セルビアで暮らすことを考えた時、現地で楽しく生活を送るためには、そこで暮らす人々の性格や特徴など、あらかじめ知っておきたいものですよね。
セルビア人の人口は約700万人で、もちろん彼らの個性や人柄ひとくくりにできるものではありませんが、ここではセルビア人の性格や恋愛・結婚・家族観、セルビア人と仲良くなるためのコツなど、現地在住者よりお伝えしていきます。
セルビア人との会話の中で避けたほうがよい話題などもありますので、参考にしていただき、セルビアでの人間関係のイメージを膨らませていただけたらと思います。
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セルビア人の性格・5つの特徴
1.頑固だけど嘘をつかず素直な人が多い
セルビア人は男女問わず、おしゃべり好きな人が多いと感じます。
例えばカファナと呼ばれる大衆的な飲食店では、熱く語り合う中高年の男性方をよく見かけます。
歴史や政治をはじめ、様々なトピックについて議論しながら、長時間過ごすことがよくあります。
セルビア人ははっきりとした自分の意見を持っており、議論をしていて相手と意見が異なる場合、自分の意見を曲げるのを嫌うところがあります。
そういう意味では頑固な性格と言えるでしょう。
その分、無理に相手の意見に合わせたり、表面的にやり過ごすこともないので、裏表のない素直な人が多い印象を受けます。
2.家族と友達が何よりも大事!
家族や友人との時間を何よりも大切にするという価値観が、ほぼ100%のセルビア人に共通します。
彼らにとっては仕事や家事などで忙しくても、親しい人たちとのコミュニケーションは優先事項です。
食事の時間は、単に栄養を摂るための時間ではなく、家族や友人などと会話を楽しむひとときと捉えています。
かつて、共産主義の時代にはたいていの労働者の勤務時間が7時から15時までで、昼食は帰宅してから家族とともに食べることが多かったそうです。
今でも、一人で食事をすることを嫌う人が多く、勤め人のランチタイムは同僚や上司と一緒に過ごすことが多いようです。
また、セルビアにはゴッドファザー/ゴッドマザーの制度があり(セルビアでは「クム」「クマ」と呼びます)、この2人の立会人の存在が結婚の手続きに必要です。
ゴッドファザー/ゴッドマザーは、新郎新婦のそれぞれの親友がこの役を務めることになりますが、彼らにとってはとても名誉あること。
もし新郎新婦に子どもが生まれ、何かあった時には、子どもの面倒を見る役割を担うことになります。
結婚してからも、友人たちとは家族ぐるみの付き合いをすることが多いです。
3.見知らぬ人にもフレンドリー
身近な親しい人への気遣いには、並々ならぬ愛情を感じることが多々ありますが、見知らぬ人に対しても距離が近く、フレンドリーに接することがあります。
例えば街でたまたま見かけた人の服装が気になり、「それ、どこで買ったの?」と尋ねるということも珍しくありません。
また、お店や郵便局などの順番待ちなどで、明らかに他人同士と思われる人たちの会話がなぜか盛り上がっている、ということもしばしばあります。
ご近所の人とも顔見知りになっている場合が多く、何かあった時には助け合う文化があるので、たとえ一人暮らしのお年寄りであっても、社会の中で完全に孤立しているケースはかなり少ないと思います。
4.おもてなしの精神
セルビア人の性格を語る上で欠かせないのが、ホスピタリティの精神です。
自宅に招いたり、招かれたり、ということがよくあります。
来客に対しては、ご馳走を用意したり、自分の時間を割いたりと、労力を惜しみなく注ぐことがよくあります。
よきホストであることが、彼らにとっての誇りとなっているようです。
5.なんだかんだ言ってもセルビア大好き
現政権の政策、高い失業率、先行き不安な経済状況など、セルビア人と話していると、不満が噴き出すことも多いですが、結局は「この国、この街が大好き!」という方ばかりで、自国の文化や歴史を誇りに思っている人が多くいます。
たとえセルビア人が自国についてネガティブなことを言っていたとしても、半分は冗談だったりするので、相手の話に合わせてセルビアのことを悪く言わないほうがよいです。
たしかに日本と比べるとセルビアは人口も経済規模も小さく、インフラ整備が不十分なところもありますが、そこで生活を営む人たちのそれぞれの暮らし、それぞれの価値観があるので、セルビアのことを「貧しい国」や「開発途上国」などと軽々しく言ってしまうのは失礼にあたるでしょう。
経済大国の「上から目線」をしてしまわないよう気をつけてくださいね。
セルビア人の恋愛・結婚観
次に、セルビア人の恋愛・結婚事情についてもご紹介していきます。
1.セルビア人男性の特徴
バルカン半島が東西を結ぶ交差点だったこともあり、長い歴史の中でさまざまな人種が混じりあい、セルビア人といっても、外見はみなバラバラです。
髪の毛は黒色、栗色、ブロンドだったり、目の色も黒色の人もいれば、青や緑の人もいます。
大柄な人が多く、背の高い人だと2mくらいの人も珍しくありません。
若い男性は、ジムなどに通って体を鍛えている人が多いです。
セルビア人女性は、筋肉質で男らしい、いわゆる「マッチョ」を好む傾向にあるため、モテを意識してのことのようです。
セルビア人の間ではレディファーストの精神が浸透しており、男性が女性に道を譲ったり、コートを着せてくれたりすることは常識となっています。
セルビアに限ったことではありませんが、女性をねぎらう日というのが存在します。
バレンタインデーは男性が女性に対してデートに誘ってご馳走したり、花束をプレゼントします。
3月8日の「国際女性デー」にも、女性の家族や親族のメンバーや学校の先生など、身近な女性に花を贈る文化があります。
日本人女性からしてみたら、セルビア人女性がうらやましいと思える習慣があります。
2.セルビア人女性の特徴
セルビア人女性の外見は、男性と同じように多様性に富みますが、目鼻立ちのはっきりした美人も多く、若い人はみんなファッションに敏感で、メイクやネイルケアに余念がありません。
内面は自立心が強い人が多い傾向にあります。
共産主義国家時代、労働者は性別に関係なく誰でも働く権利がある、という思想にもとづき、女性も男性と同じように働いて家計を支える存在でした。
このように女性が仕事をしているのが当たり前の社会であったこと、また女性たちもキャリア志向なので専業主婦を望む人はほとんどいません。
彼女たちの性格については、男性に言わせると、少々感情的になることも多いそうです。
家庭での役割については、女性が家事をすべきだ、と考えている保守的な人も依然としていますが、女性は家庭の中でも敬われる立場にあります。
セルビア人の恋愛、結婚事情
2017年の統計によれば、結婚する平均年齢は、女性が31歳、男性が34歳です。
30歳前後での結婚される方が多い気がしますが、20代前半だったり、40代以上の年齢で結婚される方ももちろんいますので、日本とあまり変わらないと感じます。
セルビアでは失業率が高いため、十分な収入を得る見通しが立たず、結婚に踏み切れないカップルも多くいます。
セルビア人カップルの結婚にいたるまでの交際期間は約1〜2年くらいですが、セルビアでは結婚前に同棲をすることが一般的で、一緒に生活を送ることができるかどうかを確認する「お試し期間」は彼らにとって必須です。
結婚する人の87%がセルビア人同士のカップルで、13%が国際結婚です。
離婚率は30%ほどです。事実婚は法的に認められているものの、この制度を活用しているカップルは多くはありません。
同性愛者については批判的な人が日本よりもかなり多いです。
国民の大半がセルビア正教を信仰しており、主に宗教的な考えから、同性愛に嫌悪感を抱いている人がいるのが実情です。
首都ベオグラードには、同性愛者のための情報センターが存在したり、小規模ながらもゲイパレードもあったりとLGBTへの差別解消に向けた動きがありますが、セクシャル・マイノリティの人々は生きづらい環境があるのではないかと感じます。
現在セルビアの首相を務めるアナ・ブルナビッチ氏は、同性愛者であることを公言しており、2019年2月にはパートナーの女性が男児を出産したことが報道されました。
しかしながら、セルビアの法律では同性婚や同性同士のパートナーシップ制度は認められておらず、どのような手続きをしたのかは謎に包まれています。
セルビア人と仲良くなるためには?
では、セルビア人とよりよい関係性を築くための近道はあるでしょうか?
セルビアで生活する上では、特に首都のベオグラードでは英語が話せればなんとかなるものの、セルビア語で会話をしようとする意欲を見せると、セルビア人と仲良くなりやすいです。
言語を学ぶことは文化への敬意と興味を示す上でのわかりやすい方法ですので、簡単なあいさつからでもセルビア語を使うことをおすすめします。
日本人の場合は外見から判断されて、英語で話しかけてくれることも多いですが、セルビア語を極力使うようにすると、もともと外国人に寛容でフレンドリーなセルビア人との距離はさらに縮まることでしょう。
他にもセルビアの料理や音楽をはじめとしたユニークな文化をほめると、自国の文化を愛するセルビア人からは好印象を持たれると思います。
ただし、セルビア人との会話のなかで気をつけるべき話題もあります。それは民族問題です。
セルビアには複雑な民族紛争の歴史があります。
特に初対面の人との会話では、旧ユーゴスラビア紛争やコソボ独立の問題など、デリケートな話題は絶対に避けましょう。
セルビア人の特徴まとめ
セルビア人と接していると、日本人よりも感情をストレートに表現し、そのときの気分がそのまま態度に出ているな、と感じることが多々あります。
日本の社会だと、他人にどう思われるか考えすぎるあまり、自分の気持ちを押し殺してしまうようなこともあるかもしれませんが、自分の気持ちに正直な彼らの姿を見ていると、ふっと心が軽くなるときがあります。
また相手の気持ちを汲み取ろうとするところもあり、自己主張が強すぎないですし、おもてなしの文化など、日本人に通ずるところも多いと感じます。
基本的にはフレンドリーで親切に接してくれる方ばかりですので、セルビアで友達や知り合いを増やすことは難しくないと思います。
おしゃべりやブラックユーモアを交えたジョークも大好きなので、友達ができるとセルビアでの生活がより一層楽しくなることでしょう。
この記事がより充実したセルビア生活の一助になれば幸いです。
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