オーストリアは車の運転がしやすい国で、移動手段としてもとてもオススメです。
ですが、日本で日常的に運転をしていたとしても、所変わればやはり不安ではありませんか?
ここではそのような不安を軽減できるよう
- オーストリア車事情
- 運転するために必須となる免許証
- そして日本とは異なる特に気をつけるべき交通ルール
をお伝えします。
知っておきたいオーストリアの車事情
まずは基本中の基本。
- 走行車線は右側
- 運転席は左側
- 環状交差点/ロータリーも反時計回り
全部日本と反対側です。逆走しないよう要注意です。
制限速度は高速道路で最高制限速度130キロ、国道で最高制限速度が100キロです。
まず一般道の100キロで驚きますよね。
オーストリアは道路状態がとても良いです。比較的道幅は広く、環状交差点/ロータリーが多数ありますので、無駄な信号待ちに苛立つことも少ないです。
さすが雪国なだけあり、積雪時の除雪の速さに驚きます。
基本的にのんびりとした国民性なので、大体の人が安全運転です。
住まいが郊外になった場合、車があった方が断然便利です。
これは郊外在住10年を越える筆者の実体験からかなり自信を持って言えます。
車の運転をする大きな理由として、オーストリアの天候があげられます。雨の日が多い上に、冬が長いのです。
郊外へ行き来しているバスや鉄道は本数が少ないですし、時間もかかります。
自分で運転して行けば、半分以下の時間ですむことがほとんどです。
オーストリア人は駐車が下手?上手?
スーパーなどの駐車場利用の際、日本ではまっすぐ平行に線に沿って駐車しますが、オーストリアではかなりの確率で線を無視してはみ出て駐車されています。
ですが、実は下手な訳でなく気にしていないだけです。
都市部などは路上に縦列駐車することが多いのですが、信じられないくらい狭い場所に上手に駐車します。
縦列駐車が下手だと、都市部で駐車するのに苦労します。
AT車もあるが、圧倒的にMT車が多い
オートマ車限定という概念はないですが、オートマ車も売っています。
中古車はマニュアル車が圧倒的に多いので、オートマ車は選択肢、交渉の余地が非常に狭くなります。
しつこいですが、オーストリアは雪国です。積雪時に坂道を登る際は、やはりマニュアル車の方が回転数など微調整できるので頑張れます。
実は筆者は日本運転免許取得時はオートマ車限定でしたので、わざわざ日本で追加講習を受け、オートマ車限定を解除してからオーストリアに渡航しました。
当初は慣れない土地にほとんど分からないドイツ語、さらに反対側車線のマニュアル車の練習からでしたので、半泣きでしたが、何よりも運転が一番最初に慣れました(笑)。
景色も良く、気持ちよく運転できます。
憧れの高級車ブランドがいっぱい
オリジナル国が近隣国になるので当たり前、といえばそのままなのですが、圧倒的にドイツ車が多いです。
ベンツ、アウディ、BMW、VWは我が物顔でアウトバーンを飛ばしています。
せっかくなので外車に乗りたいですよね。大きなチャンスです。
他には、日本ではあまり見かけないPeugeot、Skoda、ルノー、FIATなどもよく見かけます。
国産車をこよなく愛している方は日本車もちゃんとありますので、安心してください。
運転免許証の切り替えのタイミングについて
オーストリアの車事情が何となくでも把握できたところで、よし、運転してみよう!とモチベーションが上がったのではないでしょうか?
ここからはオーストリアで運転するために必要な運転免許証について解説していきます。
住民登録がない、旅行者の場合
日本で取得した有効期限内の運転免許証と国際免許証の両方の携帯で運転可能です。
日本の運転免許証と在オーストリア日本国大使館で発行してもらう運転免許証抜粋証明を一緒に携帯することでも運転可能です。
居住者であり、住民登録して6ヶ月以上になる場合
オーストリアの運転免許証に切り替えます。
滞在期間が1年くらいでしたら国際免許で乗り切ってしまうのもアリかもしれません。
手続き自体は住民登録から6ヶ月以内に済ませる、ということになっていますが、過ぎてもできます。
ただし、強く注意されたり怒られたりすることもあります。
さらに面倒なことに、あまりにも長い月日をその期間から超えていると、ドイツ語で運転試験を受けなくてはいけない場合もあるようです。
このあたりは運らしいので、早目に手続きをするに越したことはないでしょう。
オーストリアの運転免許証の有効期限は15年間(2019年2月時点)です。
この期限は変わるかもしれないのでご確認下さい。
というのも筆者が切り替えた10年ちょっと前は永久有効だったのです。(有効期限欄が空白です)
この記事を書くにあたって、調べたところ15年に変わっていて驚いた次第です。
オーストリア=EUの運転免許証への切り替え手続きについて
申請窓口の場所
ウィーン市内に住んでいる方はVerkehrsamt(ウィーン州警察交通局)で手続きします。
ウィーン以外に住んでいる方はLPD=Landsepolizeidirektion(州警察本部)か、お住いのGemeinde(地方自治体役所)で申請窓口先を問い合わせてください。
申請の際の必要書類
- 申請書
- パスポート(原本、コピー×2)※原本は提示確認のみでコピーを提出
- 日本の運転免許証(原本、コピー×2)※原本、コピー共に提出
- 運転免許証抜粋証明(在オーストリア日本国大使館発行)
- パスポート用写真1枚
- 医師の診断書(※指定医師発行に限る)
- オーストリア住民票=Meldebestätigung/Meldezettel (原本、コピー×1)
※指定医は申請先でリストを照会できます。
上記のリストは在オーストリア日本国領事サービスHPより抜粋しています。
これら以外の書類提出を求められる場合もあるので、申請先でご確認ください。
コピーの際の注意点として、表裏、両方必ず用意して下さい。
手続き諸費用は、全部で約110ユーロほどかかります。
診断書の金額や申請先などのそれぞれの手数料により変わります。
申請から受け取りまで、平均して2週間前後ですが、まちまちです。
オーストリア免許証の受け取りは、郵送か窓口で直接受け取りか選べます。
日本の免許証の行方について
とにかく必要書類さえ揃っていれば、問題なくオーストリア=EUの運転免許証に切り替えられます。
気になるのが提出してしまう日本の免許証ですが、困ったことに、申請先によって対処が違います。
本来は警察などそれ担当の部署に保管され、一定期間過ぎると(その一定期間はどれくらいなのかよく分かりません)なぜか大使館へ送られ、その後返却されます。
日本の免許証が返還される場合
自分→申請先の窓口→交通局の担当部署(一定期間保管)→在オーストリア日本国大使館→自分
というふうに巡り巡って返ってきます。
大使館まで届いた際は、在留届をきちんと出されている方には、大使館から親切に連絡をくれ、返却してくれます。
ですが、申請時に提出したきり全く音沙汰がない場合もあります。
日本の免許証が返ってこない場合
自分→申請先窓口→???どこかに保管されているはずです。
筆者の知人が以前日本の免許証について申請先窓口で問い合わせたら、オーストリアの免許返還と引き換えなら返却すると返答があったそうです。
こうなると日本の免許証の有効期限内に返却してもらうのはかなり難しくなります。
だいたいせっかく大使館まで巡って戻ってきても、免許証の有効期限が切れていては意味がありませんし、そもそも有効期限が切れた免許証を保管する意味もわかりませんが、こちらからはどうにもできません。
多くの在オーストリア日本人は早々に諦めて、裏技的に紛失したこととして、日本でまた免許を再申請という道を選びます。
もしくは、すっぱり日本の免許証自体を諦めて(無免許になった訳ではないので)、一時帰国などの際で日本で運転する場合は、オーストリア発行の国際免許証を携帯します。
国際免許証はÖAMTC=オーストリア自動車協会で発行してもらってください。
一応記しておきますと、本帰国の際は、オーストリアの免許証から日本の免許証へ切り替えられます。
その手続きの仕方などは日本の免許センターでご確認ください。
とにかく日本の運転免許証は行方不明状態であれ、オーストリア=EUの運転免許証が手に入れば一安心です。
特に気をつけたいルール
運転する上で、重要なことを項目別で解説していきます。
日本と違う点なので特に気をつけてください。高額な罰金を払わなくてはいけなくなったり、事故の原因になり得ることもあります。
高速道路を利用するにあたって
オーストリアの高速道路をAutobahn(アウトバーン)といい、有料です。
ちなみに隣国ドイツは無料。スイスは有料。
近隣国それぞれ違いますので、国境を越える際は確認してください。
余談ですが、ドイツは高速道路面の状態が素晴らしく良いです。
ですので、ドイツ国境を超えた途端、ほとんどの人はスピード狂です。
高速道路は有料ですが、日本のように料金所がありません。
料金所がないのにどうコントロールしているか。それはVignette(ヴィニエッテ)=道路通行料金証明です。
距離に関係なく一律で
- 10日間用
- 2ヶ月間用
- 1年間用
があります。1年間用が90ユーロ弱です。
自分の車を持ったら、忘れないようにしましょう。
ヴィニエッテ(高速道路通行料金証明)について
アナログヴィニエッテはシール/ステッカーになっていて、年毎に色が変わります。
貼る場所は、次の3ヶ所と決まっています。
- フロントガラスの真ん中
- バックミラーの下辺り
- 運転席側の左側上
このステッカーがないとすぐに分かります。
デジタルヴィニエッテはナンバープレートで登録し、購入時に出されるレシートのような証明書を保管します。
これは特にどこかに貼ったりする物ではなく、コントローラーや、警察官に掲示を求められたらすぐ見せられるようにしておきます。
車の買い替えなど予定してる場合は、特にデジタルがおススメです。
これも走行中に特殊な機械で瞬時にチェックできるそうです。ステッカーは貼り替えができませんのでご注意を。
ビニエッテ購入場所はアナログ、デジタル共に、ガソリンスタンドや自動車クラブ(ÖMAT、ARBÖ)で購入、手続きが可能です。
アナログヴィニエッテはタバコ屋、郵便局でも購入できます。
料金を払っていないと罰金が発生します。その場で支払えば120ユーロ、後日振り込みなら更に高額で約300〜3000ユーロです。
アウトバーン渋滞時(渋滞=Stau)
アウトバーン走行時で覚えておいた方が良い大切なルールをもう一つ。
渋滞した際、真ん中を広く空けて、それぞれの車線をまたがるほど外側ギリギリを走行します。
緊急車両が通れるようにするためです。
間違っても、空いていると思って、そこをすり抜けて走行してはいけません。
車線の本数によって寄せる側が変わることもあるので、前方車両に従います。
渋滞時の車線変更もしない方が良いです。
一般道での優先
バスやトラム優先を徹底してください。
かなり強引に割り込んできますが、万が一ぶつかった場合、ほぼ100%一般自動車に非があるとされます。
道路上などにBUS、LKWと書いてある車線はバスと大型輸送トラック専用車線です。
一般車両は走行できません。
横断歩道があるところで歩行者がいれば、止まって横断するまで待ちます。
日本では信号がないとなかなか渡れませんが、オーストリアではすぐ渡れます。
止まらないと通報されることもあるらしいです。
ラウンドアバウト式の交差点は内側が優先です。
反時計回りなので入る時は左側注視になります。出る時は右に方向指示器を出し出ます。
自転車は車両扱いなので、車両用道路を行き交います。
手信号で合図はしているものの、見えにくいですし、すり抜けて出てくることもあるので注意してください。
駐車の際に知っておきたいこと
青い線内は駐車可です。
白い線内は荷物上げ下ろし用短時間の駐車が可能です。
時間帯によって有料だったり、制限時間を設けられていたり、また休暇期間内、夏シーズンと冬シーズンでも変わります。
120分の駐車が可能で、Parkuhrを使用します。
Parktiketパークチケット(駐車券)とParkuhrパークウア(駐車時間表示時計)がポイントです。
それぞれ近くにある標識ボードを確認してください。
Parktiketは近くにあるチケットマシーンで分単位で買い、マシーンから吐き出された紙に駐車可能時間がプリントされています。それを車の中フロントガラスの所に置いておきます。
Parkuhrは停めた時間に合わせて、同じく車内フロントガラスの所に置きます。
最近は主要都市部では電子駐車チケットも利用できます。
いずれも、面倒だからと標識指示通りにしないと駐車違反で罰金です。
意外と細めにコントロールされるので気をつけてください。
さいごに
非常事態のために知っておくべき連絡先リストです。
- 警察:133
- 救急:144
- 消防:122
- 救急医:141
- 非常電話:112
- ÖAMTCロードサービス:120
- ARBÖロードサービス:123
最初は怖々の運転かもしれません。ですがすぐに運転できることが嬉しくなるでしょう。
それだけ快適な環境が整っています。
そしてぜひ色々な所へ出向いてドライブを満喫してくださいね。
お互いに安全運転で楽しみましょう!
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