物価が安いことで知られるセルビア。
しかし実は日々の暮らしの中で、高い税金を支払っています。もっとも身近なのは消費税。
またセルビア国内の企業で働く人は、所得税が給与から差し引かれます。
特に個人事業主として働く場合や、財産を所有する場合には「支払うべき税金を払い忘れてしまった」ということのないように、納税に対する知識も持っておきたいですよね。
税率についてまとめておくと
- 消費税は20%
- 一部生活必需品の消費税は10%
- 法人税は15%
- 所得税は20%(一部50%)
- 固定資産税は土地の評価額と面積に応じる
例)ベオグラードの中心部のアパートの1室(面積43㎡程度)の評価額は800万ディナール(約800万円)で、年間に支払う固定資産税は8,000ディナール(約8,000円)
です。
では、セルビアではどんなときに税金を支払う必要があるのか、また支払う場合にはどれくらいの金額になるのか、この記事では現地在住者が詳しく解説していきます。
消費税は20%(一部10%)
日本における消費税は、この国ではPDV(Porez na Dodatnu Vrednost)と呼ばれています。
課税は2005年に開始されました。制度がはじめられたときの税率は18%で、次第に引き上げられ2019年の税率は20%です。
すべて内税で表示されているので、一見すると気づきませんが、スーパーマーケットなどで販売されている商品にはすべて税金が課せられています。
商品のほか、ホテルやレストランのサービスも課税対象です。一部のサービスと商品には軽減税率が適用されており、パンや牛乳、野菜などの基本食料品や電気、水道、ガスといった生活に不可欠なサービスの税率は10%に設定されています。
所得税
所得に関わる税金は20%です。
つまり会社勤めをしている場合、給与が6万ディナール(約6万円)の場合には、その2割の1万2,000円ディナール(約1万2,000円)が差し引かれ、手取り額は4万8,000ディナール(約4万8,000円)となります。
差し引かれた分の税金は社会福祉や年金制度のために使われます。
また実際は企業に所属している場合でも、形式的には事業主としてダミー会社を設立することを求められることも珍しくありません。
これは会社が支払う税金額をおさえるための対策で、主に外資系企業などでよく利用される手段です。
3.フリーランスまたは会社経営者が納める税金
次にフリーランスとして働く場合や、会社を立ち上げる場合に納める税金についてご紹介していきます。納税方法については、以下で取り上げる4つの方法があります。
どのように税金を納めるかによって納税額が異なりますので、自分にとってはどの方法がベストか、十分に見極める必要があります。
①案件の支払いごとに税金を納める方法
案件の支払いごとに税金を納める方法です。クライアントから給与を受け取って30日以内に税金を納める決まりになっています。
この方法は、税率は50%と非常に高く設定されているため、この方法を利用する人はあまりいないものと思われます。
しかし、後述する他の方法では、会社を設立する手続きが必要になるので、煩雑さを避けられる利点もあります。
セルビアでは公務員でなければ副業ができるケースがほとんどです。単発的に副収入が発生したときは、この方法で税金を納めることになるでしょう。
②月額で税金を納める方法
まずは会社を設立し、登記する必要があります。
所得額にかかわらず、平均1万8,000ディナール(約1万8,000円)を毎月支払う仕組みになっています。
納税額は居住する地域や自治体によって異なり、首都ベオグラードでは月額2万5,000〜3万ディナール(2万5,000〜3万円)となっています。
身の回りのセルビア人に話を聞いてみると、外資系企業に勤めている場合はこの方法で税金を納めるのがもっとも一般的なようです。
ちなみに、2019年時点のセルビアの法人税は15%となっており、企業がうみだした利益の15%を納めることになっています。
2012年までは10%でした。
15%でも他のヨーロッパ諸国に比べると低い税率となっており、外国企業を誘致するねらいがあるそうです。
③簿記係を雇用し、税金で納める方法
②の方法と同様に、まず会社の登記を行う必要があります。
見込みの所得額を申告し、次に簿記係を雇用する必要があります。
毎月11,000ディナール(約11,000円)を支払い、帳簿を提出して収入と支払うべき税金を申告します。簿記係に対する支払いも発生しますので、こちらは大きな会社を経営する場合に利用される方法です。
④起業する方向けの制度
セルビアには起業家を支援するための特別な制度があります。会社を設立した最初の1年に限っては、税金を納める必要がありません。
ただしセルビアの財務省に6ヶ月前に登録するなど、事前の手続きが必要です。
参考:http://www.parlament.gov.rs/upload/archive/files/lat/pdf/predlozi_zakona/3787-17%20lat.pdf
※あいにくすべてセルビア語なのですが、7ページ目のUz član 16.が言及箇所です。
参照したセルビア議会のページ:http://www.parlament.gov.rs/national-assembly.467.html
セルビアにおける年金のしくみ
セルビアでは、働いて納めた税金の額によって将来もらえる年金額は変わってきます。
ただし、日本と同じように、最終的にいくら年金がもらえるかはわからないため、収入があっても実際には税金の支払いをせず、自分自身で貯金をしている人も多くいます。
この国は所得税の納税者の管理に関してはルーズなところがあり、実際には働いていたとしても登録をせず、収入がないことにして納税を避けられるからです。
他の理由としては、仮に65歳まで就労して税金を納めても(セルビアでの退職年齢は男性の場合65歳、女性の場合は62歳)、もらえる年金額は月に2万〜3万ディナール(約2万〜3万円)と上昇している物価に対しては少額で、あまりあてにできない実情があるからです。
日本人が海外に住まいを移す際、役所に海外転出届を提出し、住民票を登録しない場合、日本の年金制度へは任意での加入になります。
将来的に日本に戻ることを想定しているのであれば、日本での年金の支払いはそのままにしておくという選択肢もあるでしょう。
日本に住民票を残しておくか、日本の年金の支払いを続けるか、ということは多くの日本人海外在住者が抱える悩みです。
セルビアに限ったことではありませんが、国外移住にあたっては、日本の年金制度のほか、その国の年金制度についてもよく調べることも重要なポイントです。
関連記事:海外移住の年金制度基礎知識と対策方法!転出後の受け取りはどうなる?
固定資産税
セルビアに長期間住むことをお考えの人なら、将来住宅を購入することもあり得るでしょう。
日本と同じように、所有している土地財産に対してかかる税金があります。
集合住宅でも一軒家でも、財産のある場合は一定額の税金を納める必要があります。賃貸物件に住んでいる場合は、土地の所有者が支払うためもちろん支払いは不要です。
支払う税金の額は、土地の評価額と面積に応じて計算される仕組みで、評価額は当然エリアによって異なります。
例えば、ベオグラードの中心部にあるアパートの1室(面積43㎡程度)を財産として所有している場合、評価額は800万ディナール(約800万円)、年間に支払う固定資産税は8,000ディナール(約8,000円)ほどです。
計算すると税率は0.1%ということになります。この税金は一括で支払うこともできますし、年4回ほどに分割して支払うこともできます。
税金の支払い方法
会社が給与から差し引くかたちで所得税を納める場合は、自ら税金を納める必要はありませんが、個人事業主の場合や、そのほかの税金を納める場合には、郵便局または銀行に出向いて支払います。
支払いにあたっては少額の手数料を支払う必要がありますが、銀行よりも郵便局のほうが金額がやや低く設定されています。
固定資産税などの場合、自宅に送られてくる郵便物に記載された金額を元に記入します。所定の様式に必要な情報を記入し、窓口で支払いましょう。
セルビアの税金制度についてのまとめ
現地で生活し、収入を得たり財産を所有したりすることになればなおさら、その国の税制度についても十分に知っておく必要がありますよね。
セルビアで定められている税率や納税方法は、日本とだいぶ異なるため戸惑うこともあることと思います。
税金に関する問題で困ったことがあれば、税理士などに相談することもできますし、管轄の役所に出向いて相談する方法もあります。
税金に関する法律の最新情報については、
セルビア財務省Webサイト:http://www.poreskauprava.gov.rs/en.html
にてご確認ください。
この記事がセルビアでの生活を送るにあたり、この国の税制度について知る手助けになれば幸いです。
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