バルカン半島の内陸国、セルビアをご存じでしょうか?
テニスのジョコビッチ選手が有名ですが、埼玉県ほどの人口の旧ユーゴスラビアの国です。
小さな国であまり知られていないものの、実は日本人が生活しやすい環境がとても整っているんです。
首都ベオグラードの在住者より、この国へ移住するメリットをお伝えしていきます。
1. セルビアには日本大好きな人がたくさん!親日である
セルビアで日本人であることを話すと、ほぼ100パーセント好意的に受け入れられます。
親日度の高さはヨーロッパ諸国の中でも抜きん出ており、東日本大震災の時もセルビア人から多くの義援金が寄せられました。
親日の理由の背景には、1990年代に繰り広げられた紛争のあとで大きな被害を受けたセルビアに対して、日本政府が行った経済的援助があります。
ベオグラードの街中には現在も「ヤパナッツ」(「日本人」の意味)と呼ばれる黄色のバスが走っていますが、これも日本からの資金提供によってインフラの整備が実現したものなんです。
特に若者たちは日本のアニメや漫画に触れる機会も多いため、日本文化に関心の高い人がたくさんいて、セルビア人との会話はいつも盛り上がります。
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2. なんといってもセルビアは物価が安い
セルビアでは生活にかかる経費は日本と比べてかなり割安。
例えばパン1本は30円、スイカは100g30円くらいで買えます。
アパートは月額2〜3万円ほどで借りることができます。
交通費も安価で、ベオグラード市内の月額乗り放題のチケットは3,000円ほどです。
現地の通貨はディナールですが、1ディナール=ほぼ1円なので計算も簡単です。
セルビア人の平均月収は4万円程度で、失業率も高いため現地で職を得るのは至難の業ですが、いっぽうインターネット環境とパソコン1台さえあれば仕事ができる時代。
リモートワークなどで日本円で収入を得られれば、かなり余裕のある生活ができるといえるでしょう。
関連記事:【職種別】セルビアの平均年収は約70万円?雇用事情とおすすめ職業
3. 質の高い医療が受けられる。医療費も安い
他国から治療のためにセルビアを訪れる外国人も少なくありません。
デンタルツーリズムと呼ばれる歯科治療を目的とした観光が人気です。
ほかにも例えば眼科でのレーザー治療は7万円ほどで受けられるなど、安価で質の高い医療が受けられます。
セルビア人の多くは、待ち時間が長くても格安の国公立の病院を利用しますが、私立病院は清潔で長時間待たずに入れる上に、無保険であっても風邪で利用した際は、診察費と薬代合わせて4000円程度でした。
4. 豊かな食文化が楽しめる
セルビアは知られざる美食の国で、トルコやギリシャ、ハンガリーと言った周辺の国々からも影響を受けてきた豊かな食文化があります。
シンプルな材料を使いながらも、洗練された味わいを楽しむことができます。
関連記事:セルビア食文化がもつ魅力。15の代表的な料理やおすすめスイーツを紹介
例えばセルビアの代表的な家庭料理・サルマはロールキャベツに似ていますが、ひき肉のほか米も使った料理で、このほか日本人の口に合いそうな料理がたくさんあります。
内陸国のため肉料理がメインですが、新鮮な魚も市場で売られています。
日本の食事が恋しくなったら、ベオグラードには日本食レストランや寿司バーもあります。
和食は特に健康意識の高い人たちの間で人気があり、それなりの需要があるため、オーガニック食材を扱うお店などで、醤油や味噌、しいたけ、梅干し、小豆などを見つけることができるので安心です。
5. 子どもがマルチリンガルになれるかも?セルビア語、英語、日本語
セルビアへ家族で移住される方には子供の語学教育も気になるところでしょう。
セルビアでは小学校から高校までは学費無料で、大学の学費は学部によりますが、もっとも高い学部でも年間20万円程度と、教育にはあまりお金がかかりません。
セルビアではセルビア語ができるに越したことはありませんが、少なくともベオグラードでは英語が話せればなんとかなることが多いです。
特に若い人たちはテレビ番組や映画などの影響で流暢に英語を話す人が多くいます。
セルビアで日本人が子育てをすれば、その子どもは
- セルビア語
- 英語
- 日本語
の3ヶ国語を使いこなせることが想像できます。
さらにセルビア語をマスターすれば、旧ユーゴスラビア圏のクロアチア語、ボスニア語は似ている言語のため習得しやすく、5ヶ国語を自在に操れることも夢ではありません。
6. 歴史が感じられる街
首都ベオグラードはヨーロッパ最古の都市の一つと言われ、住みながら豊かな歴史を楽しむことができるのも1つの魅力。
例えばベオグラードの観光スポットの1つ、カレメグダン公園は元々は軍事的な要塞でしたが、その歴史は紀元前にまでさかのぼります。
今では恋人たちのデートスポットとして人気のある場所ですが、ドナウ川とサヴァ川、そして美しい夕焼けを眺めながら、古代や中世の歴史や人々の営みに思いを馳せるのも贅沢な時間です。
その他にも装飾的な建築様式の教会、共産主義時代の建造物、若者たちによるグラフィティが混ざり合い、独特の町並みが形成されています。
街歩きが楽しめるのもセルビアの大きな魅力と言えるでしょう。
7. 他の国への便利なアクセス
中央ヨーロッパに位置するセルビアは内陸国であるため、日本人に人気のクロアチアやギリシャなど周辺諸国へも、手頃な価格でバス旅行をすることができます。
また飛行機を移動手段にすれば、イタリアやフランス、ドイツなどへも短い移動時間で訪れることができます。
憧れのヨーロッパの国々に滞在してみたいけど物価がどうしてもネック、という方にとっては、セルビアに住みながら休暇で他の国へ旅行に出かけるのも一つの方法ですね。
8. 温かな人間関係とセルビア人の魅力
最後にこの国の宝物といえるのが、この土地で暮らす人々の魅力です。
厳しい内戦時代を生き抜いてきた助け合いの精神や、つらい時もユーモアを忘れない明るさがセルビア人の心に今も宿っています。
毎日の仕事や勉強、家事や育児に忙しくストレスフルな日本の生活では、心の余裕がなくなりそうになることもしばしばあります。
セルビア人と接すると、人間として一番大切なものを取り戻すような感覚があります。
セルビアでは家族との時間をもっとも大切にする価値観があり、共産主義時代の名残りで残業をすることはあまりなく、サービス業を除けばほとんどの人が5時には仕事を終えます。
そのため、仕事と両立しながら
- 家族やパートナーとゆっくり時間を過ごしたい
- 子どもの成長をしっかり見届けたいと思っている方
- これまでの暮らし方を見つめ直したい方
にはセルビアでの生活をぜひおすすめします。
セルビア滞在のビザについて
他の国と同様に、セルビアに90日以上滞在するためにはビザの申請が必要となります。
必要書類を用意し、警察署の担当窓口に直接出向く必要がありますが、ビザの審査自体はさほど厳しくはありません。
審査にあたっては、所定の様式へ記入するほか、旅券や住所が確認できるものの提示、証明写真、滞在許可に関わる税金の支払い証明書類、健康保険の加入と生活資金があることがわかるものの提出が求められます。
加えて、ビザの種類は
- 語学留学
- スポーツ
- 就労
- 起業
- 国際結婚(事実婚を含む)
などいくつかありますが、ビザによって追加で求められる書類は異なります。
関連記事:セルビアの滞在ビザ・4種類の特徴と永住権取得条件を徹底解説!
セルビア移住の魅力まとめ
ここまでセルビアに移住する上での魅力をご紹介してきましたが、国としてはあまり知名度がないものの、独自の魅力とこれからの可能性にあふれた国です。
ぜひまずは足を運んでみて、セルビアの隠れた魅力を発掘してみてはいかがでしょうか。
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