社員から容赦なくクレームがくることもあります。
実際筆者は、大手人材会社の営業をしましたが、古株の年上の中国人女性マネージャーから実力と給与の面が合っていないと社長を通して指摘されました。
日本語も堪能で勤務年数が長い彼女から見れば、年齢も若く、経験も中国語も出来ない私は彼女より給与が高かったのですから、無理もなかったと思います。
日系企業であれば、現地中国社員も基本的には日本語ができますので、日本人が必要な理由が無いと、非常に立場が厳しいと言えます。
しかし、中には少人数でアットホームな環境で、日本とは違い、のびのびできる環境の職場もあります。
筆者の2社目の自動車貿易商社はそんな雰囲気でした。
基本的に中国人はおしゃべり好きで、仕事中もよく食べたり、話したりは多いです。無言でコツコツやる日本人の職場とは違う雰囲気と言えます。
そういった面では、リラックスして働ける面もあるかもしれません。
営業職であれば、会社が期待するのは、現地企業の責任者レベルの人とのコネクションです。これは顧客が結局日本人が多いので、同じ日本人営業のほうが良い関係を築けるという見方です。
あとは将来的には、中国社員のマネジメントを期待しているでしょう。
駐在員はいずれは日本へ帰国しますので、その後、現場を熟知して任せられる現地採用者は必要です。
製造業でも、やはり細かい部分で日本人の経験と仕事ぶりは必要とされています。
7. 中国で働く魅力
中国で働くことは人生にとって大きな経験になると思います。
歴史的に日中関係は複雑ですが、経済的には不可欠な関係にある両国です。
中国は広大な国なので、今後沿岸部から内陸部へと経済開発が進んでいきます。
まだまだ発展途上のエリアがたくさんあり、日本人の我々ができること、貢献できることが沢山あります。
言語を習得し、現地の文化と風習を理解していけば、現地の人にも喜ばれるでしょう。
大変なことも沢山ありますが、大きなやりがいも感じられる挑戦ができます。
中国もエリアによっては国際化が進んでいるところもあり、日本では味わえないアジアの勢いを体感できます。
いずれにせよ、今後さらなる発展が期待できる中国での就職は素晴らしい良い経験になるでしょう。
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