セルビア・ベオグラードの治安事情。在住者が語る安全に過ごす方法

セルビア・ベオグラードの治安の実態と安全に過ごす方法

セルビアに滞在したり、生活することを検討する際、まずは首都ベオグラードに住むことを考える方が多いかと思います。

生活する上で、何よりも気になるのが治安の問題。

ここではベオグラードに居住する生活者より、犯罪や事故にあわないよう、気をつけて現地で暮らすポイントや実際の治安についてお伝えしていきます。

1990年代の内戦のイメージ、さらに度々目にするヨーロッパで頻発するテロ事件のせいで、ベオグラードの治安の印象は悪いかもしれません。

しかし、2019年現在、治安面で心配する要素はほとんどなく、安全に暮らせる街であるというのが実感です。

もちろん日本並に治安が良いわけではないですし、財布を落としても戻ってくることはありません。

なるべく近づかない方が良いエリアもあったり、外出時には緊張感を持つことが必要な場面もあったりします。

では、具体的にどんなことに注意すればよいか、現地での生活に役立つポイントをご紹介していきます。

セルビアにおける治安と犯罪率

まず、セルビア全体の犯罪率ですが、2017年の統計によると暴力事件は年間約3,000件程度起きており、殺人による逮捕件数は86件でした。

犯罪が起きる割合は日本と比べると高いですが、ヨーロッパの他の国々と比べると、特に犯罪率が高いというわけではありません。

また、凶悪犯罪の数は年々減少傾向にあります。

犯罪に利用される銃の存在については、許可なしに銃を所持することは違法ですので、一般の人が銃を持っていることはほとんどありません。

いっぽう犯罪の中でも窃盗事件は年間4万件ほど起きています。

金品目的のスリが特に多く、ベオグラードだけで一日に14個の財布が盗まれているとのことです。

残念ながら、この件数の多さはセルビアの高い失業率と低収入の問題と無関係ではないように思われます。

また、たとえスリで逮捕されたとしても、刑罰は軽く、罰金を支払えば済む場合もあるため、犯行が行われやすいという社会的な背景があります。

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スリの被害にあわないための対策

ここ数年、これまで日本人の方で、ベオグラードで被害にあったという方も、スリが大部分のようです。

人の多いカレメグダン公園、クネズ・ミハイロバ通りやウスチェ・ショッピングセンターはじめ、混雑するバスやトラムの車内では、油断は禁物です。

特に身の回りの荷物に注意を払い、貴重品の管理に気をつけましょう。

【厳選!安全対策グッズと知識をお伝えします】

  • 財布の数は2つ以上
  • 革財布で高級感を。さらにチェーンも複数つける。
  • 「スキミング防止」機能付きのパスポートケースやバッグを選ぶ
  • 体に密着したかばんを
  • 窃盗防止アイテムをいくつか所持する
  • 犯罪の100倍遭遇!?交通事故を防ぐ反射リストバンド
  • スーツケース施錠は必須。必須の南京錠
    など、防犯グッズと安全対策を押さえておきましょう。

詳しくは:【海外生活に必須】オススメ防犯グッズ15選(スリ・盗難〜自宅の安全対策まで)

また、セルビア人は外国人には寛容な上、親日の方がたくさんいます。

そのため日本人だとわかると親切に対応してくださるケースがとても多いです。

ただし場合によっては、お金をたくさん持っていると思われることがありますので、注意が必要です。

外出時は現金は必要以上に持ち歩かず、高価なブランド品だとわかるようなものは極力身につけず、質素な服装で出かける方が無難だと思います。

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路上生活者と物乞いには注意

セルビアにも路上生活者や物乞いはいます。

街中やカフェなどで、物乞いを行う人に出くわすこともあります。

金銭の要求を断ったとしても、トラブルに巻き込まれたり、怖い目にあうことはほとんどないので、要求に応じたくないときは無視をしても大丈夫です。

路上生活者は旧市街とノヴィ・ベオグラードを結ぶ橋の下や、冬場は温かい場所を求めて街中に点在しています。

危害を加えるようなことはないかと思いますが、必要がなければ近づかない方が良いかと思います。

ベオグラード市内で気をつけるべきエリア

まず、セルビア全体では、南部のコソボとの国境付近は特に注意が必要です。

コソボの独立宣言に対し、セルビアは国家として承認しておらず、民族間の対立が依然として緊張状態にあることに加え、ここではドラッグに関わる犯罪が発生しているとも言われています。

次に、ベオグラード市内で気をつけるべきエリアについてご紹介します。

ベオグラードでは、特別に危険なエリアというのはなく、中心市街地では明け方まで営業しているバーも多く、女性だけで夜道を歩く姿を見かけることも少なくありません。

ただし中心地から離れるにつれ、夜は人の気配も少なくなりますし、特にノヴィ・ベオグラードやゼムンは、夜になると雰囲気が変わる印象を受けます。

深夜の不要な外出は控えたほうが無難です。

ノヴィ・ベオグラード の70区にはチャイナ・タウンがあり、中華系の食材が販売されているので、日本人も食材を求めて訪れようと考えることがあるかと思いますが、あまりおすすめしません。

というのは、ショッピングモールのような建物が立ち並ぶ一帯のエリアには、大量に生産された中国製品が所狭しと並べられています。

衣料品やプラスチック製の生活用品は段ボール箱からあふれ、通路に梱包材が乱雑に散らばり、お世辞にも清潔とは言えない雰囲気の空間が広がっています。

日本食や中華の食材を入手したいというとき、少々割高ですが、大型スーパーやオーガニック食材のお店などで手に入りますので、無理して訪れる必要はないかと思います。

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セルビアで気をつけるべき3つのこと

市民による反政府デモ

現在セルビアでは、ブチッチ政権に対するデモ活動が盛んに行われています。

デモには幅広い年代の多数の市民が参加し、多くは平和な雰囲気で行われている抗議活動です。

デモが過激化して逮捕者が出たという話は聞いたことがありません。

ただし在セルビア日本大使館によれば、デモや集会では、治安当局と反対勢力の間で衝突が起きやすく、一部の参加者が暴徒化する可能性がないわけではないので、不用意に近づくのを避けた方がよいとのこと。

デモが行われている日時や場所などの情報はニュースやSNSで確認することを心がけましょう。

フーリガン

そしてもう一つ、気をつけたいのがフーリガンの存在です。

サッカーはセルビアでも人気のあるスポーツで、「パルチザン」と「レッドスター」の2チームがありますが、フーリガンの中には、単に暴力的な言動をするというだけでなく、マフィア組織ともつながりがある方もいるそうなので、近づくのをやめた方が良いでしょう。

2010年のEURO12の予選では、セルビア人フーリガンの暴動によって、イタリアでの試合が中止になったことがあります。

この際、マフィア組織がフーリガンに対して資金提供をし、トラブルを起こすように仕向けた疑いがあると報道されました。

「君子危うきに近寄らず」を心がけてください。

セルビアの新年

クリスマスや新年には、街中が賑わい、花火が打ち上げられ、真夜中までお酒を飲んで騒ぐ若者たちがいます。

意外に思われるかもしれませんが、セルビアでは旧暦のユリウス暦で祝うため、1月7日がセルビア正教でのクリスマスです。

そのため気をつけたいのが、新年は他の国々と同じように1月1日に祝う人が大半ですが、7日後の14日にも祝うことがあるということ。

どの国でもそうかもしれませんが、新しい年の始まりを祝うことが、飲酒するための都合の良い口実に使われがちです。

2019年1月14日にはお酒を飲んで暴れ、喧嘩に発展する事件が1日で14件もありました。

道路での事故には要注意!

横断歩道を渡るときは

ベオグラードに住んでみて驚くのは、現地の人々の車の運転方法です。

信号のない横断歩道では、歩き出そうとする仕草を歩行者が見せないと、車は止まってくれません。

歩行者を見ても車はスピードを落とさず近づいてきますが、横断歩道の手前で急停止するので、最初は横断歩道を渡るのに勇気がいるかもしれません。

ちなみに横断歩道を信号無視をして渡ることには罰金が課せられますので、こちらも要注意です。

2017年の統計によると、セルビアにおける1年間で報告された交通事故の事故件数は7,724件とのことです。道を歩く際には日本で生活するときよりも、より慎重になる必要があるでしょう。

道に障害物が多い!

日本と違い、公道で工事を行っていても、工事現場の仮囲いが十分でないことがあります。

セルビアの建物

また工事作業の途中で舗装が整っていない道路を歩かなくてはならないこともあります。

公道の樹木の保存のために、木の古くなった部分を切ることがありますが、伐採された丸太が道に放置されたまま、ということもありました。

ベオグラードでは冬には積雪がありますが、街中であっても雪かきは積極的に行われるわけではありません。

道路の障害物や雪道には気をつけてください。

そのほか、旧市街にはNATOによる空爆を受けた建物が残ります。

最近になって保護のためにアーケードのようなものが設置されましたが、崩壊の危険性はゼロではないと思いますので、この場所を通るときには注意してください。

全体的に、日本と比べると公共機関や民間企業の安全意識が低いと感じます。

基本的には何かあっても自己責任という考え方なので、自分自身で身を守るしかありません。

トラブルに巻き込まれてしまったときは?万が一のときの緊急連絡先

もしも犯罪や事故に巻き込まれたら、すぐに警察や日本大使館に連絡をしましょう。

警察や救急は、セルビア語しか通じない可能性がありますので、語学力に自信がない場合、信頼できる現地の人がいるのであれば、その人に頼りましょう。

もちろん日本大使館は日本語でやりとりを行うことができます。

  • 警察への緊急時の連絡「192
  • 消防「193
  • 救急車「194
  • 在セルビア日本大使館「011-301-2800

べオグラードの治安事情まとめ

ここまで主にベオグラードの治安について、まとめてきましたが、現地に住む日本人の方はこの街が暮らしやすいと実感し、愛着を持って暮らしている方が多いと思います。

日常生活の中では、危険な思いをすることよりは、セルビア人の優しさに触れる機会の方が多いかもしれません。

失業率が高く、厳しい経済事情にもかかわらず、セルビア人はお金にこだわりすぎず、温かい心で接してくれる方が多いという印象を受けます。

ただし油断は禁物ですので、この記事で取り上げた気をつけるべきポイントを把握して、トラブルや事故に巻き込まれず、この街での滞在をより安全に楽しく過ごしていただければ嬉しいです。

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