ロシアの物価や生活レベルについて、どのようなイメージがありますか?
- 物があまり手に入らない
- 住居はソ連時代からの古いアパート
- 給料が安い
などのイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
それは、確かに間違いではありませんが、ある意味正しく、ある意味劇的な進化を見せている側面もロシアにはあるのです。
ここでは『ロシアの物価事情と1ヶ月に必要な生活費』について算出してみました。
結果としては、1人暮らしでは1ヶ月約75,000円で生活できる、ことがわかりました。
では、その内訳を、色々な角度からお伝えしていきます。
※本記事は、1ルーブル=1.7円で算出しています
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ロシアのお金・ルーブル
ロシアの通貨は、あまりなじみがないと思いますが、ルーブルです。
補助通貨として、カペイカ(1ルーブル=100カペイカ)もありますが、日常的にはほとんど使うことはありません。
円とルーブルを両替するときは?
両替をするときは、銀行か両替所へ行きます。
街中の両替所では、店舗の前にドルとユーロのレートを示す電光掲示板があり、レートが良い時には、店の外まで人が並びます。
お札が無くなり、早めに店じまいということもありました。
基本的に、銀行はレートが少し低めの印象です。
普段、家や職場の近所を歩く時にレートを見ておき、平均的にレートが良い場所で両替をするようにします。
両替所での注意点
両替所での注意点として、必ず守るべきことは、ブースの中以外では絶対にお札を出さない事です。
これは銀行でも同じですが、自分の番が来るまではカバンにしまっておいてください。
そして、どんなに行列が出来ていても、担当のおばさんがイライラしても、両替明細と受け取った金額が合っているか、必ずブース内で確認しましょう。
お札を数える機械を使いますが、最終的には人間がやることです。間違いは必ず起こります。
筆者の経験ですが、ブース内で確認したところ、5,000ルーブル(約8,500円)足りなかったことがありました。
ロシア・モスクワの家賃
モスクワで、1人〜2人で住むアパートを借りる場合の家賃は、25,000ルーブル〜30,000ルーブル(42,500円〜51,000円)が相場です。
もちろん上を見ればきりがありませんが、モスクワの中心地で借りようと思うと、ぐっと高くなりますので、家賃を抑えようと思うと、地下鉄環状10番線(東京で言うと山手線のような線)の外側で借りることになります。
地下鉄の終点に近づくほど安くなりますが、終点付近は新しいベッドタウンになっていることが多いので、比較的新しい物件も多いです。
さらに、中途半端に近いより、始発だと朝のラッシュでも座れるので、これもメリットと言えます。
水道・光熱費
ロシアは水道光熱費が日本に比べてとても安いです。
参考までに、下記は筆者の2018年10月分の水道光熱費です。(キッチンはIH)
ちなみに、10月始めからセントラルヒーティングが稼働しています。
- 電気代 350ルーブル (約600円)
- 水道代(温水代含む) 400ルーブル (約680円)
平日は仕事で、日中家にはいませんが、水道もお湯も電気も普通に十分使っていますし、自炊なので、IHコンロも毎日使ってこの値段です。
夏はエアコンを使わなくても何とかなりますし、冬のセントラルヒーティングは、非常に暖かく、基本的に家ではTシャツ短パンです。
日本では、夏の冷房、冬の暖房代がかなりかかりますので、これはとても安いと思います。
携帯通信費・インターネット費用
ロシアの携帯通信費、インターネット料金は、とんでもなく安いです。
もちろんプランは色々ありますが、筆者は最低価格のプランで問題なくスマホを使い、家では動画を楽しんでいます。
下記は1か月の通信費プランです。
- 携帯電話通信費(2GBの通信費付) 300ルーブル (約510円)
- 家のインターネット回線 330ルーブル (約560円)
数か月に1回くらい、家のインターネットが突然使えなくなりますが、1日以内に復帰しますので、特に問題はありません。
そして、皆さんが想像している以上に、ネット環境は街中で整っていて、地下鉄はもちろん、カフェやショッピングモールなど、かなり多くの場所でフリーWIFIが使えます。
ロシアは日本以上にネット社会なんです。
ネット社会化については、また別の機会にご紹介できればと思います。
ロシアでの食費
食材
ソ連時代は、本当に食材が無く、缶詰やソーセージひとつ買うにも行列しなければならなかったという話を聞きますが、今のモスクワは、全く違います。
街中にあらゆるスーパーがあり、常に週替わりの割引きセールをしています。
しかも、そのセールの広告は小冊子のようになっており、とても充実しているんです。
なので、特にこだわりが無ければ、その時にセールになっている商品を買うようにすれば、継続して節約ができます。
野菜類は、夏場はまだ良いのですが、冬場は新鮮なものがあまり手に入りません。家の近所のスーパーをあちこち見ておき、比較的良いスーパーを見つけておいた方がいいです。
ちなみに、野菜はパック売りではなく、『1キロいくら』という売り方なので、必要な個数で買えるのがとても有り難いです。
市場は新鮮な野菜を売っていることが多いのですが、少ない個数だと少し渋られますし、多く入れられてしまうこともあります。
その点スーパーは、『にんにく1個』でも『バナナ1本』でも、文句を言われることはありません。無駄ない買い物ができるのは、とても助かります。
下記は一般的なスーパーの食材の価格です。
ロシアのスーパーの食材物価:
食材 | 物価 |
---|---|
牛乳 1L | 75ルーブル(約130円) |
水 5L | 60ルーブル(約100円) |
たまご 10個 | 80ルーブル(約135円) |
バナナ 1Kg(約5本) | 58ルーブル(98円) |
じゃがいも 1Kg | 26ルーブル(45円) |
豚ひき肉 400g | 150ルーブル(255円) |
コカ・コーラ 1.5L | 100ルーブル(170円) |
100%オレンジジュース 1L | 125ルーブル(210円) |
ただ、これは定価の平均なので、割引品を選べば平均30%引きで購入することが出来ます。
筆者も、割引品の中から選んで献立を考えたり、メーカーを変えたりして、食費を節約しています。
外食費用
ロシアの外食産業は、かなり速いスピードで進歩しています。
ケバブやバーガー類などのファストフードは多くの駅前に店舗を構え、マクドナルドはいつも人でごった返しています。
上の写真はマクドナルドのタッチパネルですが、これで注文から支払いまで済ませることができます。
すぐに厨房に連動するので、出来上がりまでの時間がとても速く便利ですし、接客のトレーニングもしており、基本的に店員さんは親切です。
主要な地下鉄の駅周辺には、ロシア料理、ジョージア料理、イタリア料理、ビアバーなどのほかに、カフェが所狭しとひしめき合っていますが、人気のないレストランはすぐに潰れてしまい、あっという間に違うレストランに変わってしまいます。
高いお店を上げればもちろんキリがありませんので、ここでは、日本と比較しやすいファストフードと、カジュアルイタリアレストランで価格を調べてみました。
【マクドナルド】
メニュー | 価格 |
---|---|
ハンバーガー | 48ルーブル(約82円) |
ビッグマック | 130ルーブル(約220円) |
ポテトM | 50ルーブル(約85円) |
コーラM | 60ルーブル (約60円) |
ビッグマックセット (ビッグマック+ポテトL+ドリンクL) |
179ルーブル(約300円) |
【カジュアルイタリアン】
メニュー | 料金 |
---|---|
グラスワイン | 300ルーブル(約510円) |
グリーンサラダ | 350ルーブル(約600円) |
ピッツァ | 400〜700ルーブル(約680〜1,200円) |
パスタ | 350〜650ルーブル(約600〜1,150円) |
カプチーノ | 250ルーブル(約420円) |
生活用品費
生活用品は、日本に比べてやや高めのイメージです。
選択肢については、大型スーパーに行けば色々なメーカーや種類もありますし、困ることはありません。
ただ、ティッシュペーパーが異常に高いのが気になります。
日本では、5箱セットで200円程度で買えるものが、1箱140円となると、ちょっと手が出ません。
その代わり、喫茶店などに置いてある四角折りの紙ナプキンは、100枚入りで17ルーブル(28ルーブル)なので、それで十分です。
参考に、主要な生活用品の価格をご紹介します。
【生活用品の物価】
生活用品 | 物価 |
---|---|
トイレットペーパー 12ロール | 180ルーブル(約300円) |
ティッシュペーパー 1箱(100枚) | 80ルーブル(140円) |
シャンプー 250ml | 150ルーブル(250円) |
歯ブラシ | 100ルーブル(170円) |
歯磨き粉 100ml | 150ルーブル(250円) |
洗濯用洗剤 1.2L | 400ルーブル(680円) |
食器用洗剤 | 100ルーブル(170円) |
モスクワの交通費
公共交通機関
モスクワの交通機関は大変便利です。
- 地下鉄
- バス
- ミニバス
- トロリーバス
- トラム
と、様々な公共交通機関があり、全て同じカードで乗ることができます。
日本で言うと、『Suica』のような、デポジットが出来るタイプのカードで、『トロイカ』といいます。
デポジットの種類は、回数で選べるタイプと、リミット無しで期間が選べるタイプがあります。
<回数券>
- 1回 :55ルーブル
- 20回 :747ルーブル
- 60回 :1765ルーブル
<期間別>
- 1日 :218ルーブル
- 30日 :2075ルーブル
- 90日 :5190ルーブル
- 365日:18900ルーブル
タクシー
ロシアのタクシー代は、日本と比べてかなり安いです。
例えば、シェレメチボ国際空港までの距離は46Kmです。
道が空いていれば1時間程度ですが、この距離と時間で乗って、1000ルーブル(1,700円)程度。
これは日本に比べてかなり安いですよね。
でも、モスクワは地下鉄やバスが便利なので必要ないし、最近はタクシーもかなりサービスも良くなりましたが、運転手によってはまだかなり危ない運転をする人もいるので、荷物の多い空港の往復以外、使わない人も多いです。
娯楽費
モスクワの休日の過ごし方と言えば、一番に思いつくのはお金のかからない散歩ですが、その他に、映画、コンサート、美術館も人気です。
それぞれの特徴や費用をまとめてみました。
映画
映画館は大きいショッピングモールには大体入っています。日本と違ってとても安いです。
面白いのは、映画館によって料金が違うことです。
- 朝・昼は300ルーブル(510円)
- 夜は500ルーブル(850円)
など、とてもリーズナブルで、気軽に観られます。
ただ、ロシアは吹き替えが好まれていおり、字幕での上映がとても少ないので、事前にチェックが必要です。
コンサート
モスクワでは、クラシックや民族音楽などのコンサートが毎晩どこかで行われています。
ロシア人にとって、コンサートはとても身近で、平日の夜でも沢山の人が音楽を楽しんでいますし、お年寄りもとても多いです。
チケット料金は、300ルーブル(510円)から2500ルーブル(4,300円)位が多いです。
音楽の場合は、少し遠目の方が良い場合もあるので、安い席でも十分楽しめるので、安いチケットで、色々なコンサートをたくさん聴きに行くのがおすすめです。
美術館
モスクワには、トレチャコフ美術館、プーシキン美術館、現代美術館、写真美術館など、本当に数多くの美術館があります。
また、有名な作家や音楽家の家が美術館として公開されており、それもとても興味深いです。
企画展も随時開催されており、その中でも日本の企画展は毎回大変な人気です。
主要な美術館の入場料は、500ルーブル(850円)程度です。
曜日によって無料になったり、毎月第3日曜日無料というキャンペーンもあり、色々調べればお金をかけずに芸術を楽しむこともできます。
ロシアの物価と生活費まとめ
ひと月あたりの生活費をざっと計算してみましたので、参考にしてみてください。
【1人暮らし モスクワ市内賃貸アパートに居住】
- 家賃 30,000ルーブル
- 水道光熱費 750ルーブル
- インターネット費 330ルーブル
- 携帯通信費 300ルーブル
- 食費 7000ルーブル
- 交通費 2000ルーブル
- 生活用品費 1000ルーブル
- 娯楽費 2500ルーブル
合計:43880ルーブル ( 約75,000円)
その他、外食の回数、娯楽費は人によって変わってきますし、高級スーパーで買い物をするだけで、かなり生活費は変わります。
逆に、メーカーなどにこだわらず、常に割引商品を購入するようにすれば、参考費用から20〜30%引きの費用で生活することも可能です。
また、通信費と交通費が安い分、生活費は日本よりもかなり安くなる印象です。
ロシアで生活するうちに、質の良いものを安く、経済的に暮らす工夫もできるようになってきます。
耳より情報を皆で共有しながら、楽しんで生活していくのがモスクワ生活のポイントです。
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