銀行やATMはどの国で生活するにも欠かせないものですが、国によって違いが大きいものです。
筆者がスウェーデンに移住した直後は周りに知り合いも少なく、銀行やお金のことに関する情報を集めるのに苦労しました。
ここでは、スウェーデン在住の筆者からスウェーデンでの銀行の選びかたから口座開設の手続きをはじめ、銀行やATMの利用方法をご紹介します。
スウェーデンにはどんな銀行があるの?
まずはじめにスウェーデンにはどのような銀行があるのかを見ていきましょう。
スウェーデンの主要な銀行はスウェーデン国内だけのものと、デンマークやフィンランドなど近隣の国に本社がある銀行があります。
スウェーデン国内の主要な銀行は
- Swedbank
- SEB
- Handelsbanken
ですが、
- フィンランドに本社のあるNordea
- デンマークで最も大きいDanske Bank
を利用するひとも多くいます。
どの銀行を選んでも利便性に大きな差はありませんが、Applepayなどのスマートフォン上でのモバイル決済などを行える銀行口座は限られているので、それらのサービスを利用したい場合は注意が必要です。
また、学生向けの口座開設やパートナーとの共同口座などは銀行によってサービスの内容が違うこともあるので、ウェブサイトなどで情報を確認し、比較検討するのをおすすめします。
公式サイト一覧:
- Swedbank: https://www.swedbank.se (スウェーデン語のみ)
- SEB: https://seb.se (スウェーデン語のみ)
- Handelsbanken: https://www.handelsbanken.se/sv/ (英語での案内あり)
- Nordea: https://www.nordea.se (スウェーデン語のみ)
- DanskeBank: https://danskebank.se/privat (スウェーデン語のみ)
スウェーデンで銀行口座を開設しよう
スウェーデンでは銀行に行けばその日のうちにすぐ手続きができるという訳ではなく、口座開設の手続きのための予約を取る必要があります。
銀行によっては予約を取るまでに数週間待たされるなどということもあるので、銀行口座をすぐ作る必要がある場合にはいくつか候補をあげて最も早く予約が取れた銀行で手続きするのもひとつの手だと言えます。
口座開設に必要なものは?
口座開設に必要なのは、スウェーデンの税務局から発行されるパーソナルナンバー(personnummer)とそれが記載された身分証明のカードです。
パーソナルナンバーは日本マイナンバーのようなもので、公共機関や銀行などはこのパーソナルナンバーを使って個人情報を管理しています。
パーソナルナンバーを伝えるだけで銀行側はスウェーデンでの住所や生年月日などを照会することができるのですが、外国人が銀行口座を開設する場合にはパスポートや居住許可証の提示を求められることもあります。
口座開設の手順
・予約をしよう
口座を作りたい銀行を決めたら、銀行で口座開設の予約をする必要があります。
先にお伝えした通り、日本では銀行に直接行けばその日のうちに口座開設ができるのが普通ですが、スウェーデンでは即日で口座開設を行えるということはほとんどありません。
銀行によってはすぐに予約を取るのが難しく、手続きを行えるのが数週間先になることやも少なくありません。また、銀行に直接出向いても、連絡先を残すだけで銀行側から後日連絡を受けて予約を取ることもあります。
銀行口座は給与の受け取りや家賃の支払いなどに欠かせないものなので、まずは複数の銀行をあたって手続きを早く行えるようにしましょう。
同じ銀行の口座であっても支店によっては予約の混雑状況が異なる場合もあるため、大きな都市で複数の支店がある場合は、別の支店に問い合わせてみるのもひとつの手であるといえるでしょう。
・予約日に銀行にいく
予約を取ることができたら、あとは身分証明を持って予約日時に銀行に行くだけです。手続き自体は決して難しいものではなく、名前や住所、パーソナルナンバーなど基本的な個人情報を用紙に記入していきます。
それらに加え、どの銀行においても、
- 政治活動に関与していないか
- 犯罪歴はないか
- 母国で納税をしているか
- 国外に送金を行う予定があるか
などの質問項目が口座開設の用紙に設けられています。
それらの質問に答え、銀行が情報の確認を行えば手続きは完了です。
・口座開設の手続き後、キャッシュカードが郵送される
スウェーデンではデビットカードが主流のため、デビットカード機能付きのキャッシュカードが1週間ほど後に郵送で手元に届きます。
インターネット上での残高確認や振込などを行うインターネットバンキングが一般的なため、インターネット上での取引時に使うことのできるカードリーダーも銀行から支給されます。
通帳はどの銀行にもないため、残高確認もインターネットバンキング上か、ATMで行うことになります。
インターネット上の取引では、後ほどご紹介するアプリでも本人確認が行えるのですが、アプリを使用しない場合はカードリーダーに自分のキャッシュカード指して操作することで、取引の安全性を高めています。
実際にスウェーデンでの銀行口座を使おう
口座を無事に開設してキャッシュカードが手元に届いたら、ATMでお金をおろしたりデビットカードで買い物をできるようになります。
お金はどこでおろせるの?
現金が必要になった場合は、日本と同じくスウェーデンでもATMを利用します。
ATMが街角にあったり、コンビニエンスストアでいつでもお金をおろすことができる日本に比べるとATMの数は多くないスウェーデンですが、町中であれば銀行やスーパーマーケットの隣や店内にATMが設置されています。
ATMは日本の駅の券売機のような簡素な作りで、機械のある場所にはBankomatという看板がかかっていることが多いので、それを目印に見つけることができます。
ひとつ注意したいのは、街角に設置されているATMのなかには引き出し専用でお金を預けることができないものもあることです。
お金を預ける必要がある場合は、銀行のなかに設置されているATMを使用しましょう。
スウェーデンはキャッシュレス社会
ATMですぐに現金をおろすことはできるものの、スウェーデンではキャッシュレス化が進んでいるため実はデビットカードやクレジットカードさえ持っていれば日常生活で困ることはありません。
お店の入り口にkontantfriと書かれた現金支払い不可の飲食店や洋服などの小売店も増えてきていて、現金よりもカードのほうが利便性が高いと言えます。
また、一緒に食事などに出掛けた際の友人どうしのお金の貸し借りですらキャッシュレス化していて、携帯の電話番号を登録すれば利用可能なアプリ(Swish)を使い金銭のやりとりを行うのが一般的になっています。
お金の流れをスムーズにする携帯アプリ
ここまででご紹介したスウェーデンの銀行口座を管理するためのインターネットバンキングや、キャッシュレスの支払いをより便利にするためにダウンロードしておきたい携帯アプリについて詳しく説明していきましょう。
Mobile BankID
アプリ上にパーソナルナンバーを登録することで、自分がきめた8桁のパスワードを入れるだけでインターネットバンキングでの本人認証ができるのがMobile BankIDです。
また、スウェーデンの銀行のデビットカードを使ってウェブショップで支払いをする場合もこのアプリを通して本人認証が行えます。
スウェーデンの国内の銀行であれば、どの銀行に口座があってもアプリを利用することが可能になっています。
このほかにも、税務局など公共機関のウェブサイトのマイページにログインする際などにもMobile BankIDが必要になることがあるため、スウェーデンで暮らしていくうえで欠かせない携帯アプリであると言えます。
BankID: https://www.bankid.com
Swish
支払う相手のQRコードを読み取ったり、電話番号を入力するだけで送金ができるアプリです。
友人間の送金はもちろんですが、Swishでの支払いが可能な小売店や美容院なども増えてきていて、普段の買い物でも利用できるようになっています。
もしお財布を忘れてしまっても、携帯電話を持っていればある程度の買い物ができるのはとても便利です。
ただしアプリに利用登録をするにはスウェーデン国内の携帯電話番号と銀行口座が必要なので、先にそれらの手続きを済ませるようにして下さい。
こちらのアプリもスウェーデン国内のものであれば、どの銀行の口座を持っていても利用することができます。
Swish: https://www.getswish.se
スウェーデンの銀行事情と利用方法まとめ
キャッシュレス化のスウェーデンでは国内の銀行から引き落としのできるカードや個人認識や携帯端末で支払いを行うアプリなどが生活に欠かせません。
アプリなどはダウンロードした後すぐに使い始めることができますが、銀行口座の開設は日本のようにスムーズにいかないこともあります。
早めに手続きをして、スウェーデンでの生活の基盤づくりを円滑に行っていきましょう。
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