有名なリゾートアイランドのバリ島をはじめ、首都ジャカルタや世界遺産の仏教寺院遺跡のボロブドゥール、ヒンズー教寺院遺跡のプランバナンなどがあるジャワ島、世界的なダイビングスポットが多くあるスラウェシ島など、魅力的な観光地が満載のインドネシア。
また、好調な経済成長とともに日々都市開発が進んでいる首都ジャカルタには、多くの日本人が駐在しています。
さらに、リタイアメントビザの発給により近年ロングステイ先としても注目されていることもあって、インドネシア全体を見てみても在留邦人数は増え続けています。
このように、観光地としても、居住地としても近年存在感が増しているインドネシアですが、やはり気になるのは治安についての情報です。
この記事では、2017年時点での最新の情報を交え、インドネシア在住13年の在住者から治安についてお話してみたいと思います。
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外務省発表のインドネシアの危険地域情報や危険度は?
外務省発表の危険情報は、
パプア州プンチャック・ジャヤ県及びミミカ県、および中部スラウェシ州ポソ県
で、レベル2に(不要不急の渡航の中止)の情報がでています。
分離独立や州の分割問題を抱えるパプア州及び西パプア州の一部の地域では治安が不安定な状況が継続しており、また中部スラウェシ州ポソ県では,以前起こっていたイスラム教徒住民とキリスト教徒住民の間の衝突は現在沈静化しているものの,同県郊外に潜伏しているとみられるイスラム過激派による警察官や住民への襲撃が繰り返し発生している状態にあります。
上記を除くすべての地域(首都ジャカルタ及びバリ島を含む。)はレベル1(十分な注意が必要)となっています。
ジャカルタの治安、危険情報は?
堅調な経済成長を続けているインドネシアですが、所得格差は依然として大きな開きがあり、多くの貧困層や失業者を背景に、置引きや空き巣、スリなどの窃盗事件や強盗事件が頻発しています。
近年はチンピラに集団で襲われるなどその手口も大胆かつ凶悪化してきており、特にジャカルタでは、
- タクシーの運転手に見知らぬ場所へ連れていかれて金銭を脅し取られるタクシー強盗
- 道路にくぎをばらまいてタイヤをパンクさせ、降車して気を取られているうちに金銭を奪うパンク強盗
- 路線バス内での集団スリ、オートバイなどによるひったくり
なども発生し、金品を奪われるだけでなく身体に危害を加えられるようなケースも発生しています。
また、首都ジャカルタでは、小規模なものから大規模なものまで、労働団体や政治団体、学生等による集会やデモが日常的に行われています。
小競り合いから暴動に発展し、負傷者が出ることもあります。
もし、集会やデモの現場に遭遇した場合は、直ちにその場を離れましょう。暴動や群衆のパニックに巻き込まれることもあるので、興味本位で現場を見物に行くなどの行為は絶対にやめましょう。
なお、在留者は、在インドネシア日本国大使館のメールマガジンに登録しておけば、大規模なデモなどの情報が事前に届くので外出時にそのエリアを回避することができるので、登録しておくことをお勧めします。
バリ島の治安、危険情報は?
バリ島は、観光地ならではの犯罪が多く発生します。代表的なものを以下にまとめます。
両替トラブル
インドネシアの通貨のルピアは桁数がとても多く、慣れないうちは混乱しがちです。
両替の際に、お金を少なく渡されたり、分厚い札束に圧倒されているうちにお札を抜き取られたりするトラブルが頻発しています。
帯付きの札束も中身が少ないことがあるので、必ず数えます。特に異常にレートのいい両替屋は怪しいと思った方がいいです。
また、10,000ルピアと100,000ルピアなどは、お札の色も似ているので、桁を間違えないようによく注意しなければなりません。
恐喝
外国人観光客はインドネシア人からは皆大金持ちに見えます。
お土産や伝統芸能の鑑賞などに、ツーリスト価格があるのはある程度はしょうがないのですが、ガイド、サービスや物品に対し相場を大きく超える法外な金額を要求されるなどということがあるようです。
筆者の場合は、ブサキ寺院でやられました。
個人で行ったら、ひとけのないところで大勢に囲まれて、本来は5万ルピア程度が適正なのに多額のお布施を要求され、結局脅されるような形で1万円札を渡してしまいました。
寺院自体は神秘的でとてもすばらしいのに、本当に残念でした。
詐欺
言葉巧みに話しかけてくるバリ人の中には、残念ですが詐欺目的で近づいてくる人もいます。
人懐こく日本語で話しかけてくるインドネシア人に騙されて、結婚詐欺、不動産詐欺、賭博詐欺などの被害に遭わないよう、いくら親切にしてもらっても、相手を信用しすぎないようにしましょう。
ドラッグ
世界中から観光客が集まるクタやレギャンなどの繁華街では、売人が外国人によく声をかけています。
インドネシアでは、禁止薬物を使用すると、最も重い刑で死刑になります。
警察による麻薬のおとり捜査も行われています。興味本位で手を出すのは絶対に避けましょう。
インドネシアではどんなことに注意すべき?安全対策
これらの犯罪行為やトラブルに巻き込まれるのを避けるために、常に危機意識や緊張感を持って行動することが大切です。
インドネシア人にとって、日本人は経済的に裕福であると見られがちであり、窃盗や強盗などのほか、テロや誘拐等の標的にされる可能性があることを、充分に認識する必要があります。
このため、犯罪の対象として目をつけられないためにも、高価な装飾品や高級ブランド品を身に着けて出かけるのは極力避けた方が賢明です。
また、外を歩く際も、歩きスマホ等の油断した行動をせず、背後に怪しい人物がいないか周囲に注意を払い、ひとけのない時の歩道橋などは通らないようにしましょう。
現金やクレジットカードも最低限のみを持ち歩くようにしましょう。
【厳選!安全対策グッズと知識をお伝えします】
- 財布の数は2つ以上
- 革財布で高級感を。さらにチェーンも複数つける。
- 「スキミング防止」機能付きのパスポートケースやバッグを選ぶ
- 体に密着したかばんを
- 窃盗防止アイテムをいくつか所持する
- 犯罪の100倍遭遇!?交通事故を防ぐ反射リストバンド
- スーツケース施錠は必須。必須の南京錠
など、防犯グッズと安全対策を押さえておきましょう。
テロの可能性は
2002年のバリ島のクタ地区での爆弾テロ事件から、「ジュマ・イスラミーア(JI)」が首謀したと見られる大規模な爆弾テロ事件がジャカルタおよびバリ島で4年連続で発生し、また、2009年7月にもジャカルタで発生しました。
その後,テロの実行グループに属するとみられるメンバーの多くが各地で摘発され,JI等イスラム過激派組織は弱体化し、テロの実行能力も大幅に低下したものとみられていました。
そのような中,2016年1月,ジャカルタ市内中心部のタムリン通りにある警察詰所,コーヒーショップ及びその周辺において爆弾テロ事件が発生し,4人が死亡,24名が負傷しました。
この事件に関しては,JIではなく,「ISILインドネシア」なる組織名で犯行声明が出されました。
インドネシア警察当局は、これら事件発生を受けて再発防止のための高度の警戒態勢を敷いて捜査を展開し、主要な被疑者は射殺又は逮捕されましたが、新たな要員へのテロ遂行のノウハウが伝承されている可能性や中東のテロ・グループとの連携動向がうかがえるなどから、再びテロ事件が発生する可能性は排除できません。
祭日など人出が多くなる時期、人口が集中する首都や地方の州都、外国人が集まりやすい観光地のほか、ホテル、ショッピング・モール、空港などは、テロ攻撃の対象となりやすい傾向にあります。
したがって、不審な人物や車がいないか、不審物が置かれていないかなど、周囲の状況に充分に注意を払って安全確保に心がける必要があります。
万が一の際の連絡先
何らかのトラブルに巻き込まれ、緊急を要する場合の連絡先の電話番号は、日本と同じで警察は110番、救急車は119番です(24時間対応)。
パスポートや現金などが盗まれた場合、現地の日本大使館を頼ることになります。
ジャカルタの場合:
在インドネシア日本国大使館(Embassy of Japan in Indonesia)
住所:Jalan MH Thamrin No.24、Jakarta Pusat、DKI Jakarta 10350
電話番号:+62 21 3192 4308
開館時間:8:30~12:00、13:30~15:00
休館日:土、日、祝日
ホームページ:http://www.id.emb-japan.go.jp/index_jp.html
バリの場合:
在デンパサール日本国総領事館(Consulate-General of Japan in Denpasar)
住所:Jl. Raya Puputan No.170, Renon, Denpasar, Bali
電話番号:+62 03 6122 7628
開館時間:8:30~12:00、13:30~16:00
休館日:土、日、祝日
ホームページ:http://www.denpasar.id.emb-japan.go.jp
手元に携帯電話がない場合、周囲に助けを求めましょう。
日本大使館に連絡してください。:
TOLONG HUBUNGI KEDUTAAN JEPANG. (トロン フブンギ クドゥタアン ジュパン。)
インドネシアの治安まとめ
筆者はインドネシアに住んで13年目ですが、その間には
- 混雑したバスターミナルでバスを降りた瞬間に囲まれて携帯をすられたこと
- 学生寮の部屋にカギをかけないでいたらカメラを盗まれたこと
- 窓を開けたまま寝てしまったら、わずか10cm程度の窓の隙間から腕時計や財布や携帯が盗まれたこと
- 空港のトイレで置引きにあったこと
…など、実にいろいろなことを経験しました。
これらのことは、すべて公共の場での警戒心に欠けていたこと、ちょっとなら大丈夫だろうという油断があったこと…が原因です。
確かにインドネシアは日本に比べると治安は悪いです。
しかし、危機意識や緊張感をもって日々生活すること、簡単に人を信用しすぎないこと、信用できる交通機関を利用すること、夜間の外出は避けること…など、常識的な行動をすることで、犯罪に遭うリスクは確実に減らせます。
インドネシアで安全に快適に過ごすためには、情報収集を怠らず、ここは外国であり、あくまでも自分は外国人として目立ってしまうのだ、ということを認識し、配慮のある行動を行うことが大切です。
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