北欧デザイン、充実した社会保障や福祉など、比較的イメージの良いスウェーデン。
冬の寒さは厳しいですが、四季もあり自然の豊かな住みやすい国であるといえます。
そんなスウェーデンで一度は暮らしてみたいと思っている方へ、ここではスウェーデンで働くための仕事探しやスウェーデンでの働き方などをご紹介します。
【スウェーデンの関連記事はこちら】
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1. スウェーデンで働くための就労ビザ事情
まずはスウェーデンで働くためのビザについて。
スウェーデンで働くには労働ビザが必須
スウェーデンは同じ北欧のノルウェーやデンマークと違い、日本とワーキングホリデーの協定を結んでいない国です。
- スウェーデン人と結婚しているる場合
- 同棲するスウェーデン人パートナーがいる場合(スウェーデンでは同棲しているパートナーをサンボと呼びます)
でない限り、日本人が現地で働くには就労ビザの取得が必須です。
ビザを申請するときに、どの程度パスポート有効期限があるかにもよりますが、初めての申請の場合は2〜3年しか労働許可が下りないことが多いようです。
パスポートの期限があと1年半で切れてしまう、などという場合はパスポートが有効な期間内でしかビザが下りないので、ビザ申請前にご自身のパスポートのチェックもお忘れなく。
参考記事:「スウェーデンで暮らすためのビザ4種類。美しい自然とスローライフ」
スウェーデンの就労ビザの取得方法
労働ビザの手続きは基本的に、スウェーデン移民局(Migrationsverket)のウェブサイトから可能で、すべてオンライン上で行われます。
基本的にはまず雇用主(会社)が移民局にオンライン申請をし、被雇用者は会社が申請を完了したことを知らせるメールを移民局から受け取って初めて手続きを始めることができます。
つまり、現地での仕事を見つけて正式に採用されないかぎり労働ビザを取得することは出来ないということです。
まず日本で仕事探しをすることから始めましょう。
起業という方法もあるが・・
もちろん、スウェーデンで会社を起こしたいという方には個人事業主用の就労ビザもありますが、細かな条件を全て満たす必要があります。
例えば、
- スウェーデン語または英語の言語能力はもちろん
- 最低でも20万クローネ(2018年10月現在のレートで日本円で250万円程度)の資金があるか
- 事業を運営していくためのコネがスウェーデンにあるか
など、、決して簡単とは言えませんが、チャンスがないわけではありません。
就労ビザ取得までは、長い申請結果待ち
労働ビザの申請は必要書類をきちんと準備できれば決して難しいものではないと言えます。
日本人であればビザの申請料も免除されるので、お金を払う必要もありません。
しかし問題なのはビザの申請結果が出るまでの待ち時間です。
業種にもよるものの、2018年10月時点では結果を受け取るまでの所要期間は5〜8ヶ月となっていて、正確な所要期間は問い合わせをすることができないようになっています。
移民局からの正式な返答がくるまでビザを取得できるかが100%確実とは言えないので、渡航計画を立てにくいのがスウェーデン移住の難しいところです。
【ビザに関する情報は随時確認しましょう】
ここまでご紹介した内容はすべてスウェーデン移民局のウェブサイトから英語またはスウェーデン語で確認することができます。
ビザの申請結果を受け取るまでにかかる所要時間をはじめ、細かなルールなどは随時更新されているので、ご自分でもぜひご覧になってくださいね。
スウェーデン移民局 (Migrationsverket):
https://www.migrationsverket.se
2. スウェーデンの求人状況の現実
労働ビザについて確認したところで、次は「スウェーデンで日本人が就ける仕事にはどんなものがあるのか」を見ていきましょう。
在スウェーデンの日本企業の求人
イギリスやドイツなど他のヨーロッパの国に比べると、スウェーデンに進出している日本企業は多くありません。
しかし、2018年7月に日本とEU諸国の間で経済連携協定が結ばれたことから、今後日本とヨーロッパのあいだの貿易や投資などが自由化され、より多くの日本企業が進出していくことも考えられます。
現時点では数少ない企業の中から採用のチャンスを掴むのは決して簡単とは言えませんが、気になる企業があれば採用ページをこまめにチェックして機会を逃さないようにするのが大事です。
すでにスウェーデンに進出している企業は、ストックホルム日本商工会のウェブサイトで加盟企業一覧にも記載されているので、ぜひ参考にして下さい。
ストックホルム日本商工会:
http://www.japan.se/pid_181644/
在日スウェーデン企業の求人
日本で同じ業種で働いたことがあるのなら、スウェーデンを代表する自動車メーカーや大型家具専門店などの現地採用情報を見てみるのもおすすめです。
各企業の日本向けウェブサイトからでなく企業名+careerまたはrecruitなどと検索してみると、グローバル採用情報のページを見つけることが出来ます
3. スウェーデンの求人情報の探し方
スウェーデンでの仕事は、在留邦人人口の多いアメリカやオーストラリアなどど比べると数が限られています。
求人状況の現実でお伝えしたように、総合求人サイトなどを頼りにするよりも、自分の興味のある業種や会社に的を絞って採用情報を確認していくほうが仕事を見つけやすいでしょう。
スウェーデンには日本のような就職活動をする習慣はなく、自分が興味のある会社や仕事があれば求人がなくても履歴書を直接持っていったり、メールで送ることもあります。
もし働きたい企業がすでに決まっている場合は、直接連絡してみるのもひとつの手であると言えます。
これは稀な例ですが、憧れていたスウェーデンの小さな会社を訪ねて、オーナーと意気投合して採用されたという強者もいます。
4. スウェーデンで働くための必須条件
いくら魅力的な求人情報を見つけても、企業が求めるような能力がなければ仕事を得ることは難しいのが現状です。
そこで、日本で働く日本人が、スウェーデンで働くために必ず必要なものをお教えしたいと思います。
英語のコミュニケーデョン力
それは、英語のコミュニケーション能力です。
義務教育過程での英語教育や、テレビでイギリスやアメリカなど英語圏の番組が放送されていて英語に触れることが多いこともあり、一般的にスウェーデン人の英語力は高いです。
スウェーデン語が出来ることはもちろん有利なりますが、外国籍のひとたちが多く働くような会社であれば、社内のコミュニケーションはすべて英語でという会社も少なくないようです。
非英語圏の国であっても、英語でスムーズにコミュニケーションがとれるのは、スウェーデンで働きたい日本人にとって必要最低限の能力と言えます。
スウェーデンで英語を学ぶ環境もあり
ちなみに、スウェーデンで生活するためのスウェーデン語については移住してからでも十分学ぶことが出来るので心配ありません。
SFI (Svenska för invandrare, 移民のためのスウェーデン語)というスウェーデン語のコースをスウェーデンに住む外国籍の人なら誰でも受けることができます。
夕方のコースや土曜日のコースにはフルタイムで働くひとたちがスウェーデン語を学んでいます。
5. 日本とどう違う?スウェーデン人の働きかた
最後に、仕事探しのモチベーションを高めるためにも、スウェーデンで働くのはどのような感じなのかご紹介します。
・仕事は早くはじめて早く片付ける
一般的なスウェーデンの会社の就業開始時間は8時〜9時と、日本に比べると少し早め。
冬になると早朝はまだ外が真っ暗のままということもあるスウェーデンですが、早い時間に仕事を始めて遅くならないうちに帰宅し、家族と過ごしたり自分の時間を持つというのがスウェーデン人のスタイルなんです。
就業時間は17時〜18時が多いですが、金曜日になると昼休憩の時間を縮めて16時ごろには帰宅できるようにするひともいて、金曜日の夕方にはバーで仕事後の一杯を楽しむひとを見かけるほどです。
・長期休暇
日本人が驚くことが多いのが、スウェーデン人の休暇の長さです。
フルタイムで働く人なら、最大で5週間の休暇をとる権利が認められていて、6月〜8月の間は1ヶ月間の休暇をまとめてとることができます。
休暇制度においては、日本の年度のように4月から3月末日までを1年として数えていて、もし長期休暇を取れなかった年があっても、会社によっては最長5年間は日数を残しておくことも可能です。
夏のはじめになるとその年の休暇をどうするかが話題になるほど、休暇を取るというのは当たり前のことになっています。
・子供を持つ親に優しい制度
スウェーデン女性は結婚をして子どもを持っても専業主婦になることはほとんどなく、男性と同じように働いています。
それを可能にしているのは、男女平等の意識が高いのはもちろん、女性が働きやすい制度や環境が整っているからです。
1つ目は産休・育休制度の充実です。
スウェーデンではペアレンタルリーブと呼ばれる産休・育休制度があり、子どもが生まれてから計480日間の休みを取ることができます。
そのうち390日間は給与の80%が支払われるほか、残りの90日も80%とはいかないものの、決まった金額が支払われるようになっています。
このほかにも
- ペアレンタルリーブが終わったあとも、子どもが8歳になるまでは時短勤務を続けることができたり
- 病気にかかってしまった子どもの看病する場合は欠勤しても給与の80%を受け取ることが出来る
など、子育てのサポート制度はしっかりしています。
この制度は母親だけでなく父親も利用することができ、比較的多くの男性が子どものために時間をつくり、母親と共に協力して子育てをしています。
関連記事:「これで全部分かる!スウェーデンの社会福祉制度のすべて」
実際、町では父親と子どもだけで出かけたり、子守りをしながらカフェでひと仕事している男性を見かけることは少なくありません。
日本とは全く異なるスウェーデンの労働環境。
ライフワークバランスが取れている人は大多く、週末はもちろん平日でも仕事後に趣味や友達、家族との食事を楽しんでいます。
スウェーデンで働くうえで知りたいことまとめ
ここでは、
- スウェーデンの労働ビザの取得方法
- 日本人むけの求人の現状
- 現地での仕事の探しかた
- スウェーデンで働くうえでの必須条件
- スウェーデン人の働きかた
をご紹介しました。
仕事を見つけてビザを取得するまでの過程は決して楽ではありませんが、スウェーデンの生活は日本とは全く違う、充実したものになると思います。
記事を書かせて頂いた私自身も、忙しく働いてはいるものの、日本で働いていた時に比べるとプライベートの時間がぐっと増えました。
休暇の計画を立てるのも、仕事のモチベーションに繋がっています。
皆さんにもスウェーデンの新生活を始める機会がおとずれますよう、応援しています。
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