日本と同じく、最適な交通事情は生活エリアでかわってきます。
例えば、スイスのベルンやチューリッヒ、ジュネーブなど大きな都市に住むのであれば電車とバスで十分ですし、カントリーサイドに住むのであれば自家用車があると便利です。
今回は、スイス東部ザンクトカレン州在住のSさんからの情報です。
Sさんは通勤に自家用車、奥さんと高校生の子供さんはバス、電車を使って生活しています。
都市部ではないためバスの便数は1時間に2本と限られていますが、朝5時台から夜11時台まできっちり30分間隔で走っており、遅れは滅多にありません。
バスと電車は別会社の運用ですが接続も大変良く、駅で何十分も電車を待つことはありません。このあたりの設計は大変良くできています。
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スイスの電車(SBB・スイス連邦鉄道)の利用方法
基本的にスイス国内の電車はSBB(スイス連邦鉄道)が運営しています。
英語のページもフルサービスで利用可能です。
多くのホームページは英語で対応していますが、肝心な内容はドイツ語など現地の言語でしか書かれていない場合が多いので、このHPは嬉しいところ。
URL:SBB(スイス連邦鉄道)
チケットの購入方法
チケットは駅窓口、駅設置の自動販売機で購入可能ですが、SBBの発行するSwissPassを持っていれば上記HPからの購入も可能です。
駅で購入する場合は
- 行先
- 車両等級
- 片道or往復
を指定します。
購入方法は現金、クレジットカード、デビッドカードいずれもOKです。
キップ購入の際にタイムテーブルを頼むことができます。
タイムテーブルは目的地までの電車が何時何分にどの駅の何番線に到着し、乗り換えの電車がどのプラットホームに何時に到着するかを印刷した紙片で、無料でもらえます。
乗り方
日本のように改札口はありませんので、乗りたい電車が来たらそのまま乗り込みます。
※電車には1号車、2号車の区別がありますので、間違えないように。
プラットホームのどのあたりにどの等級の車両が来るかも電光掲示板で表示されますので、事前に自分の乗る車両に移動しておくと便利です。
1号車と2号車で座席の広さはあまり変わりませんが、1号車のほうが若干椅子が豪華で、混んでないのが特徴です。
発車ベルが鳴ることなく、時間が来たら電車は静かに滑り出します。
しばらくすると、車掌が見回りにきてキップの確認を行います。
きちんとしたキップを持っていないとペナルティが大変大きいので、注意が必要です。
以下のケースは全てペナルティになります。
- キップは買ったが、紛失した。
- キップに記載してある経路とは異なるルートの車両に乗車している
- 2等車のキップで1等車に乗車した
- 誤って子供用のキップ、もしくは割引キップを購入した
以前は車内で不足分を車掌に支払うことができましたが、2011年12月以降、この対応はなくなりました。
乗車距離が短い場合には車掌が来ない可能性が高いということで、無賃乗車する人たちが増えてきたのが一つの要因とされています。
もし違反をした場合、違反者として2年間登録されます。
ペナルティの金額:
ペナルティは以下のようになっています。数字の単位はいずれもスイスフラン(CHF)です。
違反1回目 | 違反2回目 | 違反3回目以降 | |
---|---|---|---|
有効なキップを保持していない | 90 | 130 | 160 |
一部有効でないキップを保持している | 70 | 110 | 140 |
スイス人のペナルティに対する考え方は非常に厳格で、話し合いで何とかなるものではありませんので、電車に乗る時は正しいキップを持っているか十分確認してください。
バスの利用方法
乗り方
バスは基本的に前から乗り、乗車時に運転手に行先を言って乗車賃を支払います。
後述しますが、ここでHalbtax Aboを見せると割引運賃となります。
ただ、停車場では後ろ側のドアも開きますので、定期を持っている人は後ろから乗車してもかまいません。
日本と違うのは、後ろのドアから乗客が乗車しても運転手は全く気にしないことです。
バスの場合、不定期にキップの所持を確認する私服捜査員が乗車しており、キップの確認を求められることがあります。
ここでキップを持っていないと、筆者在住地区のバス会社・Ostwind の場合、直ちに40CHFの罰金を請求されることになります。
毎日バスに乗る人は定期(1ヶ月 or 1年)を購入するのが良いでしょう。
バスに時々乗る人は、6日分の往復チケットを駅で購入することもできます。
こちらはバスに乗車するたび、車内のカウンターに差し込むと利用日時が印字され、使用分が切り取られていきます。
スイス在住者には100%オススメ!Halbtax Abo
SBBでは会員サービスSwissPassを運営しています。
会員になるとHP上でチケットの購入が可能となります。
SwissPassでは様々な種類のサービスを提供していますが、
- 16歳以上の会員はHalbtax Abo (英語名 Half Fair Travelcard)
- 16歳未満の会員にはJunior Cardというサービス
の購入を強くお奨めします。
どんなものか簡単に説明しますと
- 顔写真入り、クレジットカードサイズのカードを発行(有効期間1年、料金初年度185CHF、2年目以降165CHF)
- カード所有者はSBB運用の交通機関の乗車賃が半額
- Junior Cardを持っている16歳未満の子供はHalbtax Aboを保有する保護者と同乗すると料金が無料になる
というスグレモノです。
チケット購入の際にこのカードを提示すると半額でチケットを購入できますが、電車内でチケットの提示を求められた場合、チケットと一緒にカードを見せる必要があります。
このカードが凄いのは、ごく一部の例外区間はあるものの、発行しているSBBだけではなく、バスやスイス国内の私鉄、登山鉄道などでも有効なことです。
購入は全ての駅、もしくはHPで可能です。
駅で購入の場合、パスポートサイズの証明写真とパスポートを持参して窓口で申し込み用紙に必要情報(住所、電話番号)を記入して料金を支払えば、その場で約2週間程度有効な仮カードを発行してくれます。
申し込み後、約1週間から10日で本カードが郵送されてきます。
Junior Cardの購入費用は一人当たり30CHFで、3人目からは無償で入手できます。
Junior Cardは保護者のHalbtax Aboとリンクしているため、保護者のHalbtax Aboが無効になる、もしくは16歳の誕生日を迎えると自動的に無効になります。
スイスの会社では、出張が多い社員には会社負担でHalbtax Aboが支給されている例もあります。
最強アプリSBB Mobile
これまで説明してきましたように、スイスの交通機関はSBBを中心として高度に発達しています。
そして、SBBが提供するモバイル用アプリはざっと以下の機能があり、大変便利です。
- 乗換案内
- 各種チケットのオンライン購入
- 現在地と最寄りの駅、バス停の位置情報
参考:https://www.sbb.ch/en/timetable/mobile-apps/sbb-mobile.html
チケットを購入するためにはSwissPassに入会し、会員番号を入手します。
会員番号を入力してアカウントを作成し、ログイン後クレジットカード番号を登録すると、オンラインでチケットが購入できるようになります。
このアプリでチケットを購入すると、QRコードを含むチケット情報がメールで送られてきます。
前述のように電車やバスに乗るとチケットの提示を求められますので、このQRコードを提示すればOKです。
もしくは、購入チケットを自宅のプリンターで印刷することもできます。
家族のチケットもこのアプリで購入できますので、印刷して家族に渡せばそのままチケットとして使用できます。
なぜこれが最強アプリなのか?
バスと電車を乗り継ぐような場合、接続が良くできていることが逆に災いし、チケットの購入者が並んでいたりすると接続の時間内に買いそびれて電車に乗れないことがあります。
前述のように電車内でチケットを所持していなければ問答無用でペナルティなので、チケットは必ず買わなくてはなりません。
しかしスムーズに処理が進んだ場合でも、日本の駅係員と比較すると担当者の処理速度はそもそも半分程度です。
購入にもたつくお客さんがいた場合、駅係員は目の前のお客さんの対応をきちんと行うことを重視し、処理にかかった時間や後ろに何人並んでいるかは気にしません。
面白いのは待たされている側の人たちは慣れているのかあまりイライラしませんが、やはり精神衛生上、良いとはいえません。
駅でチケットを買うために1本早いバスに乗るのもどうかと思いますので、アプリを使ったスマートなチケット購入をおすすめするわけです。
また、筆者在住のOstwind管轄バスでは、午前9時以降で使用可能になるお得な1日券サービスなど裏ワザがあるのですが、バスに乗車した際に運転手にそのようなサービス利用を申し出ても、運転手が知らないことで購入できないケースもあります。
こうした機会損失を防ぐ意味合いでも、事前に最もお得なサービスを購入しておくことは意味のあることだと思います。
さいごに
スイス在住者視点では、いかに生活コストを下げつつ便利に生活するかは大変重要な問題です。
Halbtax Aboは大変便利なサービスですので、アプリと一緒に活用することで、スイスでの移動は楽になります。
また金額もお得なところは嬉しいですよね。
スイスで生活される方は、ぜひこの情報をお役立てください。
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