留学や、駐在などの理由でしばらく海外に住むことになった場合、何から始めますか?
現地の言葉を勉強したり、住むところの治安を調べたり、その土地の文化を調べたりなど。
引越し後の生活を気にしながら前もっていろいろと準備をすることは当たり前ですよね。
ところが、保険や病院については、いかがでしょうか?
確かに、渡航前後で保険は必ず準備をすると思います。
しかし“どこにどんな病院があるか、どの病院にいくか”なんてことは調べたりしない人が多いのではないでしょうか。
「保険さえ準備しておけば、今は健康だから病院に行くこともないし大丈夫。」
「日本語の通じる病院があると知り合いに聞いたから、全く心配はない。」
そんなふうに思っている方も多いのではないでしょうか。
今回は中国の病院事情について、公立病院や私立病院の違いや保険・救急対応といった、事前にチェックしておきたいことをご紹介します。
いつもは健康な人でも、いつ病気にかかるか、いつ事故に遭うかは予想がつかないものです。
万が一のときに備えて事前に知識を持ち合わせておけば、何かあった時にスムーズに対応ができます。
中国の公立病院について
ご存知の通り、中国の人口は14億人。
日本と比較すれば、いつ、どこにいっても人の多さは桁違いです。
病院もその内の1つ。
たとえば、朝病院のそばを通りすがると、有名テーマパークのアトラクションを連想させるような長蛇の列を見ることができます。
もちろん予約システムがあり、時間を予約してから病院に向かうのです。
しかし、この「予約」は先生との問診時間の予約ではなく、先生との問診を受けるために必要な「整理券をもらう」予約であることも長蛇の列の一因でしょう。
有名な病院のトップドクターは、公立病院でも何ヶ月先まで予約が埋まっているということもしばしばです。
公立病院のドクターたちは、限られた時間の中で多くの人の診療をこなす必要があります。
そのため1人あたりの診療時間は非常にスピーディーです。
ドクターが毎日こなす診療の数もかなり多く、経験豊富なドクターが揃っています。
簡単な診療であればその日のうちに終わることもありますが、そうでない場合患者は複数回に渡って病院へ行かなければならないケースも少なくありません。
人が多く行列ができるとお伝えしましたが、費用を払うことで先生との問診時間を予約するVIPルートもあり、並ばずに診療を受けることもできます。
公立病院へ行く外国人の多くはVIPルートを使っているようです。
後に紹介する私立病院と比較して、公立病院は「治療費を抑えられること」が大きなメリットなので、ご自身の住むところに近い公立病院を1つか2つは調べておくとよいでしょう。
中国の私立病院について
中国には私立病院も多く設立されています。
公立病院と比較すると新しい設備のところも多く、費用もより高額で、人が少ないです。
私立病院の予約システムは先生との問診時間の予約となっているので、待つことは基本ありません。
日本のクリニックと同じぐらい、あるいはそれ以下の人の量なので、日本のクリニックをイメージするとわかりやすいと思います。
特に国際系の私立病院は各国のドクターが揃っているので、母国語で話せるというメリットがあります。
予約も多言語対応していて、日本語のところも多いので安心です。
必要になることが多い総合内科や耳鼻科だけでなく、歯科・心療内科・整形外科・産婦人科・婦人科など、私立病院を探せばそれぞれに日本語の話せるドクターがいます。
日本語が通じるので、体調の変化や違和感などがあれば相談しやすいです。
私立病院は患者のプライバシーについての配慮も高く、問診はすべて個室で行います。
カーテンで仕切っているだけの個室はないので、日本語対応の病院へ行って偶然知り合いに色々聞かれてしまった、なんてことはないのでご安心ください。
総合内科と耳鼻科のほか、ご自身の健康に合わせて、日本語対応の可能な病院やドクターはあらかじめ2~3箇所チェックしておきましょう。
そうすれば休診日やドクターの時間が合わない場合にも、新しく探すことなくスムーズです。
保険について
保険については、学生であれば学生用の保険、駐在の場合は他の駐在員も使用している保険などを準備するでしょう。
学生用の保険の場合は、公立病院のみに適用する場合や、学区内の事故にのみ適用するなど適用範囲が決まっていることがあるのです。
このように、保険それぞれで適用範囲や保険適用可能な限度額が違うので、念のため詳細に確認することをおすすめします。
私立病院であれば、病院側が保険会社への請求を患者に代わって行うダイレクトビリングが可能なところも多いです。
ただし保険の内容によっては、ダイレクトビリングに対応していない場合や、一部の私立病院とは提携していない場合があります。
私立病院で診療をしたあと、ダイレクトビリングのつもりだったのに診療した病院はダイレクトビリング対応不可の病院で、高額な治療費を立て替えないといけなかった…。
そんな話も聞いたことがあります。
そうならないためにも、事前にチェックをお忘れなく。
ダイレクトビリングが不可の場合は治療費の一時立て替えだけでなく、保険金受取のために診断書や診察費明細、領収書などの書類が必要です。
親切に必要な書類をすべて用意してくれる病院もあれば、患者からの要求がないと用意をしてくれないところもあります。
不安な場合は保険会社やブローカー、日本語カスタマーサポートなどに問い合わせをしましょう。
緊急外来について
外国にいて緊急外来へ行くなんてことは、ないことが好ましいですが、何が起こるかは誰も予想できません。
私は健康診断でも引っかかるところがないぐらいの健康体で、緊急外来に行くなんてことは全く思っていませんでした。
しかし本当に予想がつかないもので、一度だけ緊急外来へ行くことがありました。
運悪く祝日に体調が悪くなり、かかりつけの私立病院は休診。
近くのどこに緊急外来の病院があるのかなど知らなかったので、一番近い公立病院の緊急外来へ向かいました。
一番驚いたのは、休日夜の緊急外来受付登録に列ができていたこと。
受付を済ませて診察したい科を見ると、なんと私は40番後の問診でした。
かなり苦しくて緊急外来へ来たのでさすがに待てず、どの国際私立病院の緊急外来へ行けるかを確認し、国際私立病院へ移動しました。
到着後はすぐに問診・処置してもらい、一件落着。
緊急外来へ行くことなんてないと、誰もがそう思っていると思います。
私もその内の1人でした。
ただし、誰にも予想ができないことですし、体調が悪いと判断も鈍ってしまいます。
最寄りの緊急外来対応病院は必ず1つは確認しておきましょう。
まとめ
中国の病院事情、いかがでしたか?
日本にいるときのように「保険さえあれば大丈夫」と思っていると、日本とは違う病院の事情に辛い経験や不便な思いをされるかもしれません。
複雑だから、学校や会社が用意してくれるからと任せっぱなしにしていると、後から困ったことになる場合もあります。
今は健康でも、何か問題が起きたとき、頼れるのは病院だけ。
何かあった時に後悔しないように、事前に確認できることは確認し、万が一のときにも備えておくことが大切です。
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