モルディブ共和国の病院事情と受診方法。5つの問題点も補足

モルディブ共和国の病院事情と受診方法。5つの問題点も補足

海外に移住するとなった時に、万が一、病気になったり思わぬけがをしてしまったりした場合はどうすればよいのか気になるところです。

モルディブで病院にかかる場合、どのようにすれば受診できるのか、外国人の多くが利用する病院はどのような所があるのか、また、モルディブが抱える医療の問題点について見ていきましょう。

(2020年時点、COVID-19の影響があり、今後、病院のシステムがどのように変更されていくか現時点では不明ですので、COVID-19以前のシステムで見ていくことにします)

どれくらいの数の病院がモルディブにある?

データが古く2012年のものになってしまいますが、その時点で、

  • 総合病院は首都マーレに2つ(現在はフルマーレの総合病院を含めて3つ)
  • 6つの広域病院
  • 13のアト―ル(環礁)病院
  • 87のヘルスセンター
  • 51のファミリーヘルスセクション
  • 37のヘルスポスト

がモルディブ国内にはあります。

また、リゾート内にクリニックを用意する所も増えてきています(今後、ニューノーマルとして、クリニックは必ず併設することがリゾートを運営する上で必須条件となってくる可能性があります)。

総合病院以外に関しては、一般的な診療のみとなるので、精密検査が必要であったり、治療用の特殊機器が必要であったりする時は、場合によっては広域病院、ほとんどの場合は首都マーレの総合病院を受診する必要が出てきます。

また、日本のように至る所にクリニックがある訳ではないので、マーレ在住の場合は基本的には、気になる症状があれば、直接、総合病院で診療を受けます。

記事執筆時(2020年)で、残念ながら、日本語対応もしくは日本語通訳を用意している病院は、モルディブ国内にはないので、説明に関しては、全て英語でのやり取りとなります。

どうしても言葉に不安がある場合は、専門用語に詳しい日本人の友人を見つけ、一緒についてきてもらい助けてもらうと心強いでしょう。

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マーレ及びフルマーレにある総合病院(これ以降、病院と記します)は以下3つ

①インディラ・ガンディ・メモリアル ホスピタル

Indira Gandhi Memorial Hospital (IGMH)

政府が運営に携わっている病院となります。

モルディブ人で大病を患い、国内で治療できず、海外の提携病院に行く必要がある場合の中継病院にもなります。

②ADK ホスピタル ADK Hospital

Caring about you when you need it most.

個人所有の病院となります。

モルディブに在住する一般的な外国人が利用することが多い病院です。

③リートップ ホスピタル

Hospitals in Maldives | Tree Top Hospital Maldives | Official Site

最新の個人所有の病院となります。

モルディブ国内で最新鋭の設備が用意されていますが、その分、診察料や検査料が他の病院に比べてかなり高いとのことです。

現時点では、富裕層向けの病院であると言えるでしょう。

ある人はレゴランドのような雰囲気と表現した首都マーレの街並み。

人口密度が世界一高い首都であり、モルディブの総合医療施設も含め全ての主要機関が集まっています。

首都マーレの街並み

ある人はレゴランドのような雰囲気と表現した首都マーレの街並み。人口密度が世界一高い首都であり、モルディブの総合医療施設も含め全ての主要機関が集まっています。

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病院受診は予約が必要?また、その際の持ち物は?

病院によりますが、ドクターの少ない科や診察に時間を要する場合に関しては、予約制となっている場合が多いです。

特に、ツリートップホスピタルは完全予約制と言っていいでしょう。

予約方法は、各病院のホームページに記載されている方法で行うことができます。

もし、どの科で見てもらうべきか、どの検査を受けるべきかが明確ではない場合、一般診療として、最初に、ジェネラルコンサルテーションを受けることになります。

その場合は先着順となり、受診料を支払い、順番を待ちます。

病院で受診する場合に必要な持ち物は、IDカード(就労ビザ、配偶者ビザ、パスポートなど)、受診料、受診がカバーされる保険を持っている場合は、その証書が必要となります。

モルディブらしい特殊な病院、ダイバー関連の問題に強いクリニック

少し話はそれますが、モルディブと言えばダイバー憧れの地。

そのため、ダイバーに特化したクリニック(もちろん、そのリゾートに滞在しているゲストやスタッフの一般診療も行います)が、バンドスモルディブ(北マーレ環礁)HOMEPAGE – Top Maldives Destination Bandos Maldivesにあります。

スキューバダイビングを楽しんでいて、万が一、減圧症にかかってしまった、または、その疑いがある場合に再圧チャンバーで治療を受ける必要があるのですが、ここの医師は、再圧チャンバーを操作できる人が半年交代でドイツより派遣されてきます。

また、体験ダイビングをしたい、ダイビングの講習を受けたいという時に記入する自己診断表で気になる事項があった場合、または、医師の診断書を持参していない場合に、電話にて(英語対応が可能)ダイビングをすることが可能かどうかを確認することができます。

尚、再圧チャンバー施設は、他にもクラマッティアイランドリゾート(ラスドゥ環礁) Resort Maldives | Kuramathi Island Resort Official Siteにあります。

できれば、お世話になりたくない施設ですが、スキューバダイバーが多いので、万が一に備えて、どこにあるかを知っているといいのではないでしょうか?

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モルディブの抱える医療に関する問題

地方島が約200島、リゾート島が約140島(国土内には、合計1192の島あるとのことです)あるモルディブですが、様々な面で医療に関する問題、また、現地駐在外国人にとってどのような面が気になる点であるかを見ていきます。

交通手段は、飛行機とボート頼みの島国モルディブ共和国

交通手段は飛行機とボート頼みの島国モルディブ共和国です。

1.国内で治療ができない場合は海外へ

モルディブで大病を患い、高度な手術が必要であったり、特殊な治療が必要になったりした場合は、政府が患者を海外の病院に送り、国外での治療を斡旋します。

看護学科や薬学科はモルディブ国内で学ぶことができますが、医学部に関しては他国に留学する必要があり、まだまだモルディブ人の医師は十分であるとは言えません。

多くの医師は、外国人(主にインドやフィリピン)であり、契約満了後に自国へ帰ってしまい、続けて同じ医師に診療してもらうことが難しい場合もあります。

また、医療設備は整っていても、担当する医師が見つからない場合、その分野の治療を行うことができず、海外での治療を受けるしか方法がないと言うこともあるようです。

地理的な関係から、政府が補助して患者を海外の病院に送る場合は、インドかスリランカの病院に送り、治療や手術を受けることになります。

裕福な人の場合は、自費でシンガポールやマレーシア、タイなどの病院に行き、治療を受けることもあるようです。

ちなみに、モルディブに駐在している日本人の多くは、万が一、体調不良が続くようであれば、日本に帰国して、日本の病院で検査を受けると言います。

2.首都から離れた医療施設は設備が整っていない

地方島には、日本でいう所の診療所が設置されていますが、このような医療施設でできる診察及び治療は、ごく一般的で簡易なことしかできません。

そのために専門医による適切な判断があれば問題になることがなかったような状態が、生命に関わる状態になってしまう場合も少なからずあるようです。

また、必要な薬が薬局に在庫がなく、入荷待ちになってしまう場合もあります。

3.病院への交通手段

地方島の診療所では対応できない場合は、環礁を管轄区とする病院や広域病院、もしくは、首都マーレでの診察及び治療となる訳ですが、その場合の移動が容易ではありません。

モルディブは島々が環礁の上に点々と並んでおり、それぞれが橋でつながっている訳ではありません。

そのため、移動手段はボート、水上飛行機もしくは国内線になってしまいます。

移動手段をアレンジするのにも時間がかかり、病院にたどり着くまでにも時間がかかると言う状態ですので、緊急を要する場合に問題となってきます。

最近起こった話ですが、リゾートで勤務する妊娠中のスタッフが調子が悪いということで、病院に行き、処置をしてもらい大丈夫ということでリゾートに戻ってきました。

しかし、同日の夜に再び出血、病院を再度訪れたら流産していたと言うことが残念ながらありました。

このリゾートから首都マーレまでスピードボートで片道40分、この場合は、残念ながら赤ちゃんは助かりませんでしたが母親の方は無事でした。

しかし、ほとんどの場合、移動するボートは救急艇ではなく、一般のボートのため、船上で何か処置することはできませんので、出血多量になり母子ともに危険と言うこともありえなくはありません。

また、ボートで首都マーレに行くことのできない遠方で勤務している場合、診察の予約を取って、移動手段(水上飛行機)を確保していたにもかかわらず、特別運賃であるために重量オーバーや天候によって、水上飛行機に乗せてもらえず、予約が無駄になってしまったと言うこともあります。

4.薬の規格が日本と異なる

ほとんどの医薬品がインドからの輸入品となっており、日本の医薬品と比べると1錠(カプセル)に含まれる薬剤の量が多い場合があります。

日本の薬を飲み慣れていると1錠の大きさや量に対して服用することに抵抗があるかもしれません。

友人の話ですが、処方してもらった薬のカプセルの色が黒色で大きく、服用する気になれず、日にち薬で治したと言うこともありました。

モルディブに駐在する外国人は、日本人に限らず、自国の使い慣れた医薬品を常備薬として持参していることが多いです。

5.心療内科、精神科の施設がほとんどない

外国人が海外の駐在地で診療内科や精神科に通院することはまれですが、ストレス社会と言われる現代社会で必要性が高まっていると言えるでしょう。

また、イスラム教では自殺はご法度であるにも関わらず、ここ最近、年に数回程度ですが自殺者が出たということを耳にするようになりました。

このようにメンタルヘルスのケアが必要であるにも関わらず、対応する医師やカウンセラーが不足、もしくは、必要性を理解されないために数が増えないという現状にあります。

余談にはなりますが、モルディブ国内にある精神病棟はただ一つ、南マーレ環礁にあるローカルアイランド(K. Guraidhoo)に設置されています。

上記した以外にも様々な問題を抱えているため、残念ながら、モルディブの医療面に関してはまだまだ発展途上の段階にあると言え、できる限り早くこれらの問題を解決していく必要があると言えるでしょう。

モルディブの医療事情まとめ

モルディブは、地理的な条件やローカルの医師がまだまだ少数ということがあり、充実した医療サービスが提供される国であるとは言い難いです。

持病がある人や薬にアレルギーがあり、特定の薬を服用できないなどがあれば、あらかじめ使い慣れている医薬品を日本もしくは普段購入している場所で手に入れておく方がいいでしょう。

また、既に服用中の薬があり、他の薬と併用することができないものがあれば、服用中の薬に関した説明を英語で記入した書面を用意しているといいのではないでしょうか。

「Vitamin Sea」たっぷりで一年中太陽光をしっかり浴びることのできるモルディブで最も重要なこと(どこの国でも同じことだと言えますが)は、病気にならないように健康的な生活を心がけ、怪我をしないように慎重に行動することだと言えるでしょう。

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