ドイツの研究所で仕事をして4年が経つKeksさん。今は家族でベルリンへ移住し、生活を送っています。
ベルリン生活やその地の魅力について、聞いてみました。
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ベルリンへ移住したきっかけは?
バイオの研究のため
脳分野のバイオ関連の研究をしたくて、それができる場がベルリンだったということがあります。
ヨーロッパに行きたいという気持ちが強かったので、ロンドンやリスボンなど、その分野で面白い研究をしているところに、すべて連絡を取っていきました。
そのなかで、最終的に決まったところがフンボルト大学(ベルリン大学)と医科大学の共同の研究所だったんです。
リフレッシュのため
もともとは、日本の大学院で研究をしていましたが、日本では働けば働くほど良いといった風潮があります。
強制的に頑張らなくてはいけない、頑張らなければ疎外感がある、そんな雰囲気の日本の社会生活に疲れてしまい、ヨーロッパに行ってみたかったというのがあります。
ドイツ生活で目的は達成できた?
比較的、目的は達成できたと思います。(笑)
というのも、文化的に良いところも、そうでないところもあるので、そういった点は折り合いをつけて、生活しています。
仕事の研究面では、満足しています。
例えば、研究の進捗状況を報告する会議では、日本だと言われたことを聞くだけ、話している人はトップの人だけ、という雰囲気がありますが、こちらでは、皆好きなように熱く議論を戦わせていて、楽しいです。
今後の予定は?
今のところ、こちらで仕事の契約が続く限り、給料が続く限りは、ベルリン生活を続ける予定です。
ベルリンという都市の魅力は?
緑が多いこと
いろんなところに公園があって、植木があって、自然が多いです。
文化施設も充実
博物館や美術館も充実しています。
ベルリンはポップカルチャーの中心地でもありますので、イベントやライブも多数開かれています。
金額も安く鑑賞できます。
個人的にはクラシックが好きなのですが、ベルリンフィルハーモニーのコンサートを聞こうと思うと、東京だとチケットは数万円しますが、こちらだと一番安ければ数千円なので、とても嬉しいです。
ペルガモン博物館も面白い
イギリスでいう大英博物館みたいなもので、イラクやイスラエルの遺物などがあり、メソポタミア文明の遺物は大英博物館に匹敵するものがあります。
ベルリンの治安面の注意点は?
治安は全体的には良いです。
こちらの女性の動きを見ても、そこまで気にしている人はいないように感じます。
東ベルリンのほうは若い場所なので、西側に比べると、昔の工場跡や廃墟などはもしかしたら危ないかな、と思います。
食文化について
ドイツ料理はどこもおいしいですし、ベルリンの外食は、そんなに高いところは少ないです。
お昼の定食屋に入れば1,000円くらい。ちょっと良いところにいけば、1,500〜2,000円程度。(ドイツのチップは10%くらい)
東京で外食するよりは、少し高いくらいのイメージでしょうか。
外食をせずにスーパーにいけば、すごく安く生活できます。
意外においしいトルコ料理
あとは、ベルリンはトルコからの移民が多いので、トルコ料理はおいしいところが多いです。
私は、家の近くに自分好みのケバブ屋さんがあって(隠れた名店だと思っています)、そこへはよく食べに行きます。
ベルリンで生活するために必要な費用はいくらくらい?
住まいの費用
現在は、妻と2人で暮らしていて、アパートを二人で借りて住んでいます。
1DKで、1ヶ月7万円くらいです。
ベルリンで賃貸物件を見つける方法
ベルリンは賃貸物件が少なくて、新築物件も建設していません。
ですので、シェアフラットが多いです。シェアフラットだと1ヶ月3万円くらい。
新たに物件を見つける確実な方法は「口コミ」です。
知り合いがアパートを出て行くときに、その人が、その後に入る入居人を指名するという形式があるんですね。
一番確実なのは、現地に知り合いを作っておき情報を得ることです。
私の場合は、ベルリンの学者メーリングリストがあり、それに入ると、バイト募集、入居人の募集、家具のセールといった情報が流れてきます。メーリングリスト入っておくといろんな情報が来ます。
ただ、これは特殊な方法なので、一般的には、ベルリンで短期的に住居を構えて、シェアフラットを探すなり、どこかの物件なり、少しずつ探していく方法が一番多い方法です。
食費
選べばそんなに高くないです。
単身のときは贅沢しても、ひと月食費は4〜5万円くらいです。
自炊をすれば、もっと安くなると思います。
とくに、ドイツの場合は軽減税率が導入されていて、野菜やパンといった必需品はかなり安いです。1週間分のパンでも、100〜200円、牛乳も1リットル100円程度です。
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ドイツでのビザ(滞在許可)取得/就労・研修・研究滞在ビザ
まず、ドイツへは観光ビザで入りました。
その間に、外国人局の予約をして、研究者向けの「就労・研修・研究滞在ビザ」がありまして、その申請をしました。
必要なもの
生活基盤の証明をすることが重要。
私の場合は、研究所との契約資料、滞在中の収入があるかの資料、等です。
有効期間
契約が続く限りです。
滞在許可の取得まで
書類に不備がなければ、滞在許可はその日に取得でき、滞在許可証のカードを発行してもらえます。
ただ、予約をして、外国人局へ行く日にちまで時間を待たなくてはいけません。飛び入りでも行けるようですが、かなり待つみたいです。
注意点
証明書社会なので、しっかり資料を整えていくことです。
例えば、
- 妻がくるときに婚姻証明書を発行してきたのですが、これは当時に結婚した証明であって、今結婚している証明にはならない、と指摘されたり。
- 銀行の口座に残高がある場合でも、3ヶ月分くらいの入出金の残高の証明をとっておいたほうが良かったり。
- 雇用主がドイツにいる場合は、その人に一筆書いておいてもらうと良いと思います。
不備があると、また予約しなおしで、そのたびに何ヶ月も待つときりがないので、注意が必要です。
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ベルリン生活に必要な準備は?
ドイツ語
東ドイツのベルリンで一番感じることは「ドイツ語」です。
英語が話せれば大丈夫だろうと思っていたら、意外に英語が通じません。
移民の人も皆ドイツ語を話します。
ですので、最低限の言い回しだけでも覚えていくと、相手の対応が柔らかくなると思います。
意外と困る衛生用品
歯ブラシや常備薬は、ドイツと日本は異なるので苦労します。
風邪薬やアレルギーの薬も、こっちで買ったことはないです。
歯ブラシも、ごついものしか売っていません。
ベルリンと日本の違いで驚いたことは?
店員さんの態度には困った
日本のサービス精神はみられません。
自分の職権の範囲から外れることは対応しないことがほとんどで、悲しい経験を多くしました。
彼らが悪いというわけではなく、そういう文化なんですね。
すべてが予約社会
銀行の口座を開くにも、風邪を引いて病院にいくにも、すべて予約が必要です。(風邪引いて2週間後に予約しても。。苦笑)
インターネットで予約もなく、メールをしても返事は来ません。
一番いい方法は、電話をするか、直接行くか、しかありません。
駅では改札がない
チケットを購入して、パンチをしてもらうと、チケットが有効になります。
このチケットを必ずしも、誰かに見せる必要はなくて、係りの人が来たときだけ、見せれば良いんです。
この切符を買ってどうすればいいだろう?と、最初は戸惑いましたね。
元旦は危険に
カウンドダウンが終わって、新年を迎えるときに、ドイツ人は厄除けで花火や爆竹をします。
それが非常にうるさくて、危なく、怖いんですね。けが人も出るくらいです。
30分くらいは、煙で通りが見えなくなるくらいです。
ですので、元旦はあまり外出せずに、安全にしていたほうが良いと思います。
冬は暗く寒い
ベルリンは緯度が高いので、冬はすごく寒くて暗いです。
16時には暗くなり、朝は9時まで日が昇らなく、日々曇っているので、冬季鬱みたいな方にはあまりおすすめできないかもしれません。
最後に〜ドイツ生活を送るTIPS〜
現地の環境にどっぷり浸かることは重要だと思います。
文化の違い、価値観の違いを知ることができるし、今まで思ってもみなかったことができて、面白いなと思います。
例えば、飲み会のときはとても楽しいな、と感じました。それぞれの人が、自分の意見や価値観を主張してくるのは、結構面白いです。
そんなときは自分のアイデンティティも試されるので、日本では得難い経験もできると思います。
あと、ベルリンはラーメン屋さんが増えているので、今後、面白いと思います。
新しい文化を積極的に取り入れるベルリン、一度、来てみたほしいです。
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