チェコ で生活するのにどのくらいの費用がかかるか、なかなか想像するには難しいですよね。
チェコでは近年物価が上昇していると言われています。
ですが、近隣のヨーロッパ諸国に比べれば物価はまだ安く、生活費を安く抑えられる傾向にあります。
と言っても、この国の平均年収は日本の約6割程度。
そこから社会保険や税金などを引かれるため、実際に受け取る額はさらに少なくなります。
日本の感覚で生活をすれば食材などは安い印象を受けますが、実際にこちらの賃金形態で雇用されている場合はどうなのでしょう?
そこで、チェコ での1ヶ月の生活費を算出してみると10万円以下で生活できることがわかりました。
では、何が高く何が安いのか?実際の生活費の内訳を見てみましょう。
※1czk(チェココルナ)を5円で換算しています。
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チェコの平均賃金は?日本の約半分
平均年収は日本に比べると約6割程度です。
さらに、ボーナスはあってもわずか、ない会社がほとんどです。
チェコの最低賃金は月額13,350czk(66,750円)、時間では79czk(395円)ですので、日本に比べると約半分というところです。
チェコの家賃。プラハ市内は安くないが備品は揃っているため初期費用はOK
社会主義時代に建てられた集合住宅が今も多く残っているチェコ。
一軒家も多くありますが、新築となると数はあまり多くありません。
一軒家または集合住宅などの中古物件を購入しリフォームして住んでいる人が多く見られます。
ここ数年はチェコは不動産の価格が上昇傾向にあり、特に主要都市ではそれが顕著です。
住居を探しているけど希望に沿うものがなかなか見つからないという人が多いのが現状です。
チェコの一番大きな都市であり観光地でもあるプラハとなると、その他の地域と比べると家賃は高くなります。
また、比較的大きな街とスーパーなども少ない地方とでは、家賃にも大きな開きがあります。
チェコの賃貸アパートには家具や家電(場合によっては調理器具や食器なども含まれる)が備え付けてある場合も多いため、そういった所を選ぶことで、新生活のための初期費用はかなり抑えることができます。
プラハ市内の家賃例
キッチン・バス付きワンルーム | 10,000〜20,000czk(5万〜10万円) |
2LDK | 25,000〜40,000czk(12万5千円〜20万円) |
プラハ以外の家賃例
キッチン・バス付きワンルーム | 8,000〜12,000czk(4万〜6万円) |
2LDK | 12,000〜20,000czk(6万〜10万円) |
立地や家具家電付きなどの条件によって値段の幅があります。
また、光熱費込みの家賃の場合と、別に支払いが必要になる物件があります。
滞在の目的が留学の場合には、学生寮やマンスリーマンション、ルームシェアなどもあるので、そういった場所を利用することで滞在費を抑えることができます。
光熱費・電気・水道代:一人暮らしで1万円。家族で2.5万円
チェコで賃貸の部屋に住む場合は、あらかじめ家賃の中に光熱費が含まれている場合も多くあります。
または、毎月光熱費として一定額を支払い、一年後にその支払い分と実際に使用した分の差額を追加で支払うまたは返還されるという場合もあります。
チェコは冬が寒いので、一般家庭にはセントラルヒーティングが完備されており、常に部屋の中は暖かく保たれています。
逆に夏場に使用するエアコンを設置している家庭は日本に比べると少ないです。
1ヶ月の光熱費としては、一人暮らしで2000czk(1万円)、4人家族で5000czk(2万5千円)といったところです。
ですが、夏場にエアコンをガンガンに効かせたり、毎日湯船に浸かるなどすれば値段は跳ね上がるでしょう。
食材の物価は安いため、食費は日本の半分程度でOK
食材に関しては日本に比べるとものにもよりますが、約半分くらいの値段で買えます。
特に主食となるパンやじゃがいも、そしてビールはとても安いです。
食料品の物価
大きな黒パン | 30czk(150円 |
ホットドック型のパン | 3czk(15円) |
菓子パン | 8czk(40円) |
じゃがいも 1kg | 20czk(100円) |
卵 10個 | 40czk(200円) |
小麦粉 1kg | 10czk(50円) |
米 1kg | 50czk(250円) |
バター250g | 50czk(250円) |
ヨーグルト 500g | 25czk(125円) |
豚肉ブロック 1kg | 150czk(600円) |
牛肉ステーキ用 1kg | 250czk(1,250円) |
鮭切り身 1kg | 400czk(2,000円) |
ビール 500ml | 20czk(100円) |
※全て税込価格です
最近はbio食品(有機・オーガニックの食材や加工品)も多く見られ、それらは一般のものと比べるとやや割高になります。日本の食材と同じくらいか少し安いくらいの価格と考えて良いでしょう。
またチェコは内陸国なので、魚は品数は少なく冷凍のものがほとんどで、価格は高いです。
例えば、チェコに居ても日本と同じような食生活(お米と魚中心)を送りたいと考えるのならば、もちろん割高になります。
ですが、ここでの主食(じゃがいもやパンなど)を多く食べる場合には、食費を抑えることができるでしょう。
チェコにはベトナムからの移民も多く、ベトナム人が経営するショップも多くあります。ベトナムでも食べられるもち米やフォー、インスタントラーメンなどは日本食と比べると比較的安価で手に入ります。
外食費
一般的なチェコ料理を食べるとしたら
- ランチで150czk(750円)
- ディナーで300czk(1500円)
もあればお腹いっぱい食べることができます。
関連記事:肉・じゃがいも・ビール!チェコの食文化と普段の食事や伝統料理とは
レストランの価格としては日本とそれほど変わらないか少し安い程度かもしれませんが、日本に比べるとボリュームがあります。
また、コーヒーは一杯60czk(300円)くらいです。
スターバックスの価格は日本とほぼ同様のため、チェコの物価に換算するとやや高めと言ったところでしょう。
ビールはジョッキ(500ml)で30czk(150円)くらいです。
プラハの市街地や観光地などでは全体的に割高になります。
また、レストランではそのサービスに満足した場合にのみ、お会計の10%程度をチップとして支払えば良いでしょう。
電化製品・車の価格は日本と同じ程度
チェコや他のヨーロッパやアジアのブランドなど様々なものが流通しています。
価格は日本と同じくらいと考えて良いでしょう。
ですので、チェコの企業の賃金から考えると、すぐに手が届くものではありません。
そのためか、電化製品も車も修理しながら大切に長く使っている人が多いです。
医療費
一般的な健康保険に加入し保険料を納めていることが条件となりますが、診療は無料で行われます。
ただし、薬代や特別な処置などには別途支払いが生じる場合があります。
また歯科でも定期検診は基本無料、歯の詰め物などにはその種類に応じて支払いが生じます。
出産に関しても同じで、基本的には無料。
※入院中の部屋のグレードや、例えば無痛分娩などで処置が必要な場合には支払いが生じます。
一般の公立病院とプライベートのクリニックや歯科によっては保険でカバーできる部分に違いがありますので、確認が必要です。
チェコでの交通費
主要都市ではトラムやバス(プラハでは地下鉄も)が各所に張り巡らされているチェコ。
それらでの移動は日本に比べて割安で乗ることができます。
6歳未満の子供は無料で乗ることができます。
さらに3歳未満は子供1人につき付き添いの大人1人が無料になります。(ただし、交通機関から発行されたパスの携帯が必要です)
チケットの料金
地域ごとで値段が若干異なりますが、一定範囲内での一定時間内有効なチケットが販売されています。
おおよその値段は以下の通りです。
期間 | 料金 |
---|---|
30分 | 20〜25czk(100〜125円) |
90分 | 30〜35czk(150〜175円) |
24時間 | 100〜200czk(500〜1,000円) |
3日間(プラハのみ) | 310czk(1,550円) |
30日間 | 600〜800czk(3,000〜4,000円) |
また、大きな街であればトラムやバスは夜間も運行しています(本数はかなり少なくなりますが)。
関連記事:チェコ・プラハ市内の移動手段(メトロやトラム)と便利アプリ
プラハ以外はタクシーがあまり多くはないチェコ。
タクシー運賃は日本とほぼ同じくらいかやや安いと考えて良いでしょう。
特に若者は、お酒を飲んだ帰りが夜中になろうともタクシーには乗らない場合がほとんどです。
交際費は?チェコ では飲み会はほとんどない
日本の会社と異なり、飲み会や歓迎会などはほとんどないチェコ。
仕事とプライベートは切り離して考えてる人が多い国です。
ですので、現地の企業であれば会社の同僚との飲み会などにかかる交際費はほぼないと言って良いでしょう。
ただし日本の企業の場合は、日本からの出張者を迎える場合に飲み会や食事の席を設けることも多いようです。
その他(娯楽費・通信費・学費)
娯楽費
映画は120czk(600円)くらいからあります。
チェコ国内には大小様々な規模の劇場が多数あり、コンサートや演劇なども日本に比べると割安で見ることができます。
通信費・ネット費用
インターネットは1ヶ月およそ600czk(3,000円)程度です。
携帯電話は月額およそ500〜700czk(2,500〜3,500円)程度ですが、データ使用量によっては個人差があるでしょう。
またチェコでは、日本以上に街中に無料WiFiスポットが点在しているので、それらをうまく利用することも通信費を抑えるひとつです。
学費
公立の幼稚園、学校、大学の学費は全て無料です。
諸経費や給食代、学業以外のクラブ活動や学童(学校が終わった後に子供を預かってくれる場所)では費用を支払う必要があります。
チェコの生活費を算出すると・・
チェコでの生活費は、日本での生活に比べると随分と割安に感じるかもしれません。
また留学等に関しても、近隣のヨーロッパ諸国に比べると物価が安いので生活費自体の出費は抑えられそうです。
以下に、チェコで単身生活をした場合の生活費の例を挙げました。
例えば学生寮やルームシェア等にすれば家賃を抑えることができますし、自炊を多くすれば食費を抑えられるでしょう。
家賃 | 10,000czk(5万円) |
光熱費 | 2,000czk(1万円) |
食費 | 3,000czk(1万5000円) |
外食費(週1回) | 800czk(4,000円) |
交通費 | 700czk(3,500円) |
通信費(インターネット・携帯電話) | 1,200czk(6,000円) |
合計 | 17700czk(8万8500円) |
チェコはヨーロッパの真ん中に位置する小さな国です。
そのため、隣国も近く例えば週末に行くことも可能です。
近くても外国、言葉はもちろん文化や習慣までも違う国にふらっと行けるのは日本人からすると少し不思議な感じがします。
が、それもチェコに住んでいるからできること。
日々の生活を快適に保ちつつうまく生活費をやりくりすることで、近隣の国へ遊びに行くこともオススメです。
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