オーストリアに移住して12年。
二人の子供を育てつつパティシエとして働いているyukoさんにお話をお伺いします。
この記事は、Youtubeインタビュー動画の書き下ろしです。Youtube動画へのリンクはページ下部をご覧ください。
オーストリアへ移住したきっかけやこれまでの経緯は?
きっかけは結婚と震災
元々はオーストリア人と結婚しており、東京に住んでいました。
しかし、2011年の地震をきっかけに、東京で子育てをすることに不安を感じ、オーストリアに移住を決意しました。
地震がきっかけだったので、言葉も何も分からない状態でやってきました。
当時はオーストリア以外の選択肢がありませんでした。
オーストリアとの最初の接点
中学2年生の時に家族でオーストリアに旅行に行ったのが最初です。
いとこがウィーンで音楽の勉強をしており、両親が一緒に行こうと誘ってくれて初めて海外に行ったのがオーストリアでした。
すごい衝撃を受けて、海外の生活がどういうものかを実感する機会になりました。
この旅行が、学生時代にオーストラリアやニュージーランドなど海外に行くきっかけにもなっていますね。
オーストリアへの移住
オーストリアに移住を決めた時、上の子が生後1ヶ月程度でした。
当時は、子育てが手一杯で、何も準備できなかったんです。
言葉はわからないし、生活環境が全然違うし、大変なことがたくさんありました。
移住してからの最初の3年間はとても大変でした。
日本と海外(オーストリア)の生活環境の違いとは?
意外と寒いオーストリアの気候
最初に驚いたのは、やはり気候の違いです。
夏はあっという間に終わってしまいます。
一週間で25~26℃から10℃台に下がることもあります。
暖かい週が3回くらい来ると夏が終わる感じですね。
8月の終わりはもう秋という感じですね。
オーストリアは、冬マイナス20℃とかになります。
非常に寒いです。
マイナス10℃くらいで子供たちもジャケットを着て学校に通っています。
日本の雪国みたいですね。
周りは山ばかりなので、スキー場まで車で5分程度で行ける場所もあります。
ただ、湿度があまりないので、マイナス10度でもカラッとしています。
体感的にそれほど寒く感じません。
中学校のグランドは、冬に氷が張られてスケート場になります。
山には常に雪が積もっています。
8月の一ヶ月くらいだけ雪がなくなりますね。
オーストリアは家族や親戚の絆が強い
オーストリアでは家族や親戚との絆が非常に強いです。
例えば、家族や親戚の誕生日があると、家族全員で祝いに行きます。
宗教的なイベントやクリスマスなどの行事ごとにも、みんなで集まり、ご飯を食べたり、お茶を飲んだりします。
最初のうちはこれが大変でした。
言葉も分からないし、絶対参加しないといけなかったからです。
オーストリアでは子供のいる家には、必ずと言って良いほどトランポリンがあります。
遊園地によくある遊具が家庭にあったりしますね。
誕生日パーティーに呼ばれた家にあったのですが、レンタルできるそうです。
地方の町では方言が強く言葉の壁を感じる
旅行の時は、オーストリアでも英語がある程度通じると思っていましたが、それは大きな都市での話です。
現地で生活すると話は全く違います。
私が住む村は人口約6,000人で、小さな子供でも方言がきついです。
学校では標準ドイツ語が教えられているはずなのに、誰も標準語を話していません。
周辺国へのアクセスが良いのはメリット
オーストリアはヨーロッパの真ん中くらいに位置しています。
いろいろな方向に飛行機雲が出来ている光景をよく見ます。
私の住んでいる場所は、周辺の国に行きやすい場所にあります。
例えば、イタリアの国境まで2時間、スイスまで2時間、ドイツまで15分くらいで行けます。
EUになってから、車で運転していく場合は、パスポートもいりません。
様々な所に旅行できるのがメリットですね。
和食が人気
これは、ホテルの同じキッチンで同僚がお寿司を作っている写真です。
お寿司は日本人が食べると、ちょっと違う感じですが、現地では人気です。
最近は、和食が注目されているので、昔は手に入らなかった食材をスーパーで入手できるようになってきました。
豆腐や冷凍餃子など、3~4倍の値段はしますけれど、日本食が食べれるのはうれしいですね。
近くにも日本人が経営する小売店や美容室などがけっこうあります。
オーストリアで働くことについて
オーストリアでパティシエになったきっかけ
日本でも製菓学校に行ったことはなく、ただお菓子作りが好きで、独学で始めました。
その後、自分のYouTubeチャンネルを開設し、お菓子作りの動画などを投稿していました。
当初、日本に帰ろうと思っていたのですが、子供の事情で帰国できず、現地で仕事を探さざるを得ませんでした。
そんな時に、ネットでパティシエの求人を見つけて面接に行きました。
私は、過去にパティシエとして働いた経験はなく、履歴書にも書けるものが全くありませんでした。
それで、自分で作ったお菓子を持って行きました。
社長さんがすごい良い人で「やってみる?」と言われ採用されました。
パティシエになって3年目になります。
ホテルでは、アイスケーキを作ったり、子供の誕生日のケーキを作ったりしています。
また、注文があれば300人分のデザートを作るような仕事もしています。
職場での多言語コミュニケーションに一苦労
ヨーロッパでは、さまざまな国から人が集まっています。
同僚もポーランド、ルーマニア、スロバキア、スペインの方など、言葉がバラバラなんです。
言葉を切り替えるのが大変です。
たまに切り替えがうまく行かない時があって、自分が何語を喋っているのか分からなくなります。
海外で仕事を得るためには自分で壁を作らないことが大事
私の場合は、意外とあっさり仕事が決まりました。
何でもやってみたほうが良いと思います。
自分で壁を作ってダメだと思うのはもったいないです。
失敗したとしても次に活かせばいいし、行動していったほうが楽しいですよね。
yukoさんがこれからチャレンジしたいこと
今、私が目指しているのは、パティシエの道を究めていくことです。
より上手になること、そして技術の幅を広げることです。
具体的には、アメリカに10週間ほど研修に行く計画を立てています。
ウィーンやドイツでは製菓学校に1年間行く必要がありますが、アメリカなら2ヶ月くらいで学べます。
このくらいの期間なら子供も見てくれる人がいますし、会社も良いと言ってくれたので、お金はかかりますが自己投資することにしました。
海外に住みたい人へのアドバイス
行動を起こしていない時には、いろいろ頭で考えてしまうので、国外に出ることが怖かったり不安だったりすることも多いと思います。
しかし、一歩踏み出してやってしまえば何とかなるものです。
それで、海外に行きたいと思うなら、実際に計画してやってみることはすごく大事だと思います。
海外に行くのは高いハードルに感じられる方もいると思います。
でも、誰もが初めは同じ。
日本で生まれた方であれば、その不安がゼロの人はほとんどいないと思います。
誰もが不安を感じながら、最初の一歩を踏み出します。
でも、それを恐れずに行動したほうが良いと思います。
一回しかない人生なんですから。
やりたいことをやり、行きたいと思った場所に行ったら良いですよね。
もちろん、いろいろつらい経験もしてきました。
結婚~移住を決めてから今まで、メンタルを病んだり、パニック障害になったりしたこともありました。
東京の地下鉄に乗れなかったこともあります。
やっていない時は、どんどん怖いことを考えてしまうんですよね。
私も色々なことが怖いという経験をしました。
だから、怖い気持ちや不安な気持ちはよく分かります。
最初、オーストリアに来た時には他の選択肢がなかったですし、自分で自分に「何もできない外国人」というレッテルを貼ってしまっていました。
元夫に頼り切りでしたし、自分から仕事をしたり旅行に行こうと思ったりしたこともありませんでした。
でも、離婚を決意してから、いろいろ自分でやっていかなければ行けないんだと思うようになり、近場の山とか湖とか行くようになりました。
ちょっとずつ仕事をしたり、電車でパリに行ってみたり、できることを増やしていきました。
そのうちに、だんだん自分に自信が持てるようになって、今は楽しいと思えるようになりました。
今の自分が見ている風景は、過去の自分が頭で作ってきたものです。
だから、未来に見たい風景、見たい景色は、今自分が頭で考え、感じることから始まります。
今、起きている出来事は過去の自分が作っているので変えられないですけれど、未来のことは、今からどうにでもなります。
こうなりたいと思う未来を思って、具体的に行動計画を立てて行動していくことで人生が変わっていくはずです。
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