オーストリアといえば、スキー大国、そして音楽の都。
アルプス山脈を代表格に大自然に恵まれ、また文化的にも興味深い歴史を背景に、建築物や街並みがとても美しい国です。
そんな国で生活されるなら、まず気になることのが「オーストリア人ってどんな感じ?」です。
ここでは、現地在住者がオーストリア人について感じることを率直に交えながら、その特徴と性格、対処法を解説します。
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オーストリア人の大きな特徴4つ
オーストリア人の性格について、大まかに言えることは4つあり、
- 内向的
- 真面目
- おおらか
- 少々気分屋さん
です。
外国人への典型的なイメージである「大きなジェスチャー付きでフレンドリー」とは対照的な性格で、オーストリア人は内向的です。
誰かれ構わずどんどん話しかけて、誰でも歓迎します、というような国民性ではありません。
最初はある程度、距離を置かれることが多いですが、こちらが丁寧に一生懸命話せば、一生懸命に聞いてくれます。
根は真面目で、表面上ではきちっとしたいのですが、のんびりしている面も大いにあります。
よって随分と気分にムラがあるように見える時があります。
隣国のドイツ人と比較しやすい、されやすいので、あえて触れますが、
同じ生真面目な性格でも、
- ドイツ人は、真面目で隙がない、ストイック
- オーストリア人は、真面目ながらも、気分次第
といったことが挙げられるでしょう。
役所での体験談
例えば、役所でのシーン。
担当者によって対応が違ったり、運が悪いと、同じ人でも日によって態度が変わります。
- そろえて持っていかなければいけない書類が微妙に違う
- 受取日が人によって言うことが違う
ことがあります。
たまに、これって差別かなぁ〜と感じるくらい素っ気ない対応もあります。
重要な事柄があるときは、オーストリア人か、ドイツ語が堪能で役所手続きに慣れてる人と一緒に行くことをおすすめします。
オーストリア人の特徴、押さえどころはこの7つ
① きれい好きで、物持ちがとても良い。
綺麗好きで物を長く大切に使います。
リサイクルや環境問題などにも気を配っています。
ですので、日本の感覚で、使い捨てすると、とても嫌がられます。
電気や水もまた日本の感覚でジャンジャン使うと嫌がられます。
お風呂は湯船を溜めてしょっ中入っていると、驚かれ、さらには勿体ないと言われます。
ゴミ出しは分別をきっちりするので、混ぜて捨てるとすぐに注意されます。
ほとんどの家の庭などに、コンポスト用と、雨水を貯めるタンク類をそれぞれ設置していて、無駄をなるべくなくし、資源を大切にするよう、各自が意識しています。
②オーストリアは放置プレイ主義!?はっきり伝えましょう。
オーストリア人は、こちらがアクションを起こさない限り、基本的に放っておかれます。(笑)
言葉の壁があったとしても、諦めないで、伝えたいことはしっかりと伝えた方が良いです。遠慮しなくて大丈夫!
こちらがはっきりとしないと、相手もはっきりしない上に、下手をすれば誤解を招き兼ねません。
日本人はニコニコしてるだけで、何考えてるか分からない、と言われてしまうので、主張は大切です。
助けが必要でも、はっきりと伝えなければ、オーストリア人から察してくれ、手を差しのべる、話し相手になってくれる、ということは、ほとんどないと思っておきましょう。
③ 楽観的なのに、口から出るのは文句が多い?
大多数の人が、楽観的であるのに、文句タレです。(笑)
前述した通り、お願いすれば、聞いてくれますし、手伝ってもくれます。
ですが、何かしら、ひと言ふた言、文句あるいは嫌味を言われたりします・・・、しかも、すぐにやってくれないことも多々あります。
飽くまでも、彼等のタイミングなんです。
また、親しくなってくると、何気ない世間話などでも、何らかの不平不満が多いかもしれません。
聞き手側としては、辛いですが、深刻な事はほとんどないので、「そりゃ大変だね」と、聞き流しましょう!
愚痴を聞かされて、こちらが困るとか、気分が悪くなるとか、微塵も気にしていません。
でも話し終わった直後から、本人達もほぼ忘れます。
ですので、こちらも気にせず、すぐ忘れましょう!
④ 世界の中心は自分。正しいのも自分。
まず一番大事なのは自分。
そこから、子供、家族、パートナー、友人、というように、とても分かりやすい基準で物事を考えます。
自分が大事なので、自己主張をしっかり、トラブルがあれば、すさまじい気迫で自分を擁護します。
おそらく、自己を犠牲にして、何かするという概念は無いのだと感じます。
悪かったのは、ほぼいつも、本人以外の何かです。
日本人の感覚ですと、ここで謝ってくれないと先に進めない、許せない、納得できない、となることが多々あります。そうなると永遠に平行線となり、異常なフラストレーションが残ります。
ごく稀に、オーストリア人も謝りますが、これまた、何かしら文句や嫌味を言うか、謝りながらも、最後まで言い訳し続けます。(笑)
ですが、この件は、日本人が特殊という話もよく聞きます。
オーストリア人に限らず、日本人以外は、滅多に素直に謝らない。というのが世界の通説かもしれないです。
⑤ドイツと一緒にされると不機嫌、ムキになる。
オーストリア人、自尊心が高いがゆえなのか。
とにかく、ドイツと一括りにすると、明らかに不機嫌になります。
言語が同じドイツ語なのと、歴史を辿ると境界線があやふやなので、うっかり、同じようなものだろうと思いがちですが、
オーストリア人にしてみれば、全然違うらしいです。
もう一つ重要な点は、同じオーストリア内であっても対地方で、お互いに牽制し合っています。
特に首都ウィーンはやはり別格なようで、ウィーン人と名乗り、他、地方のオーストリア人と一緒にされたくないように感じます。
逆も然り、ウィーン人は高飛車で鼻持ちならない、と毛嫌いするオーストリア人も多々います。
さらに細かく言いますと、チロルも。
方言もかなりあるため言語自体理解不能だったりします。でもこちらは、牽制し合うというより、単純に、別の民族と捉えてるようです。
ですが考えてみると、私たち日本人も、アジア人で一括りにされるのは、ちょっと傷ついたりします。同じような感覚なのでしょう。
とにかく、驚くほど過剰に反応しますので、その辺りに触れたいのなら、覚悟して触れましょう。
補足として、アメリカについても触れる場合も覚悟して、話すべき内容かもしれません。
⑥ 子供好き、子供連れに優しい。
もちろん場所によりますが、基本的に子供がうるさいのは当然と思っているようで、気にしていません。
決して無関心な訳ではなく、ニコニコと微笑みながら見守っていてくれるという感じです。
小さな子供連れで、沢山の荷物とバギーでオロオロしていると、すぐに気づいてくれ、助けてくれることが多いです。
ほとんどのレストランやカフェで、おむつ替え用の台や、幼児用のイスは常備されています。
ショッピングモールなどは、子供用の遊び場が広くあり、託児サービスもあります。
子供手当や学費、医療費、また教育システムなども日本と比べると、惜しみなく、税金を費やしてくれています。
オーストリアではペットにも寛容?
余談ですが、ペットにも寛大なようです。
猫は何処の家の子か、はっきり分からないくらい自由に過ごしていますし、犬もリード無しで散歩している人を多く見かけます。
レストランやショッピングモールの建物内でも、犬はリードこそ付けていますが、飼い主と一緒に入ってきます。
ちなみに、スーパーは、動物の連れ込みはNGです。
⑦ 色々と割り切りが良い。
- パートナーとの時間
- 子供との時間
- 家族の時間
の線引きがはっきりしていて、それらはとても重要視されています。
子供に大らかと言っても、ただ甘やかしている訳ではなく、例えば、小さな子供は、19時に寝室へ行かせて、1人で寝させる家庭が多いです。
その主な理由は、「夜は大人の時間として、親もリラックスできるように日々しっかり確保したい」ということだそうです。
また、これはオーストリアに限ったことではなく、欧州全体で、いわゆる、パッチワークファミリーや、それぞれ親のパートナーが変わることが多いので、兄弟姉妹でも、母親が違ったり、父親が違うというのも珍しくありません。
このようなファミリーは、それぞれの関係が非常に複雑そうですが、意外とお互いシンプルに付き合い続け、基本的に良好です。
日曜、祝日は、レストランやカフェ以外のお店は、ほぼ全部閉まっていて、静かに家族と過ごしましょう、という日です。
ですので、日曜、祝日に大きな音(芝刈りや大工仕事など)を立てると、近隣から苦情がきます。子供がお友達と遊びに行き来するのを好まない家庭も少なくありません。
体験談:オーストリアに来て感じたこと。〜日本人とオーストリア人の違い
日本人である私達は、自分の機嫌や都合を明からさまに人に押しつけるのは良くないこととして、不満、不愉快なことがあっても、隠そう、我慢しようという人が多いでしょう。
しかし、オーストリア人はプライベートでも仕事でも隠す気もなく、我慢もしません。当然のように主張してきます。
私自身の体験談ですが、オーストリアに来てすぐの頃。
ちょうどお昼時で、ちょっとカジュアルなレストランに入りました。
テーブルについてから、店員が来るのをかなり待ち続けたあげく、やっと来た店員に「混んでるから、オーダーを取りたくない」と言われたのです。
さすがに、これは驚きでした。(笑)
日本では絶対あり得ないことだと思います。
その店はすぐ出ましたが、さらに驚いたのは、一緒にいたオーストリア人が全く動じていなかったことです。
これは、日常なんですね。
当時は、とんでもない国だ!と思いましたが、今では「あら。それじゃ、コーヒーだけでも無理?」と聞けます。
で、コーヒー、飲めちゃうんです。(笑)
すいてくれば、もちろん食事もできます。14時までなら。
*こちらのレストラン、日本のように、基本的に店員さんを呼びつけません。向こうから来るのを我慢強く待ちます。
ちなみに、仕事は定時あがり、休暇もしっかり消化します。残業は滅多にしません。お店屋さんも、閉店間際は入れてくれません。
オーストリア人の特徴まとめ
まとめると
- 内向的、真面目な人が多い
- 綺麗好きで、節約の意識が強い
- 日本人はとにかく主張することに慣れよう
- 文句があっても聞き入れ、さらっと流そう
- ドイツやアメリカのテーマは慎重に
- 子供には優しい環境
- 割り切りが良いので、自分たちの時間を大切にする
です。
オーストリア人は意外と大ざっぱなので、あまり堅苦しく構える必要はありません、
何かとこだわりの強い国民性ではありますが、基本的に、のんびりした人たちですよ。
顔も少々強張っていますし、ドイツ語自体の発音がキツイので、怒っているように伺えることもあるかもしれませんが、ほとんどの場合、寒いだけなのです。(笑)
それに慣れれば、もう大丈夫!
きっとうまくオーストリア人と付き合っていけますよ♪
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